著者
高松 祥平 青山 将己 久保 雄一郎 伹尾 哲哉
出版者
一般社団法人 日本体育・スポーツ・健康学会
雑誌
体育学研究 (ISSN:04846710)
巻号頁・発行日
pp.19021, (Released:2019-08-30)
参考文献数
46

We examined the process of development of the first professional female volleyball club in Japan, Victorina Himeji, in relation to its stakeholders. For the purposes of this study, a professional sports club was defined as an organization composed of professional athletes who receive compensations through engagement in sports. We collected qualitative data from websites, papers, books, and archive material. In addition, we conducted a semi-structured interview with Mr. Akira Hashimoto, chief executive of Himeji Victorina. This revealed the involvement of 13 primary stakeholders and 11 secondary stakeholders in Victorina Himeji’s development from its conceptual stage up to the present. Analysis of Victorina Himeji’s organizational development over time revealed 3 phases. Phase 1 was the period from the launch of the club-founding preparatory committee until the establishment of the joint-stock company: Himeji Victorina. During this period, Mr. Masayoshi Manabe, who has been the head Japan women’s volleyball coach until 2016, and interested locals joined together with the idea of creating a professional volleyball team in Himeji city, a period during which Mr. Hashimoto later joined and strengthened the management. Phase 2 was the period following the establishment of Himeji Victorina until its official admission to the V. League. This was the period during which the organization conducted tryouts, scouted and collected players with prospects of strengthening the team, and strengthened the main office staff at the club’s headquarters. In addition, Phase 2 saw the beginning of sponsor recruitment, in addition to strengthening of the top team, along with activities to popularize volleyball and train players through the establishment of the general incorporated association: Victorina Elite Academy. Finally, Phase 3 was the period following the official admission to the V. League until the present. Overall, this study clarified the relationships with stakeholders and engagements as a club, which were both crucial elements in the process of founding this professional sports club and ensuring its growth as an organization.
著者
高松 薫 石井 直方 田中 喜代次 後藤 一成
出版者
流通経済大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

本研究では、有酸素運動の途中に休息を挟みながら間欠的に行う「分割法」による運動が、糖・脂質代謝や体組成に及ぼす影響を検討した。その結果、「分割法」による運動は休息を挟まずに行う「連続法」による運動に比較して、脂質代謝の亢進に対する効果が大きいこと、食後における血中グルコース濃度の調節に有効であること、長期のトレーニングに伴う体脂肪量の減少や体力の改善に対する効果の大きいことが明らかになった。
著者
高松 賢司 平松 佑一 藤田 暢一 木瀬 憲司 荒木 和子 宮井 一郎
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.37, no.2, pp.153-157, 2022 (Released:2022-04-20)
参考文献数
15
被引用文献数
1

〔目的〕回復期リハビリテーション病棟を退院した後の在宅生活におけるFunctional Independence Measure(FIM)運動下位項目の経時的変化を明らかにする.〔対象と方法〕対象は,退院直後から訪問リハビリを開始した41名の脳卒中患者とした.診療録から抽出したFIM運動項目合計と,その下位項目の点数を各時期(退院時,退院直後,退院後3ヵ月)で比較した.〔結果〕退院直後は排泄(排便)が向上,移動(歩行)が低下した.退院後3ヵ月はセルフケア(食事,清拭,更衣下半身,トイレ動作),排泄(排尿,排便),移乗(ベッド,トイレ,浴槽),移動(階段)が向上したが,整容,更衣上半身,歩行は変化しなかった.〔結語〕退院後3ヵ月におけるFIM運動下位項目の変化は,生活段階で異なることが示唆された.
著者
細井 淳 高松 光生 久保田 基成 牛山 智彦 新井 利直 酒井 長雄 吉田 清志 矢ケ崎 和弘
出版者
北陸作物・育種学会
雑誌
北陸作物学会報 (ISSN:03888061)
巻号頁・発行日
vol.53, pp.9-11, 2018 (Released:2018-06-04)
参考文献数
3

「美山錦」に換わりうる品種として,酒造好適米品種「山恵錦:さんけいにしき」を育成した.この品種は,「美山錦」よりも耐倒伏性に優れ,多収である.耐冷性といもち病抵抗性に優れる.心白発現率が高く,とう精時の砕米率が低い.麹製造適性に優れ,製麹時のアミノ酸生成量が少ない.清酒の官能評価では,バランスが良く味巾があり,なめらかさがある.
著者
時吉 直祐 諌武 稔 高松 敬三
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.33 Suppl. No.2 (第41回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.C0450, 2006 (Released:2006-04-29)

【目的】膝OAを有する患者の多くは痛みの寛解を期待し通院治療を受けている。しかし、その通院時の歩行動作自体もまた膝関節への負担を強いられるものではないだろうか。大腿脛骨関節では平地歩行時に体重の約3倍、階段昇降時に体重の約4~5倍の応力が、膝蓋大腿関節では平地歩行時に体重の約0.5倍、階段昇降時に体重の約3.5倍の圧迫応力が加わるという報告もある。そこで変形性膝関節症(以下膝OA)を有する患者の外来通院時における歩行動作が膝関節に及ぼす影響とホームエクササイズ適応の可否を検証した。【方法】膝OAと診断され外来通院している患者22名(男性4名6膝、女性18名26膝、平均年齢74.4±12.4歳)を対象として、通院手段、通院における立位・歩行に要する時間、通院における段差昇降回数、ホームエクササイズ実施の有無、ということと日常生活における痛みの程度、病院(リハビリ室)到着直後の痛みの程度、理学療法治療直後の痛みの程度を調査した。評価はVisual Analog Scale(以下VAS)と日本整形外科学会OA膝治療成績判定基準(JOAスコア)にて行い、統計処理にはスピアマンの順位相関係数を用い相関の検定を行った。【結果】日常生活における痛みの程度と病院到着後の痛みの程度に著明な有意差は認められなかった。また、病院到着後の痛みの程度と通院における立位・歩行に要する時間及び段差昇降回数においての相関は相関なしとなった。病院到着後の痛みの程度と理学療法実施直後の痛みの程度においてVASでは痛み幅平均46%の減少を見せ、ホームエクササイズをしている群では理学療法治療直後の痛みの程度において正の相関がみられ、また治療効果の持続時間が長い傾向もみられた。【考察及びまとめ】当初通院による歩行動作自体が膝関節に負担を与えているのではないかと考えたが、痛みという観点からみた場合今回の調査では通院における歩行動作が膝OAを増悪させるという事には結び付かなかった。これは膝OA患者が通院においても膝関節への負担を増強させないための通院手段をとっていた事、また無理な段差昇降は避けるなど患者自身が膝関節への負担を考え行動していた事などが要因であるのではないかと考えられる。しかし帰宅後痛みが再現しているのも事実であり通院による歩行動作以外に膝関節への負担になる要素が日常生活においてあるのではないかと考えられる。こうした中、ホームエクササイズを行っている患者群が理学療法実施後の痛みの寛解に良い成績を残し、さらに治療効果の持続性にも有効であるという事を示唆する結果となった。したがって今回の調査において良好な成績を得たホームエクササイズ適応の可否を判断しながら膝OAの増悪防止に努めるとともに今回の分析で明らかにできなかった視点からの通院時における歩行動作が膝関節に及ぼす影響を更に追及し今後のアプローチに役立てていきたい。
著者
尹 聖鎮 田内 健二 高松 薫
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
体育学研究 (ISSN:04846710)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.15-25, 2003-01-10 (Released:2017-09-27)

本研究の目的は,傾斜面でのリバウンドドロップジャンプにおける腓腹筋-アキレス腱複合体の神経筋活動を、跳躍トレーニング経験の相違に着目して検討することであった。9名の競技者および健常者に、30cmの台高からのリバウンド型ドロップジャンプ(RDJ30)を行わせた。着地面の傾斜角度は、上向き斜面8度(U8)、平地面(L)およぴ下向き斜面8度(D8)の3種類であった。その結果、競技者においては、上向き斜面での試技は下向き斜面および平地面と比較して、伸張局面における腓腹筋-アキレス腱複合体の長さ変化に対する踏切中点のアキレス腱張力の比(ATF_<MID>/L_<MTC>)、および腓腹筋-アキレス腱複合体の平均仲張速度(V_<MTC>)は大きいことが認められた。これに対して、健常者においては、上向き斜面および下向き斜面での試技は平地面と比較して、ATF_<MID>/L_<MTC>およびV_<MTC>が低いことが認められた。また、競技者は健常者と比較して、ATF_<MID>/L_<MTC>およびV_<MTC>は,いずれの傾斜面においても大きいことが認められた。上述の結果は、プライオメトリックス手段の一つとして傾斜而でのRDJを用いる際には、傾斜方向や跳躍トレーニング経験の相違によってMTCにかかる負荷特性が異なることを考慮する必要があることを示唆するものである
著者
尹 聖鎮 大山卞 圭吾 岡田 英孝 高松 薫
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
体育学研究 (ISSN:04846710)
巻号頁・発行日
vol.44, no.6, pp.510-521, 1999-11-10 (Released:2017-09-27)
被引用文献数
2

A study was conducted to investigate the effect of gastrocnemius muscle stiffness on achilles tendon force in rebound jumps on slanted contact surfaces. Five trained college jumpers and throwers, and six active males executed five continuous repetition rebound jumps under three surface gradient conditions. The surface gradients were 8 degrees uphill type (U8), 8 degrees downhill type (D8), and level type (L) conditions. Force plate and limb position data were recorded simultaneously during all jumps. The changes in length of the achilles tendon (L_<AT>), m. gastrocnemius (L_<GAS>) and gastrocnemius muscle-achilles tendon complex (L_<MTC>) during the eccentric phase were calculated according to the mode1 of Voigt et al. (1995) and Grieve et al. (1978). The main results were as follows; 1. Jumping height in U8 and L was higher than in D8. There was also a tendency for a higher achilles tendon force at the midpoint (ATF_<MID>) in U8. On the other hand, in U8 and D8, L_<MTC> was lower, and L_<AT>/L_<GAS> was higher than in L. 2. There was significant positive correlations between the ground reaction force at the midpoint (GRF_<MID>) and jumping height, and ATF_<MID> and jumping height in U8, D8 and L. 3. There were significant positive correlations between GRF_<MID> and ATF_<MID>, and L_<AT>/L_<GAS> and ATF_<MID> in U8 and L. However, L_lt:MTC> and ATF_<MID> showed a significant negative correlation. These results indicate that the stretch length of the gastrocnemius muscle-achilles tendon complex is lower, and ATF_<MID> higher under uphill-type conditions than under level conditions because L_<AT/L_<GAS> becomes higher as gastrocnemius muscle stiffness increases.
著者
渡部 雅之 高松 みどり
出版者
一般社団法人 日本発達心理学会
雑誌
発達心理学研究 (ISSN:09159029)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.111-120, 2014 (Released:2016-06-20)
参考文献数
45

空間的視点取得は,他視点への仮想的な自己身体の移動と,それ以外に必要とされる認知的情報処理の2つの過程から構成される。多くの先行研究では,これらの過程を適切に分離できておらず,使用された実験課題によって互いに矛盾する結果が得られることも多かった。特に,空間的視点取得の本質と目される仮想的身体移動がどのように発達するのかについては,今日でも十分には解明されていない。本研究では,両過程を分離して捉えるために,反応時間と視点の移動距離との間に成立する一次関数関係を利用した手法を考案した。さらに,子ども達にも容易に理解できるように,この手法を組み込んだビデオゲーム形式の課題を作成した。3–4歳群,5歳群,6歳群,13歳群,21歳群の各群20名ずつ,合計100名が課題を行った。仮想的身体移動過程もしくはそれ以外の認知的情報処理過程のみを意味する各1種類の指標と,両過程を含む従来型の反応時間と正答数との,合計4種類の指標が分析に用いられた。その結果,仮想的身体移動に関わる能力が思春期以降に発達すること,それ以外の認知的情報処理に関わる能力は児童期後期から思春期頃に大きく伸張することが示された。これらを踏まえて,仮想的身体移動の発達研究の重要性を,身体性や実行機能の観点から考察した。