著者
川端 弘治
出版者
広島大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2008

広島大学1. 5m望遠鏡と可視広視野偏光観測装置HOWPolを即時観測可能となるように整備し、ガンマ線バーストに対して世界的にも稀な可視残光の明るい初期フェーズの偏光測光観測を行うことにより相対論的ジェットの磁場構造に関する新たな知見を得ることが出来た。併せて、超新星や古典新星などの恒星の爆発現象に対してその初期観測を行い、爆発の機構について議論した。
著者
竹原 和彦 白崎 文朗 佐藤 伸一
出版者
金沢大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2002

全身性強皮症は、皮膚や肺、心、腎、消化管などに広範な線維化や血管障害をきたす結合織疾患のひとつであり、その発症に関わる重要な細胞増殖因子としてトランスフォーミング成長因子(transforming Growth Factor-β,TGF-β)、結合組織成長因子(Connective Tissue Growth Factor, CTGF)が注目されている。本研究は、TGF-βの皮下投与により誘導される新生マウスの皮膚線維化モデルをトランスジェニックマウスを用いて作製し、CTGFの皮膚線維化機構における役割について検討した。使用したマウスは、1型コラーゲンのα2鎖をコードするproα2鎖(I)コラーゲン遺伝子のプロモーター領域にレポーター遺伝子を組み込んだマウスである。このモデルにおいて、皮下にTGFβのみを注入すると4日目に線維化が誘導されるが、8日目には消失する、しかし、TGFβを3日間注入し、次にCTGFを4日間注入すると線維化が持続する。コラーゲン遺伝子の転写活性は、TGFβ単独投与群では、4日目をピークに低下し8日目にはほぼ0になったのに対し、TGFβ/CTGF連続投与群では8日目まで高値が持続し、さらにTGFβ/CTGF連続投与群でコラーゲン遺伝子が転写されている線維芽細胞数が増加していた。このことより、CTGFはコラーゲン遺伝子を発現する線維芽細胞を増加させることにより、遺伝子の転写活性を維持し、コラーゲン産生を亢進させると考えられた。今後は、この皮膚線維化モデルにおけるサイトカインやケモカインの関与についてさらに検討したいと考えている。
著者
大倉 昭人 川上 博 井原 武 三浦 章
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.272, pp.31-34, 2004-08-26

次世代移動体通信網としてIPネットワークの検討が進んでいる。IPネットワークでは様々なトラヒックの品質要求に応じたQoS制御が必要であるが、移動体通信網は花火など端末集中による輻輳や、地震など災害地への呼集中による輻輳の影響を受けやすい。本研究ではIPセルラ網に向けたロバストなQoS制御方式に関し、トラヒック異常検出に基づく予測制御と、線形最適化を応用したマルチパス制御を提案し、シミュレーション評価により方式の有効性と適応範囲を明らかにした。
著者
店田 廣文 小島 宏 村田 久 小島 宏 村田 久
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

本研究では、従来のわれわれの調査成果をさらに補強する研究成果が得られ、滞日ムスリムは日本社会に適応し、生活満足度が比較的高く生活基盤も安定してきたこと、滞日ムスリム・コミュニティが成熟期に入りつつあると言うことが、改めて本研究によって明らかとなった。ムスリムの子ども教育調査や滞日経験を有するムスリム調査、モスク調査報告も貴重な成果であるが、日本初のモスク代表者会議を開催し、将来の滞日ムスリム・コミュニティと日本社会の関係形成に関する研究へと展望が開けたことが重要である。
著者
沼尻 明子
巻号頁・発行日
2006

筑波大学博士 (医学) 学位論文・平成18年3月24日授与 (甲第4105号)
著者
松田 敏信 永木 正和 長谷部 正 草苅 仁 鈴木 宣弘 伊藤 房雄 茂野 隆一 趙 来勲 山口 三十四
出版者
鳥取大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

本研究の目的は,少子高齢化と食の安全性をキーワードとして,消費者需要を中心に生産や国際貿易などフードシステム全般のメカニズムを経済分析により明らかにすることである.主な研究成果として,代表者の独自モデルLA/QUAIDSによって,都市別・月別の疑似パネルデータを推定し,少子高齢化が食料需要に与える影響を明らかにした.また,需要システムの新たな独自モデルを複数提案し,さらに食料生産の計量経済分析や国際貿易の応用ミクロ経済分析等を実施した
著者
佐藤 信 河合 知子 久保田 のぞみ 佐藤 信
出版者
市立名寄短期大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

現在、日本の学校給食は、成長期の多くの国民が経験するところとなっており、その食習慣形成に大きな影響を与えている。近年では、地元産や国内産食材料を使用する取り組みがすすめられている。牛肉も例外ではなかったがく2001年9月に日本国内で初めて発生したBSE(牛海綿状脳症)牛の結果、学校給食の現場では使用自粛などの対応を余儀なくされた。本研究はこうした状況の下で、和牛産地と乳用種肉牛産地を対象として、2001年前後における学校給食の地元産食材料、とりわけ牛肉およびその加工品の使用実態を明らかにし、今後の地元産食材料導入にあたっての諸条件、課題を実証的に明らかにすることを目的とした。その結果、次の諸点が明らかとなった。1.BSE問題の発生後、全国の約60%の学校給食が、牛肉および牛肉加工品の使用を自粛するようになった。もともと、1996年のO-157問題を契機として、学校給食現場では食品安全対策を強化していたとそこで、BSE問題後も迅速な対応をとった。しかし、使用自粛については地域によって強弱があった。2.ブランド和牛で知られる岩手県M地域においては、BSE問題が発生した直後、農協や自治体、獣医の協力の下でいち早く安全宣言を出した。乳用種肉牛産地の北海道においても、牛肉やその加工品など国産への切り替えが行われたが、その度合いは他の県よりも小さかった。学校給食関係者と地域農業との継続的な結びつきがこうした対応をもたらした。3.これからの学校給食に関わる栄養士は、地元産食材料を利用するための、生産者や農・漁協等との交渉・調整能力等が必要であるとともに、現場で食品安全問題が発生した際に迅速に対応できる能力も必要である。
著者
井上 文夫
出版者
京都教育大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

肥満児の身体活動量を増加させるため、学校での健康診断、健康教育の授業を利用した介入プログラムを実施し、身体計測値、血清脂質、脈波速度による動脈硬化測定、生活習慣調査をO 市の公立学校で3年間実施した。まず、小児における腹囲値、脈波速度の標準値を得た。介入プログラム実施後、肥満だけでなくやせの頻度も減少した。生活習慣は56%に改善がみられ、改善した例では肥満度、血清脂質、動脈硬化度とも改善する傾向が見られた。生活習慣では、食習慣や運動習慣のみでなく、睡眠習慣の重要性が確認された。肥満予防のための健康教育プログラムの実施は、肥満改善ばかりでなく、生活習慣全体を改善する機会となり、運動能力や学習効果にも良い影響を与えると考えられた。
著者
今井 孝成 板橋 家頭夫
出版者
日本小児科学会
雑誌
日本小児科学会雑誌 (ISSN:00016543)
巻号頁・発行日
vol.109, no.9, pp.1117-1122, 2005-09-01
被引用文献数
20
著者
伊崎 昌伸 笹野 順司
出版者
豊橋技術科学大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

理論変換効率が約 28%となる 1.3eV のバンドギャップを有する p-CuOと n-ZnO から構成される新規な太陽電池を電気化学的に形成するために,化学熱力学に立脚した溶液組成の設計,電気化学ヘテロエピタキシャル成長による高品質化ならびに光電変換機能を有するダイオード形成について検討した。電気化学に形成した-CuO 層上に SiO 層と ZnOを堆積させたダイオードが良好な整流性を示すと共に,0.43V の開放電圧などの光電変換機能を示した。
著者
中村 哲 翠川 裕 波部 重久 松田 肇 翠川 薫 渡部 徹 中津 雅美 二瓶 直子 鈴木 琴子 黒倉 壽 風間 聡 三好 美紀 桐木 雅史
出版者
独立行政法人国立国際医療研究センター
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2010

ラオス国との共研究の主対象となったラオスの消化管寄生虫感染症に関して、現地調査により山岳部と平地とで寄生虫相が異なることを示唆した。特に淡水魚類の生食を介して感染するタイ肝吸虫類の感染が都市周辺域において顕著に高いことを示した。さらに、山岳地居住民の感染率と健康調査データの解析からリスク因子として、年齢や識字率、集落での衛生的な飲み水の利用割合、民族の比率を見出した。そして、これらの因子による重回帰で得られるリスクマップを含めた、地区内または広域でのリスク管理手法を示した。
著者
望月 聡 上野 洋子 佐藤 公一 樋田 宣英
出版者
公益社団法人日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.65, no.3, pp.495-500, 1999-05-15
被引用文献数
8 11

冬期および夏期に漁獲されたマサバを用い, 死後変化に対する貯蔵温度の影響を検討した。魚体が完全硬直に達するまでの時間は, 冬期夏期ともに5℃で貯蔵したときが最も長かった。背肉中のATP, IMP, イノシン, およびクレアチンリン酸の含量の変化は冬期では5℃で貯蔵したときに最も遅く, 夏期では0℃で貯蔵したときに比較して5℃および10℃で貯蔵したときの方が遅かった。K値は冬期夏期ともに10℃で貯蔵したときの上昇速度が速かった。筋肉破断強度の経時変化は冬期は顕著に, 夏期はわずかではあるが5℃で貯蔵したときに高い値を維持した。以上の結果から, マサバの死後変化を遅くするための貯蔵温度は, 漁期を問わず5℃程度が適当であると考えられた。
著者
近藤 高貴 山田 雅彦 草野 恭文 酒井 健司
出版者
日本貝類学会
雑誌
貝類学雑誌Venus : the Japanese journal of malacology (ISSN:00423580)
巻号頁・発行日
vol.59, no.2, pp.177-179, 2000-06-30
被引用文献数
4

カワシンジュガイの天然宿主としては, これまでヤマメ, アマゴ, ヒメマスとニジマスの4種が知られている。これらの魚種は全てサケ属に属し, これまでイワナ属の魚種がカワシンジュガイの宿主になることは報告されていなかった。北海道富良野市内を流れる布礼別川で1997年7月7日に採集したアメマスとカワマスの鰓に, カワシンジュガイの幼生が多数寄生していることを見いだした。この幼生の殻長は0.22∿0.37 mmで, 放出時の幼生の大きさ(殻長約0.07 mm)に比べるとかなり成長していた。このことから, イワナ属に属するこの2種がカワシンジュガイ幼生の宿主となっていると考えられた。
著者
梅内 幸信
出版者
鹿児島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2002

平成14年度から最終年度である平成17年度までの研究実績は,以下の通りである。(平成14年度〜平成15年度)ホフマン文学、グリム童話、エンデ文学に関するこれまでの研究成果に基づき、ファンタジー文学に関する定義づけを試みた。ファンタジーに関するトドロフの古典的な定義を踏まえ、最近のアトベリーの定義を加味して、5つの観点から吟味し、現在の段階で最も妥当的定義づけを提出した。1.語源(無意識のもの・不可視のものを可視的にする)、2.機能(以下参照)、3.内容(童話的)、4.源(出発点はホフマンの『幻想作品集』1814-15、18末のイギリス・ゴシック小説)、5.物語の長さ(長編小説から短編小説まで、童話は除外される)。(平成16年度)この定義に基づき、ホフマン文学とエンデ文学における具体的な作品分析を通じ、それぞれの文学におけるファンタジーの特質を総括した。ファンタジー文学の重要な特徴は、童話的内容と、長編ないし短編までのその物語の長さである。この意味において、きわめて短い物語である童話は、ファンタジー文学から排除されるのである。しかし、グリム童話にもファンタジーは存在している。(平成17年度)グリム童話におけるファンタジーは、その歴史が示すように、ミクロコスモスを反映している。このファンタジーを考慮し、ファンタジー文学のもつ次のような3つの機能を提出した。1.ユートピアをめざす非現実的描写によって現実世界を止揚する。2.人類の未来社会における不安への心の準備をさせる。3.死に至る病である不安に対する免疫力をつける同種療法的効果をもつ。