著者
高橋 斉 玉木 啓文 佐藤 宏樹 澤田 康文
出版者
Japanese Society of Drug Informatics
雑誌
医薬品情報学 (ISSN:13451464)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.43-49, 2017 (Released:2017-09-07)
参考文献数
6

Objective: Generic drugs similar in appearance to their brand-name counterparts have both advantages and disadvantages.  This study aimed to investigate patient preferences regarding the appearance of generic drugs.Design: A cross-sectional survey.Methods: We conducted a web-based survey between 2013 and 2014.  Patients aged ≥40 years who reported taking prescription drugs for >6 months were asked to provide their opinions on the appearance of generic drug formulations and press-through packages (PTPs).  Medical doctors and pharmacists were asked as to what type of appearance of generic drugs would be suitable as well as whether the appearance of these drugs and PTPs should be similar to that of their brand-name counterparts.Results: A total of 911 patients, 238 pharmacists, and 81 medical doctors responded to the survey.  Most of the patients (45.3%) surveyed reported that the similarity in the appearance of generic drug formulations and PTPs to those of their brand-name counterparts was not important, whereas only 15.6% of patients preferred generic drug formulations and PTPs similar in appearance to their brand-name counterparts.  In contrast, most of the medical doctors (53.1%) and pharmacists (88.2%) reported that the appearance of generic drug formulations and PTPs should be similar to that of their brand-name counterparts.Conclusion: Patients’ opinions on the appearance of generic drugs differ from what medical doctors and pharmacists perceive them to be.  Therefore, health care professionals should select generic drugs with an appearance as per the individual patient’s preference.
著者
高橋 安澄
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.59, no.11, pp.732-742, 2017-02-01 (Released:2017-02-01)
参考文献数
3
被引用文献数
1

TRC MARCは日本の8割強の公共図書館で利用されている書誌データベースである。1982年に提供を開始して以来,図書館業務の効率化に役立ち,図書館利用者の多様な検索ニーズに応えるツールとなることを目指して,内容の拡充と提供スピードの迅速化を図ってきた。本稿では,TRC MARC独自の入力項目を中心に,その内容および特色について述べる。併せて新刊図書MARCの作成工程についても紹介する。
著者
高橋 美保子 仁科 基子 太田 晶子
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.61, no.1, pp.16-29, 2014 (Released:2014-02-26)
参考文献数
56

目的 我が国における社会的要因による出生日選好傾向の現状を概観する目的で,日別出生数の現状を記述した。方法 1981~2010年の人口動態統計から,病院,診療所,および助産所における生年月日別出生数(日別出生数)を得た。出生場所別に,その月の 1 日平均出生数に対する日別出生数の比(日別出生数比)を求め,同年の七曜別の平均を求めて観察した。七曜別に日別出生数比の95%範囲を求めて観察値と比較した。統計学的に有意であったいくつかの特殊日の日別出生数比について,同年の当該期間(年始の 3 日間等)の平均を求めて観察した。七曜別に日別出生数比の標準化偏差を求めて,出生変動の大きさを検討した。結果 病院,診療所について,七曜別平均出生数比は火曜に最高,日曜に最低であった。病院では平日と土曜日曜の出生格差が著しく大きく,それが顕著化傾向にあった。診療所では平日と土曜の出生格差は比較的小さかった。年始(三が日)の平均出生数比は日曜より低値であった。1990年代中頃まで,閏日と 4 月 1 日(早生まれ)の標準化偏差は,病院が−3.0~−8.3,診療所が−5.5~−13.9と異常に低く,3 月 1 日と 4 月 2 日(遅生まれ)のそれは概ね有意に高かった。その後,日曜の閏日,日曜の 4 月 1 日,および 3 月 1 日と 4 月 2 日に有意な出生変動はほとんどみられなくなった。助産所においても,1980年代まで,あるいは1990年代中頃まで,同様の出生変動が認められた。結論 病院と診療所の七曜別出生変動の相違は,診療日の全国的な傾向の相違によって解釈が可能であった。医療施設側の診療体制の他,遅生まれ選好等の母側の要望を考慮した産科的医療介入による出生日調整•出生日操作の可能性が示唆された。1990年代中頃までの閏日と 4 月 1 日の著しい出生変動は,産科的医療介入だけでは説明が難しく,虚偽の届出による出生日操作の可能性も考えられる。1990年代中頃以降の日別出生数の分布は,出生日操作の多くが特定日の産科的医療介入を避けたものであった可能性を示唆した。助産所でも1990年頃まで,医療施設側,母側の社会的要因による出生日操作が行われていた可能性が示唆された。
著者
横尾 慶紀 北田 順也 錦織 博貴 山田 裕一 藤井 偉 猪股 慎一郎 工藤 和実 千葉 弘文 白鳥 正典 山田 玄 高橋 弘毅
出版者
日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会
雑誌
日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会雑誌 (ISSN:18831273)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.133-137, 2013-10-01 (Released:2014-11-10)
参考文献数
14

症例は54歳,男性.湿性咳嗽,血痰,労作時呼吸困難が出現し,健康診断で胸部X線写真上すりガラス影を指摘され近医を受診した.胸部CTで両側上肺優位に肺野濃度上昇を認めたため,精査目的で当院に入院となった.問診により,幼少時から自宅でレース鳩を飼育していることが判明し,鳥関連過敏性肺炎を疑った.気管支肺胞洗浄ではリンパ球の増加とCD4/8比の低下を認め,経気管支肺生検ではリンパ球浸潤を主体とする胞隔炎を認めた.また,患者が飼育している鳩血清および鳩糞と患者血清との間で行った沈降抗体反応は陽性であった.原因抗原からの隔離により肺病変が改善し,レース鳩を処分したのちに行った飼育小屋での環境誘発試験は陽性であった.以上からレース鳩飼育により急性発症した鳥関連過敏性肺炎と診断した.一般に本症は画像で線維化像を示す慢性型の場合が多い.本症例では,鳩の飼育数の増加によって抗原暴露量が著しく増加したことが急性型の発症を呈した原因と考えられた.
著者
高橋 雅弘 越前 宏俊
出版者
日本アプライド・セラピューティクス(実践薬物治療)学会
雑誌
アプライド・セラピューティクス (ISSN:18844278)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.13-27, 2020 (Released:2020-09-03)
参考文献数
26

薬剤師による症例報告は、薬物治療の適切性をEBMの考え方に基づいて評価することで、適正な薬物治療の実践へ貢献することが求められる。薬剤師による患者ケアプロセスはCollect、Assess、Plan、Implement、Follow-upの5ステップから成るが、症例報告ではこれらのうちCollect、Assess、Planのステップが取り上げられる。薬剤師の症例報告では、個々の患者が有する医学的問題点と薬物に関連した問題点を特定するための患者背景情報の収集が最初のステップになり、引き続いて、収集した情報に基づいて患者が抱える問題点のリストアップと介入の優先順位づけが行われる。その後、優先度の高い問題点から順に、薬学的な視点に基づく詳細な評価を行う。薬剤師による問題点の評価は、薬物の適応症(indication)、有効性(effectiveness)、安全性(safety)、アドヒアランス(adherence)の4つの側面(IESA)から段階的に実施することが推奨されている。問題点の評価が完了したら、評価内容に基づいて患者に最も推奨する薬物治療計画を立案する。薬剤師は、薬物治療の専門家としての科学的な考察を十分に発揮した症例報告を通じて、目前の患者にとって最適な薬物治療を提案し、そして実践することが求められる。
著者
高橋 俊也 渡辺 菊眞 布野 修司
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.74, no.637, pp.635-641, 2009-03-30 (Released:2009-11-24)
参考文献数
16
被引用文献数
1

The purpose of this study is to consider the spatial quality of the environment around cemeteries in Kyoto based on the analysis of the transformation process of urban space on Rendaino area. Since the ancient times, ‘Rendaino’ which located in the urban periphery had been a funeral area on the hillside of Mt.Hidaridaimonji. Rendaino area was very different from the inner urban area of Kyoto in terms of spatial and cultural quality, but those two areas have long been interrelated with each other. Rendaino area, where many cemeteries, ancient tumbs, shrines and temples are located in had been greatly changed with the process of so-called modernization from Meiji Restoration. This paper clarifies the changing process of land uses of Rendaino area based on the field survey. This paper concludes that the environmental changes around cemeteries, ancient tumb, shrines and temples brought the deterioration of spatial quality of Rendaino area.
著者
大河内 浩人 松本 明生 桑原 正修 柴崎 全弘 高橋 美保
出版者
大阪教育大学
雑誌
大阪教育大学紀要 4 教育科学 (ISSN:03893472)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.115-123, 2006-02

報酬は報酬が与えられた行動に対する内発的動機づけを低めるので,報酬を用いた教育は避けるべきである,という考えが,小,中学校の教師や,教職志望の学生の間で広まっているようである。しかしながら,これまでの研究は,内発的動機づけに及ぼす報酬の有害効果は,極めて限定された条件下でしか生じないことを明らかにしている。本稿ではその代表的研究を紹介した上で,いくつかの条件が満たされたとき,報酬は,その報酬が与えられた行動への内発的動機づけを低めるが,かなり特殊な状況でなければ,実際の教育場面でこれらの前提条件が満たされることはないと結論した。
著者
高橋 義明
出版者
行動経済学会
雑誌
行動経済学 (ISSN:21853568)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.95-98, 2017 (Released:2017-06-01)
参考文献数
15

高齢化等とともに日本の国民医療費は増加を続けている(2013年40兆円).うち薬剤費が医療費の22%を占めており,政府は医療費節減の柱としてジェネリック医薬品(GE)のシェアをなるべく早い時期に80%以上とする目標を掲げた.目標達成のために品質等に関する信頼性向上,情報提供の充実などを進めるが,目標は達成できるのであろうか.本研究では全国25~44歳の男女に対して行った経済実験(n=4,589)から,処方箋のデフォルトを新薬またはGEにした場合のそれぞれのGEの選択率を算出した.また,情報提供の方策として差額通知があるが,差額を通知した場合に選択率に有意な差が生まれるかを検証した.その結果,処方箋のデフォルトをGEとした場合(GEの原則化)は政府目標を達成できることが明らかになった.GEの原則化には予算措置等の追加費用がほとんどかからず,2兆円前後の削減効果が見込まれ,費用対効果も大きい.一方,差額通知は差額が大きい場合にはGEシェア引き上げ効果があるが,GEの原則化をしない場合には政府目標に届かないことが予想された.今後は一人当たり医療費が多い高齢者を対象とした研究などが必要である.
著者
冨澤 輝樹 木島 隆 二見 邦彦 高橋 清孝 岡本 信明
出版者
一般社団法人 日本魚類学会
雑誌
魚類学雑誌 (ISSN:00215090)
巻号頁・発行日
vol.62, no.1, pp.51-57, 2015-04-25 (Released:2017-08-10)
参考文献数
28

A genetic analysis of wild-caught tetsugyo from Yutori-numa Pond, Miyagi Prefecture, a long-finned fish of uncertain origin designated as a National Natural Monument in Japan, demonstrated that some specimens were hybrids of goldfish (Carassius auratus) and crucian carp (genus Carassius). Phylogenetic analysis of sequences from part of the D-loop region of mitochondrial and nuclear DNA of 87 Yutori-numa tetsugyo indicated that 66 belonged to the goldfish group and 21 to the Japanese crucian carp group, subsequent PCR-RFLP analysis of c-myc gene revealing three different restriction fragment digest profiles, 21 and 60 specimens possessing goldfish or Japanese crucian carp genes, respectively, and the remaining 6, both genes, indicating their hybrid origin.