著者
今田 晃一 手嶋 將博 多田 孝志
出版者
文教大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

研修を実践につなげるためには、同一校より複数の教員の参加が有効であることが明らかになった。また、研修が単発的で教育委員会などからのトップダウン形式によるものである場合は、相談する相手がいないこと、継続的な支援がないことなどから実践への阻害要因になっていることもわかった。そこで本研究では、誰でもが必要な資料や相談を受けられるように、自主的な継続的な教員研修組織とそのためのWebページ、ICT活用が実践へと結びついた。
著者
中嶋 康博 荘林 幹太郎 小川 茂男 合崎 英男 高橋 太郎 山田 七絵 佐藤 赳 鄭 暁雲 宋 敏 王 維真
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

メカニズムデザインの手法を用い、中国南西部の湿潤地域と中国北西部の乾燥地域のそれぞれにおいて、農業生産者の土地資源および水資源の利用に対する望ましい政策介入について分析した。分析においては地理情報システムおよびリモートセンシングの技術を活用し、地域の空間的な特徴を内生化した経済モデルの設計を行った。
著者
高橋 龍太郎 伊東 美緒
出版者
地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所)
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

本研究の目的は、広島とパール・ハーバーにおいて戦争被害を受けた日米51名の高齢者へのインタビューデータ分析を通じて、彼らの人生における健康の転換点を見出すことである。広島被爆者からは「被爆者になること」というテーマが、パール・ハーバー生存者からは「時に現れる誇りに思う記憶」というテーマが浮かび上がった。広島被爆者においては生涯持続し更新される健康体験の核を形成し、パール・ハーバー生存者においては折に触れて現れる体験であった。体験や国を超えて、他者とのつながり、平和の希求が一貫して表出された。
著者
大川 謙作
出版者
東京大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2009

昨年度までの成果を引き継ぐ形で、文献研究および現地調査を推進した。まず文献研究としては、18世紀から20世紀前半までのチベット語文献に見られる政治体制や社会制度にかんする語彙および事例を収集し、もって昨年度までの調査によって蓄積した20世紀前半のチベット旧社会の社会制度と比較する作業を行った。とりわけ『ドリン・パンディタ伝』に出現するチベットの土地制度に関する情報を体系的に収集して整理することができ、これは今後の研究にとって重要な基礎データとなるだろう。また現地調査については夏季に中国四川省カンゼ・チベット族自治州および中国チベット自治区ラサにおいてフィールドワークを行った。中国からの投資がもたらした村落レベルにおける影響や、おラル・ヒストリーの採録をおこない、また現地研究者との研究交流を行った。さらに冬季には台湾に赴いて、民国期のチベット政策や漢人・チベット人関係についての文献収集を行うとともに、台湾漢人たちのチベット仏教信仰についての基礎データを収集した。こうした成果はこれまで対立と抗争という枠組みによって語られてきたチベット・中国関係における共生と交流の側面に光を与えるものであるといえる。以上のような調査に加えて、編著の刊行、単行本論文集への寄稿、英文学術誌への書評寄稿、チベット語文学の邦訳、国際会議の査読、法務省からのヒアリングへの協力などを行った。
著者
大平 栄子
出版者
都留文科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

現在までに出版されているインドとパキスタンとの分離、および、パキスタンとバングラデシュとの分離を扱う分離独立文学テクスト、それに関連する映画・テレビドラマ、民謡などを網羅的に収集・分析し、分離独立文学の全体像を明らかにした。「分離独立」という視座から南アジア英語文学を総体的に把握することを目指し、今回の研究により、南アジア英語文学の体系的把握に向けた第一歩を踏み出すことができた。
著者
野口 裕之 堀川 有美 李 在鎬 庄司 惠雄 熊谷 龍一 野原 ゆかり
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

日本語口頭能力試験のための評価システムを開発する研究を進めた。このシステムでは Web ベースで配信した受験者の発話標本を聞きながら、評価者が PC 画面上に逐次提示される評価票の各項目に評定結果を入力する。評価者毎には課題を通して比較的一貫した評定であった。評価者間では「量的評価」の方が「質的評価」よりも相対的に一致した結果が得られたが、「量的評価」でも一部の評価者で他と異なる評定結果を示した。多相ラッシュ分析を適用した結果は、評価者の厳しさの違いは無視できないが、推定された能力尺度値は予め 12 名の発話者に想定した能力水準と大きくは異ならないことを示した。
著者
深尾 葉子 安冨 歩
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

黄砂という現象が純粋の自然現象ではなく、人間の営為と密接に関わっていることを前提として、そこに暮らす人々の生活・コミュニケーションに働きかける方法を探求した。それにより、黄砂の発生地域に暮らす人々の社会的、経済的行動と密接につながった解決策を編み出すことぬきには、真の解決策には至らないこと、を具体的に明らかにした。これは地域研究者と現地の実践者が環境問題の解決について介在役を果すことではじめて可能となるもので、今後の共同研究のあり方を示唆するものである。
著者
松中 久美子 甲田 菜穂子
出版者
関西福祉科学大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

一般成人3,000人、住宅管理業者128件、法的に職場受け入れ義務を負う施設・事業所1614件を対象に補助犬法の周知度などを尋ねた。すべての対象者において、法の内容はほとんど知られていなかった。一般成人においては、法についての知識または関連知識があるほど補助犬との共存意識が高かった。補助犬使用者に対して、住宅居住者としての受け入れは限られており、職場受け入れもほとんど進んでいないことが明らかとなった。
著者
海尻 賢二
出版者
信州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

最初は検査プロジェクトに対していくつかの基準で似ているプロジェクトを選択し、プロジェクト間のデータ調整を行う事で最適な再利用ができるのではないかと考えた。そこで再利用の検討を行ったが、プロジェクトの特性の相違や、予測アルゴリズムの選択等に大きく影響する事がわかった。次に新たにデータマイニング手法を適用して、最適な予測器を見出すという手法を考えた。ソフトウェア欠陥予測ツールは訓練プロジェクト、利用するメトリクス、予測のアルゴリズムを決める事で予測器を作る。与えられた検査プロジェクトに対して適切な予測器を選ぶマイニング手法を提案し、その適切性を実証した。
著者
ソジエ内田 恵美
出版者
早稲田大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2009

モーリシャス共和国は植民と移民の歴史から成り立ち、インド・中国・アフリカ・ヨーロッパ・ミックス系と多民族・多言語社会である。モーリシャス共和国は1968年の独立以来、砂糖黍の単一産業による植民型経済から、繊維・観光・ITなどからなる複合型経済へと変革を成功させ、アフリカ圏随一の高い経済発展を経ている。グローバル経済への参加は、英語・仏語といった旧宗主国言語を国際共通語として促進する傾向が強いが、各政党はその動きとは逆に、支持基盤確保を狙い、モーリシャス独自の言語であるクレオール、祖先の言語にあたるインド系や中国系言語を優遇する政策を掲げてきた。本研究では、社会的特徴が異なる中学校六校の生徒562名と教員45名にアンケート・インタヴューを行い、その言語状況を調査した。参加者は全員多言語話者であり、典型的な例として、家族や友達とはクレオール、学校の教員とは英語・仏語、宗教儀式はヒンディー、アラビア語、仏語、Eメールでは英語・クレオールと、使い分けることが多い。学校で使用される教授言語は、英語のみが一番多く、英語・仏語・クレオールの混合型が続いた。都市校よりも田舎校の教員はクレオールを含む多言語を使用し、生徒の満足度も高い。クレオールに対する態度にも都市・田舎での差異がみられ、田舎校ではクレオールにより好意的な意見が多い。田舎校では、クレオールは指導言語として使用されるべきと考え、またクレオールの綴りが標準化されるべきと考える生徒の割合が高い。言語に対するイメージとしては、英語・仏語は概ね、社会・経済的成功をもたらす権威ある国際語として認識されており、歴史上植民宗主国から強制された言語との見方はほとんどない。祖先の言語は年配者や祖先の文化への尊敬の念を示すものとして捉えられるが、実用的でないとの意見も顕著である。クレオールはモーリシャス人としてのアイデンティティを形成すると考えられるが、学習意義に対する意見は多岐に渡る。モーリシャスの若い世代は植民地としての過去に囚われることなく、その独自の多文化性を誇り、国際社会における経済的成功を重視する傾向が強い。母語(日本語)における教育が基盤となっている日本は、植民地としての過去を持つモーリシャス共和国とは社会・歴史・経済的状況が大きく異なる。しかし、グローバル化が進みにつれ、英語などの目標言語を指導言語とするイマージョン教育は、その重要性を増してきた。そのため、モーリシャスの教育制度に見られるようなアプローチで、初期から外国語を使った教育を導入する必要があるだろう。しかし、本研究で田舎校の教員がクレオールの使用で示唆したように、生徒に外国語で学問の本質を学ばせるため、そしてそれを確かめるためには、母語による教育は不可欠である。
著者
小山田 一 守時 由起 茆原 順一 植木 重治
出版者
秋田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

プロスタグランジンD2(PGD2)はアレルギー炎症の形成に重要な役割を担っている。PGD2の作用は細胞表面受容体であるCRTH2/DP1、もしくは核内受容体を介していることが知られていたが、これまでの検討から未知の細胞表面受容体の存在が示唆された。われわれはPGD2がケモカイン受容体CCR3の発現を抑制し、これが通常リガンド刺激で認められるinternalizationによるものであることを見いだした。そこでPGD2がCCR3を介して機能している可能性を、トランスフェクション細胞を用いた受容体結合試験やカルシウムシグナルによる検討を行ったが、いずれにおいても否定的な結果が得られた。
著者
大谷 実 杉野 修 森川 良忠 館山 佳尚 濱田 幾太郎 浜田 幾太郎
出版者
独立行政法人産業技術総合研究所
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

第一原理分子動力学シミュレーション手法を用いて,電気化学反応のシミュレーションを行った.固液界面における電子移動反応・界面構造の変化・吸着状態の変化など,電圧を印加した界面に特有な物理が多数明らかになった.
著者
館山 佳尚 袖山 慶太郎 隅田 真人
出版者
独立行政法人物質・材料研究機構
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

本研究課題は触媒・電池系の重要基本過程であるドナー-アクセプター間電子移動過程の電子・原子スケールでの定量的解析を実現するために、始状態と終状態を区別可能な「拘束スキーム」を導入したDFT計算手法の開発・確立に取り組み、さらに触媒・電池系内の固液界面の電解質ー吸着子ー基板系への適用を実行しました。本研究で開発された計算手法により界面電子移動過程に関する微視的理論が大きく進歩し、また触媒・電池系内の化学反応の微視的描像が確立し、高効率化に向けた指針がより明確になることが期待されます。
著者
飯原 大稔
出版者
岐阜大学
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2011

本研究では、抗がん剤投与に関連する急性(点滴後0-24時間)の悪心・嘔吐の予防効果において5-HT3受容体拮抗薬の注射薬に対する内服薬の非劣勢を証明するために、岐阜大学医学部附属病院呼吸器内科で高・中リスクの抗がん剤を投与された患者を対象とし、アザセトロン錠(アザセトロン群)とグラニセトロン注射液(グラニセトロン群)を用いてオープンラベル無作為化比較試験を実施した。本邦では急性悪心・嘔吐の予防には注射薬が主に用いられているが,内服薬が使用可能となれば薬価が注射薬の約4分の1と安価である(グラニセトロン注射薬:5,667.0円、アザセトロン錠:1,480.4円)ことから医療費抑制においては非常に有利である。現時点で本研究に組み入れられた患者数は106名で、その内の試験が終了した90名について解析を行った。有用性の一次評価項目は急性期に中~高度の悪心なし、嘔吐なし、救済的制吐薬投与なしの3条件を満たす完全制吐率とした。2次評価項目として遅発期(24-120時間)の完全制吐率、全期間(0-120時間)の完全制御率、血液毒性、非血液毒性とした。急性期の悪心・嘔吐おけるアザセトロン群およびグラニセトロン群の完全抑制率はそれぞれ97.7%および97.8%となり有意な差は認められなかった。遅発期および全期間における完全制御率はアザセトロン群およびグラニセトロン群の完全抑制率はそれぞれ68.2%および65.2%となり有意な差は認められなかった。副作用の評価においては、血液毒性および非血液毒性共に両群間に有意な差は認めなかった。これまでの結果より医療経済的に優れているアザセトロンの経口投与はプラチナ製剤を含む肺がん化学療法において有用な薬剤と考えられた。
著者
鈴木 亨
出版者
山形大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

結果構文など英語の非選択目的語が関わる構文は、その構文的イディオム性をもとに文脈に応じて多様かつ新奇な創造的表現の使用を支える文法的基盤となっている。本研究は、非選択目的語が関与する構文に通底する変化事象を表す文法のしくみを明らかにするとともに、統語論と意味論という狭義の文法のみならず、世界知識や文脈情報など語用論的要素が創造的な言語表現の認可に関与するしかたを含めて、言語使用における文法の創造性の一端を解明した。
著者
中尾 央
出版者
京都大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2009

本年度は交付申請書でも記載したように,遺伝子と文化の二重継承節(Robert BoydやPeter Richerson),ミーム論(Daniel Dennett, Richard Dawkins),また心のモジュール説に基づいた文化の疫学モデル(Dan Sperber, Scott Atran)などを主に検討した.その検討の結果,これらが互いに対立するものではなく,むしろ補完し合うものであることを明らかにしてきた,これらの研究や(進化心理学や人間行動生態学に関する)前年度の研究をあわせて,これまで人間行動の進化的研究に関して提唱されてきた様々な研究プログラムは,部分的な修正を加えることによっておおむね両立しうるものであることが示された。これらの研究成果はこれまであまり明確な形で行われてこなかったものであり,その意味では意義ある成果であると言える(論文は,現在印刷中で来年度以降に出版予定である).また,本年度においては,これらの研究プログラムでは補いきれない部分にも着目し,研究を進めてきた,その一つが文化の系統学的アプローチである.他にも文化や人間行動の進化にとって重要な役割を果たすであろう(がこれまではあまり注目されてこなかった)教育や罰の進化について,より具体的な研究も進めつつある.前者については生物体系学者の三中信宏氏と共編で論文集を企画し,また後者については,2010年9月から2011年3月にかけて,ピッツバーグ大学科学史科学哲学科を訪問し,Edouard Macheryと共同で研究を行った.これらの研究はまだ明確な成果を残せていないが,来年以降には論文や発表などにおいて,成果を残すことができるだろう
著者
城山 陽宣
出版者
関西大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

本研究は、東アジアにおける儒教を考える際に、その原点と末端、中心と周縁の双方に注意を払うことによって、中国・日本における儒教の展開と伝播を考察し、その本質を究明することを目指したものである。まず、東アジア儒教の原点・中心研究では、日本中国学会大会の発表等において、董仲舒の対策文書に関する福井重雅氏の考証の方法に対する疑義を提起した。また、董仲舒対策第三策の「六藝之科・孔子之術」に対する新たな解釈を提示し、対策が当時の朝野にいかなる影響を与え、またこれがいかに漢代思想史に位置づけられるのかについても卑見を提示した。次に「周縁的研究」では、清朝文化の日本への東伝という文化交渉の現象の中でも、とりわけ特徴的な一例である清朝の木活字出版「聚珍版」の東伝が日本の近世木活字の盛行をもたらした可能性について考え、清朝で生み出された木活字による出版を「雅馴」と見なす観念が、近世日本にも受容されていたことを確認し、中国を源流とする儒教思想が日本の社会へ受容されていったことと密接な関連があることが確かめられた。また2010年からは、大阪を代表する漢学塾であった泊園書院に関する研究も行ってきた。その第一弾として、藤澤南岳の蒐書思想を自筆稿本『名士九命草』の「藏書」を中心に解き明かすことを通じて、近代日本における民間の儒学・儒者の実態を明らかにすることを試みた。次に、これまで全く手付かずであった藤澤東〓・南岳・黄鵲・黄坡先生の自筆稿本の目録の整理を行い、「関西大学泊園文庫蔵自筆稿本目録稿-その(1)-」を提出した。以後自筆稿本目録完成まで順次発表していく予定である。
著者
松永 康
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

前半は,金属的性質を持つ単層アームチェア型ナノチューブを選択成長させるための最適なシース電場をヒュッケル・ポアソン法を用いて定量的に評価した.最適シース電場はチューブ長の3乗に逆比例し,ある長さより長いチューブに対しては外部シース電場制御による選択成長が可能であるとの結論を得た.次に自己磁場と有限長という効果を取り入れるためスラブモデルを設定し,電子の束縛状態の固有関数を近似的に解いた.有限の厚みのシートと平行方向に磁場を配置し,シートの中心面に原子核による正電荷を分布させる.遮蔽効果を考慮し,電場・磁場の両効果を取り込んだ一電子の波動関数は超幾何関数で表すことができ,これらの関数の各領域における接続条件とエネルギー固有値の条件によって決まる新たな束縛状態(ランダウモード)を発見した.具体的にはシートの中心面を挟んで進行方向が異なるモードが存在する波数条件を見いだすことに成功した.そして最近注目されている電気的破壊の実験結果において報告者が指摘している新たなランダウモードが影響を与えているのではないかという一つの証拠を見つけた.これは一定電流値以上を流した大半径多層チューブでは殻が一枚ずつ消失して細ってゆき(thinning),また単層チューブのロープでも同様の破壊(breakdown)が,特に空気中で起こるというものである.そこで報告者が得たモードとこれらの現象について考察し,成果を学術雑誌にまとめた.結論として,カーボンナノチューブという特異な幾何学条件と電磁気条件によって,新たな量子力学的束縛状態が発見された.この新たなランダウモードは,印加電流による自己磁場が強くないと存在しない,マクロな電流には寄与しない,チューブ外側に状態密度が存在するためbreakdownやthinningに強く関与する,ことなどがわかった.このモードが存在するとチューブ周りのガスやチューブ壁上の付着物を活性化させ,その結果炭素壁の結合が破壊されると考えられる.
著者
堀田 博史 松河 秀哉 森田 健宏 松山 由美子 村上 涼 吉崎 弘一
出版者
園田学園女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

本研究の目的は、保育でのメディア活用に関する教育方法・技術をパッケージ化したカリキュラムの開発を行うことである。研究は、メディアを保育カリキュラムに取り入れている幼稚園・保育所の活用実態を調査、また日本における保育でのメディア活用指針を作成する手順で進めた。開発した体系的に保育でのメディア活用を学ぶ教育方法と技術に関するカリキュラムはWebサイトで公開、講義で利用され、おおむね高評価を得ている。