著者
吉原 恵子
出版者
東京大学大学院教育学研究科
雑誌
東京大学大学院教育学研究科紀要 (ISSN:13421050)
巻号頁・発行日
vol.37, pp.123-133, 1997-12-12

Most studies of women higher education have focused on "how higher education brings different future to women from men's." In other words, they have argued on the segregated education between men and women. So far, various approaches, such as, guidance in choosing universities, cooling-down of aspiration, school culture to affect students'educational ambition, gender-role socialization, have been employed in the regards of the selection of universities. On the other hand, as to after entering universities, feminine tracks leading to different occupational careers have been pointed out. However, the entrance examination system between high school and university has not been payed attention fully as a system to differentiate students by gender. In this paper, we explore that the entrance examination is not one of procedures to enter a university, but it prepares a kind of "feminine tracks." To achieve the aim, we mainly use a cross-sectional data acquired by the research in which university students in Tokyo filled out the questionnaire. Firstly, we take up girls'high schools and boys'high school and examine how they use "the admission by school recommendation" as one of means to enter a university (II). Secondly, we analyze the difference in the use of "the admission by school recommendation" between girls of girls'high schools and girls of coed high schools (III). Lastly, "Ronin" norm in choosing universities among girls is analyzed (IV).
著者
松本 秀明
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
地理学評論 (ISSN:00167444)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.72-85, 1981-02-01 (Released:2008-12-24)
参考文献数
16
被引用文献数
9 18

仙台平野における沖積層の堆積構造を明らかにするため,野外調査・ボーリング資料解析および14C年代測定を行なった.これをもとに約1万年前以降の海岸線変化を復元し,後氷期の海水準変化との関係から仙台平野の地形発達を考察した. 仙台平野の沖積層は堆積環境の違いをもとに8層に細分される.とくに海成層の堆積状態に注目し,海域変化を復元した結果,後氷期の急速な海水準上昇による海域の最拡大期は,阿武隈川の埋積谷においては海水準が-10mに達する7,900年前,名取川・七北田川の埋積谷においてはそれぞれ海水準が-7m, -5mに達する7,500年前, 7,200年前にあり,その後は陸側からの土砂による海底埋積速度が海水準上昇速度を相対的に上まわることにより,海水準は上昇しながらも陸域の拡大によって海域は後退し,現在に到るものと考える.
著者
森西 洋平 小林 敏雄
出版者
東京大学生産技術研究所
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.43, no.1, pp.4-11, 1991-01-01

特集 乱流の数値シミュレーション(NST) その7
著者
林 真紀夫
出版者
日本農業気象学会
雑誌
農業気象 (ISSN:00218588)
巻号頁・発行日
vol.40, no.3, pp.289-292, 1984-12-10 (Released:2010-02-25)
参考文献数
9
著者
清川 貴志 山口 浩和 照屋 正則 清水 誠一郎 上西 紀夫
出版者
日本外科系連合学会
雑誌
日本外科系連合学会誌 (ISSN:03857883)
巻号頁・発行日
vol.37, no.6, pp.1191-1196, 2012 (Released:2013-12-25)
参考文献数
19

症例は43歳女性.検診で高血圧,貧血を指摘され近医受診しCTでトライツ靭帯の背側に約6cm大の腫瘤を認めた.小腸Gastrointestinal stromal tumor(GIST)と診断され,手術目的に当院紹介となった.しかし問診で労作性の動悸が判明し,高血圧も認めたため内分泌的精査を行ったところノルアドレナリン高値を認めた.またMetaiodobenzylguanidine(MIBG)シンチグラフィーで腫瘍に高濃度集積を認めたため,後腹膜原発paragangliomaと診断し手術を施行した.当症例は画像上ではGISTとの鑑別が困難であったが,術前の問診と内分泌精査により的確に診断することができた.致死的な合併症の可能性を考えると大動脈周囲後腹膜の腫瘍は常にparagangliomaの可能性を考慮すべきと考えられた.
著者
堀江 宗正
出版者
東京大学文学部宗教学研究室
雑誌
東京大学宗教学年報 (ISSN:2896400)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.57-72, 2000-03-31

This article surveys the theories of prominent psychologists of religion - W. James, S. Freud, C. G. Jung, E. Promm, A. H. Maslow, and E. H. Erikson. It shows that they are concerned with the process of self-actualization though not all of them use that term. Finally, their theories of self-actualization are considered in relation to religion. The psychologists of religion delineated the process of human psychological growth in analyzing religion as a research object, whether presenting an authentic way of religion or criticizing an actual way of religion. Despite of their differences and their uniquenesses, the processes they described are so similar that one can include them under the title of self-actualization. Self-actualization is the process by which one leaves one-sided ego and actualizes the authentic self or gradually approaches the genuine self. Its significant feature is the ultimate concern to the Self. The psychological thought movement, which regards self-actualization as a norm, should be understood as one example of what Bellah calls "modern religion," the last stage in his scheme of religious evolution. Thus referring to Bellah's discussion, it can be made clear that the psychological thought movement in modern advanced countries represents a new spirituality, although those who are concerned would claim it to be different from religion. In the last part of this paper, the author focuses on the motif of recovery of totality in the theory of self-actualization and points to the fact that the motif is expressed as "healing" in the recent scene of the movement.
著者
鈴木 聡 森松 博史 江木 盛時 清水 一好 松崎 孝 佐藤 哲文 片山 浩 森田 潔
出版者
一般社団法人 日本集中治療医学会
雑誌
日本集中治療医学会雑誌 (ISSN:13407988)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.215-220, 2011-04-01 (Released:2011-10-05)
参考文献数
16
被引用文献数
1 1

術後の発作性心房細動の発生は,ICUや病院滞在日数,医療費の増加につながることが報告されており,その管理は重要である。我々は,食道癌術後に難治性の発作性心房細動を合併し,短時間作用型β1選択的遮断薬である塩酸ランジオロールを使用した7例を経験した。症例は51~87歳で,いずれも男性であった。複数の抗不整脈薬が無効であり,塩酸ランジオロール投与を開始した。初期の急速投与は行わず,4.3~33.5μg/kg/minと低用量の範囲で開始し,投与前と投与1時間後の心拍数は平均153[140, 167][95%信頼区間] /minから101[88, 116] /min(P<0.0001)と有意な低下を認めた。平均血圧は88[78, 94] mmHgから82[74, 89] mmHg(P=0.37)と有意な変化を認めず,重症な低血圧に陥る症例もなかった。6例では投与開始24時間以内に洞調律に回復した。複数の抗不整脈薬に抵抗性の食道癌術後発作性心房細動に対する低用量の塩酸ランジオロール投与は,大きな血圧の低下なく心拍数の安定をもたらした。
著者
原 信之 大田 満夫 古川 次男 吉田 猛朗 井口 潔
出版者
特定非営利活動法人 日本肺癌学会
雑誌
肺癌 (ISSN:03869628)
巻号頁・発行日
vol.22, no.4, pp.441-448, 1982-09-30 (Released:2011-08-10)
参考文献数
14
被引用文献数
2

127例の肺癌手術例を対象にして術後呼吸困難に及ぼす術前術後因子を検討した.肺葉切除104例中42%は術後呼吸困難がなく, 49%は軽度, 8%は中等度, 1%は重症であった.全肺摘除23例では, 軽度48%, 中等度35%, 重症17%であった.術後の呼吸困難の程度は, 術式, 術後肺機能, 気道感染の有無に強く影響された.全肺摘除患者に運動負荷試験を行ったが, いつれの症例も運動能力の低下があり, 軽度の負荷に対しても換気量, 酸素消費量, 心拍数は著明に増加した.
著者
斎藤梅雄 著
出版者
東洋図書
巻号頁・発行日
1930

1 0 0 0 OA てほん

著者
文部省 編
出版者
文部省
巻号頁・発行日
vol.下 教師用, 1941

1 0 0 0 OA 習字教材

著者
佐藤惟昇 編
出版者
流芳軒
巻号頁・発行日
1908
著者
糸長徳松 著
出版者
富山房[ほか]
巻号頁・発行日
1910
著者
米田 浩平 日浅 芳一 當別當 洋平 馬原 啓太郎 細川 忍 原 朋子 石橋 直子 尾崎 敬治 後藤 哲也 藤井 義幸 山下 理子
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.43, no.5, pp.681-686, 2011 (Released:2012-11-07)
参考文献数
11

症例は16歳, 男性. 発熱, 倦怠感と労作時呼吸困難を訴え近医を受診し, 白血球減少を指摘され, 当院血液科へ紹介された. 精査目的に入院したが, 呼吸困難の増悪を認めたため, 循環器科へ紹介された. 心エコーでは右心系の拡大と中等度の肺高血圧を認め, 造影CTを施行したところ両側肺動脈を中心に広範囲に血栓を認め, 肺血栓塞栓症(pulmonary thromboembolism; PTE)と診断した. 血小板数が54.5万と増加しており,(腫瘍性の)血小板増加もPTEの原因の1つである可能性が考えられた. ウロキナーゼ, ヘパリンを投与し治療を行ったが, 治療開始後にも呼吸困難は継続していた. 白血球減少については骨髄検査を行い, 20%以上の芽球を認めたため, 急性骨髄性白血病(AML with multilineage dysplasia)と診断した. 入院7日目よりIDA+Ara-Cによる寛解導入療法を開始したところ, 症状は軽快し, 心エコー上も右心負荷の改善を認めた. その後, 同種骨髄移植を行い当院血液科外来にてPTEの再発なく経過観察中であったが, 移植後の再発のため2010年3月死亡. 今回, PTEが初発症状の1つとして発症し, その治療として化学療法が奏功した若年者のAMLの1例を経験したので報告する.
著者
畠山 力三 金子 俊郎 加藤 俊顕
出版者
東北大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2009

シリコン基板上への高品質グラフェン直接合成法を開発することに成功した. 拡散プラズマを利用して, シリコン基板表面に薄膜状に堆積させたニッケル内部の炭素拡散を促進させることで, ニッケルとシリコン基板界面に高品質グラフェンを直接合成することを実現した. また, 同様の拡散プラズマを利用することで, グラフェンエッジのみに選択的に窒素原子をドーピングすることに成功した. これにより, グラフェンの電気伝導特性をp型からn型に自在に制御する手法を確立した
著者
串田 久治
出版者
大阪府立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1999

本研究は彗星と流星の観測記録ととともに生まれる「予言」記録を整理することによって、これまでの一連の研究で明らかにした古代中国の天文学と「予言」の政治学を更に補強し、古代中国の「予言」が当時の政治や社会を動かす原動力となっていたことを解明して、董仲舒の災異説の現実的役割を中国古代社会思想史上に位置付けることにある。古代中国人が五惑星の異常運行に劣らず恐れたのは彗星と流星の出現・消滅であった。その出現と消滅に、古来為政者が無関心ではいられなかったのは、自然界と人間世界との相関関係を受け入れ、天体の神秘は地上の政治に対する天の意思表示であると考える古代中国では当然のことである。このことは、中国で天文学が科学としてよりも国家占星術として発展していった事実とも符合する。ところで、董仲舒が儒教国教化のアンチテーゼとして提唱した災異説がそれ以後の社会に多大な影響を与えたことは周知の事実であるが、災異説が広く受け入れられて社会に定着するには、言説だけでは不充分である。言説を理解することと納得することとは同じではない。誰もが目にすることのできる神秘的現象によって現実にあった政治的・社会的事件・出来事が説明され、その合理性が納得されて始めて災異説の言う「天の譴責」は為政者に対して意味を持つ。しかし、前漢末、讖緯説の隆盛とともに災異説が本来の批判精神を喪失すると、彗星・流星の出現は「予言」を創出し、五惑星の異常運行にまつわる「予言」が果たしたと同じように、災異説の批判精神を見事に継承して人間社会への警鐘として機能し続けたのである。
著者
塚本 勝巳 西田 睦
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1998

1.集団構造の解析:同一年度に台湾,中国(丹東),種子島,宮城に接岸したシラスウナギ各50個体,計200個体について,ミトコンドリアDNA調節領域(約600bP)の塩基配列を決定し,集団解析を行った結果,明瞭に分化した集団の存在は認められなかった。また,産卵親魚集団の遺伝的組成をより正確に反映している可能性のあるレプトケファルスを5回にわたる調査航海で採集し,これらについて同様の解析を行った結果,産卵時期の異なったレプトケファルス集団間に有意な遺伝的分化の徴候は得られなかった。また,核DNAレベルの詳細な比較を行うために,AFLP分析を宮城,神奈川,種子島で採集した計30個体のシラスについて行ったが,やはり明瞭な地理的分化は認められなかった。今後核DNAの遺伝的変異をさらに調べるための準備として,マイクロサテライトマーカーの単離も進めた。2.耳石解析:国内5地点で,シラス接岸時期の前・中・後期に採集したシラス計150尾について,耳石日周輪の解析を行った。ウナギの接岸日齢は約6ヶ月で,産卵期は4〜11月,産卵ピークは7月にあることがわかった。また,産卵期の早期に生またものは,遅生まれの群に比較して成長がよく,若齢でより低緯度の河口に,早期に接岸することが明らかになった。日本周辺の沿岸域と東シナ海で採集した下リウナギの耳石ストロンチウム濃度をEPMA分析で調べたところ,約75%が淡水に遡上しない個体で占められており,ウナギ資源の再生産に寄与するものの大部分は,河川に遡上しない個体が今えているものと推察された。3.結論:現在のところ東アジアのウナギ資源は巨大な単一集団と考えるのがよく,また河口域がウナギの重要な生息域であると再認識されたので,ウナギ資源の保全のためには,まず河口の汚染を改善すること,河口の親ウナギ漁業の制限,さらには東アジア4ヶ国全体でシラス漁業の国際管理を行うことが重要である。