著者
渡邉 廣二 長濱 太造 佐渡 君江
出版者
鳴門教育大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

地域経済活性化の手段として地域通貨を見た場合,消費者の需要が地域内に向かうようにするには,消費者が地域通貨を受け取るよう促すことが必要である。消費者が法定通貨の代わりに地域通貨を受け取るのは,地域通貨を入手するのにほとんど負担を負っていないかあるいはわずかな負担で地域通貨を入手できる場合である。すなわち地域通貨を発行し運営する原資が地域外のひとびとや行政の補助金によって負担されている場合である。
著者
市井 雅哉
出版者
琉球大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2000

大学学部生625名に、現在に影響を与えている過去の出来事、IES-R(改訂版出来事インパクト尺度)、治療希望有無の質問紙を実施した。有効回答は453名(男子、181;女子、264名;不明8名;平均年齢20.2(SD=1.77))で、性被害、近親者の死、交通事故、いじめ等深刻な出来事を報告していた33名をトラウマ群(治療希望は6名)、軽い出来事を報告していた420名を健常群としてt検定を行った結果、合計点と回避・麻痺の因子でトラウマ群が有意に高く、合計点25点以上(184名)でも回避・麻痺の因子でトラウマ群が有意に高かった。性被害を受け複雑性PTSDが疑われる2名のクライエントに対して、EMDR(眼球運動による脱感作と再処理法)を用いた治療を行い、治療中の左右の外耳道温、心拍数を継続測定した。IES-R45前後の21歳女子大学生は、幼少期に母親から暴力的なしつけ、兄から性虐待を受けた。EMDR30回でさまざまな記憶の再処理を行い、47回の治療により症状は大きく改善した。さらに、(1)右の温度が左より高い(.25〜.39℃)、(2)左右とも施行後にかけて上昇する(左:.17℃、右:.32℃)、(3)セッションの進行につれ終了時の左の温度が高い傾向がある、(4)認知の妥当性が左右の外耳道温度や心拍数と関連があることがわかった。IES-R43の35歳主婦は、阪神大震災後の不調として、子どもとの分離不安、頭痛、不眠等の症状を訴えた。治療への恐怖感が強く、17セッション目にようやく3回の性被害が語られ、性被害及び義父の実母への暴力の記憶などEMDR11セッションで治療したが、改善が見られないまま39セッションで治療中断となった。(1)右の外耳道温が左より0.25℃高い、(2)心拍数は施行前から後にかけて3拍低下し、(3)成功したセッションでは心拍数が低い(前:10.58;後:12.25の差)ことがわかった。
著者
熊 仁美
出版者
慶應義塾大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2010

1.自閉症児の顔刺激に対する認知特徴の基礎研究自閉症児、または自閉症リスク児と定型発達児について、視線や表情を含む顔刺激に対する反応の分析を行い,特徴を比較することにより、自閉症児のコミュニケーションにおける顔認知特徴を明らかにすることを目的とした。本年度は、10名の自閉症児と10名の定型発達児についてのデータ収集により、自閉症児の顔刺激への認知傾向と、実際のコミュニケーション行動との関連も明らかにすることができた。今後はさらに条件を変化させ、より詳細な分析を行っていくことで、早期スクリーニング開発や早期支援プログラムの開発に応用していくことが可能となる。2.自閉症児の早期スクリーニングの開発研究視線分析装置を用いて、5名の自閉症児の視線刺激に対する反応特徴の分析を行った。また、他者とのコミュニケーションにおける社会的刺激の機能に関連した行動指標の評価研究を行った。現在、社会的刺激が強化として機能する場合に、反応が困難である可能性が示唆されており、今後被験者を増やすことで、早期スクリーニングの開発につなげていくことができると考える。3.自閉症児への共同注意行動への介入プログラム開発研究約30名の自閉症児に対し、週10時間の早期集中療育の効果測定研究を行い、初期のプロファイルと効果の相関分析を行った。その結果、知的障害と診断名が、早期療育の効果に関連が強いことが示唆された。また、現在、介入初期の自閉症児への共同注意行動と、早期療育の効果の関連の分析を開始している。それにより、共同注意行動への介入が、早期の発達支援の基盤として必要であることが明確になると考えられる。今後は、(1)自閉症児の顔刺激に対する認知特徴の基礎研究や(2)自閉症児の早期スクリーニングの開発研究において明らかになった点より、新たな共同注意介入プログラムの開発を行う。共同注意に特化した集中介入を伴わない早期療育群と、共同注意に特化した集中介入を伴う早期療育群の知能指数、共同注意、その他のコミュニケーション指標の変化の分析を行い、そのプログラムの効果を検討する。
著者
渡部 昭男
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

地方分権一括法の 2000 年施行により、就学行政は中央集権的なものから自治的な仕組みに変わった。中央教育審議会は、インクルーシブ教育に向かうこと、および就学指導から相談支援に転換することを表明した(2010・2012 年)。まず 2010 年調査により、市区町村において就学指導委員会の名称・仕組み・機能を相談支援の性格に変更した自治体例を掌握した。次に 2012 年調査により、回答のあった 36 都道府県の 17%(6 件)、8 特別区の 75%(6 件)、320 市の 25%(79 件)、254 町の 9%(22 件)、46 村の 22%(10 件)、57 共同設置等自治体の 19%(11 件)で既に相談支援に移行していたことが明らかとなった。
著者
蜷川 清隆 西戸 裕嗣 豊田 新
出版者
岡山理科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

1.御池山のチャート中の石英に衝撃で生じたPDFsを見出した。これは、偏光顕微鏡下において直線的な縞状の構造として認められ、御池山がインパクトクレータである大きな証拠となる。更に低温CL測定の結果からPDFsの構造を確認できた。2005年度にGeo chemical Jour.に投稿したが、構造破壊の直接的証拠が必要との編集者からの意見もあり、この論文は不審査となった。その後のRamanスペクトル測定結果から、非晶質ガラスと結晶の積層構造をとるので、真のPDFsになっていることを確認した。2.ドイツRies crater内から採取した石英試料について、CL発光の温度依存性を検討した結果、衝撃を受けていない石英は2段の温度消光過程を示すのに対して、衝撃を受けている石英はほぼ1つの過程で進行することを確かめた。これら消光過程の活性化エネルギーの定量的な評価にも成功した。3.レールガンによる衝撃実験で、御池山砂岩のTLスペクトルに、350℃・380mmに新たなピークが形成され、御池山クレータ内の砂岩にも同様な膨らみがあることから、御池山がインパクトクレータであることの傍証になってと推定された。この高温ピークを担っている鉱物はTL画像測定によりアルバイトであると同定した。しかし、産地の異なる単結晶のアルバイトのTLスペクトルを調べたが、産地により異なるTL発光スペクトルを示し、衝撃による同様のピーク形成を確認できなかった。4.衝撃実験をおこなった石英・アルバイトのESRスペクトルを調べた結果,石英では、E_1',Ge,Al,Ti-Li中心が衝撃によって、消滅又は線幅の広がりが起こっていた。また、アルバイトは、産地によらず共通に、g=2.0044に新しいピークが生じていた。このESRの結果は、衝撃効果はTL法よりもESR法で,定量的に推定できることを示唆していると思われる。
著者
森田 芳朗 橋田 竜兵 笠 寛子
出版者
東京工芸大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

本研究は、1930年代のニューディール政策の一環として開発され、戦後居住者に払い下げられたメリーランド州グリーンベルト、オハイオ州グリーンヒルズ、ウィスコンシン州グリーンデイルの3つのグリーンベルトタウンが、払い下げから今日までに地区の運営組織・制度をそれぞれどのようなかたちで築き上げ、それによりどのような居住環境をかたちづくってきたかを、現地調査(資料収集、インタビューなど)により明らかにした。
著者
前田 裕
出版者
関西大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

同時摂動最適化法を用いることにより、学習機能をもつニューラルネットワークのハードウェア化が容易に実現できることについて検証した。ニューラルネットワークのハードウェア実現を想定した場合、パルス密度による数値表現が適していることを示した。また、サポートベクトルマシンを対象に、同時摂動を用いた手法を提案すると共に、ハードウェアシステムを実現した。さらに、同時摂動による学習機能を有する神経振動子をアナログハードウェアシステムとして試作した。
著者
山井 弥生(斉藤弥生)
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

介護サービスの準市場化が進む中で、ヨーロッパ諸国では大企業による市場の寡占化が懸念されている。介護サービスの質を保持するためには市場における適度な競争環境が必要となる。市民セクター研究の第一人者であるヴィクトール・ペストフは福祉サービス供給における理想的な福祉多元主義の実現に社会的企業の役割に期待しており、日本の協同組合医療・介護の役割に注目している。そこで本研究ではペストフとの共同研究として、JA厚生連、医療生協の9団体を対象に構造的なインタビュー調査を行い、その結果を比較検討する中で、協同組合医療・介護が副次的に生み出す社会的価値と、その創造機能を明らかにした。
著者
大井 秀一 佐藤 徹雄
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

有機電子デバイスや新薬などの付加価値の高い製品の開発は我が国が推進すべき最重要課題である。そして、これらの製品の生産には、廃棄物の低減、経済的な優位性、高い安全性を満足する高効率次世代型合成プロセスの開発が必須である。本研究では、炭素-水素結合の切断を伴う革新的な触媒的炭素-炭素結合形成反応の開発を基軸に、上記の社会的要請に応えられる実践的な炭素-炭素クロスカップリング反応の開発を行った。
著者
徳山 薫平 佐藤 誠 長坂 昌一郎
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

遅い時刻の夕食や朝食欠食などの食習慣は24時間のエネルギー消費量に影響しないが、24時間の平均血糖値を上昇させた(研究発表論文1)。朝食前の運動は朝食後の運動に比べて24時間で脂肪される酸化の量が多く、体脂肪増加の抑制に有効である可能性が示唆された(研究発表論文2)。また非運動性身体活動によるエネルギー消費の有無が血糖調節に影響することを明らかにした(研究発表論文3)。睡眠時無呼吸が重症化するに従ってエネルギー消費は高い傾向となり、脂肪酸化が抑制されていた(投稿準備中)。
著者
小野 雅章 冨士原 雅弘 宇内 一文
出版者
日本大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010-04-01

本研究は、天皇制教化のもと、国民統合・動員に大きな影響を与えた三(四)大節学校儀式に注目し、①その儀式のなかに、どのような経緯で国旗掲揚(掲示)や国歌斉唱が導入されたのかを実証的に明らかにするとともに、②およそ20世紀初頭に定型化した、三(四)大節学校儀式の内容をもとにしながら入学式・卒業式、始業式・終業式の儀式内容が確定し、そのなかで、国旗と国歌とが、それぞれ別の意図を持ちながら導入された事実を明らかにした。さらに、戦前に完成した学校儀式が戦後教育改革を経て、現在の特別活動の内容である儀式的行事にもその慣行が残っている事実を明らかにした。
著者
角松 生史 小田中 直樹 桑原 勇進 小玉 重夫 佐々木 弘通 進藤 兵 都築 幸恵 長谷川 貴彦 藤川 久昭 山本 顕治 横田 光平 世取山 洋介 DIMITRI Vanoverbeke 内野 美穂
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

1990年代後半以降のわが国の統治システムの構造的変容(「構造改革型」統治システム)を対象として、社会構成主義的方法を共通の立脚点とした学際的共同研究を行った。各年度毎に研究キーワードを設定して(2009年度「参加」、2010年度「責任」、2011年度「関係」)シンポジウム・共同研究会を開催した。「まちづくり」と市民参加、説明責任、教育基本法改正、歴史的記憶、裁判員制度、子どもの権利といったトピックについて、構造改革型統治システムのマクロ的・ミクロ的諸相が社会構成主義的観点から分析された。
著者
石井 大輔
出版者
龍谷大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010

米ぬかやコーヒー粕等の農産廃棄物から取得可能な芳香族ヒドロキシ酸である、カフェ酸およびフェルラ酸の重縮合によるポリエステル化を行い、耐熱性および機械的特性を検討した。フェルラ酸に関してはグリコール酸との共重合体化により熱可塑性および液晶性が発現し、460°Cにおいて50%の重量残存率を示す高耐熱性ポリエステルが得られた。ポリ(カフェ酸)は110°C付近に軟化温度(ガラス転移点)を有する一方、熱分解開始温度が最大で320°Cに達する高耐熱性を示した。さらに加熱下でせん断を加えることで液晶構造を形成する外場応答型の液晶ポリマーであることも明らかとなった。
著者
井上 智洋
出版者
早稲田大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2009

「技術進歩による生産性の上昇」と「産出ギャップ(需要不足)を解消しようとする市場調整」とが同時継続的に起こる経済をモデル化した。そのような経済では貨幣成長率を技術進歩率に等しくするような金融政策を維持しなければ、長期的な産出ギャップとデフレーションが発生する。すなわち、長期的なデフレ不況に陥るのである。
著者
三木 明子 友田 尋子
出版者
筑波大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2007

1.患者暴力被害事例の収集と分析病院職員に調査を実施し、患者暴力の被害事例を700事例収集し、状況別と原因別に分類した。状況別には、(1)ケア介入時に遭遇する暴力、(2)危険行動の注意・制止時に受ける暴力、(3)日常的に繰り返される暴力、(4)特定の個人または多数の被害者が受ける暴力、原因別には、(5)病気に起因する暴力、(6)病気に起因しない性的暴力、(7)感情コントロール不全者による暴力が分類された。我が国で初めて患者暴力被害の事例集(130以上の暴力被害事例を掲載、日本看護協会出版会から6月以降発刊予定)をまとめ、病院職員が暴力にどのように対応するのか、解説した。2.病院職員のための暴力のリスクマネジメントプログラム1)事例教材、チェックシートの作成暴力の価値基準の共有化のための事例教材とチェックシートを作成し、職員に試行し、活用できるか確認した。暴力発生の危険予知のために、「患者同士の喧嘩の仲裁」「危険行動の制止」「酩酊状態の患者の対応」「問題行動の制止」の場面の視覚教材を作成し、危険要因と現象をアセスメントし、チームで共通の行動目標を確認できるチェックシートを作成した。2)職員合同の暴力回避トレーニングの実施多職種構成のグループで暴力回避トレーニングを実施した。参加者からは「患者に威圧感を与えず、緊張を生まない距離や立ち位置はすぐに実践できるので良かった」「患者に痛みを与えない介入方法もあることを知ったことは大きい」など肯定的意見が挙がり、認識の変化を認めた。トレーニング1ヵ月後の面接調査では、「病院職員合同トレーニングを通して、他部署や他の職種と連携がとりやすくなった」(興奮状態の患者に対し、じっくり話を聞き鎮静化させた(成功事例)」などの意見が挙がった。
著者
桑沢 清明 松村 伸治 矢沢 徹
出版者
東京都立大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1996

有爪動物(Onychophora)カギムシperipatusは環形動物と節足動物をつなぐ幻の動物の近縁動物とも考えられていて、系統進化上で貴重な動物群である。このため比較生理学、神経生物学上興味がもたれる動物であるが、現在までのところほとんど研究されない。本研究では心臓とその神経支配について、主として、すでに調べられてきた周辺の動物群である甲殻類、昆虫類、環形動物、軟体動物との関係のなかで研究を進めることを目的とした。カギムシをオーストラリアに求め、Euperipatoides kanangrensisを取得して研究室で飼育管理し研究に用いた。神経伝達物質または神経修飾物質の面から中枢及び末梢のニューロン構成を明らかにして、ニューロンのマッピングを行うため各種推定伝達物質の抗体を用いて免疫細胞化学的に研究を行った。1. 中枢神経系は左右の脳神経節球とそれぞれに続く腹神経索および多数の腹神経索横連合神経からなる。全神経系に亘ってFMRFamide様免疫陽性細胞やそのプロセスを検出した。心臓神経、腸管にも免疫陽性プロセスが認められた。脳神経節中では横連合中に、特に多くの免疫陽性ニューロンが存在した。腸管にも免疫陽性ニューロンの存在が認められた。本研究により有爪動物にFMRFamide様物質が存在するこという最初の知見がえられたことになる。2. 神経系全般に亘りセロトニン様免疫陽性ニューロンプロセスが観察された。脳神経節では横連合に陽性プロセスを多く認め、その近くの領域にニューロン細胞体が多く認められた。アンテナには陽性プロセスが認められなかったが、基部の脳糸球体構造に陽性プロセスが観察された。視索には認められなかったが、網膜および視神経節に免疫陽性プロセスが認められた。心臓、輸卵管に免疫陽性プロセスが認められた。これらのことから、セロトニンは感覚、運動神経で神経伝達物質として使われていると推測された。
著者
豊田 雄彦 鈴木 美香 石嶺 ちづる
出版者
自由が丘産能短期大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

本研究は就職活動体験を綴った「就職活動体験記」を通じた交流を通して、学生の働くことへのリアリティの醸成を目指し、そのポートフォリオの解析を通してキャリア教育プログラムの開発、改善を行おうとするものである。「就職活動体験記」およびその読者による「受け止め」の記述内容をテキストマイニングの手法を用いて分析することにより、「就職活動体験記」の記述およびその記述内容を通じた交流の効果を測定した。その結果、経済、雇用情勢の厳しい時期の就職活動体験は、自らの職業観・勤労観におよぼす変化が顕著に見られること。体験記の読者は就職活動の早期のイベントに興味を示す傾向があること。また早期に活動すべきと考えた読者は実際に早期に就職活動を開始する傾向があること。適切な授業プログラムの実施により、失敗体験を下級生に伝承し、下級生の就職活動に資することができることを確認できた。
著者
新 秀直
出版者
東京大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010

本研究の目的は充電池を医療機器に応用することで,電池廃棄物の削減等を図ることにある。本研究では,充電池管理システムの開発を行なった。また,実際に病棟で使用されている送信器で充電池を使用しその問題点を検証した。その結果,使用条件によって,大幅に連続作動時間が変わるため運用上注意が必要であることが示唆された。今後,医療機器の開発の側面からも充電池が安全に使用できるように検討することが必要である。
著者
中村 好一
出版者
自治医科大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

心後遺症を持たない者も含めた川崎病既往者の追跡を行い、生命予後を明らかにする目的で、第8回~第12回川崎病全国調査(1982年7月~1992年12月)で52病院から報告された患者のうち、特定の要件を満たす6,576人について、戸籍を用いて2009年末日までの生存状況を確認し、死亡が判明した場合には死亡診断書に基づく死亡の解析を行った。全体でのSMRは1.00であったが、心後遺症を持つ者の急性期以降のSMRは1.86と有意に高かった。
著者
谷 利一 増田 拓朗
出版者
香川大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1987

ゴルフ場のコウライグリ-ンには、ピシウム菌の関与する2種の病害、すなわち不揃症(仮称)と春はげ症が発生する。前者は萌芽直後より、後者は萌芽前よりパッチが出現する。両症とも極めて防除が困難であり、本研究では両症の発生主因と防除方法について検討した。(1)春はげ症:本症発生グリ-ンより継続的に病原菌の分離を行ったところ、コウライシバの休眠期前後の11〜12月にフザリウム菌が、萌芽期頃の5月にピシウム菌が高頻度に検出された。分離フザリウム菌は、そのコロニ-タイプから3種に類別され、そのうちの2種でノシバ子苗に対する強い病原性が認められた。本症発生グリ-ンにおいて、11月にベノミル剤、5月にメタラキシル処理を行ったところ、高い防除効果が得られた。また、本症の発病に土壌条件が関係すると考えられたため土壌物理性(三相分布、透水係数)を調査した。病班部は健全部に比べて土壌の液相率が高く、気相率が低い傾向にあった。以上より、本症は休眠期前後のフザリウム菌、萌芽期頃のピシウム菌による復合感染であると結論された。また、通気透水性の悪い土壌条件で発生が助長される事が示唆された。フザリウム菌の同定は現売検討中である。ピシウム菌については、分離頻度と病原性からPythium graminicolaとP.vanterpooliiであると結論された。(2)不揃症:本症の発生時期にはPythium grminicola(Pg),P.Torulosum(Pt)およびP.vantepoolii(pv)が高頻度に分離された。ノシバ子苗を用いた接種試験でPg、Pvは10℃下で強い病原性を示したが、ptは5〜25℃で病原性はなかった。ピシウム菌に選択的に抗菌性の強いメタラキシルの萌芽期の処理は、本症の発生を完全に抑えた。以上より、本症の主因はPgとPvであり、萌芽期のメタラキシル処理で防除可能であると結論された。