著者
中嶋 昭正
出版者
福岡国際大学・福岡女子短期大学
雑誌
福岡女子短大紀要 (ISSN:02860546)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.1-8, 1980-06-30

加糖脱脂乳培地でのフィチンの乳酸菌発育促進効果を, Lact. casei(代田株, YIT-9018), Lact. acidophilusを用いて検討し, 次の結果を得た。1.米糠から抽出した粗フィチン, および市販試薬用フィチンは, 米胚芽水抽出液には劣るが, かなりの乳酸菌発育促進効果を示した。2.フィチンをDowex 50(H^+)で処理し, NaOH中和したものには乳酸菌発育促進効果が認められなかった。3.市販フィチン酸もほとんど乳酸菌発育促進効果を示さなかった。4.フィチンの灰化物には灰化前とほぼ同じ乳酸菌発育促進効果が認められた。5.これらの実験結果から, フィチンあるいは粗フィチンの無機カチオン部分が乳酸菌発育促進効果を示すものと考えた。
著者
山崎 文雄 松岡 昌志 丸山 喜久
出版者
千葉大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

本研究では,高解像度光学センサ衛星とマイクロ波を用いる合成開口レーダー(SAR)を組み合わせた,被災地域の抽出手法を検討した.災害前には衛星光学センサ画像,衛星SAR画像,更には数値標高データ(DEM)が得られているものとし,災害後に衛星SAR画像が得られた場合,これらを全て用いて被災範囲と程度を抽出する.イタリア・ラクイラ地震,ハイチ地震,東日本大震災等の被災地域に対して実データに基づいて被害抽出を行い,現地調査データと比較して精度を検証した.
著者
金田 晋
出版者
美学会
雑誌
美學 (ISSN:05200962)
巻号頁・発行日
vol.23, no.3, pp.11-24, 1972-12-30

Es scheint so veraltet zu sein, heute nochmals die Linearperspektive zu erwagen. Denn die modernen Kunstbewegungen haben schon die darauf beruhende Raumvertiefungsdarstellung uberschreitet, um den dem Kunstwerk eignen Bildraum auf der zweidimensionalen Bildebene aufzubauen. Dennoch ist der Grund oder Sinn der Perspektive nachtragenswert. Die Frage nach dem Grund beschaftigt uns immer mehr. Die Perspektive ist trotzdem von meisten Malern und Kunsthistorikern negativ verurteilt, indem sie sich so vorgestellt haben, dass der Bildraum dadurch in den naturgemassen Raum eingelost wird. Viele Asthetiker (Lipps, Kainz, usw.) reduzieren die Probleme des Bildraumes aufs psychologische Thema, das Raumgefuhl. Ihre Problematik mussen wir zuerst als das Techinische aufstellen. Zunachst unterscheidet der Verfasser visio perspectiva, scientia perspectiva und ars perspectiva voneinander, obzwar die letzte naturlich mit den anderen beiden fundiert ist. Nach seiner Meinung sind all die drei perspectiva abstrakte Konstruktionseinheiten : mit visio perspectiva zieht man nur eine rein physiologische Struktur aus dem genzen Lebensraum heraus, der doch nicht nur visuell, sondern auch haptisch sowie kinasthetisch konstituiert ist, und zwar ist das Sehbild auf der Netzhaut nicht ebenflachig, sondern konvexflachig projiziert ; mit scientia perspectiva wird man den erfullten, personlich orientierten Lebensraum zum in Homogenitat und Quantum Bestehenden umgestalten, und man wird durch Lageveranderungen des Sehpunktes in unendlicher Art, und zwar des idealen, die Tiefe des Raumes mit einer der drei Dimensionen verwechseln ; mit ars perspectiva versucht man, die Raumvertiefung aus einem real fixierten aber auch mechanisierten Punkt heraus darzustellen. Dabei entfremdet man sich zugleich seine eigne Umgebung und seinen Erfahrungshorizont und reproduziert die vergegenstandlichte Welt als das auf der Bildebene projizierte Abbild. Alle perspectiva fungieren verschidenartig. Trotzdem beruhen sie auch auf einem metaphysischen Boden, der Exaktheit. I
著者
金田 晋
出版者
美学会
雑誌
美學 (ISSN:05200962)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.45-53, 1973-09-30

Die malerische Linearperspektive ist ein Denkmal fur das neuzeitliche Geistesleben, fast bahnbrechend. Mit ihr suchten die Renaissancekunstler den Tiefenraum auf der extensionalen Bildebene zu konstruieren. Das scheint aber paradox zu sein. Denn die zweidimensionale Extension, d.h. der physikalische Abstand, gehort vor allem zum Nebeneinander der Dinge, dass sie sich voneinander nicht verdecken, sondern nur parallel liegen, wahrend die Tiefeerstrekkung erst in der Beziehung zu meinem jeweiligen ""Hier"" konstituiert wird. Jene Extension besteht in die Kontinuitat, Unendlichkeit, Gleichformigkeit und Messbarkeit (Cassirer), aber nicht diese Tiefeerstreckung, worin das fernliegende Ding, d.h. das verdeckte, durch meine Interessiertheit eine neuartige Position gewinnt, dass es vor das gerade Verdeckende hervortritt. Hier ergiebt sich eine existenzielle Situation. In diesem Sinne heisst die Ent-fernung tatsachlich ""die Verschwindung der Ferne"" (Heidegger). Die Extension und die Tiefeerstreckung gehoren also jeweils zu einer anderen Kategorie. Trotzdem gaben die Kunstler eine rationalisierte Antwort fur diese paradoxe Situation, indem sie zwischen sich und dem darzustellendem Tiefenraun eine ""durchsichtige (im Durers Umdeutungssinne von perspectiva)"" Scheidewand (=Bildebene) stellen. Zum Unterschied von der materiellen, undurchsichtigen Bildebene vor der Neuzeit, auf der dem Bild in der absoluten Entfernung das darzustellende Sein mitgeteilt ist, nimmt die perspektivische Bildebene hinter sich selbst das in sich geschlossene und vollendete Reale an, so dass sich das Bild selbst zum Nachbild des Realseins entmachtigt. Ferner ist das Bild keine Reflexion der realen Welt mehr, sondern ihr abstrahiertes Gebilde ; Der Maler als das In-der-Welt-Sein reduziert sich zu einem physikalischen Punkt, indem er, durch die Durchsichtsbildebene von seiner eignen Welt abgerissen, die Welt und seine Intentionalitat ausschliesst. Die Entfernung verliert ihre existenzielle Seinsweise, so dass die Tiefeerstreckung als eine dritte, mit
著者
塩崎 賢明 原田 賢使
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.64, no.519, pp.179-186, 1999
参考文献数
8
被引用文献数
4 2

This study aims to identify geographical distribution of private temporary housing (PTH) and to understand how PTH has been constructed in Kobe city since Hanshin-Awaji great earthquake. According to 1997 survey, 2927 units of PTH are built and pre-fabric building type is the most popular. PTH has contributed to reconstruction of housing and of local industry because the buildings are used for not only dwelling but also shop and work. Prospects of future development of PTH is that in the land re-adjustment programme areas majority of people who live there remove PTH and newly construct permanent housing in the case of exchange of the land. However, in the case of not large-scale exchange of the land PTH would continue to exist. In the re-development programme areas, it is obvious that PTH will be removed when the programme starts. In the other areas permanent housing will be built depending on owners' financial resources.
著者
森 裕子 遠藤 伸 伊藤 亨子 柏崎 直巳 二宮 博義 猪股 智夫
出版者
麻布大学
雑誌
麻布大学雑誌 (ISSN:13465880)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.125-127, 2006

本研究は,ビオチン欠乏がラット海馬へ及ぼす影響について,Timm染色法を用いて海馬組織を組織計測するとともに,DNAマイクロアレイ法を用いて海馬組織における遺伝子発現を検証した。組織学的観察では,歯状回,CA1,CA3の各エリアにおいてBD群の方がBS群より神経細胞が小さい傾向を示し,ビオチン欠乏により海馬神経細胞の代謝活性が低下していることが示唆された。また,Hilus,Lucidum領域のシナプス密度は,背側海馬(頭側)では両群の間に差は認められなかったが,腹側海馬(尾側)ではBD群の方がBS群より有意に増加しており,ヒト側頭葉てんかんに見られる所見に類似することが示唆された。さらに海馬組織の遺伝子発現については,BD群では細胞間や細胞内情報伝達に関わる複数の遺伝子(アセチルコリン作動性受容体,AMPA型受容体,神経軸策伸張に関わる関連遺伝子)が抑制されており,ビオチンが遺伝子発現にも重要な働きを示すものと推察された。ビオチンは脳機能の維持,特に記憶・学習に関与している可能性がある。
著者
山添 大丈 内海 章 米澤 朋子 安部 伸治
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J94-D, no.6, pp.998-1006, 2011-06-01

従来の視線推定手法のもつ制約を緩和した単眼カメラによる視線推定手法を提案する.これまでに多くの視線推定手法が提案されているが,キャリブレーションが必要,計測範囲が狭いなどの問題があり,その応用範囲はHCIにおける視線計測や視線を用いたインタフェースなどに限られてきた.提案手法では,虹彩と白目のアピアランスをもった三次元眼球モデルを用い,バンドル調整法のように複数フレームにおける観測画像とモデル投影画像の間の投影誤差が最小とすることにより,眼球モデルパラメータを推定する.従来の視線推定手法とは異なり,ユーザが決まった参照点を注視するといった特殊なキャリブレーション動作が必要ない.そのためユーザに視線推定を意識させることなく,自動的にキャリブレーション処理が完了できる.視線推定においても同様に,投影誤差を最小化することにより,視線方向を推定する.実験により,解像度QVGA (320 × 240)の画像で,約6度の推定精度が得られることを確認した.
著者
長根 篤子 畠山 寛彰 吉田 宏 丸茂 町子 三条 大助
出版者
東北大学
雑誌
東北大学歯学雑誌 (ISSN:02873915)
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.125-131, 1986-12-01

顎顔面口腔領域における電撃痛・知覚麻痺・灼熱痛・穿刺痛・味覚異常・嚥下痛・痙攣など(以下知覚異常として記す)の訴えは, 日常の臨床において時折遭遇するものである。しかし, それらの病因は種々で診断が困難なことも少なくない。そこで, 今回, 我々は, 知覚異常の診断に関する基礎的データを得るために, 過去4年間に東北大学歯学部附属病院を受診した新来患者の中で上記の知覚異常を主訴とした患者111例につき, 主訴と病因との関連性を検討した。その結果, 111例中女性78例(70.3%)男性33例(29.7%)で, 電撃痛, 知覚麻痺各々32例(28.8%), 灼熱痛21例(18.9%), 以下穿刺痛, 味覚異常, 嚥下痛, 痙攣量の順であった。年齢別では50歳代が31例(27.9%), 60歳代が22例(19,8%), 40歳代が18例(16.2%)であり, 特に40〜60歳代の女性が54例(48.6%)であった。来院までの罹病期間は1年以上が47例で最も多く, 次いで1ヵ月以内が24例であった。部位別分類では味覚異常を除く各主訴とも複数の部位に症状が発現し, 全体では舌部, 頬部, 眼窩部, 口唇部に多発した。また111例中59例には心疾患, 胃腸病, 高血圧, 肝疾患, 貧血などの全身疾患が認められた。臨床診断は実に様々なものがあり, しかも不明の症例が21例(18.9%)あったことから, 器質的な異常のみならず心因的背景がある場合も考えられ, 診断の困難性が伺われた。
著者
ワルド R
出版者
東京大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2005

去年に引き続き、江戸後期から現代にいたるまでの浄土真宗における教学展開を研究してきました。ことに、近代化の中で変遷する教団体制と教学との関連性に焦点を与えることに努めました。この関連性を考察するに当って、近代以降、真宗教団内で時折勃発した「異安心問題」(異端問題)を考察し、この問題に内在する近代教学と伝統(江戸)教学との衝突を究明しました。その結果、この問題は単なる「教学」の問題(つまり近代教学と伝統教学との齟齬)ではなく、教団内の政治問題および教育問題(例えば、「伝統的」な学寮と「近代的」な宗派大学との衝突)と深い相関関係があることが明らかになりました。昨年度は主に東本願寺で起きた「村上専精の異安心問題」を取り上げたので、本年度は西本願寺の動向に注目しました。具体的な研究対象としては、大正12年、西本願寺・龍谷大学で起きた「野々村直太郎異安心事件」を取り上げ、近代教学者と伝統教学者との解釈学的相違点を解明し、さらに「言論の自由」と「宗教の伝統」という相容れがたい概念が宗派大学の中でいかに融和され(あるいは融和されなかった)、位置づけられたかを考察しました。今後、この事件に関するより詳細な史料調査を行うつもりですので、事件の全貌を明らかにすることができると確信しております。このように、本願寺の東西における教学問題・論争の全体像の解明へ一歩進んだと考えております。また、この現象における政治性という側面も大いに存在すると認識することもできました。なお、「死生学」関連では、真宗における「小児往生問題」(つまり、子供は浄土に生まれることができるかどうかという重要な教学・倫理問題)についての初歩的な研究を始めました。
著者
吉田 光司 金澤 弓子 鈴木 貢次郎 根本 正之
出版者
日本雑草学会
雑誌
雑草研究 (ISSN:0372798X)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.63-70, 2009 (Released:2009-07-08)
参考文献数
17

ナガミヒナゲシが国内で急速に帰化している原因を,実験によって求めた種子発芽特性から考察した。野外の播種実験の結果,6月の種子散布後,散布当年の秋季と翌春に多くの出芽をみた。次に室内で,異なる温度と水分条件に貯蔵した種子を定期的に取り出す発芽試験を行った。その結果,(1)種子を湿潤・暖温条件に2∼3ヶ月間貯蔵してから5°Cで発芽させた場合,(2)湿潤・暖温条件に3ヶ月間貯蔵した後に湿潤・冷温条件に半月∼1ヶ月間貯蔵してから10∼20°Cで発芽させた場合,(3)30°C/10°Cの変温条件で発芽させた場合に高い発芽率を示した。これらの野外と室内の発芽実験の結果から,自然環境条件では夏季の暖温湿潤条件を経て地温が低くなる秋季と,冬季の冷温を経て地温が上昇する春季に多く発芽することが確かめられた。また,高温や室温の乾燥条件に約3年間貯蔵した種子や,暗条件ではほとんど発芽しなかったことから,土中では埋土種子となって長期間残ることが予測された。試験から得られたナガミヒナゲシの発芽条件から国内の分布を説明できた。また,同種が多く分布している国内外の地域の年平均気温と年間降水量は一致した。
著者
上田 明頌 西川 敬之 福井 健一 森山 甲一 栗原 聡 沼尾 正行
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.25, 2011

これまで我々は個人の感性を学習し、それを反映させた楽曲を自動生成するシステムを開発してきた。本論文では、音楽の重要な要素であるメロディのモチーフがどのように展開されるかを学習し、それを自動作曲システムに反映させることを提案する。これにより、メロディの質が向上し、より個人の感性に訴える曲が生み出された。
著者
金子 彩香 伊藤 貴之
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.25, 2011

薬と蛋白質の反応において,薬は蛋白質表面上の窪み(ポケット)に入り込みやすいとされている.我々は蛋白質の薬との反応性における評価値算出手法の確立を目指しており,その前段階として本報告では各ポケット形状の評価値を算出する手法を提案する.本手法では,蛋白質表面上から抽出された各ポケットに対して,形状特徴量を算出し,薬との反応性が高いサンプルポケットの形状特徴量との類似度比較により評価値を算出する.
著者
長谷川 誠紀
出版者
京都大学
雑誌
奨励研究(A)
巻号頁・発行日
1994

家免を用いた片側肺結紮モデルの確立本実験に入る前に、適度な肺障害を起こすモデルの確立を行った。一定の肺障害を再現できるモデルを作成するため試行錯誤した結果、(1)家免の体温保持が極めて重要である。体温が35℃以下になると障害が大幅に減少する。このため、温水潅流式ブランケットを使用、直腸温を38℃に保持した。(2)肺門をクランプする器具が重要である。家免の肺血管・気管支は極めて脆弱なため、器具によってはクランプによる組織損傷で実験結果が左右される。最終的に、バクスター社製ラバークッション付きクランプ鈕子を採用した。(3)肺門遮断時間は120分が適当である。我々の使用したモデルは、左肺動静脈、気管支の遮断にて温阻血を加えるものであるが、この温阻血時間で障害の程度を調節できる。温阻血時間を90分とすると、再潅流120分後の純酸素呼吸による動脈血ガスは平均10mmHg程度となり、コントロール群の差が有意に出ない恐れがある。一方、温阻血時間を120分とすると、再潅流120分後の純酸素呼吸による動脈血ガスは平均110mmHg程度となり、ネオプテリンが有効であれば有意差を持って高い酸素化を示す可能性がある。以上のようにモデルを確定し、ネオプテリンを投与する実験を開始した。以上のように、ネオプテリンは家免肺門クランプによる温阻血障害を全く抑制しなかった。われわれはネオプテリンのラットにおける脳虚血再潅流障害抑制効果を既に証明しており、今回の結果が種差によるものか臓器の違いによるものかを明らかにする必要がある。われわれは続いて酸化型ネオプテリンを用いて実験を重ねて行く方針である。
出版者
日本書籍
巻号頁・発行日
vol.尋常小學科第4學年 後期, 1904