著者
神山 裕美
出版者
山梨県立大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011

チルドレンセンターは、地域における子どもと家族支援のサービスハブであり、多機関連携の拠点ともなっていた。チルドレンセンターは直接支援としてマイクロ・メゾシステムに働きかけるとともに、エクソシステムとして地方自治体の支援システムに組み込まれていた。これらは実践結果に基づき地方・中央政府による継続的な評価により法律や制度の改善につながるマクロレベルへの循環が見られた。多機関連携によるコミュニティソーシャルワークが機能するには、地域基盤のジェネリックソーシャルワークが向上し、地方自治体レベルでの支援システムとが、車の両輪のようにうまくかみ合って機能することで、より効果的な支援につながると考える。
著者
松井 剛
出版者
一橋大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010

本研究の目的は、北米市場おける日本産マンガ出版の分析を通じて、グローバル・マーケティングが直面する文化障壁について考察した。北米で出版された日本産マンガの出版データベースと業界関係者へのインタビューなどによれば、大衆的な文化製品の輸出する際には、進出先市場で共有されている文化規範と、輸出される文化製品に対応する進出先の文化製品に関するステレオタイプという2つの障壁に直面することが明らかになった。
著者
森尾 吉成
出版者
三重大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2003

次の5つの研究テーマについて得られた結果を報告する.1.一定時間追跡した動物体の移動軌跡から作業者を特定する方法画像中の作業者の移動軌跡を一定時間追跡し,移動距離が大きい動物体は作業者と見なすシステムを開発した.2.日向および日陰に左右されない作業者の動き検出方法圃場の同一箇所にレンズ絞りを最適化した日向専用カメラと日陰専用カメラを1台ずつ設置することにより,日向および日陰領域が同一画像内に存在する状況においても安定して作業者を追跡できるシステムを開発した.3.複数台のカメラを用いて作業者の位置を検出する方法圃場内を移動する作業者の絶対位置を検出するシステムとして,圃場2隅に1台ずつ設置した合計2台のカメラを用いて,カメラの光軸と作業者がなす角度から作業者の絶対位置を検出する方法を提案した.実験では,15m四方の圃場に対して30cmの解像度まで位置を検出できる結果を得た.4.パン・チルト・ズーム機能を有したカメラを利用して圃場内の位置に関係なく作業者を追尾する方法パン・チルト・ズームカメラを使って屋内作業工程を監視する視覚センサを開発した.コンテナの積み上げや搬出作業においてコンテナの段数をリアルタイムで認識し,音声や映像を用いて段数を作業者に伝達するシステムを開発した.実験ではリアルタイムで安定して動作することが確認できたため,屋外での利用に向けて研究をさらに発展させていく.5.カメラ設置高さに制約される作業者追跡限界領域の検討15m四方の圃場に対して,焦点距離が3.5mmのレンズを取り付けたカメラを地上高約1.5mの高さに設置した場合に1画素が約30cm相当となる領域が存在したことから,カメラの設置高さをできるだけ高くし,十分な画像分解能が得られるよう複数カメラの組み合わせ方法を提案した.
著者
妙木 裕 松本 裕治 長尾 真
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.42, pp.17-18, 1991-02-25
被引用文献数
12

ユーザカスタマイズ可能な汎用日本語辞書データシステムと、それを利用した形態素解析システムについて述べる。日本語辞書データシステムは、木構造形式の辞書ファイルと、そのファイルを操作するCのライブラリ関数から構成される。木構造辞書ファイルは、ユーザが用意したテキスト形式の辞書から構築され、任意のカスタマイズが可能である。形態素解析システムの主要部分はLAX [杉村他88] のアルゴリズムを用いてPrologで記述されており、辞書の検索に際してはCのライブラリ関数を呼び出す。その解析結果は形態素により構成されたラティス構造として得られ、いくつかのヒューリスティクスを用いて曖昧さを減少させることもできる。出力はProlog上の構文解析システムSAX[桜木・杉村86]への入力として利用されることを想定しているが、テキストデータとして得ることも可能である。
著者
竹ノ谷 文子 塩田 清二 影山 晴秋 鈴木 勉
出版者
星薬科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

抗肥満ペプチドは摂食やエネルギー代謝亢進があるが、このペプチドと運動を活用して肥満動物に抗肥満作用を活用した報告はない。本研究では、抗肥満ペプチドの点鼻投与法を動物実験で確立した。さらに抗肥満ペプチド点鼻投与と走行運動により、摂食抑制とエネルギー代謝亢進作用を詳細に検討した結果、摂食量や体重減少を得られた。この抗肥満ペプチドと運動療法をヒトへ臨床応用すれば、画期的な抗肥満療法の開発ができると示唆される。
著者
野末 俊比古
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.64, no.1, pp.2-7, 2014-01-01

情報リテラシー教育の「これまで」の動向と「これから」の方向性について,"情報リテラシー(教育)観"を軸としながら整理.検討した。次のような"大きな流れ"としてまとめた。「マルチメディアの視点からからトランスメディアの視点へ」「情報源の評価から情報の評価へ」「理念としての情報リテラシー(教育)から戦略としての情報リテラシー(教育)へ」「目的・目標としての情報リテラシー(教育)から手段・方法としての情報リテラシー(教育)へ」「『ツールを(で)教える』から『プロセスを(で)教える』」へ」「"教える"情報リテラシー教育から"教えない"情報リテラシー教育へ」
著者
西尾 祥子
出版者
情報文化学会
雑誌
情報文化学会誌 (ISSN:13406531)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.86-92, 2009-09-15
被引用文献数
1

本論文は,巨大なイベントへの新しい関与形態として近年登場したパブリック・ビューイングについて,ドイツを中心に行われている先行研究の検討と,日本における映像メディア史のマクロ的な観点からの考察を通して,その構成要素を解明することを目的としている。パブリック・ビューイングはこれからますます注目される視聴形態の一つである。映像メディアを「イベント再イベント化」する装置として捉えた上で,筆者は,パブリック・ビューイングを,コンテンツの予測不可能性の高さ,場所の脱個人性の高さ,オーディエンスの匿名性の高さという三要素から成り立つと考える。
著者
山下 博樹 藤井 正 伊藤 悟 香川 貴志
出版者
鳥取大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

平成16〜17年度の2年間における本研究課題では、リバブル・シティとしての評価が高いカナダ・バンクーバーとオーストラリア・メルボルンにおける公共交通網を基軸とした都市圈整備に関する現地調査を実施し、わが国における都市圈整備の方向性を検討することを目的とした。その研究成果の概要は、次の通りである。1.バンクーバー都市圈では、1970年代からの取り組みをベースにしたGVRDによる"Livable RegionStrategic Plan"を基に、公共交通網の再整備と結びついたコンパタトで高密度な街づくりが郊外タウンセンターで実践され、利便性の高い日常生活拠点として整備されている。2.メルボルン都市圈では、1990年代から取り組んできた市街地拡教化防止のための土地利用規制に加えて、2002年に第定されだMelbourne 2030"による持続可能な都市圈整備の取り組みがスタートし、郊外のディストリクト・センターを中心に公共交通でもアクセズ可能で、多様な機能集積による利便性の高い中心地形成が進められている。3.これらの両都市圈での詳細な土地利用調査や公共交通網整備の状況などから、21世紀の持続可能な都市整備方針としてのリバブル・シティの特性の一端を明らかにすることができた。4.わが国でのリバブル・シティ形成の可能性は、東京、大阪など公共交通網の発達した大都市部では高い実現性を有するが、反面、過密な人口密度などによる弊害をどのように緩和するか等の新たな課題が生じる。地方都市部では、低い人口密度とモータリゼーションにより、持続可能な市街地整備の必要性が一層高まっているが、その状況はむしろ悪化しつつある。高齢化の進展などに対応したバリアフリー化などの視点からの再整備が有効であると考えられる。
著者
細川 周平
出版者
国際日本文化研究センター
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

南米移民が開始して既に1世紀以上が経過し、現在では日本語社会は縮小の一歩をたどっている。本研究は日本語活動の重要な拠点である文芸サークルの現在をブラジルとアルゼンチンで観察することを目標とし、数度にわたるフィールドワークを行ってきた。ブラジルではサンパウロとトメアスー(パラ州、アマゾン川流域)のほぼ最後の短詩サークルの句会と接触し、定型詩にこめられた自然描写や郷愁を確認した。アルゼンチンでは唯一の日本語新聞で長く働き、70年代より文芸に携わってきた崎原朝一氏とインタビューし、郊外の日系移民資料館を訪問し、文芸雑誌の所蔵を確認した。
著者
饗庭 伸 伊藤 史子 真鍋 陸太郎
出版者
首都大学東京
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

一般市街地における景観形成を支援するための、市民参加型景観形成データベースを開発した。市民だれもがスマートフォンから投稿し、それを相互に評価することが出来るシステムである。スマートフォンとパーソナルコンピューターの二つのインターフェイスから利用できるシステムを開発し、3回の社会実験を行ってその使い方を検証した。また、集まったデータを建築設計に活かすための分析、応用手法の検討を行った。
著者
稲葉 雅幸 水内 郁夫 岡田 慧 吉海 智晃 花井 亮 山崎 公俊 稲邑 哲也 五十棲 隆勝
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2004

本研究は, 等身大ヒューマノイドプラットフォームに対して, 視聴覚・全身触覚・動的全身反応行動などの高位の情報処理技術を搭載した知能ロボットカーネルを統合し, 人からの多様な働きかけに対して対応するための行動を実現するために必要な機能とシステム構成を明らかにした.
著者
相良 二朗 見明 暢 田頭 章徳 種村 留美 長尾 徹 野田 和恵 Jiro SAGARA Nobu MIAKE Akinori TAGASHIRA Rumi TANEMURA Toru NAGAO Kazue NODA
出版者
神戸芸術工科大学
雑誌
芸術工学2013
巻号頁・発行日
2013-11-25

少子高齢化が進行している我が国において、認知症者の増加は予想をはるかに上回り、2012年時点で高齢者人口の15%にあたる約462万人が認知症を発症していると発表された(朝田隆、厚生労働省研究班、2013)。一方、2010年現在、高齢者のいる世帯は全体の4割を占め、独居高齢者は男性140万人、女性346万人と推計されている(平成24年版高齢者白書、内閣府)。加齢に伴う生活不安の一つは自身あるいは家族が認知症になることであり、認知症が進行すれば在宅生活をあきらめざるを得ない。アルツハイマーに代表される認知症は進行性の疾患であり、数年間に及ぶ初期症状の段階を経て要介護状態となる。この初期段階における日常生活上の困難や混乱によって生じる「問題行動」は生活行為を縮小させ、認知機能の廃用を引き起こし、認知症の進行を早める危険性がある。著者らは、生活環境とりわけ日常生活で使用する家庭電化製品等(以下家電等と略記)が認知機能の低下に配慮していないことに起因していると仮定し、独居もしくは日中独居の高齢者がどのような家電等を継続使用しているのか、使用を中断したものはないか、といった調査を行い、その結果から認知力が低下しても継続使用が可能な家電等のデザイン方法について7つの知見を得た。In 2013, a research unit of Ministry of Health, Labor and Welfare announced that more than 4.62 million are dementia and around 4 million are MCI (Mild Cognitive Impairment), extremely exceeding expectation. On the other hand, households which have elderly counted 42% in 2010 in Japan. The cabinet estimated 1.3 million men and 3.5 million women of over 65 live alone.One of the fears of aging people is to be a dementia. People must move to institute when the stage of dementia goes deep. The dementia like an Alzheimer's disease become worth in several years, after intermediate stage so called MCI. In this intermediate stage, if some kind of problems happens, family member tend to take his/her independent activities. This makes dementia worth.The authors interviewed 91 elderly who live alone to find what kind of everyday technology are still used or quite using. Finally we found seven items of knowledge to design those elderly friendly.