著者
石合 純夫
出版者
一般社団法人 日本高次脳機能障害学会
雑誌
高次脳機能研究 (旧 失語症研究) (ISSN:13484818)
巻号頁・発行日
vol.28, no.3, pp.247-256, 2008-09-30 (Released:2009-10-27)
参考文献数
27
被引用文献数
6 2

半側空間無視は,空間性注意の右方偏倚を基本とし,課題に対する性急さ,用いる方略の不適切さなど,非空間性要因が加わった最終的表現形である。非空間性要因は,課題ごとに指示を工夫すると改善できる場合がある。注意の右方偏倚の矯正目的で「左を見て」と指示する際は,空間的フレームの明確な左側を示すと有効である。しかし,フレーム内の処理向上には,探索の跳躍を抑えるpacing を要する。保存された感覚を一側性に刺激する方法には,カロリック刺激,視運動性刺激,頸部筋振動刺激があり,刺激中の無視改善効果がある。プリズム順応は短時間で感覚—運動協調に変容を創り出し,持続性の無視改善効果が期待されている。しかし,効果は症例と課題によって異なり,今後の検討を要する。新旧の方法を交えて多角的にアプローチし,半側空間無視患者の日常生活活動向上を目指したい。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1414, pp.58-62, 2007-10-29

握り締めた両拳でテーブルを叩く。米ヒューレット・パッカード(HP)のマーク・ハード会長兼CEO(最高経営責任者)は、取材の最中に饒舌になるといつものクセが飛び出した。講演する際に気持ちが高ぶると、両手を突き上げてガッツポーズをする姿もハードCEOのトレードマークである。 「2年半前の就任当初に考えていた2010年の目標は達成しつつある。
著者
Tsukawaki Shinji Asano Izumi Kamiya Takahiro
出版者
The Japan Society of Tropical Ecology = 日本熱帯生態学会
雑誌
Tropics = 熱帯研究 (ISSN:0917415X)
巻号頁・発行日
vol.8, no.3, pp.291-316, 1999-05-30

南タイのクロントムならびにサトゥン両地域に分布するマングローブ林周辺水域での堆積作用の解明を目的とし,1996年12月および1997年8月にクロントム地域から56ならびにサトゥン地域から53の水底堆積物をそれぞれ採取し,堆積物の組成およびその水平分布・変化を調べた。また,内部水域にへの海水の到達範囲の確認および全域にわたる水底地形の把握のため,表層水の水質調査および測深を採泥と並行して行った。クロントム地域の水底には全域にわたって砂質堆積物が卓越する。これに対してサトゥン地域ではおもに泥質堆積物が分布する。これは両地域における砕屑性堆積物の主供給源となる後背地の地質をそれぞれ反映するものと考えられる。また,両地域の堆積物に含まれる砕屑性堆積物が主として両地域の背後に分布する古~中生界に由来するのに対し,底生有孔虫や介形虫などの生物源堆積物は,おもにマラッカ海峡などの海底を起源とするものといえる。これに加え,いずれの堆積物にも豊富に含まれる炭粒子は,マングローブ林内または周辺地域の村落や炭焼窯から流出したものと判断される。このように,これらの堆積物はいずれも生産地が特定されるものであり,両調査地ともに生産地から離れるにつれて,これらの堆積物の堆積物全体に対する含有量の減少や細粒化が追跡される。したがって,これらの堆積物の粒度変化や含有量の変化に加え,両地域における陸上・水底地形の特徴にもとづき,両地域における堆積物の移動過程・経路が推定される。
著者
宮腰 隆 松田 秀雄 増野 武裕 畠山 豊正 山淵 龍夫 中嶋 芳雄
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.第51回, no.ハードウェア, pp.65-66, 1995-09-20

NANDゲートのみによる論理回路の設計は構造の一様性から集積回路化に適し,重要である.(文献[1])では,一線入力多段NANDゲート回路の一設計法(以下MA法と略)を述べているが,そこでは,関数を積和項表現で与え様々な操作を行っている.今回は,積和項表現の代わりにBDD(二分決定グラフ),あるいは,SBDD(共有二分決定グラフ)を用いて効率化できるところは効率化し,多出力関数も扱えるように,拡張している.
著者
尾山 慎
出版者
大阪市立大学国語国文学研究室
雑誌
文学史研究 (ISSN:03899772)
巻号頁・発行日
no.49, pp.18-30, 2009-03

はじめに : 論者はこれまで、萬葉集を対象として子音韻尾字音仮名について検証し、次のようなことを指摘した。まず、集中においては、連合仮名という方法が実践されておらず、略音仮名と二合仮名の二種で認められること、そして前者は一字一音の仮名書きの浸透に伴って使用度数を伸ばすが、後者は萬葉第二期頃を頂点として衰退の一途に向かうこと、また、略音仮名の字種において、使用頻度を伸ばし続ける頻用字群と、概ね一回性の字種とがあること、二合仮名は訓字主体表記における使用頻度が高いという特徴があること、等である。……
著者
尾山 慎
雑誌
文学史研究 (ISSN:03899772)
巻号頁・発行日
no.48, pp.11-23, 2008-03

はじめに : これまで、論者は主に萬葉集を対象に子音韻尾字音仮名について検証し、概ね次のようなことを指摘した。集中における市音韻尾字の音仮名使用は、連合仮名という方法が行われておらず、略音仮名と二合仮名の二種で認められ、前者は一字一音の仮名書きの浸透に伴って使用度数を伸ばすが、後者は逆に衰退の一途に向かう。また、略音仮名の字種において、使用頻度を伸ばし続ける頻用字群と、概ね一回起性使用の字種とがあるが、後者は訓字主体表記における使用がやや多いという特徴がある。……
著者
荒木 俊夫
出版者
北海道大学法学部
雑誌
北大法学論集 (ISSN:03855953)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.158-173, 1963-08-31
著者
鈴木 秀典 岡 勝 山口 浩和 陣川 雅樹
出版者
森林総合研究所
巻号頁・発行日
vol.9, no.4, pp.153-162, 2010 (Released:2012-12-03)

近年の林業では、経済性や安全性の観点から機械化やそのための路網整備が必要不可欠となっているが、機械作業や路網整備にはエネルギーの使用が不可欠で、これらの機械からは必ず二酸化炭素が排出される。 よって、森林による二酸化炭素吸収量を適正に評価するためには、また、今後の機械化作業や路網整備の方向性を議論するためにも、林業活動に伴う排出量を明らかにする必要がある。 本研究では日本の森林を対象に路網整備過程に着目して、林道、作業道の開設工事において、建設機械の燃料消費による二酸化炭素排出量を算出した。このために、民有林林道では設計書から土工量および燃料消費量を調べた。国有林林道では民有林林道の値からこれらの値を推定した。作業道では既存の調査による土工量および民有林林道の値から燃料消費量を推定した。これらの値と、各年間開設延長から排出量を算出した結果、2007年度の排出量が、民有林林道から48.09ktCO2/年、国有林林道から11.71ktC02/年、民有林作業道から97.64ktCO2/年と算出された。また、森林・林業基本計画(2006)における林道・作業道の整備目標を達成すると、2007年以降、19.11~20.39MtCO2の二酸化炭素が排出されるとの予測結果を得た。
著者
藤原 直子 竹下 輝和
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.73, no.632, pp.2041-2048, 2008-10-30 (Released:2009-10-28)
参考文献数
13
被引用文献数
1

In this study we analyzed characteristics of activities of junior-high-school teachers, and got some insights of the teachers-room. Teachers' time is severely restricted. Particularly, in the 10-minute-free-time they must manage many tasks, as the school building plan intends. When teachers' working space is under much attention of students, individual guidance and grading is difficult. When the teachers' rooms are separated, teachers need much time to move, so it is difficult to rest and work in the 10-minute-free-time. Also, they have less communication, and have more trouble under sudden accidents on students.

1 0 0 0 OA 商家秘録

出版者
江尻芳次郎
巻号頁・発行日
1885
著者
寺島 俊穂
出版者
慶應義塾大学法学研究会
雑誌
法學研究 : 法律・政治・社会 (ISSN:03890538)
巻号頁・発行日
vol.61, no.11, pp.77-99, 1988-11

一 はじめに二 人間の実存の理論的位相三 古典的政治学の現代的意義--以上前号四 存在の神的基盤と歴史認識--以下本号五 グノーシス主義批判六 おわりに論説
著者
浅井 俊克
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集
巻号頁・発行日
vol.2005, pp.83, 2005

欧米先進国に比べて、日本社会、企業は情報化時代への対応の遅れが目立ってきたと考えている。それは情報化投資にも表れている。これまで経営に十分に役立つ情報システムを実現してこなかったからではないか。それはなぜか。情報化時代に向けた変革ビジョンが明らかにならないからだと考える。MITのブリニュルフソンのデジタル組織やマローンの21世紀型組織の考えを参考にしながら、日本社会における情報化の課題を考える。 従来の工業化時代の価値観をパラダイムX、これからの価値観をパラダイムYとして、両者の違いを明らかにし、情報化時代に向けた変革ビジョンを示すとともに、21世紀型経営モデルの提案を試みる。