著者
古和 久典
出版者
日本神経治療学会
雑誌
神経治療学 (ISSN:09168443)
巻号頁・発行日
vol.36, no.3, pp.194-197, 2019 (Released:2019-11-25)
参考文献数
12

What should we do if the patient complains of a headache?In general, it is essential to first check the vital signs, evaluate the level of consciousness, and decide whether or not it is in an emergency. Headache diagnosis will be followed without medical emergent situation. First of all, you should confirm whether it is “a headache that he/she has never experienced before” or “it is a headache that he/she always repeat”. If it is the former, there is a higher probability of a “secondary headache” which has other causes of headache, and if it is the latter, it may be a chronic headache of “primary headache” as the headache itself is a disease.If you think of a secondary headache, you have to make sure that you don't miss a headache due to an urgent or progressive disease that can not be postponed. According to “Clinical Practice Guideline for Chronic Headache 2013”, in the following cases : (1) headache with sudden onset, (2) headache never experienced before, (3) headache different from the customary headache, (4) headache that has increased in frequency and intensity, (5) headache begins after age 50, (6) headache with neurological deficit, (7) headache in a patient with cancer or immunodeficiency, (8) headache in a patient with psychiatric symptoms, (9) headache in a patient with fever, neck stiffness or meningeal irritation, it is recommended that an aggressive search is necessary in doubt of secondary headache. It is important to keep in mind the characteristics and accompanying symptoms of headaches to search.When considering primary headache that is a disease itself such as migraine, tension–type headache, and trigeminal autonomic cephalalgias, you should be clear whether the diagnosis is migraine, and if it is migraine, how the influence on daily life is.One of the most difficult issues at present in daily practice of migraine headaches is to respond chronic headaches. It is necessary to search for chronification promoting factors that can be intervened and to treat migraine with considering the prevention against it.Although everyone has experienced headaches at least once due to colds, lack of sleep, or hangovers, and headaches are one of the common complaints often encountered in daily practice, there is always the possibility that secondary headaches or severe migraine headaches are included in it. It is hoped that many headache patients will be able to spend their smiles as medical workers deal with appropriate headaches.
著者
Ki-ichiro Tanaka Toshio Ono Nobuhiko Katsura
出版者
Japanese Association for Oral Biology
雑誌
歯科基礎医学会雑誌 (ISSN:03850137)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.219-226, 1988-04-20 (Released:2010-06-11)
参考文献数
17
被引用文献数
2 3

ミドリシャミセンガイ殻よりヒドロオキシアパタイトに強く吸着するタンパク画分を単離した。これは分子量14万で, アスパラギン酸, グルタミン酸, グリシンに富む酸性タンパクである。またニンヒドリン陽性の末同定の酸性成分を含む。一方, γ-カルボキシグルタミン酸は含まない。このタンパクのアミノ酸組成はオステオネクチンやボーンモルフォジェネテックプロティン (bone morphogenetic protein) のアミノ酸組成に類似している。このタンパクはカルシウム親和性を有し, α-ヘリックス, β-構造をかなり含み, そのコンフォメーションはカルシウムイオン濃度を高めても, ほとんど変化しなかった。このタンパク画分は疎水結合, S-S結合によって会合した多量体タンパクである。
著者
森田 務 井手 眞喜雄 赤羽 優燿 能城 裕希 益山 光一
出版者
一般社団法人 レギュラトリーサイエンス学会
雑誌
レギュラトリーサイエンス学会誌 (ISSN:21857113)
巻号頁・発行日
vol.9, no.3, pp.165-174, 2019 (Released:2019-09-30)
参考文献数
8

医療用医薬品から一般用医薬品への移行について日本の新たな仕組み (スイッチOTC成分の新評価システム) が2015年5月に了承され, 本システムで一般用に転用が適当なものとして公表された成分を製造販売承認申請する際には, 原則として, 添付文書理解度調査の結果を提出することとなった. 本調査の目的は, 2016年1月21日に発出された 「要指導医薬品の添付文書理解度調査ガイダンス案」 を実施するための課題を明確にすることである. 本調査は, ガイダンス案にもとづいてパイロットスタディの位置づけで実施された. 有効成分が実在しない医薬品について添付文書記載要領にもとづき, 模擬添付文書を作成し, 理解度調査をインタビュー方式で実施した. 調査の結果, 合格基準を満たさなかったものの, 本試験において見いだされた注意点をふまえ, 運用上の工夫をすることで, ガイダンス案を遵守した調査実施は可能であると推察された.
著者
松崎 博季 元木 邦俊
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集 第22回ファジィ システム シンポジウム
巻号頁・発行日
pp.6, 2006 (Released:2007-05-30)

口腔と鼻腔が結合した日本語母音/a/発声のMRIデータから作成した鼻腔付き3 次元声道形状モデルとこのモデルから鼻腔を取り去った鼻腔無しモデルの音響特 性を,声道壁および鼻腔壁を剛壁あるいは軟壁のどちらかを仮定してFEMを用い て伝達特性およびアクティブインテンシティを計算した。壁が剛壁の場合の鼻腔付きモデルの伝達特性のみに見られるピークは, 軟壁の場合には見られなくなった。鼻腔付きモデルと鼻腔無しモデルの伝達特性のピーク周波数の差は剛壁の 場合よりも軟壁の場合の方が大きかった。壁が軟かくなることで,第1および第3ピーク周波数は実音声のホルマント周波数に近づいたが,第2および第4ピーク周波数では差が大きくなった。また,軟壁の場合のアクティブインテンシティのベクトル分布は剛壁の場合とは異なるものとなった。
著者
小林 江梨子 池下 暁人 孫 尚孝 櫻田 大也 佐藤 信範
出版者
一般社団法人 レギュラトリーサイエンス学会
雑誌
レギュラトリーサイエンス学会誌 (ISSN:21857113)
巻号頁・発行日
vol.9, no.3, pp.141-150, 2019 (Released:2019-09-30)
参考文献数
9

後発医薬品への 「変更不可処方せん」 について調査を行った. 2018年7〜8月の任意の1週間における, 一般社団法人日本保険薬局協会の会員薬局2,667薬局で受けつけた全処方せん945,668枚のうち, 変更不可処方せんは103,378枚 (10.93%) であった. 各薬局における変更不可処方せんの割合は, 5%以下の薬局が46.38%と最も多く, つづいて0%の薬局が17.51%であった. 各薬局における変更不可処方せんの割合の平均値は10.22%であるが, 中央値は2.74%であり, 半数以上の薬局で, 変更不可処方せんの割合が2〜3%程度である一方で, 変更不可処方せんの割合の大きい薬局も存在する等, 薬局間でばらつきが大きいことが示された. 九州・沖縄地方では, 中央値が0.70%で最も小さく, 変更不可処方せんの割合が5%以下の薬局が, 75%以上を占めていた. 北海道地方では, 平均値が12.9%で最も大きく, 変更不可処方せんの割合が5%以下の薬局の割合は, 最も少なく, 61.5%に過ぎなかった. 平均値は地域によって異なっており, 北海道地方, 中部地方, 近畿地方, 四国地方で10%以上となっていた. 後発医薬品へ変更可能な処方せんにおいて, 後発医薬品へ変更しない主な理由は, 94.94%の薬局が指摘した “患者の意向” であった. そのほかの具体的な理由 (記述式) のうち, 最も多かったのは, 処方元からの口頭などによる指示であった. 過半数の薬局において変更不可処方せんの割合が小さい一方で, 変更不可処方せんの割合が大きい薬局も存在することから, このような薬局に焦点を当てた政策も必要である. 今後は, さまざまな特性の薬局を含めた調査が必要である.
著者
田辺 晋 石原 与四郎
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.119, no.5, pp.350-367, 2013-05-15 (Released:2013-09-28)
参考文献数
57
被引用文献数
9 10

日本の沿岸河口低地の沖積層に一般的にみられる最上部陸成層は,これまでその分布深度や堆積年代にもとづいて“弥生の小海退”の根拠とされてきた.しかし“弥生の小海退”の存在は汎世界的なコンセンサスを得ているわけではない.東京低地と中川低地の最上部陸成層の堆積相と放射性炭素年代値を整理したところ,最上部陸成層を構成する氾濫原堆積物が標高-1 m以浅に分布し,最上部陸成層の下部(標高-7~-3 m,約3~2 ka)と上部(標高-3 m以浅,約2~0 ka)で河川システムの形態がシート状からアナストモーズする河川チャネル堆積物へと変化することが明らかになった.シート状とアナストモーズする河川チャネル堆積物はそれぞれ低海水準期と海水準上昇期に一般的である.したがって,これらの事象は,約3~2 kaに相対的な海水準が現在よりも低く,その後現在にかけて上昇したことによって整合的に説明することができる.
著者
北川 徹三 小林 義隆 遠藤 瞭 楠木 英吾
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
工業化学雑誌 (ISSN:00232734)
巻号頁・発行日
vol.69, no.7, pp.1263-1267, 1966-07-05 (Released:2011-09-02)
参考文献数
16
被引用文献数
1

アンモニアの爆発危険性について研究を行なった。すなわち,エネルギー源として火花放電を用い,アンモニア-酸素-窒素系,アンモニア-空気-窒素系,アンモニア-酸素-ジクロルジフルオルメタン系,アンモニア-空気-ジクロルジフルオルメタン系の爆発範囲および,アンモエア-空気系について最小着火エネルギーを測定した。その結果は,常温,常圧下のアンモニア-酸素-窒素系における爆発臨界点の組成はアンモニア18.4,酸素13.4,窒素68.2vol%であり,アンモニア-酸素-ジクロルジフルオルメタン系においてはアンモニア30.0,酸素22.5,ジクロルジフルオルメタン47.5%であった。ジクロルジフルオルメタンを添加した場合には爆発に際し,ハロゲン化アンモニウムの生成が観察された。また,アンモニア-空気系の常温,常圧下における最小着火エネルギーを測定した結果は,アンモニア濃度19.5%に存在し,その値は170mJ で, 一般の炭化水素ガスなどに比較し, 非常に大きい結果を得た。
著者
板倉 尚子 渡部 真由美
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.35 Suppl. No.2 (第43回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.C0930, 2008 (Released:2008-05-13)

【目的】我々はA大学女子バレーボール部(以下AVT)において、誘因が明らかでない近位脛腓関節部の疼痛を数例経験している.疼痛の誘因を探していたところ、ウォーミングアップおよびクーリングダウンの際に日常的に行われている腓骨筋に対するエクササイズ方法(以下PEx)に誤操作を確認した.AVTが行っているPExは、2人組にて股関節・膝関節屈曲位および足関節背屈位とし、両下肢内側を密着し、踵部を床面に接地させて固定させ、パートナーが両足部外側に徒手抵抗を加え腓骨筋を等尺性収縮させたのち、急激に徒手抵抗を解除する方法で行われていた.抵抗を解除した瞬間に足関節外返し運動と著明な下腿外旋が生じているのを観察した.今回、誤操作によるPExが近位脛腓関節と下腿外旋に与える影響を測定した.【対象および方法】AVT所属選手18名36肢とした.方法1についてはB大学女子バレーボール部所属選手(以下BVT)で膝関節に外傷の既往のない選手8名16肢に同意を得て実施した.方法1は触診により近位脛腓関節部の圧痛を確認した.方法2は肢位を端座位とし股関節および膝関節、足関節は90度屈曲位とした.大腿骨内側上顆および外側上顆を結ぶ線の中間点と上前腸骨棘を通る線を大腿骨長軸とし、大腿骨長軸と交わる垂直線をラインAとした.ラインAと膝蓋骨下端を通る水平線との交点をマーキングし、交点と脛骨粗面部と結ぶ線をラインBとした.ラインAとラインBをなす角度を測定した.測定は中間位および他動的に下腿を最終域まで外旋する操作をさせた肢位で行った.【結果】方法1によりBVTでは全例において近位脛腓関節部に圧痛および違和感は認められなかったが、AVTでは36肢のうち11肢(30.6%)に認められた.方法2にて得られた測定値の平均は中間位18.2±7.9°、外旋位36.2±8.9°、外旋位と中間位の差の平均は18.1±7.3であった.測定値と圧痛出現の関係においては明らかな傾向は認められなかった.【考察】方法1ではBVTでは全例に圧痛を認めなかったが、AVTでは11肢(30.6%)に圧痛を確認した.足関節外返しにより腓骨頭は上方へ引き上げられ、また膝関節屈曲位での膝関節外旋運動は大腿二頭筋の筋活動が優位となり腓骨頭を後方へ牽引させる.BVTでは誤操作によるPExは行われておらず、方法1の結果から、誤操作によるPExの繰り返しは近位脛腓関節部に負荷をかけ疼痛の誘因となることが予想された.しかし下腿外旋と圧痛出現に関しては明らかな傾向は認められず、下腿外旋が大きいほど疼痛が出現するとは限らないことが示された.【まとめ】我々はAVTとBVTに対して外傷管理を行っているが、AVTにのみ誘因が明らかでない近位脛腓関節部の疼痛を経験していた.疼痛発生の誘因は日常的に行われていた誤操作によるPExである可能性があると思われた.今後は正しいPExを指導し経過観察する予定である.
著者
安藤 裕一 植嶋 大晃 渡邊 多永子 田宮 菜奈子
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.67, no.5, pp.311-318, 2020-05-15 (Released:2020-06-02)
参考文献数
20

目的 日常的に運動を行うことは,生活習慣病の予防ならびに健康寿命を延伸するための一つの要素とされている。本研究は,高齢者の参加と安全配慮に主眼をおき全国に展開する「総合型地域スポーツクラブ」(総合型クラブ)の現状を分析し課題を考察することを目的とした。方法 スポーツ庁が2016年に実施した「総合型地域スポーツクラブ活動状況調査」を二次利用し,年代別会員数の記載のある2,444クラブを対象とした。総会員数に対するシニア会員数の割合(シニア会員割合)の4分位点を算出した上で,シニア会員割合が少ない群から順にA群,B群,C群,D群としこれを独立変数とした。また総合型クラブの所在地に基づき6地域に分類したものをもう一つの独立変数とした。従属変数は,総会員数,シニア会員数,シニア会員割合,1人当たりの月会費,クラブ収入総額,会員1人当たりの年予算,スポーツ・レクリエーション活動種目数,スポーツ指導者数,会員10人当たりのスポーツ指導者数,危機管理方策・事故防止対策(全13項目),法人格取得の有無とした。結果 シニア会員割合が高いD群は,会員数,1人当たりの会費,クラブ収入総額,会員1人当たりの年予算が低く,スポーツ指導者数ならびに,会員10人当たりのスポーツ指導者数が少なかった。またD群は危機管理方策・事故防止対策の6項目(健康証明書提出,賠償責任保険加入,安全講習会実施,熱中症対策,医師との連携,AED設置)の実施割合が最も低く,法人格の取得割合も最も低かった。地域間の比較では,シニア会員の割合は,中国四国が高く,中部が低いという地域差を認めたもののいずれの地域もその中央値は20%台であった。危機管理方策・事故防止対策の実施割合は,関東は10項目で最も高かったのに対し,近畿は8項目で最も低かった。結論 高齢の会員割合が高い総合型クラブは人的規模ならびに予算規模が小さく,危機管理方策・事故防止対策が遅れていること,またこれらの規模や安全対策に地域差がみられることが示された。「高齢者は疾病を抱える可能性が高いことを鑑みれば,高齢の会員割合が高い総合型クラブは安全配慮が重要であるにも関わらず取り組みが遅れている」という現状を,該当する総合型クラブならびに関係機関は理解した上で改善を進めることが必要である。
著者
伊藤 海 田口 敦子 松永 篤志 竹田 香織 村山 洋史 大森 純子
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.67, no.5, pp.334-343, 2020-05-15 (Released:2020-06-02)
参考文献数
32

目的 介護保険制度が2000年に導入され,高齢社会の到来を見越した動きが高まり,互助の重要性が国として認識され始めた。本研究は,近年の互助の定義と構成概念を明らかにし,互助の取り組みを拡充する方策を検討することを目的とした。それにより,地域包括ケアシステムの構築に向けた互助拡充に資することを目指す。方法 Rodgersの概念分析法を用いた。データベースは医学中央雑誌web版に加え,CiNii Articlesを用いた。タイトルまたは抄録に「互助」を含む文献を検索した。検索式は「互助/TA」と設定した。検索期間は2000年以降とした(検索日2016年8月30日)。30件の文献をランダムサンプリングにより選定し,そこにランドマークとなる文献を加えた全32件を分析対象とした。分析は,属性(互助の特性),先行要件(互助に影響する要因),帰結(互助に期待される成果)の3つの枠組みで質的に行った。結果 互助の特性として,【住民間の生活課題に関する共感体験】,【互いに補おうとする住民の自発的な意識】,【地域の生活課題を解決し合う住民の相互行為】の3つのカテゴリが抽出された。互助に影響する要因として,【自助や共助・公助のみでは解決できない生活課題の存在】,【住民間の交流の存在】,【住民間の生活課題の共有】,【住民主体の支え合いを推進する公的仕組み】の4つのカテゴリが挙がった。互助に期待される成果として,【住民の生活課題の解決】,【住民の自助意識の向上】,【住民の役割や生きがいの創出】,【住民間の交流やつながりの促進】の4つのカテゴリが抽出された。結論 互助は,「地域の生活課題を解決し合う住民の相互行為。また,生活課題に対する共感体験,および互いに地域の生活課題を補おうとする自発的な意識を住民が持つこと」と定義された。また,互助の拡充に向けて必要な対策として,住民が他者への共感を持つこと,互助で取り組むことで得られる住民の利益を住民自身が理解すること,住民主体の支え合いでありつつも公的な仕組みがあることの必要性が示唆された。
著者
國分 恵子 堀口 美奈子 森 亨
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.67, no.5, pp.319-326, 2020-05-15 (Released:2020-06-02)
参考文献数
20

目的 介護保険を初めて申請し,認定された者の5年後の生存状況から生命予後に関連する要因を探る。方法 某自治体で2年間に新たに介護保険認定を受けた65歳以上の556人について,その後平均4.5年間の死亡状況を,標準化死亡比(SMR)を用いて一般人口と比較し,その関連要因について分析した。結果 対象者の平均年齢は81.6歳,女性が63%を占めていた。認定後の死亡率(人年法)は全体で16.9%,男が女より高く,また年齢とともに高くなっていた。SMRは,全体では1.80(倍),男>女であるが,年齢は低いほどSMRは高かった。登録時の障害自立度では区分が重度になるほどSMRは高くなるが,認知症自立度ではそのような有意の関連は見られなかった。多変量解析によると,死亡に対して性(男>女),年齢階級(老>若),障害自立度,生活の場(居宅>施設)が有意の要因であった。すなわち死亡のオッズ比は,女で0.35(男=1),95%信頼区間0.24-0.51,年齢階級では65-74歳を基準として75-84歳,85歳以上の区分ごとに1.84(同1.39-2.47),障害自立度では「正常」を基準に各区分ごとに1.38(同1.21-1.58),生活の場では「居宅」を基準に「施設」で0.64(同0.42-0.99)であった。認知症自立度Ⅱa-Ⅳの該当者を暫定的認知症例としてみても以上の所見は同様であった。結論 介護保険認定高齢者の死亡率は一般人口よりも高く,これは障害者自立度に依存するが,認知症自立度には依存しない。この所見を説明するために更なる研究が必要である。
著者
澤井 一彰
出版者
早稲田大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2012-08-31

本科研の研究成果としては、東地中海世界の中心都市であったイスタンブルにおいて16世紀から18世紀にかけて発生した複数の自然災害の実態と、その後の復興の過程を詳細に解明したことが挙げられる。具体的には、1509年のイスタンブル大地震、1563年のイスタンブル大洪水、そして1766年のイスタンブル大地震について、研究報告を合計5回行い、それらを活字にした論文を合計4本執筆した。海外の研究機関に所蔵されている関係史料の調査も積極的に行い、イスタンブルの首相府オスマン文書館、メトロポリタン美術館、パリ国立図書館、ヴェネツィア国立文書館、ライデン大学図書館から多数の史料を収集することができた。
著者
羽田 野甫
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.67, no.3, pp.298-301, 1998-03-10 (Released:2009-02-05)
参考文献数
16

超膏波浮揚は,超膏波の非線形効果によって生じる音響放射庄を利用して,物体を非接触で空閾の.定の位置に浮揚・保持しようとするものである.微小璽力環境における無窓器プロセシングのために開発された超音波浮遊炉を例にあげて,その展望を行った.
著者
吉田 博
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.61, no.8, pp.809-812, 1992-08-10 (Released:2009-02-05)
参考文献数
9

バルク結晶では混じり合わないような二種類の化合物半導体を,中間の格子定数をもつ化合物半導体の基板上にエピタキシャル気相成長させることによって,自然界には存在しなかった新しい規則半導体合金を作成するとができる.これらの結晶成長の微視的な起源を,第一原理からの電子状態計算に基づいて解説する.