著者
Akio Tanikawa Tadashi Miyashita
出版者
Arachnological Society of Japan
雑誌
Acta Arachnologica (ISSN:00015202)
巻号頁・発行日
vol.57, no.1, pp.19-35, 2008-07-31 (Released:2008-11-25)
参考文献数
28
被引用文献数
3 or 0

Japanese spiders of the genus Dolomedes are revised and its phylogeny is inferred by mt-DNA. Dolomedes japonicus Bösenberg & Strand 1906 and D. angustivirgatus Kishida 1936 are removed from the synonymy. Dolomedes fimbriatoides Bösenberg & Strand 1906 and D. hinoi Kayashima 1952 are newly synonymized with D. sulfureus L. Koch 1878, and D. stellatus Kishida 1936 is synonimized with D. japonicus. Two new species, D. fontus and D. silvicola are described. Relative leg length and proportion of male palpal tibia are considered as good keys to indentify Dolomedes spiders, whose genital organs closely resemble one another. Dolomedes sulfureus and D. silvicola, often found on vegetation, have much longer legs and male palpal tibia than their relatives that inhabit near water and run on water surface or hide under water when disturbed. Molecular phylogenetic analysis using mt-COI revealed the following; ((((raptor, yawatai), japonica), orion), (((angustivirgatus, sulfureus), fontus), (silvicola, saganus)), horishanus).
著者
佐久間 秀範
出版者
日本印度学仏教学会
雑誌
印度學佛教學研究 (ISSN:00194344)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.1112-1120, 2007

<b>ねらい (目的)</b>: 五姓格別というと唯識教学の旗印のように日本では考えられてきたが, 吉村誠氏, 橘川智昭氏などの研究から法相宗の事実上の創始者窺基に由来することが判った. 窺基はそれ以前の中国唯識思想が如来蔵思想に歪められていたことへの猛反発から玄奘がもたらした正統インド唯識思想を宣揚しようとし, 一乗思想の対局の五姓格別を持ち出したと考えられる. それならば五姓格別思想も, その起源をインドに辿れるはずである. これまでインドの文献資料の中にその起源を位置づける研究が見あたらなかったので, これを明らかにすることを目的としたのが当論文である.<br><b>方法 (資料):</b> 全体を導く指標として遁倫の『瑜伽論記』の記述を用い, 法相宗が五姓格別のインド起源の根拠と位置づける『瑜伽論』『仏地経論』『楞伽経』『大乗荘厳経論』(偈文, 世親釈, 無性釈, 安慧釈) と補足的資料として『勝鬘経』『般若経』に登場する当思想に関連するテキスト部分を逐一分析し, その歴史的道筋を辿った.<br><b>本論の成果等</b>: 諸文献のテキスト部分を分析した結果, 五姓格別思想は三乗思想と無因子の無種姓とが合成されたものであることが判った. その過程を辿れるのが『大乗荘厳経論』第三章種性品であり, 無種姓という項目が声聞, 独覚, 菩薩, 不定種性と並列された第五番目に位置づけられるようになったのは, 最終的には安慧釈になってからであることが歴史的な発展過程とともに明らかになった. その場合玄奘のもたらした瑜伽行派文献の中国語訳に基づく五姓格別思想は, 玄奘が主として学んだナーランダーの戒賢等の思想と云うよりも, ヴァラヴィーの安慧系の思想を受け継ぐものと考えられる. これは智と識の対応関係などにもいえることであるが, 法相宗の思想の基盤が従来考えられたようなナーランダーにあると云うよりも, ヴァラヴィーなど他の地域に依拠しているケースが認められたと云うことであり, これまでの常識とされていた中国法相教学の思想の位置づけを含めて, 教理の内容を吟味してゆくことを要求する内容となった.
著者
湯本 明子
出版者
愛知県立大学日本文化学部国語国文学科内あいち国文の会
雑誌
あいち国文 (ISSN:18821979)
巻号頁・発行日
no.10, pp.99-109, 2016-09-30 (Released:2017-03-29)
著者
庭野 ますみ 渡辺 はる香 古山 明子 板垣 史則 中村 純人 佐島 毅
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2015, 2016

【はじめに,目的】障がいのある子どもをもつ親の研究はこれまで母親のショック反応,母親のもつ現実のストレスなどネガティブな側面に焦点をあてたものが多い。しかし日々の臨床現場で接する母親の中には家族や周囲からの理解と支援を得ながら子どもをたくましく育てている母親も存在する。ストレスフルな状況を体験してもそこから立ち直りを導く心理的特性をレジリエンスというが,本邦ではダウン症,発達障害の子どもをもつ母親の報告が存在するのみで,我が国の肢体不自由児の約半数を占める脳性麻痺の子どもをもつ母親のレジリエンスの報告はほとんどない。そこで,脳性麻痺の子どもをもつ母親のレジリエンスの実態を調査することを目的とした。【方法】対象は当院で理学療法を施行している脳性麻痺の子どもをもつ母親61名で,方法は無記名自記式質問紙法を施行した。調査項目は1.子どもの属性:年齢,性別,出生順位,粗大運動機能分類システム:Gross Motor Function Classification System(以下GMFCS),コミュニケーション能力,Barthel Index(以下BI),障害者手帳の等級 2.母親の属性:年齢,世帯構成,世帯収入,就労状況,告知のこと,育児中「力」になった・あるいは心の支えと感じた出会いやサポートの存在,家族のサポートに対する満足感 3:子育てレジリエンス尺度 4:育児負担感指標 5:精神的健康度日本版GHQ-12項目短縮版とした。レジリエンスに関連する要因を明らかにするために,統計解析として,記述統計の他,従属変数を子育レジリエンス尺度,説明変数を単変量解析にて関連性の見られた変数とした重回帰分析(強制投入法)を行った。有意水準は5%未満とした。【結果】子どもは3歳から46歳までの男性35名,女性24名でGMFCSがIVとVレベルの子どもが72%,BIが0点であるものが40%,身体障害者手帳1級を所持しているものが68%と重症の子どもが多い実態が明らかになった。母親の平均年齢は48.3±10.7歳(26~75歳)であった。母親の85%が夫婦と子どもの世帯であるが,そのほとんどが育児中に「力」になった出会いやサポートがあったと答えた。レジリエンスは母親の年齢,世帯収入,子どもの年齢,GMFCSとは関連がなかったが,重回帰分析の結果,家族のサポートに対する満足感(β値0.435)育児負担感指標(β値-0.507)精神的健康度日本版GHQ-12項目短縮版(β値0.627)が抽出された(調整済R二乗0.660)。【結論】脳性麻痺の子どもをもつ母親のレジリエンスは,家族のサポートに満足か否かという事と,育児負担感,精神的健康度と関連があった。レジリエンスは育児負担感の低減と精神的健康度の増進を促すことで高められる(尾野,2011)と示唆した先行研究と同様な結果が脳性麻痺の子どもをもつ母親においても認められた。
著者
根本 博明 山下 邦弘 西本 一志
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.31, pp.49-54, 2004-03-18
参考文献数
5
被引用文献数
5 or 0

従来の広告では,興味を示してくれたが行動を起こさない,潜在的には問い合わせたかもしれない読み手の存在を広告の発信者,つまり広告主は知る術がなかった.そこで本研究では,潜在的には問い合わせをする可能性を持つ読み手の存在を広告主が知ると同時に,読み手に対してPRを行え,さらに読み手が気軽に問い合わせを行い,広告主とリアルタイムでの交渉を行える機能を実装した電子広告システム,InteractiveFliersを構築した.プロトタイプにより約4週間の試用実験を行い,プロトタイプから得られた使用履歴の情報と55名の被験者に対するアンケート調査により,本システムの評価を行った.この結果,本システムの主要機能の有効性が検証され,広告主は読み手からの同期,非同期的な問い合わせを受けられることが分かった.In this paper, we propose an electric advertisement system named "InteractiveFliers" that allows advertisers and advertisees to communicate about the contents in real time manner. The advertisers can know people who are reading that advertisement now and can make appeal to them immediately. This real-time PR appears on the advertisement in the large-sized displays. If the advertisee finds the PR on an advertisement and wants to inquire to the advertiser about the contents, he/she can communicate with the advertiser with using the chat function of InteractiveFliers on the spot. We cofirmed that InteractiveFliers can promote a real-time communication between the advertiser and the advertisee through experiments.
著者
横出 洋二
出版者
奈良大学史学会
雑誌
奈良史学 (ISSN:02894874)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.55-92, 1995-12

健康ブームと言われて久しい。最近では健康食品以外の通常食品に栄養素を特別に加味した商品が多く販売されているが、それは現代の日本人の健康に対する関心の高さを反映している。またスポーツをして健康維持をはかる人も最近多い。スポーツジムで老若男女関係なく水泳やエアロビクスなどで汗を流したり、マラソンを日課としたりする人も多い。各地でマラソン大会が開かれるとたくさんの参加者で賑わい、中には一〇〇キロマラソンといった苛酷なものに挑戦する人も少なくない。こうしたスポーツを通じて太り過ぎ、脂肪過多、腰痛、体力増強など健康維持、増強を図るわけだが、しかし最近では健康以上に体型維持を目的とする場合も多い。ジムのロッカールームの鏡の前で若者は日々鍛えられる身体をナルシスティクに眺め、中年は意志に関係なく貯まる脇腹の脂肪をつまむ。そうしたしぐさに、健康嗜好も含めて最近の自己の身体そのものへの関心の高さがうかがえる。以上の傾向はマスコミや企業戦略による過剰な健康・身体維持の情報提供による個人の身体への介入も要因の一つであるが、他に村落協同体や「家」の崩壊による現代社会の中での個人の孤立も自己や自己の身体への関心の高めているのではなかろうか。共同体なり家の中で個人は有機的に絡った存在であり、その身体は所属集団のものでもあり、個別的な一個人に属するものとしての意識は薄かったのではないかと考える。現在は心身を埋没させる共同体的集団はなく学校から家庭の中まで個人は孤立を意識し、さらには個性豊かで独立した人格が称賛され、他者と同じが否定される風潮、またそうした教育が推進される中で自己や他者のまなざしに対し過敏に意識せざるを得なくなっている。
著者
Ryutaro Matsugaki Toru Akebi Hideo Shitama Futoshi Wada Satoru Saeki
出版者
The Society of Physical Therapy Science
雑誌
Journal of Physical Therapy Science (ISSN:09155287)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.262-265, 2018 (Released:2018-02-22)
参考文献数
18

[Purpose] To verify the immediate effects of exercise therapy on cancer-related fatigue (CRF) in cancer patients. [Subjects and Methods] Eighteen cancer patients who performed exercise therapy targeting a rating of 4 (somewhat strong) on the Borg category-ratio scale (CR-10) were enrolled. CRF was evaluated using the Cancer Fatigue Scale (CFS). CFS was evaluated in clinical practice immediately before and after exercise therapy on the 1st or 2nd day of physiotherapy for CRF management. CFS scores before and after exercise were compared to determine how CRF changed due to exercise therapy. [Results] CFS physical, CFS affective, CFS cognitive, and CFS total all decreased following exercise therapy, and the changes in CFS physical and CFS total were statistically significant. The effect sizes for CFS physical and CFS total were “medium”, and for CFS affective and CFS cognitive “small.” [Conclusion] These findings suggest that exercise therapy targeting a rating of 4 (somewhat strong) on the CR-10 can immediately reduce CRF in cancer patients.
著者
中道 浩司 足利 奈奈 来嶋 正朋 佐藤 三佳子 吉村 康弘
出版者
日本作物學會
雑誌
日本作物学会紀事 (ISSN:00111848)
巻号頁・発行日
vol.82, no.1, pp.49-55, 2013

本研究は,北海道の春まきコムギ優良新品種「はるきらり」を上川農業試験場 (北海道上川郡比布町) にて3年間栽培・試験し,収穫物である子実の製粉特性ならびに小麦粉の製パン性といった品質特性について,基幹品種「春よ恋」と比較することで評価したものである.品質特性は,子実については子実タンパク質含有率,子実灰分含有率,製粉工程でのミドリング粉量に対するブレーキ粉量 (BM率) で,小麦粉については小麦粉タンパク質含有率,小麦粉灰分含有率,生地吸水率,グルテンインデックス,パン体積で評価した.小麦粉タンパク質含有率ならびに小麦粉灰分含有率は,それぞれ同じ子実タンパク質含有率,同じ子実灰分含有率であれば,「春よ恋」が「はるきらり」よりも高かった.BM率は,両品種とも子実タンパク質含有率と正の相関を示し,同じ子実タンパク質含有率であれば,「はるきらり」が「春よ恋」よりも高かった.さらに,小麦粉タンパク質含有率は,吸水率,パン体積,可溶性ポリマー含有率 (EPP),可溶性モノマー含有率 (EMP) および不溶性モノマー含有率 (UMP) と正の相関を示し,グルテンインデックスと負の相関を示した.一方で,「はるきらり」は,「春よ恋」よりも吸水率が低く,グルテンインデックスが低く,パン体積が大きく,EPP と EMP が高く,不溶性ポリマー含有率 (UPP) が低かった.

16 16 16 0 OA 動乱の世界

著者
萩原新生 著
出版者
牧書房
巻号頁・発行日
1941
著者
小泉 京美
出版者
日本近代文学会
雑誌
日本近代文学 (ISSN:05493749)
巻号頁・発行日
vol.92, pp.17-32, 2015 (Released:2016-08-02)

記号活字やリノカットを駆使して視覚性を強調した萩原恭次郎の『死刑宣告』(長隆舎、一九二五年)は、これまで詩的言語の言語(symbol)から図像(icon)への移行を示す記念碑的詩集として捉えられてきた。だが、表現規範の革新を目指す前衛的な芸術運動を後押しした関東大震災という出来事に密着して考えるならば、『死刑宣告』は表象の秩序を根柢から揺るがす、より本質的な言語の変容を記録していたことが見えてくる。震災による活字不足と新聞紙面の混乱、震災を契機に普及した素材リノリウムとリノカットという表現手法、これらを取り巻く文化史的な背景を検証することで、その表現の独自性と詩の新たな読解可能性を開示する。

4 4 4 0 OA 奇機新話

出版者
[出版者不明]
巻号頁・発行日
1869
著者
宋 美玄 北原 みのり
出版者
朝日新聞出版
雑誌
Aera (ISSN:09148833)
巻号頁・発行日
vol.25, no.33, pp.69-72, 2012-08-06
著者
高橋 洋成
出版者
筑波大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2016-04-01 (Released:2016-04-21)

本研究の目的は、ギルガメシュ叙事詩の古バビロニア語版(前二千年紀初め)と標準版(前二千年紀末)をデジタル的に比較し、言語特徴や表現の違いに着目して、後者が前者をどのように編集し、その背景にあったものは何かを考察することである。ギルガメシュ叙事詩の古バビロニア語版は、完全ではないもの比較的状態の良い2つの資料、すなわちペンシルバニア粘土板(OB II)とイェール版(OB III)が現存している。一方、標準版の粘土板は大きく破片化してはいるものの、研究者らによって粘土板I~XIIとして復元されている。このうち古バビロニア語版と標準版とのまとまった対応が確認されるのは、標準版I~IIIである。以上を踏まえ、平成28年度に実施した研究は次のとおりである。1. 復元された標準版I~III(合計831行)について、転写テキストのデジタル化を行った。具体的には以下の作業である。(1) A. R. George, The Babylonian Gilgamesh Epic (Oxford, 2003)の転写テキストに基づき、Text Encoding Initiative (TEI)に準拠したXMLフォーマットを作成した。(2) 今後、言語特徴や表現の調査を行うために、それぞれの語に対してTEIタグを付け、形態情報を記述した。この際、アッカド語の形態情報を過不足なく記述するために、形態論的な枠組みの精査を行い、それに基づいてタグを整理した。2. 古バビロニア語の粘土板OB II、OB III(合計528行)のデジタル化を開始した。具体的には、それぞれの粘土板をTEIに準拠したXMLフォーマットで記述し、個々の楔形文字および個々の語ごとにタグを付けた。3. 楔形文字粘土板の転写方法について、12月に開催されたデジタル・ヒューマニティーズのワークショップで発表した。

6 6 6 0 OA 中昔京師地圖

著者
森幸安 著図并識
巻号頁・発行日
1000

江戸時代中期の地誌・地図作者森幸安が応仁年間から天正年間に至る百数十年、応仁の乱後の荒廃期の京都の状態を推定、考証して描いた地図の写し。地図余白を考証のテキストが埋める。森幸安の京都関係図は種類、数とも多いが、京都の歴史地図シリーズの構想のもとに編まれた全域図として寛延3年(1750)の4種(平安城以来の過去3時期と寛延当時)と、宝暦3年(1753)の本図を含む3種がある。宝暦の3図は先の3時代をさらに細分する。本図の縮尺は1町6分で、先の4図の1町5分とは異なる。内題角書に皇州緒輿撰とある。皇州緒輿撰は幸安の構想した山城の地誌書、下書の一部のみが当館に伝存する。