著者
西堀 すき江 小濱 絵美 加藤 治美 伊藤 正江 筒井 和美 野田 雅子 五道 紗世 廣瀬 朋香 羽根 千佳 小出 あつみ 山内 知子 間宮 貴代子 松本 貴志子 森山 三千江 山本 淳子 近藤 みゆき 石井 貴子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.32, 2021

<p>【目的】愛知県は温暖な気候で、多くの河川が走り、濃尾平野、岡崎平野、豊川平野が広がり、肥沃な農地に恵まれている。また、伊勢湾に面し、漁業や海運業が発達している。山には良質な檜や杉が育ち、豊かな土地柄である。この地は長く政治の中心であった京に近く、織田信長・豊臣秀吉・徳川家康など天下統一を目指した戦国武将が生まれた土地である。江戸時代には、名古屋(尾張)に御三家筆頭で東海に君臨した尾張徳川家の居城があり、岡崎(三河)は徳川家康誕生の地で、東海道の要衝として繁栄した。また、県内を横切る東海道沿いには、参勤交代の大名や旅人が利用する宿場が9か所あり、それぞれの名物や土産物が作られ、商業が盛んであった。このような地の利と長年の風習が、今の「派手好き」「倹約家」などの県民性を生み出した。日常的には質素倹約を旨とし、堅実家で余計なものにお金を使わず、貯金をする傾向があるが、婚礼などの行事には、思いっきりお金をかけて嫁入り支度をし、派手な宴を開く習わしがあった。</p><p>【方法】県内を7地区に分け、聞き書き調査を平成24〜25年に、料理撮影を平成27〜28年に行った。聞き書き調査対象者は各地区に長年暮らし,その地域の家庭料理を伝承している人とした。料理作成は各地区で郷土の家庭料理の保存活動を行っている団体・個人等に協力をお願いした。</p><p>【結果】今回は、一世一代の派手な婚礼などに伴う行事食ではなく、質素ながら、地元でとれる豊かな食材を生かした、季節や人生の節目を祝うハレの日の行事食について収録した。</p>
著者
西脇 泰子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.28, 2016

<br><br>【目的】日本各地域には自然環境の中から育まれた食材を中心とした日常食または行事食がある。しかし現代は地域の伝統的な料理が親から子へ伝承されにくい傾向にある。そこで1960年〜1970年頃までに定着してきた岐阜県中濃地域の郷土料理とその暮らしの背景を明らかにするために聞き書き調査を実施した。<br><br>【方法】日本調理科学会「次世代に伝え次ぐ日本の家庭料理」聞き書き調査に参画し、中濃地域の岐阜県郡上市(北部)、美濃市(中央部)、加茂郡川辺町(南部)を調査した。対象者はその地で30年以上居住した60歳代~80歳代の女性4名であり、家庭の食事作りに携わってきた人である。<br><br>【結果】郡上市では、雑穀を主とした米食で野菜や芋を中心に、「味噌煮」や「桑の木ささげの煮物」などを食した。田植え時は「朴葉寿司」が作られた。「鶏ちゃん」は各家庭で味付けが工夫され、現在は土産物になっている。夏は長良川で釣った鮎、冬は山で獲れる鹿、熊、猪の料理も食された。美濃市では、家庭で打ったうどんを「煮込みうどん」で、「だつ(里芋の茎)」料理や、「ひきずり」(鶏のすきやき)を食された。主食は、塩秋刀魚の「秋刀魚飯」、「へぼ(蜂)の炊き込みご飯」、「茶飯」と味ご飯が多い。川辺町では、米の少ない時は麦飯、山の素材(山菜・へぼなど)を多く食した。中濃地域は寒い土地柄のため保存食作りが盛んである。大根の切り干しやさきぼし、赤だつの乾燥、干し柿、漬物(大根・白菜・きのこ)などの保存食を日常食に取り入れ再調理していた。正月には「ねずし」、大根なますを作り、川魚も甘露煮、一夜干しにする。伝え継ぎたい家庭料理は、朴葉ずし、ねずし、鶏ちゃん、だつ料理、ひきずり、秋刀魚飯、茶飯、年越しのおかず、昆虫食などである。<br><br>
著者
時友 裕紀子 阿部 芳子 柘植 光代 松本 美鈴 坂口 奈央
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.30, 2018

【目的】山梨県の家庭で食べられてきた主菜について、魚料理を中心に、地域による特徴をまとめた。<br>【方法】「次世代に伝え継ぐ家庭料理」のガイドラインに沿い、山梨県の生活環境と家庭料理について平成25~27年に行った聞き書き調査を中心にまとめた。峡北(北杜市)、峡中(甲斐市)、峡西(南アルプス市)、峡東(山梨市)、峡南(南部町)、東部(上野原市)、富士五湖・富士山麓(山中湖村)を調査対象地とした。<br>【結果】山梨県では、富士川水系(笛吹川、荒川、塩川、早川など)や相模川水系(桂川、笹子川など)、多摩川水系、富士山の裾野の山中湖、河口湖、西湖、精進湖、本栖湖(富士五湖)などの河川、湖沼、および水田や用水路から得られた淡水魚介類が食べられてきた。あゆ、やまめ、にじます、ひめます、うなぎ、こい、ふな、どじょう、わかさぎ、たにしなどが挙げられる。<br> 山中湖ではわかさぎ漁が盛んであり、わかさぎの素揚げの甘酢漬け、佃煮、てんぷら、から揚げ、塩焼きなど多様な料理があった。南アルプス市の甲西町ではふなやこいの甘露煮、どじょうの卵とじを食べた。富士川流域の南部町では、富士川とその支流で漁獲されたうなぎの蒲焼、やまめやあゆの塩焼き、もくずがにの塩ゆでまたはみそ汁が食べられていた。<br> 海産魚介類はいわし、さんま、身欠きにしん、するめなどを主な食材としてきた。米の収穫が終わった頃に、新米にさんまとしょうゆ、酒を入れて炊く「さんま飯」は、主食ではあるが、峡北地域の特徴的な魚料理である。山梨市の家庭ではほっけ、ますの焼き魚が日常の料理であった。現在甲府市で購入量の多いまぐろは昭和30年代から食べられていて、上野原市の市街地では生まぐろのブツ切りをよく食べていた。
著者
佐藤 幸子 小築 康弘 北岡 千佳 梅澤 未来 高梨 萌 渡邉 綾香
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.22, pp.142, 2010

【<B>目的</B>】食べ物は「単なる商品」として、多くの人々に認識されているとも言え、食品の由来や食の風土・文化的価値に対する理解は希薄であると言っても過言ではないだろう。そこで、我々は、風土と文化を反映する料理の味覚体験を中心に据えた食教育の役割が重要であるとの考えに至った。本報告では、東京湾を魚場とする食産業の中心地である港区芝地区における「江戸前寿司」について、港区芝の寿司職人さんと連携し、体験型調理実習を実施し、地域密着の食文化的視点を取り入れた食教育プログラムを遂行した。更に、新たな食教育の方法として、USTREAMを利用したライブ映像を発信し、その可能性について検討した。<BR>【<B>方法</B>】本学食物栄養科専門科目として「食育演習」(通年,2単位)を新設し、その一講座として「江戸庶民の食文化―握り寿司」を開講した。対象は短大1・2年生30名とした。講座内容は、(1)歴史資料から見た芝地区の漁業についての講義、(2)寿司職人さんによる講義および実演、(3)調理実習、(4)味覚体験「学生による寿司と職人さんによる寿司の比較」を実施した。実習内容は、握り寿司として四種、巻物としてかっぱ巻きとし、食材は、現役漁師の丸氏が東京湾で捕獲した魚類と寿司職人さんが仕入れたものを使用した。講座後、学生に対する意識調査を行い、かわら版の作成と提出を義務づけた。また、講座をUSTREAMを利用したライブ動画発信を行い(アカウント名foodtoitan)、Twitterを利用した教員の解説コメントを同時発信した(アカウント名foodtoitan)。<BR>【<B>結果</B>】意識調査より、食文化・食材・調理・味覚教育を総合的に企画した体験型調理実習は、食と生命の基本的価値を学ぶ食教育として有効であると考えられる。さらに、今回の活動により、食教育に地域の専門家が参加することは有効な手段である可能性を見いだした。今後、継続的な地域組織との食教育プログラムを検討するとともに、USTREAMによる動画発信は、食教育推進の有望な手段である可能性が高いことから、大いなる活用を検討していきたい。
著者
松島 文子 板倉 一枝 横山 弥枝 石川 行弘
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.18, pp.156, 2006

【目的】鳥取県のカニ類の平成17年度漁獲量は6,800tで全国1位を誇り、全国シェアの約20%を占める。カニの1世帯当たり年間購入量は鳥取市で全国平均の約6倍の6,141g(16年度)であり、カニ消費量は全国1位である。今回、日本調理科学会特別研究_-_魚介類の調査_-_より鳥取県におけるカニの調理実態を明らかにすることを目的とし、カニの種類、入手方法、料理出現率、調理方法、日常食・行事食への利用などを中心に検討した。<BR>【方法】調査地域として日本海沿岸地域の県東部岩美町、県中部赤碕町、県西部境港市および県東部山間地域の智頭町の4地域を選定した。平成15年11月から平成16年4月にかけて、総数63世帯の30歳代から70歳代の調理担当者を対象に、日常食・行事食に用いる魚介類について、その摂食状況をアンケートならびに聞き取りにより調査した。<BR>【結果】鳥取県で食されるカニは、ズワイガニ(松葉ガニ、親ガニ、若松葉の総称)、ガザミ(ワタリガニ)などが主であった。入手方法は「購入」が約60%を占め、「自給・その他」が20%程度認められた。出現率の高い料理としては「ゆでガニ」「カニ汁」「カニすき」「カニ飯」などがあり、これらは全調査地域に共通して認められた。調理法については、岩美町、境港市では「ゆで物」が全料理件数の30%から50%と高く、「ゆで物」の他にも様々な調理法が用いられていた。年代別にみると40、50、60歳代は調理法の幅が広いのに対し、30、70歳代では調理法の限定化傾向が認められた。正月・冠婚葬祭などの行事食における利用は少なく、親ガニのみそ汁・鍋物・ご飯物など日常食として約90%が利用されており、秋季から冬季の味覚として県民に親しまれていることが確認された。
著者
堀口 恵子 神戸 美恵子 阿部 雅子 高橋 雅子 永井 由美子 綾部 園子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.26, 2014

【目的】群馬県は日本の中央部に位置し、かつては養蚕業が盛んであったが、現在では兼業農家が多く、首都圏向けの農業物を生産している。この度、日本調理科学会特別研究『次世代に伝え継ぐ 日本の家庭料理』に参加し、群馬県内5地域で調査を行ったので報告する。<br>【方法】平成25年10月~26年2月に群馬県内の5地域において、各地域2名以上(60歳~80歳代、居住年数40年以上)の調査対象者に対して面接調査を行った。面接は特別研究の方法に従い、調査の同意を得た上で、調査票に沿って対話したものを記録した。<br>【結果】群馬県内全体では、昭和30年代までは現金収入としては、養蚕、水稲、麦、豆が中心であり、日常の食では、飯には押し麦を混ぜ、1日1食はうどん、おきりこみやすいとんなどの小麦粉を使った料理を食していた。内陸県のため、魚は行商から購入した干魚や缶詰、川魚を食した。野菜の煮しめ、けんちん汁、お焼き、きんぴら、まんじゅうも共通する料理である。ハレの食としては、北部のみなかみ町では、赤飯、うどん、そば、草餅のあんぴん、ぼたもち、まんじゅう、山菜の天ぷら、野菜の煮しめ、車麩の煮物、切り昆布の煮物など、赤城町では、餅、煮しめ、きんぴらなど、群馬町では、ザクニや天ぷら、赤飯、ふかしまんじゅうなど、中央部の前橋市田口では煮物、寿司、けんちん汁、ぼたもちなど、南部の太田市では、赤飯、けんちん汁、巻きずし、煮物などがあった。現在、みなかみ町や赤城町には農業環境と観光とを連携したが施設あり、地域の農産物を直売するとともに、そば打ちやこんにゃくつくりなどを体験でき、地域の家庭料理を伝える場ともなっている。
著者
堀口 恵子 神戸 美恵子 永井 由美子 阿部 雅子 高橋 雅子 渡邊 静 綾部 園子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.32, 2021

<p>【目的】日本調理科学会平成24〜26年度特別研究で、群馬県各地域の家庭料理について、次世代へ伝え継ぐ資料として聞き書き調査を行い報告した。その後の追加調査や刊行資料調査も含め、群馬県の家庭料理 行事食の特徴について報告する。</p><p>【方法】平成 25 年 10 月〜27 年 2 月に群馬県内の8地域において,特別研究の方法に従い,各地域 2 名以上の調査対象者に対して同意を得た上で,調査票に沿って対話したものを記録し,その後の追加調査の結果も加えた。</p><p>【結果】群馬の行事食では、赤飯ときんぴらの組み合わせやけんちん汁の頻度が高い。赤飯にはもち米だけでなくキビやアワ加えることもあり、豆は小豆、ささげ、いんげん豆、花豆などを用いて色をつける。小麦の産地なので、日常食として手打ちうどんやそばを食するが、行事食としても供される。また、蒸かし饅頭も行事の折(田植え、農休み、七夕、釜の口開けなど)に作る。焼き饅頭は、初詣、初市、地域の祭りなどでは必ず屋台がたつ。代表的な年中行事の行事食は、正月(雑煮、きんぴら、なます、煮物、煮豆)、七草(七草がゆ)、小正月(小豆粥)、どんど焼き(まゆ飾り、餅花)、節分(しもつかれ、ざく煮、福豆、いわし)、ひな祭り(ちらしずし、菱餅、草餅、きんぴら)、お彼岸(ぼたもち、おはぎ、天ぷら)、端午の節句(柏餅、鯛の塩焼き、赤飯)、田植え(おにぎり、田植えにしん)、お盆(煮しめ、うどん、天ぷら、きんぴら)、十日夜(けんちん汁、もつ煮、だんご)、えびす講(ざく煮)、屋敷祭り(けんちん汁、いわし)、冬至(かぼちゃの煮物、おっきりこみ)、年越し(晦日そば、きんぴら、年越しそば)など,通過儀礼では初誕生(一升餅),結婚式(太巻き、ざく煮)などがある。</p>
著者
齋藤 寛子 平尾 和子 佐藤 恵美子 宮地 洋子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.32, 2021

<p>【目的】山形県は三世代同居率が国内で最も高く(厚労省 平成30年報告)、生産年齢人口の有業率が女性は84.9%で全国2位(総務省 平成29年就業構造基本調査)である。そのため共働きが多く、食事作り担当者は祖父母という家庭も示唆され、地域や家庭における行事食が伝承されやすいと推察される。本報告では山形県内の4つの地方(庄内、最上、村山、置賜)に伝わる行事や食がどのように伝承されているかを検討した。</p><p>【方法】日本調理科学会特別研究「次世代に伝え継ぐ 日本の家庭料理」で行った聞き書き調査、山形県の郷土料理に関する出版物および継続中の調査結果から、特徴的な行事と料理並びに食文化の背景について分析した。</p><p>【結果】山形県は4つの地方毎に伝承された行事や食があり、年中行事では年越し、正月、農作業に関する四季の行事など、また通過儀礼では冠婚葬祭のしきたりに関わる料理が伝わっている。正月の雑煮に入れる餅は県内でも地方によって異なり、最上・村山・置賜地方は四角の焼いた餅、海に面した庄内地方は丸餅を焼かずに用いるが、丸い形は北前船の影響があると考えられる。また、庄内地方では12月の大黒様の御歳夜に黒豆を用いた料理などを準備し、ごま豆腐やうどんのあんかけなどを作る祭りも伝わっている。一方、内陸部の最上、村山、置賜地方では「ひょっとして良いことがありますように」と願いを込め、正月にひょう干しの煮物を準備する。村山地方の人日の節句には、積雪のため七草など青物が調達できないことから、芋がらを入れた納豆汁を作る。また置賜地方ではお歳取りや祝儀の膳には祝い魚として鯉の甘煮を準備する。いずれの地方でも特徴ある行事食が伝承されていることがわかった。</p>
著者
馬場 景子 中野 典子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.19, pp.30, 2007

<BR><B>【目的】</B><BR> 正月のとろろ飯の調査開始から、正月に食されるとろろ飯は、年取りの魚や雑煮の餅の形と同様に、東西文化の指標となる儀礼食であることが判明した。とろろの材料である山芋は、日本の農耕文化の発達過程において稲に先行する作物であり、儀礼食として東日本を中心に連綿と食されてきた食であったにも関わらず、全国的な調査が行われていないのが現状である。その結果、正月のとろろ飯は、郷土食として位置付けされているに留まっている。本研究では、正月のとろろ飯を東西文化の指標となる儀礼食であると捉え東西文化の分岐集中地域を、調査より知多半島であることを確認した。<BR><B>【方法】</B><BR> 知多半島の市町村の教育委員会に調査を依頼し、地域特徴が明確になる中学校に在籍する生徒の父兄にアンケートを実施した。また地元の郷土学習会へもアンケートを実施し、世代差間の調査を行った。<BR><B>【結果】</B><BR> アンケートの結果から知多半島では一月二日の朝にとろろ飯を食べることが多いことが分かった。また一月二日は、知多半島では予祝儀礼である「仕事はじめ」の儀式が行われていることから、半田市ではこの儀礼と結び付き正月のとろろ飯が食されていた。また半田市に隣接する武豊町では、松の内に食する習慣があり、必ずしも正月のとろろ飯が一定の日程で行われている行事ではなく、日程のバリエーションが存在することが判明した。さらに全国的に見た場合は、明治初年の改暦により儀礼の意味に差が存在することが判明した。儀礼のバリエーションとしては、新しい儀礼食の発生を意味するで、あろう事例も発見できた。分布に関しては、北高南低の分布傾向があった。
著者
東根 裕子 阪上 愛子 澤田 参子 原 知子 八木 千鶴 山本 悦子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.32, 2021

<p>【目的】平成24年から実施している日本調理科学会「次世代に伝え継ぐ 日本の家庭料理」研究において,大阪府で聞き書きした家庭における「行事食」から,正月・祭りの食事を中心に考察する。【方法】調査地域は,大阪府の行政区分および日本の食生活全集「聞き書き大阪の食事」を参考に8地域(泉南・泉北・南河内・中河内・北河内・大阪市・三島・豊能)において,その土地に30年以上暮らしている27名を対象に聞き書きを行った。調査時期は2013年11月〜2015年9月、調査方法等は学会ガイドラインに則った。【結果・考察】出現した行事は、正月・七草・鏡開き・小正月・寒の入り・寒の中・節分・ひな祭り・春ごと・山行き・端午の節句・田植え休み・さなぶり・半夏生・七夕・土用の丑・天神祭り・夏祭り・お盆・藪入り・地蔵盆・彼岸(春・秋)・月見・秋祭り・だんじり祭り・亥の日・冬至・年越しなどであり、家族単位の行事では、誕生日・本復祝い・厄除け・満中陰・葬儀・運動会などがあった。正月料理では、すべての地域で雑煮、おせち料理を食べていた。しかし、その詳細は少しずつ異なり、雑煮のもちの形は丸がほとんどではあるが、角であったり、日によって異なる家庭もあった。用いられた共通の材料は、里芋(小芋)、大根(雑煮大根)であった。睨み鯛(塩焼きあるいは生)が供される地域も多く、祝い肴はごまめ、数の子、黒豆、たたきごぼうであった。また、大阪の代表的な祭りである天神祭りでは、はもやはも皮を使った料理、だんじり祭りでは、がざみとかんと炊き、大豆あんのくるみもちなどが準備され、現在も伝承されている。田植えが終わって農作業ひと段落の日には、半夏生もち、夏・秋祭りには鶏のすき焼きなどが準備されていた。</p>
著者
能井 さとみ 後明 祐希 田中 ゆかり 鴫原 正世
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.28, 2016

【目的】大豆は、古来より様々な形で加工され日常の食生活になくてはならない食品である。また含まれる栄養成分などから、近年その健康効果が期待されている。開学以来、全学給食制を実施している本学でも大豆の栄養価値に着目し、大豆加工品のメリットを生かした給食献立への応用を目的にレシピを検討し給食調理を実施、嗜好アンケートを行った。<br><br>【方法】レシピの検討:大豆ミート(株式会社マイセン「まるっきりお肉」)を使用。予備実験:ドライカレー、ミートソース、挽肉コロッケ、かぼちゃのそぼろあんかけ、ハンバーグ、チャーハンのレシピを作成し調理。試食後、条件を満たした2種類(チャーハン、ドライカレー)を採用。給食調理①チャーハン:実施日平成28年3月3日、対象者:本学教職員の協力者46名。②ドライカレー:実施日平成28年3月26日、対象者:本学オープンキャンパス参加者、本学学生ボランティア、教職員計147名。嗜好アンケート:①②共に見た目、食感、香り、味、具材について、総合評価。嗜好アンケートでは、大豆加工品を使用していることを伝えず実施(アレルギー性食品の使用は提示)、給食提供、アンケート記入後に提示。<br><br>【結果】嗜好アンケート:見た目、食感、香り、味、総合評価。両レシピ共に、すべての項目において非常に好ましい、好ましい又は普通との評価が90%を超えていた。挽肉の種類についての質問では大豆以外の豚肉、鶏肉、牛肉、牛・豚挽肉との回答がチャーハンで70%、ドライカレーで80%を占めていた。これらのことから大豆加工品の使用は給食献立として応用が可能で学生の健康維持の面から見ても積極的に取り入れたい食品であり、今後更にレシピの幅を広げていきたい。<br><br>&nbsp;
著者
桐村 ます美 山名 美奈子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.26, 2014

<sup>【目的】わが国の女性の「平均寿命」は昭和60年から今日まで世界一の水準を保ち、男性は幾分下回るものの、男女の平均寿命は現在でも世界一を誇っている。また「健康寿命」も世界一ではあるが、この二者間で男性9.13年、女性12.68年と大きな差が生じている。健康寿命の延伸が求められる中、ロコモティブシンドロームを認知している国民の割合は平成24年において17.3%と低く、国は平成34年度にはこれを80%とすることを目標としている。地域住民に対して認知させることが喫緊の課題とされている「ロコモ予防」を、様々な観点から身近な課題として理解できるように示す事を目的に健康教室を開催した。<br>【方法】「知識・運動・食事」の3部構成で実施した。1部では、まず「ロコモを知ること」とし、ロコモについての概要を説明し、食事との関係についての「講演会」を行った。第2部「運動」では、実際に身体を動かすロコモ予防の体操を行った。3部では、学生の手作りのロコモ予防のお弁当を作成し、実際の食生活に活用できるように「食事会」を催した。<br>【結果】参加者は30歳代から80歳代の幅広い年齢層の地域住民であった。教室終了後の参加者のアンケート結果から、「ロコモを理解した人」93.1%、「今後食事改善を心がけようと思った人」96.6%、「今後運動を取り入れようと思った人」93.1%を占めた。「学び・運動・食事」と組み合わせることで、日頃の生活習慣や食習慣を改善するための動機づけが成功し今後の行動変容が期待できる事で、本健康教室の開催は成果があったことを確認できた。</sup>
著者
真部 真里子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.38, no.2, pp.148-154, 2005
参考文献数
30

効率のよいカルシウム摂取のためには, 日々の食事を有効に活用することが重要である。そのために, 食材中のカルシウム(Ca)含量だけでなく, 調理によるカルシウム吸収効率の変化を明らかにする必要である。本報では, 未調理ならびに調理済みの牛乳の人工消化処理液をCaco-2細胞単一層に添加し, 調理によるCa吸収への影響を検討した。未調理の牛乳中のCaは, 他のCa源よりも吸収量が多かった。しかし, きなこや抹茶粉末を添加すると, 無添加の牛乳と比較して有意にCa吸収量が低下した。また, 65℃の加熱したホットミルクやベシャメルソースに調理しても, Ca吸収は低下した。また, これらのCa吸収量の変化は, 抹茶粉末添加の場合は細胞間経路の阻害により, 他の試料の場合は, Caの溶解度変化など細胞間経路に対する間接的な影響によることが示唆された。このように, 食事からの効率的なCa吸収のためには, 調理によるCa吸収の変化について考慮する必要がある。
著者
福留 奈美 香西 みどり
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 平成24年度日本調理科学会大会
巻号頁・発行日
pp.152, 2012 (Released:2012-09-24)

【目的】調理操作を表す用語・表現の中でも切り方を表す用語・表現は多種多様に存在し、調理初心者は食材や料理によって異なる幅・太さ・長さなどサイズの範囲がわかりにくい。本研究では野菜類・いも類・きのこ類の切り方に着目し、①切り方の用語・表現の食材別用法の整理、②解説書や料理書に見られるサイズ表現の調査、③用語・表現と実際のサイズを照合するための評価法の検討、を目的として調査実験を行った。【方法】1999年以降に出版された切り方の解説書17冊に出現する切り方の用語・表現を食材別に調べた。また2009年度高校家庭科教科書20冊に出現する切り方の用語・表現をサイズに関する修飾表現も含めて抜き出し、用法を整理した。さらに、せん切りなどの線状、みじん切りなどの角状に切る切り方が解説書や料理書においてどのようなサイズ表現がなされているかを調べた。また1~5mm角のニンジンを模した合成樹脂のフードモデルを作成し、調理指導者を対象として用語・表現との対応評価実験を行った。【結果】解説書に登場した切り方の用語・表現は200種以上あり、輪切り、せん切りなどの一般的な切り方、特定の食材との対応が強い飾り切り、フランス料理の切り方のカタカナ表記などが含まれた。家庭科教科書のレシピ表現では、長さや太さの数値的表現、形容詞・副詞による修飾語の有無など様々であった。線状・角状の切り方についてはサイズに幅があり、食材によっても違うため、切り方の解説書や料理書では厳密に特定できていないことがわかった。また切り方の用語・表現と実際のサイズを照合させる方法として様々な切り方のフードモデルをサンプルとして使用することは有効であることが示された。
著者
福留 奈美 小西 文子 五藤 泰子 野口 元子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.29, 2017

【目的】高知県のおやつの特徴をとらえることを目的に調査した。本研究では、高知県全域でみられる甘味としてのサツマイモの利用と糯米・小麦を使用したおやつに着目し、多様性と分類を示す。<br /><br />【方法】日本調理科学会H24-26年「次世代に伝え継ぐ 日本の家庭料理」研究の一環として、昭和30~40年代の高知県の食事について聞き取り調査を行った。地域の食文化研究資料を収集し、聞き取り調査の結果と合わせて特徴的なサツマイモの加工品と糯米・小麦を使ったおやつを抜き出し、加熱・乾燥工程、名称の違い等について分類・整理した。また、レシピ情報や保護・継承活動の状況についても部分的に示した。<br /><br />【結果】高知県全域で干しいも「東山」が食べられており、温暖な気候で育つサツマイモの加工品は甘味が少なかった時代のおやつとして欠かせなかった。東山でも、ゆでてから厚めに切って干すものと小ぶりのいもを煮て丸ごと干すものがある。ゆで汁にも糖分が出るので煮詰めて「いも飴」にして食べた。1cm厚さに切って藁を通しゆでて干したものを「ゆでベラ/ほしか」と呼ぶ地域や、生のまま薄く切って干した「かんば」の利用、里芋と蒸してついた「けんかもち」、糯米と蒸してついた「いも餅/かんころもち/いものもち」等、加熱・乾燥工程にも多様性がある。県が推進する「土佐の料理伝承人制度」、地域の食育活動、『土佐の味ふるさとの台所』(1987年初版、2016年復刊)等のレシピ集やWeb情報等で多様なおやつが保護・伝承されてきた。しかし、「山椒餅」のように、地域の人びとが懐かしく思う当時の味は継承されず新たなレシピが独自に紹介される例もあり、当時の記録を残す作業の必要性を再認識した。
著者
伊藤 知子 上野 龍司
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.24, 2012

【目的】計量は調理の基本操作であり、特に塩分制限食など治療食の調理において計量操作の持つ意味は大きい。家庭においては、計量には計量カップ、計量スプーンなど、容積を測定する器具が用いられることが多いと考えられるが、市販されているそれらの形状は様々であり、精度についても不明である。これらは計量法で定められている「ます」ではないため検定検査の対象とはならないが、その測定値について一定以上の再現性は必要である。本研究では計量スプーンに着目し、形状の異なる計量スプーンの精度の比較を行った。<br>【方法】計量スプーン(大さじおよび小さじ)12種について、その長径、短径、深さを測定した。これらの計量スプーンを用いて、水、小麦粉、塩、サラダ油等を測り取り、その重量を測定し、比較した。さらに「標準計量カップ・スプーンによる重量表(g)」(以下、重量表)の値との比較を行った。<br>【結果】最初に大学生12名を被験者とし、2種類の計量スプーンを用いて、水・小麦粉を測りとってもらい、その重量を測定した。大さじを用いて測定した場合に有意差が見られた。次に計量スプーン12種を用いて様々な試料を測り取って重量を測定したところ、その値は有意に異なることが明らかとなった。特に半径(短径)よりも深さの値が小さい浅型の計量スプーンの測定値は、重量表の値の80%未満であった。浅型のものを除いた8種の計量スプーンの測定値を比較したところ、粒形状の試料よりも液状の試料の方が測定値のばらつきが大きかった。家庭における少人数用の治療食の調理や、味の再現性を重視する場合においては、少量の調味料の計量における計量誤差を小さくする計量方法の習得が必要であると考えられる。
著者
小宮 麻衣良 豊満 美峰子 松本 仲子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.19, pp.156, 2007

<BR><B>【目的】</B><BR> 計量カップ・スプーンによる食品の計量値は、食品の性状の変化に応じて、数値の改定がなされてきた。米についても変化していると推察されるが、精白米については1カップ(200ml)=160gのまま、50年以上ものあいだ改定されずにきた。そこで、計量カップおよび自動炊飯器に付属する1合カップ(180ml)を用いて、精白米の生産年度、品種を変えて計量した。また、炊飯に際しては、カップと合カップの使用区分が曖昧で、家庭や教育現場での調理でも長く混迷が続いている。そこで、炊飯における計量器の統合を期待して、家庭における米の計量器、計量の方法などについて教職課程に在籍する大学生の家庭を対象に調査した。<BR><B>【方法】</B><BR> 精白米の計量については、計量カップ(200ml)と1合カップ(180ml)とを用い、品種(コシヒカリ、ササニシキ)や生産年度(平成17年,平成18年)を変えた4種類の米を5回ずつ計量し、その平均値を求めた。アンケート調査については、米の計量器具、1回の炊飯量、水加減の方法、計量カップと1合カップの容量の違いの認知度などについて質問した。<BR><B>【結果】</B><BR> 精白米の計量値については、4種の米の1カップあたりの平均値は167.1±5.94gで160g以上であり、一般に通用している計量値の変更が必要であると考えられた。また、アンケート調査結果については、家庭で使用する計量器は1合カップ69.0%、米びつ16.7%、計量カップは4.8%であった。家族と同居の場合1回平均炊飯量は3.6合となった。計量カップと1合カップの容量の違いについては、57.1%の学生が「知らない」と回答し、この計量実験によって容量の違いを初めて知ったとしている。
著者
岡野 節子 堀田 千津子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.20, pp.33, 2008

<BR>【目的】<BR> 伊賀市西山地域・春日神社では毎年10月14日~15日には秋祭りの例祭「なすび祭り」が行われる。その神饌に生撰として「二又なすび」が珍重とされ、その他に「米」、「野菜」、「酒」、「果物」などが供えられる。また、上述以外に1)なすびは包丁を加え、調理したもの(なすびの味噌煮)。2)米は蒸して木槌でたたき、成形したもの(キョウ)。3)生米を横杵で搗いて藁苞に入れ固めたもの(シトギ)を神饌とする。三重県の祭りのなかでも祭礼や神饌に特徴あるものと思われるので紹介する。<BR>【調査方法】<BR> 調査地域:伊賀市西山地区の春日神社、調査時期:2007年10月14日~15日、調査方法:現地においての聞き取り調査と写真撮影<BR>【結果】<BR> 1)秋祭りの神饌は生撰と熟撰で構成されていた。生撰には「二又なすび」を中心に米,野菜、果物、塩、酒が供えられ、熟撰は「なすびの味噌煮」、「キョウ」、「シトギ」の神饌であった。2)奇形である「二又なすび」を生撰とし、奇形でない「なすび」は熟撰としている。3)熟撰の「なすびの味噌煮」、「キョウ」は「蒸す」と言う調理法で行われている。また、「キョウ」は米を蒸す、搗く。そして飯粒を崩し固め、型で抜くものであった。4)「なすびの味噌煮」に用いられる調味料は味噌のみであった。現在、生撰がほとんどであるなか熟撰を行っているのは、祭りの行事と熟撰の食べ物が受け継がれてきたこと。それは次世代の共有性につながってゆくのではないかと考えられる。
著者
川崎 寛也 笠松 千夏 野中 雅彦 Thomas Arnaud Schlich Pascal
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.29, 2017

【目的】 飲料や食品を一食分摂取する間に知覚される官能特性は経時的に変化し、その摂取物に対する嗜好や飽きに影響すると考えられる。そこで、市販スープをベースにして、知覚される官能特性に違いを持たせた複数の試料を用い、一食摂取条件で、複数官能特性の経時的変化を1回の評価で捉えられるTemporal Dominance of Sensations(TDS)法と嗜好(liking)および飽き(satiation)との関連を解析し、嗜好と飽きに影響する知覚経時変化の要因を探索した。<br />【方法】 フランス人消費者84名を対象とし、一食摂取条件におけるTDSとlikingおよびwanting(satiationの対義)の時間的変化をTimeSenscにより計測した。サンプルには、市販野菜クリームスープにうま味としてのグルタミン酸ナトリウム(MSG)、脂質としての生クリーム、野菜風味としての野菜ペーストをそれぞれ1%、10%、1%添加したスープを用いた。<br />【結果と考察】 一食摂取する条件でドミナントに感じる味・風味要素のTDS、liking、wantingの時間的変化を得た。また、摂食前半、中盤、後半と全体でlikingおよびwantingに影響を与えるドミナントな味・風味要素(Temporal drivers of liking、Temporal drivers of wanting)を知るための手法を構築した。本手法により一食全部摂取する条件において、味風味の印象がどのように変化するか、後半に嗜好性が低下した場合の要因等を広く考察すること等が可能となった。
著者
深井,洋一
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌
巻号頁・発行日
vol.40, no.5, 2007-10-20

天日干しと熱風乾燥の乾燥手法の差異が品質に及ぼす影響を検討した。官能検査では,総合,味および硬さの3項目において,天日干しは熱風乾燥と比べ,有意に優れることが評価された。炊飯品質では,天日干しは熱風乾燥より,食味スコア等の5項目において品質指標が向上する傾向を示した。糊化特性は,天日干しは熱風乾燥と比べて,糊化開始温度が低く,最高粘度は高かった。電子顕微鏡では明確な差の断定には至らなかったが,天日干しと熱風乾燥の澱粉粒の形状の違いが膨潤性に影響している可能性が考えられた。これらのことから,本条件下では,天日干しは熱風乾燥を上回る米の品質を具備している可能性が示唆され,米本来のおいしさを損なわない乾燥処理に起因すると推察した。