著者
亀山 多美子
出版者
農林省蠶絲試驗場
巻号頁・発行日
no.111, pp.169-182, 1979 (Released:2011-03-05)
著者
井上 幸次 藤井 雄一郎 笹邊 幸男
出版者
岡山県農業総合センター農業試験場
巻号頁・発行日
no.24, pp.11-15, 2006 (Released:2011-03-05)

岡山県において放射線育種法により黒斑病罹病性の‘清水白桃’から作出して育成し、品種登録された‘清水白桃RS’は、本病に対して中程度の抵抗性を有した。果実の特性は‘清水白桃’とほぼ同等であることから、‘清水白桃RS’は、黒斑病多発地における‘清水白桃’の代替品種として有望である。
著者
片平 篤行
出版者
群馬県林業試験場
巻号頁・発行日
no.15, pp.16-38, 2010 (Released:2011-07-26)

堅果類の豊凶とツキノワグマの出没について調査したところ、以下のことが明らかとなった。1.GPS首輪を用いたツキノワグマの行動調査により、4頭のツキノワグマの行動特性を把握した。2.3年間の豊凶調査結果では、3樹種(ブナ、ミズナラ、コナラ)の豊凶変動が類似していた。3.調査地域のツキノワグマの出没と豊凶変動に負の相関が見られた。4.8月中旬に豊凶調査を集中的に実施することにより、豊凶の把握と9月以降のツキノワグマの出没予測が可能であると考えられる。
著者
川道 美枝子 川道 武男 山本 憲一 八尋 由佳 間 恭子 金田 正人 加藤 卓也
出版者
養賢堂
巻号頁・発行日
vol.67, no.6, pp.633-641, 2013 (Released:2014-01-31)
著者
中川 一
出版者
岐阜県林業センター
巻号頁・発行日
no.23, pp.19-28, 1995 (Released:2011-03-05)
著者
松林 尚志 石坂 真悟 中川 徹 中村 幸人
出版者
東京農業大学
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.110-115, 2009 (Released:2011-07-26)

多摩川源流域山梨県小菅村の奥山2地域と里山2地域の計4地域において、2008年4月から12月までの9ケ月間、6台のセンサーカメラによって、げっ歯目と翼手目を除く中大型哺乳類相の調査を実施した(1,130カメラ日)。その結果、11種の中大型哺乳類が確認され、撮影頻度(100カメラ日あたりの撮影枚数)が高い種は、上位からニホンジカ(Cervus nippon;12.9)、イノシシ(Sus scrofa;5.4)、テン(Martes melampus;4.5)、ニホンザル(Macaca fuscata;3.3)、そしてタヌキ(Nyctereutes procyonoides;3.1)であった。1位のニホンジカの撮影頻度の割合(32.7%)は、2位のイノシシ(13.7%)に比べ2.4倍高く、4地域すべてにおいて相対的に高い値を示した。また、調査4地域において、対象種の撮影頻度の合計が最も高い傾向を示したのは、湧水域を対象とした奥山地域B(120.2;8種)で、続いて里山地域A(46.0;9種)、里山地域B(44.5;10種)、奥山地域A(17.3;10種)の順であった。湧水域の撮影頻度の高さは、この地域の個体数あるいは利用頻度の高さを反映したものであり、この地域が野生生物管理にとって鍵となる環境であることが示唆された。
著者
坪井 潤一 森田 健太郎 松石 隆
出版者
日本水産學會
巻号頁・発行日
vol.68, no.2, pp.180-185, 2002 (Released:2011-03-05)

キャッチアンドリリースされたイワナの成長・生残・釣られやすさ 坪井潤一、森田健太郎、松石 隆(北大院水) 北海道南部の4河川において、天然のイワナSalvelinus leucomaenisを用いて、キャッチアンドリリース後の成長、生残、釣られやすさを調べた。釣獲直後の死亡率は6.7%であり、過去の研究結果に近い値であった。一方、キャッチアンドリリースが行われた個体において、成長率や生残率の低下は認められなかった。また、釣られやすさは釣獲経験のある個体と無い個体で同程度であった。よってキャッチアンドリリースを行うことは資源量および釣獲量の増大に有効であることが示唆された。 日水誌、68(2)、180-185(2002)
著者
笠 正二郎 山口 昇一郎 上田 修二 森 美幸
出版者
福岡県農業総合試験場
巻号頁・発行日
no.30, pp.56-59, 2011 (Released:2012-12-06)

捕獲季節や冷蔵条件が捕獲イノシシの肉質に及ぼす影響について調査した。その結果,秋季に捕獲した個体の脂肪の酸化は早いことが判明した。呈味成分である肉中グルタミン酸含量は冷蔵経過とともに増加する。また,肉中イノシン酸含量はと殺後速やかに冷却して冷蔵すると,4日前後で最大になり,その後,減少することが判明した。このことから,捕獲イノシシはと殺後早期に冷却し,5℃で4日程度冷蔵することで,脂肪の酸化を抑え,食用として,うま味に優れたイノシシ肉を得ることができると考えられた。
著者
関 伸一
出版者
森林総合研究所
巻号頁・発行日
vol.6, no.2, pp.89-92, 2007 (Released:2011-12-19)
著者
井上 徹彦 池川 誠司 飯村 成美
出版者
養賢堂
巻号頁・発行日
vol.83, no.8, pp.884-890, 2008 (Released:2011-01-20)

球根専用緩効性肥料を用いた施肥法。富山県は冬季に積雪があり、チューリップに適した地温と湿度を保つことができることや、球根生産に最適な砂壌土水田に恵まれていること、ウイルスを伝搬するアブラムシの飛来が暖地と比べて遅いこと、また、水田の用排水路が完備されているため畝間灌水と徹底した排水が可能であることなど栽培条件が整っており、1993年にはチューリップ球根出荷球数が6118万球まで増加した。しかし、1988年以降オランダ産球根の隔離検疫制度の緩和により安価な球根が大量に輸入され、国内での球根単価が低迷していること、さらに近年は土壌伝染性病害などによる単収減にも悩まされていることから、2005年には出荷球数は2720万球にまで減少した。そのような状況の中、球根生産者は農業普及指導センターや富山県花卉球根農業協同組合などの指導機関による栽培技術や経営のアドバイスを取り入れるなどして、さらなる省力・低コスト栽培や新たな栽培技術の導入による経営の安定化を図っている。野菜花き試験場(現園芸研究所)では栽培技術の改善などによる品質・単収向上技術の開発に取り組んでいるが、ここでは新たな施肥体系技術について紹介する。
著者
高山 耕二 中西 良孝 朝 魯孟
出版者
鹿児島大學農學部
巻号頁・発行日
no.55, pp.31-36, 2005 (Released:2011-03-05)

ヌビアン種とトカラヤギにおける超音波検査法による早期妊娠診断と、胎齢ごとの胎子器官の発育と胎子胸腰部長(体幹)、頭長、心臓直径を測定した。超音波検査法は胎齢別に経直腸検査法と経腹部検査法を用いて交配から分娩まで行った。交配後23±2日で胎胞がみられ、胎子は胎胞観察後7±2日でみられた。眼窩は交配後6週間にみられた。心臓はそれぞれのヤギで交配後30、40並びに50日でみられ、心室は交配後4ヵ月ごろにみられた。胎子の胸腰部長、頭長、心臓の直径は胎齢の推移に従って増加した。交配後3ヵ月までの胎子頭長の増加、4ヵ月半の胎子胸腰部長の増加が明瞭であった。これらの結果から、ヤギに対する超音波検査法は早期妊娠診断を可能にし、さらに胎子発育のモニターにも有用と思われた。
著者
西島 隆 寺井 康夫 功刀 幸博
出版者
[出版者不明]
巻号頁・発行日
no.10, pp.47-56, 2000 (Released:2011-03-05)

1980年頃から山梨県の主要品種である‘巨峰’と‘ピオーネ’に被害面積が年々拡大してきたわが国固有のブドウえそ果病について、病徴、病徴の品種間差異、検定用指標樹の選抜、自然伝搬およびエライザ検定による現地圃場での感染状況の点から実験調査した。1.5月上旬から遅れて萌芽した新梢に初期症状を認め、6月中~下旬には副梢にも発病した。新梢は節間が短縮し萎縮した。幼木時に発病すると樹勢は衰え、樹冠は拡大しなかった。ある年突然に成木樹に発病を見ることがあった。年々発病部位は拡大していった。2.葉は小さく、葉身には凸凹が見られ、黄白色のモザイク斑やリング状や稲妻状の線状斑が現れ、奇形となった。3.果実には落花直後の幼果期から濃緑色のえそ斑が果面に多数散見され、果肉内部にまで達していた。激発すると果粒は着色不良で成熟せず、果肉は硬く小粒で、商品価値は全くなかった。4.血縁関係にある‘巨峰’、‘ピオーネ’、‘高尾’、‘キャンベル・アーリー’に緑枝接ぎ接種すると、約1ヶ月後に副梢に、もしくは翌年の新梢に激しい病徴が現れた。また台木品種の‘グロワール’にも明瞭な症状が現れた。これらの品種はえそ果病の検定用指標樹として有用であると考えられた。主要な既知ウイルス病検定品種には症状が現れなかった。5.発病樹の‘巨峰’と‘ピオーネ’を台木12品種、穂木15品種に接木接種したところ、えそ果病の発病に品種間差異が認められた。6.現地激発園跡地に植栽した無病の‘巨峰’および‘ピオーネ’に自然伝搬が認められた。7.自然伝搬試験をおこなった圃場およびその周辺圃場のブドウ樹のエライザ検定によって、無病徴品種には陽性反応を示した樹があり、えそ果病に潜在感染していた。樹齢別調査から、えそ果病は園外からの持込みでなく‘デラウェア’から‘巨峰’や‘ピオーネ’に改植する以前に汚染していた可能性もあると考えられた。また‘ピオーネ’、‘巨峰’は感染樹にもかかわらず、無病徴新梢はエライザ検定が陰性で、病原ウイルスの不連続分布が考えられた。
著者
田中 秀樹 野村 和晴 風藤 行紀 今泉 均 増田 賢嗣
出版者
農林水産技術情報協会
巻号頁・発行日
vol.34, no.4, pp.18-22, 2011 (Released:2012-12-06)

ウナギは盛んに養殖されているが,飼育下で自然に産卵しない魚であり,その一生には多くの謎が残されている。そのため,人工的に成熟させて受精卵を得ること,ふ化後,餌を与えて育てること,長期にわたるレプトセファルスと呼ばれる幼生期を経て透明な稚魚,シラスウナギに変態させることなど,すべてが困難であった。水産総合研究センターではこれまでの研究成果を基に,2002年に世界で初めて人工的にシラスウナギを作り出すことに成功し,昨年春には人工ふ化ウナギを育てて親とし,さらに次世代を得る「完全養殖」を達成した。この技術により,天然資源に依存しないウナギの養殖が理論的には可能となり,将来はウナギの育種も期待される。
著者
重松 幸典 喜多 景治 薬師寺 弘倫 石川 啓 中田 治人
出版者
愛媛県立果樹試験場
巻号頁・発行日
no.22, pp.5-8, 2008 (Released:2011-01-24)

1)‘媛小春’は1994年に‘清見’に‘黄金柑’の花粉を交配して得られた交雑実生群から選抜したミカンタイプの新品種である。2)‘媛小春’の樹勢は強く、直立した樹姿となるが、枝先は下垂しやすい。トゲは当初は大きいが次第に小さくなり、安定した結実状態の側枝ではほとんど消失する。3)果実の大きさは130〜150g程度で、果形は球形で、果梗部に小さなネックを生じるものが多い。果皮は淡黄色である。4)果面の粗滑は中程度で、剥皮性は良い。浮き皮が発生しやすい。通常は無核であるが、周囲に花粉が多い品種があると種子が入る場合がある。5)果汁の糖度は11度以上で、クエン酸は1.1%程度となり、爽やかな風味があり、食味良好である。
著者
薮 哲男 澤本 和徳 菅野 広士
出版者
石川県農業総合研究センター
巻号頁・発行日
no.24, pp.39-42, 2002 (Released:2011-03-05)

1.河北潟干拓地内の大麦圃場におけるカモ害の加害種はマガモ、コガモ、ヒドリガモおよびカルガモの4種であった。2.マガモ、コガモおよびカルガモが確認された圃場では、降雨等によって形成された水たまりが認められ、その付近に食害が多く発生していた。3.干拓地内の大麦圃場全域を対象としたカモの侵入調査において、降雨日での侵入量は日当たり平均1062.9羽に達し、非降雨日のそれと比較して有意に多かった。4.捕獲カモの解剖でマガモは植物の根および葉を食害していることが示された。5.カモ類の飛来侵入に好適な代替餌場の条件として、湛水のほかに耕起等の処理によりカモ類が水面を認識できるようにすることが必要と考えられた。
著者
井上 一信 大崎 繁 山内 康平 壁村 勇二 浦 正一 扇 大輔 大東 且人 柳池 定 長澤 久視 中江 透 古賀 信也 川嶋 弘美 井上 晋 内海 泰弘
出版者
[九州大學農學部附属演習林]
巻号頁・発行日
no.95, pp.45-64, 2014 (Released:2014-07-18)

九州大学農学部附属福岡演習林の樹木園において、1977年以降に試験植栽された演習林自生種と演習林外の国内自生種、外来種、園芸品種68科340種の植栽記録を精査し、植栽位置が特定できた個体について生存率と胸高直径を調査した。植栽記録があり2013年時点までの枯死または現存の照合が可能な個体は4430本であり、この内の現存本数は1853本、生存率は41.8%であった。
著者
鈴木 泰輔 秋山 正行 松井 洋明 溝田 泰達 住 正宏 岩附 慧二
出版者
日本食品科学工学会
巻号頁・発行日
vol.61, no.5, pp.199-205, 2014 (Released:2014-09-25)

間接加熱法(PLT)および直接加熱法(INJ)によるUHT殺菌牛乳(TBA容器)の10℃での長期保存における物理化学的性状および官能特性の変化を調査した。各殺菌牛乳の殺菌直後の乳清タンパク質変性率,RNT,フロシン,およびラクチュロースの分析結果から,加熱殺菌による影響は150℃ 2.4秒間のINJ殺菌牛乳の方が,140℃ 2秒間のPLT殺菌牛乳よりも小さいことが示された。保存経過に伴い両殺菌牛乳のRNTは次第に減少したが,その程度はINJ殺菌牛乳の方がPLT殺菌牛乳に比べて小さかった。溶存酸素量は,両殺菌牛乳とも保存経過に伴い同様に減少する傾向がみられたが,保存期間を通じてINJ殺菌牛乳の溶存酸素量はPLT殺菌牛乳と比べて極めて少なかった。専門家パネルによる官能属性評価スコアを用いた主成分分析により,両殺菌牛乳ともに,保存経過により濃厚感が増し新鮮感が減少するが,INJ殺菌牛乳の方がPLT殺菌牛乳よりも濃厚感と新鮮感が強いことが示された。また,官能総合評価において,保存開始時のINJ殺菌牛乳は,PLT殺菌牛乳よりも評価スコアが高く,保存経過に伴いINJ殺菌牛乳の評価スコアはほとんど変化しなかったのに対し,PLT殺菌牛乳の評価スコアは低下する傾向がみられた。以上より,直接加熱法(INJ)によるUHT殺菌は,間接加熱法(PLT)よりも品質の安定性に優れ,風味上も好ましいLL牛乳の製造に適する可能性が示唆された。
著者
大平 陽一 竹田 博之 佐々木 良治
出版者
日本作物學會
巻号頁・発行日
vol.78, no.1, pp.58-65, 2009 (Released:2011-03-05)

タンパク質変異米水稲品種の米粒内における種子貯蔵タンパク質の分布特性を明らかにするために、搗精歩合の異なる米粒のタンパク質含有量を調査し、米粒内の層別のタンパク質含有量と存在割合を算出した。タンパク質変異米水稲品種では、一般食用水稲品種「ニホンマサリ」と同様に、米粒の外層部である100〜>80%層に総タンパク質の44〜45%が存在した。一方、易消化性タンパク質は、いずれの品種も100〜>80%層に44〜48%が存在したが、「ニホンマサリ」では90〜>80%層に最も多く、タンパク質変異米水稲品種では100〜>90%層に最も多かった。タンパク質変異米水稲品種において易消化性タンパク質が最外層に多く集積する傾向は、低グルテリン米水稲品種より低グルテリン・26 kDaグロブリン欠失米水稲品種で顕著だった。「ニホンマサリ」では、主要な易消化性タンパク質である37-39 kDaグルテリンαと22-23 kDaグルテリンβが90〜>80%層に多く存在しているのに対し、タンパク質変異米水稲品種では、37-39 kDaグルテリンαや22-23 kDaグルテリンβの量が低下し、相対的に易消化性タンパク質に占める割合が高くなった57 kDa超過タンパク質と57 kDaタンパク質が100〜>90%層に最も多く存在していた。したがって、易消化性タンパク質の分布における品種間差異は、これらのタンパク質画分の分布特性の差異を反映したことによると推察された。易消化性タンパク質は、80〜>70%層を含む層よりも内層部ではより少ない割合でしか存在しなかったので、玄米から易消化性タンパク質を効率的に低減するには、80%程度の搗精歩合が望ましいと考えられた。