著者
伊勢 芳夫
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

英領インドにおけるインド及び周辺地域への言語・文化政策を調査、およびアングロ・インディアン作家の小説を分析することにより、異文化に対するイギリス人の認識の特質を検証した。また、19世紀の人類学の著作を研究することで、人種主義に影響を与えた近代科学の特質や、白人優位的な世界観を明らかにした。上記の英領インドと、日本の「西洋」受容を調査することによって、西欧列強から直接支配を受けなかった国への「西洋」の影響を検証した。
著者
常田 夕美子
出版者
大阪大学
雑誌
若手研究(スタートアップ)
巻号頁・発行日
2007

本研究の成果は、インド地方都市における中間層女性の「理想の生き方」や「生きがい」についての考え方や価値観は、急速に変動する社会経済状況のなかで個々人によってそれぞれ独自に再検討され、自らがおかれている関係性のネットワークのありかたやそれまでの人生経験と密接にかかわっているのが明らかになったことである。グローバル化や近代化に対する希望を持つと同時に伝統的な宗教実践に新たな価値を見出す動きもみられた
著者
庄司 達也 山岸 郁子 中澤 弥 須藤 宏明 山口 直孝 平野 晶子 掛野 剛史 須藤 宏明 中沢 弥 平野 晶子 山口 直孝 和泉 司 杉山 欣也 松村 良
出版者
東京成徳大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

研究活動は、合計13回に及んだ勉強会の開催と、関西地方を中心とした実地踏査を2本の柱として展開した。また、本研究課題が対象とした改造社を取り上げ活動する他の研究グループとの連携を進め、情報交換や合同研究会の開催を行うなどした。これらにより、短期間に全国で斉に行われた宣伝活動の実態を広く把握することができ、改造社のみではない、他の出版社による同様の活動に対する広範な情報の収集とその分析の必要性を明らかにした。また、関連する資料の収集により、以後に反復される同種の出版企画についての考察を深めた。
著者
山本 晴彦 早川 誠而 鈴木 義則
出版者
社団法人日本気象学会
雑誌
天気 (ISSN:05460921)
巻号頁・発行日
vol.45, no.3, pp.163-170, 1998-03-31
被引用文献数
2

近年の凶作年および豊作年の気象的特徴、水稲収量を比較するとともに、水稲の豊凶作を夏季平均気温の気温偏差から解析を試みた。1993年の夏の1980年以来の異常低温であり、福岡市では夏季平均気温の気温偏差-1.4℃、暑冷指数-36日の大冷夏年で、福岡県の水稲単収は363kg、作況指数74の大凶作年であった。1994年の夏は記録的な猛暑で、福岡市では夏季平均気温の気温偏差+1.8℃、暑冷指数56日で高温・少雨年であった。福岡県の水稲単収は過去最高の545kg、作況指数111の大豊作年であったが、潅漑用水の不足した地域では生育遅延、稔実障害などが発生し、高温年にもかかわらず単収が大きく低下した。福岡管区気象台管内の気象官署を対象とした夏季の平年気温の偏差と水稲の平均収量との比率との関係から、とくに冷夏年で夏季の気温偏差が著しいマイナスを示す年は水稲収量平年比が大きく低下した。
著者
松田 かおり
出版者
関西看護医療大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2008

女性にとってむくみ(下肢浮腫)は日常的におこるマイナートラブルであり、妊婦においても健康な妊婦でも70~80%、妊娠高血圧症候群妊婦では約85%に浮腫が認められるほどである。臨床的には、体重の増加と浮腫の程度を脛骨稜を手指で圧迫して判定している。しかし、その判断、方法は主観に左右され正確に定量化されていない。また、対処法の効果についても検討されているものはほとんどない。本研究目的は、妊婦の下肢浮腫を部位別多周波生体電気インピーダンス法(SBIA法)を下腿に限局して用いて下腿水分の細胞内外比で評価し、その改善法を検討することである。1)合併症のない健康な妊婦の調査を行った。縦断的に調査した研究対象者においても、妊娠高血圧症候群、貧血などの合併を起こした者はいなかった。また、部位別多周波生体電気インピーダンス法(SBIA法)を実施中に気分不良や起立性低血圧を起こした対象者は見られなかった。今回の対象者の中には脛骨稜を手指で圧迫して判定する浮腫の程度では、++の判定になる症例はいなかった。調査の結果、妊婦のむくみ(下肢浮腫)の自覚と部位別多周波生体電気インピーダンス法(SBIA法)から算出した細胞外液量は相関を認めた。以上から、SBIA法における妊婦の個体のむくみの客観的評価は今後有用であると考えられる。2)成人女性への対処法の検討の結果、下肢挙上は、仰臥位に比べ、SBIA法においても、自覚的にもむくみは軽減した。また、足浴において、グレープフルーツオイルの有無で比較検討したところ、むくみの改善はグレープフルーツオイルの有無で統計的に差は認めなかった。しかし、足浴は、自覚的にもSBIA法によってもむくみに効果的であった。以上から、下肢挙上および足浴の効果が客観的にも明らかとなった。
著者
三好 準之助
出版者
日本イスパニヤ学会
雑誌
HISPANICA / HISPÁNICA (ISSN:09107789)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.53, pp.41-60, 2009

Este artículo tiene por objetivo presentar el resultado de nuestro análisis contrastivo japonés-español. Se trata de dos palabras polisémicas, ME japonés y 'ojo' español. Analizamos 16 acepciones de ME y 15 acepciones de 'ojo'. Hemos podido aclarar los siguiente puntos:<BR> 1) La mayor dieferencia corresponde al reconocimiento lingüístico de la forma de este órgano de la visión: se reconoce en japonés com forma lineal o forma puntual. Por otra parte, en español, se reconoce como agujero, y de ahí que 'ojo' tenga acepciones como "la parte central del huracán" y "el agujero de agujas por donde pasa el hilo". Estas dos acepciones son vigentes también en japonés, pero teniendo en cuenta las formas reconocidas en japonés juzgamos que son resultados de cierta influencia de legnuas extranjeras, sobre todo del inglés.<BR> 2) La palabra japonés ME extiende sus acepciones por medio de figuras estilísticas: metáfora, metonimia y sinécdoque, acompañada de las acepciones surgidas posiblemente por la infulencia de la lengua inglesa, pero la española 'ojo' las exientede sólo por medio de la metáfora.<BR> 3) Nuestro modelo de análisis de la estructura polisémica manifiesta visualmente la misma estructura, haciéndonos posible aclarar en qué partes de la estrucutra existen las diferencias entre las dos palabras polisémicas. Por lo menos este es nuestro mérito.
著者
山田 浩之 斎藤 一郎 美島 健二 井上 裕子 小原 久実
出版者
鶴見大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

Superoxide dismutase(SOD)は、活性酸素種の一つであるスーパーオキシドを消去する抗酸化酵素である。本研究では、活性酸素種を介した唾液分泌機能障害におけるSODの予防的効果について検討したところ、唾液腺の分泌障害にはスーパーオキシドを介した機序が推察され、SODはスーパーオキシドを速やかに過酸化水素へ分解することにより唾液分泌機能障害に対し予防効果を有する可能性が示唆された。
著者
松岡 達雄 大附 克年 森 岳至 古井 貞煕 白井 克彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.79, no.12, pp.2125-2131, 1996-12-25
被引用文献数
39

近年,大語い連続音声認識の研究がアメリカ英語,イギリス英語,フランス語,ドイツ語,イタリア語などを対象に新聞記事を用いて盛んに行われている.しかしながら,日本語を対象とした,これに類する研究については報告がない.これは,主に,日本語が単語間にスペースなどのデリミタをおくことなく書かれるため,大語い連続音声認識において重要な役割を果たす単語N-gramなどの言語モデルの導入が容易でないためと考えられる.我々は,日本語新聞記事を対象として大語い連続音声認識の研究を進めている.単語N-gramを言語モデルとして用いるため,テキストを形態素解析することにより形態素(単語)にセグメンテーションした.形態素を単語と定義し,約5年分の新聞記事を用いて単語N-gram言語モデルを推定した.認識システムを評価するため,音声データベースを設計し,54名の話者の各100文ずつの音声データを収録した.この音声データベースの最初の10名の音声を用いて大語い連続音声認識の実験を行った.7 kの語いサイズに対して,no-grammar言語モデル,音素文脈独立音響モデルを用いた場合には単語誤り率が82.8%であった.単語bigram言語モデルと音素文脈依存音響モデルを用いることにより単語誤り率が20.0%に改善された.
著者
金 由澤 田中 和博 山田 五代治 松本 洋一郎
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會論文集. B編 (ISSN:03875016)
巻号頁・発行日
vol.66, no.644, pp.1126-1131, 2000-04-25
被引用文献数
1

It is reported recently that the pump head deterioration near the best efficiency point, from single-phase flow to the choke due to air entrainment became less in a screw-type centrifugal pump than in a general centrifugal pump. Moreover, at a narrow tip clearance, the pump head became partially higher in two-phase flow than that in single-phase flow. However, the internal pressure fluctuations on this pump due to air entrainment have not been studied yet. For that reason, we have examined the influences of void fraction, flow coefficient and impeller tip clearance on pressure fluctuations in the casing. At narrow tip clearance, the pump head increment in two-phase flow mainly depends on the pressure increasing in the volute casing. And the void fraction became larger, the influence of tip clearance on pressure distribution became less. Moreover, we have observed the internal flow patterns by using a stroboscope and a halogen sheet light. Then, we have investigated the influences of flow coefficient on air-water two-phase pump performance.
著者
丸山 珪一
出版者
金沢大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

ルカーチは20世紀の世界的な思想家であり、日本でも多大の影響を受けてきたが、私たちはさらなる研究の出発点となるような、信頼に値するビブリオグラフィを持っていなかった。昨今の世界の大きな変化と新しくルカーチと取り組もうとする若い人たちの登場を念頭において言えば、正確なビブリオグラフィの必要性はますます高まっている。本課題はそれに応えようとするものである。彼のすべての著述についてその初出の現物に遡って確認・再確認することから始めなければならなかった。これはいくつもの国境を越えての難作業で、最終的に12の言語にまたがった。最難関のロシアの部分で歴史学者スティカリン氏の、イタリアの部分でハンガリーのイタリア思想研究者サボー氏の協力を得ることができ、この二年間の間にほとんどを終え、とりあえずしめくくりとして冊子にまとめた(項目1555、付録の定期刊行物索引とともに143ページ)。仕事の過程で、埋もれていたルカーチのいくつもの文献を発掘したことも後の研究にとって重要であろう。このビブリオグラフィに基づいて図書館を通じて間違いなくコピーを入手できるはずである。ただ公にして広く利用してもらうためには、一つにはなお残っている空白を埋めること(とりわけイタリアのインタヴュー)、いまひとつには文献相互の関係や多少とも内容への示唆をも含んだ注記などを工夫すべきと考えている。とくに日本の若い研究者を念頭にこのあと仕事を継続したい。それとともに、ビブリオグラフィの仕事は、文献という面からではあるが、ルカーチという思想家の全体を再考する機会でもあり、そのための少なからぬヒントをも得ることになった。とくに日本の思想界との関わりを焦点として全体像再考の仕事とも取り組むつもりである。
著者
河合 和久 塩見 彰睦 竹田 尚彦 大岩 元
出版者
社団法人人工知能学会
雑誌
人工知能学会誌 (ISSN:09128085)
巻号頁・発行日
vol.8, no.5, pp.583-592, 1993-09-01
被引用文献数
22

A distributed and networking card-handling tool named KJ-Editor that simulates arranging index-cards on a desk as working in collaboration is described. Card-handling is one of the most useful methods for information representeation and idea-generation. In KJ-Editor, hundreds of cards can be generated on any place in a display and a sentence can be written on each of them. A generated card can be picked and moved by a mouse. Cards may be grouped by enclosing them with a curve. Relationships of cards and groups can also be marked by special lines. The chart of cards edited on KJ-Editor can be output by a printer and stored in a disk. When a user of the cooperative work makes some operations on the chart in KJ-Editor, the other collaborators can see the operations on thier own displays. That is so-called WYSIWIS (What You See Is What I See) facilities are implemented in KJ-Editor. An experiment that four collaborators made a specification of a middle-scale software- "LIFT" problem, that is well known as a common problem for requirements analysis-using KJ-Editor was conducted. The collaborators meet at a room and are provided with separate networked computers. They can make a face-to-face communication. According to our observation and analysis on this experiment, some features of cooperative work activity using KJ-Editor are identified : (1) a computer-supported card-handling tool is a useful resource for the group in mediating their cooperative work ; (2) pointing a card or an element of the chart by a mouse has an effect for concentrating the discussion, and (3) WYSIWIS facilities sometimes become obstacles for personal viewing of the card-arrangement and cause collaborators to be uncomfortable.
著者
吉田 勇
出版者
熊本大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

1 平成の町村合併は各町村の入会権の調整にどのような影響を与えたかを検証するために、一の宮町・阿蘇町・波野村が合併した阿蘇市誕生のケースと、合併協議が行われながらも合併に至らなかった小国町・南小国町のケースを比較しながら調査研究した。2 阿蘇市のケースでは、一の宮町と阿蘇町では入会権をめぐる事情に違いがあった。最も大きな違いは、一の宮町には昭和の合併時に財産区が設置されていたが、阿蘇町には財産区は設置されていなかったことである。今回の合併に際しては、旧財産区はそのまま新市に引き継がれるが、新しい財産区は設置しないという方針が合意された。財産区は設置しないが、集落の入会権の使用・処分の権利関係については、実質的な変更が加えられなかった。阿蘇市は、入会原野の貸付についても分収についても、旧阿蘇町と牧野組合との旧来の配分割合をそのまま確認している。波野村の場合には、古くから草原は畑と一体的に個人分割的に利用されてきており、村有入会地がなかったために、今回の合併に向けた入会権の調整は必要ではなかった。3 小国町と南小国町のケースではこれまでの両町の入会政策に大きな違いがあった。小国町は1950年代に入会原野の払い下げ政策(近代化政策)を積極的に進め入会原野の経済的な高度利用(造林化)を目指したのに対して、南小国町は、入会地の集落による共同利用を尊重してきたことである。この政策の違いが、現在でも、南小国町の入会原野はほとんど町有地であるのに対して、小国町には共有地が多いことにうかがわれる。しかしながら、この違いは合併協議の過程では話題になったもようであるが、両町の合併協議を妨げたわけではないというのが関係者の証言であった。
著者
中別府 雄作
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

本研究では、研究代表者の中別府がこれまでに明らかにしてきた細胞障害の原因の1つである活性酸素による酸化あるいは脱アミノ化で生じた異常塩基や異常ヌクレオチドの細胞内蓄積に注目し、酸化ストレス下で引き起こされる「神経細胞死」、あるいはその前段階の「神経細胞の機能障害」の発生機序を野生型マウス、Mth1、Ogg1、MutyhそしてItpa遺伝子欠損マウス及び細胞を用いて解析した。さらに、脳における酸化ストレス応答と海馬歯状回における神経新生の制御機構の解明を目指して、AP1転写因子のサブユニットをコードするfosB遺伝子とその標的の1つであるgalectin-1の機能解析を進め以下の成果をあげた。【1】パーキンソン病モデルマウスを用い、ドパミン神経細胞の変性における核酸の酸化損傷の意義を明らかにした。【2】ミトコンドリア毒3-ニトロプロピオン酸による線条体中型有棘神経細胞の変性に核酸の酸化損傷が関与することを明らかにした。【3】核とミトコンドリアゲノムへの酸化塩基の蓄積に起因する細胞死の制御機構を解明した。【4】ミトコンドリアヌクレオチドプールの酸化に起因する細胞死とその防御機構を明らかにした。【5】酸化的脱アミノ化を受けたプリンヌクレオシド三リン酸の浄化機構を明らかにした。【6】海馬における酸化ストレス応答と神経新生の制御にfosB遺伝子が関与することを明らかにした。【7】Galectin-1が海馬歯状回における神経新生を促進することを明らかにした。
著者
安藤 剛寿 関谷 好之 上原 貴夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.81, no.10, pp.2366-2375, 1998-10-25
被引用文献数
11

上級者と対等に勝負ができるコンピュータブリッジを開発するには, 不完全情報ゲームに特有なさまざまな課題を解決する必要がある.我々は, これに挑戦することにより新しい問題解決手法の研究を進めている.ブリッジにおけるオークションの過程では, 限られたビッドを通してパートナと情報を交換しつつ, 互いに協力して良いコントラクトに到達する努力がなされる.本論文では, 従来のプログラムより人間的(柔軟)なビッドができることを目指して立案した枠組みについて報告する.まず, ビッドにおけるパートナシップを共通の知識と仮説推論機構をもつ二つのエージェント間のコミュニケーションとしてモデル化した.その知識は専門知識と常識に分け, 前者から外れた相手のビッドに対しても, 後者を用いて対応できるようにした.また, パートナのハンドを推論する際には, パートナがこちらのハンドについてどのようなイメージをもっているかも推論し, より妥当な仮説の生成に努めた.その結果, 相手に応じた柔軟なビッドをするプログラムをつくることができた.