著者
笠原 聡子 杉本 千恵 岡 耕平
出版者
公益社団法人 日本看護科学学会
雑誌
日本看護科学会誌 (ISSN:02875330)
巻号頁・発行日
vol.38, pp.160-168, 2018 (Released:2018-11-13)
参考文献数
34

目的:二次元レジリエンス要因尺度(BRS; Bidimensional Resilience Scale)の信頼性と妥当性を看護学生と看護師で検討する.方法:看護学生246名と看護師881名に自記式質問紙調査を実施した.BRSについて,Cronbachのα,精神的回復力尺度(ARS; Adolescent Resilience Scale)との相関・偏相関分析,共分散構造分析による高次因子分析を行った.結果:看護学生230名と看護師742名から有効回答を得た.高次因子分析により2尺度(資質/獲得RS)7因子の2次元構造が確認された.統御力を資質RSから獲得RSに移行したモデルでの適合度改善はなかった.Cronbachのαは0.49~0.85であり,ARSと有意な相関があった.結論:BRSの信頼性と妥当性は確認されたが,一部因子では結果の解釈に注意が必要である.
著者
沖 裕貴
出版者
中部大学大学教育研究センター
雑誌
中部大学教育研究 (ISSN:13497316)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.1-18, 2017-12-20 (Released:2018-02-14)

本稿では、カナダおよび世界各国の制度的な教育専念教員ならびに実質的な教育専念教員に関する実態とその導入の背景や特徴、課題についてまとめたものである。カナダをはじめ一部の国々では終身雇用で教授職への昇進を含めた教育専念教員制度が確立しており、大学内での彼らの貢献の評価は高く、彼らの自らの職位に対する満足度も極めて良好である。また、一部の国々では国としての施策には反映されていないが、教員個人や大学ごとに教育と研究のバランスを個別に調整するところも多い。これには各国とも、多様な入学者の増加と教員の負担増、公的研究費の相対的減少、研究の重視と教育効果の説明責任の拡大などの高等教育を巡る情勢の変化が背景となっている。教員団を分断し、教育と研究の両立の理念を破壊する懸念もあるが、なし崩し的に進んでいるこれらの事態に対し、新たな教員像、大学像を模索するともに、研究としての教授・学習の学識(SoTL)の認知と人事考課への反映が急がれる。 This paper attempts to describe the actual conditions of institutional and substantial teaching-stream faculty (teaching-centered faculty members) in Canada and several advanced countries, and consider their backgrounds, characteristics and issues. Not only in Canada but also in some countries the system of teaching-stream faculty including a full-time faculty appointment and opportunities to promote to a professor has already been established, and their contributions have been highly evaluated by their colleagues while they have been so much satisfied with their positions. In some other countries the national policy relating to teaching-stream faculty has not been introduced yet, but the balance of teaching and research is separately adjusted according to an individual and a university. In the background they are similarly facing the drastic changes in higher education such as an increase in diverse enrollment and teaching burdens, a relative decrease in public research funds, more emphasis of research results, and gradual expansion of accountability of the teaching effects. Though those actions may raise a serious concern about resulting in the development of a two-tiered faculty environment and destruction of the traditional balance of teaching and research, a new concept of faculty and university must be pursued towards these inevitable shifts, and at the same time, especially in Japan, individual faculty evaluation should be revised as quickly as possible so that it may reflect on scholarship of teaching and learning as academic work.
著者
山角 博
出版者
千葉大学
雑誌
千葉医学会雑誌 (ISSN:00093459)
巻号頁・発行日
vol.45, no.3, pp.423-440, 1969

著者は思春期心性を離人症との関連において理解するために,知的に比較的正常ないし上位にあると思われる高校生915名に,CMI,クレペリンテスト,離人感に関するアンケートなどの心理テストをおこない,さらに問題があると思われる生徒には,面接,ロールシャッハテストをもおこない,その結果を検討するとともに,思春期離人症例との比較考察をおこなった。そして次の諸点を認めた。1)正常な思春期の過程にも,神経症的傾向を示すものがみられる。2)離人感は思春期においては,正常な人々にも,特に内省的な人にはしばしば体験される。3)調査した高校生のうちで,特に離人状態群として分類された生徒に,思春期に特有な心性と思われるものが顕著にみられた。4)離人症と思春期心性にな,密接な関係がみられた。5)思春期において,両親からの分離独立,自己同一性の確立の失敗により,自己不全感,自己同一性の混乱をもたらしたものが離人症を招く可能性があると考えられる。6)離入状態群に分類された生徒では,その離人感は流動的であり,葛藤の固定化にまで至っていないのに対し,思春期離人症者では,離人感はより深刻であり,自我機能の制限,さらに自我の分裂にまで至る場合がある。
著者
迫 宏明 坂之上 茂 吉門 敬二 児玉 英明 森脇 可奈子
出版者
京都産業大学
雑誌
高等教育フォーラム (ISSN:21862907)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.81-87, 2013-03

本稿では、グローバル化時代の高等教育制度に関する基礎的調査について報告する。「グローバル人材育成推進事業」の開始に伴い、グローバルキャンパスの実現に向けた制度構築の基礎的調査を行うことを目的として、2012年度の後期に、先進的な取り組みをしている大学へのヒアリングと、 フォーラム参加を行った。ここでは、調査から得られたポイントを三つ共有する。第一に、教育情報の公表義務化と大学ポートレート構想について、日本私立大学連盟主催セミナー「私立大学に必要とされる教育情報の公表」の論点を紹介し、本学が検討すべきことを提示する。第二に、創価大学主催セミナー「グローバル化時代の大学教育」で提起された論点の紹介と、本学が検討すべき事項を提示する。第三に、学内文書の英文化に関し、大阪大学と同志社大学の先進的な取り組みをヒアリングした際のポイントと、今後、本学が学内文書の英文化を進める上で留意すべき点について整理する。
著者
新井 佑朋
出版者
日経BP社
雑誌
日経ドラッグインフォメーションpremium
巻号頁・発行日
no.151, pp.60-64, 2010-05

1994年に明治薬科大学薬学部を卒業後、国内大手のOTC薬メーカーに勤務し、OTC薬学術担当、医療用医薬品安全性情報担当などを務める。2006年より薬局・薬店に勤務し、OTC薬の相談販売に取り組んでいる。現在、無料メールマガジン「おもいっきり具体的! 薬局の薬の豆知識」を好評配信中。登録はhttp://yuho.main.jp/から。
著者
浅利 裕伸 木元 侑菜
出版者
日本哺乳類学会
雑誌
哺乳類科学 (ISSN:0385437X)
巻号頁・発行日
vol.58, no.1, pp.67-71, 2018 (Released:2018-07-31)
参考文献数
15

鹿児島県奄美大島の学校校舎内においてコウモリ類の目撃情報があったことから,2017年10月に捕獲調査を行ない,雄2個体のコウモリ類を捕獲した.外部形態の特徴から,奄美大島においてこれまで記録がない種であると判断した.捕獲個体の外部形態は日本国内に生息する種のうち,クロオオアブラコウモリに類似していたものの,種を同定することはできなかった.放獣した個体の音声はFM-QCF型を示し,ピーク周波数は平均35.35 kHzであった.奄美大島南西部の海岸で飛翔する種不明のコウモリ類が発する音声も同様のピーク周波数であったため,捕獲個体と飛翔個体が同一種であることが示唆された.
著者
佐々木 敏
出版者
日本食生活学会
雑誌
日本食生活学会誌 (ISSN:13469770)
巻号頁・発行日
vol.28, no.4, pp.231-233, 2018 (Released:2018-04-28)
参考文献数
10

Measurement is a base of science. No progress exists in science, without measurement. However, measurement methods on diets, i.e., dietary assessment methods, have not been fully studied in Japan. Dietary assessment methods are science much more complicated and difficult ones than we have long believed and expected. In dietary assessments, there are many factors which induce measurement errors, both randomly and systematically. Two of most important factors are day-to-day variation of diets and underreporting of diets. "Validity" of a dietary assessment method is one of the important information which shows us how we use it and how much we can believe the data obtained from it. We, all researchers who are interested in diets, should be very careful for the validity of dietary assessment methods and the high-quality validation studies should be more encouraged.