著者
小林 薰 柊 幸伸
出版者
一般社団法人 日本理学療法教育学会
雑誌
理学療法教育 (ISSN:24368008)
巻号頁・発行日
vol.3, no.2, pp.2_52-2_61, 2023-10-31 (Released:2023-11-28)
参考文献数
31

目的:心肺蘇生教育の実施状況と内容および救命活動体制の整備と傷病者発生の実態を調査した。方法:対象は,理学療法士養成校延べ295校とした。心肺蘇生教育,救命活動体制,傷病者発生に関して郵送調査を行った。結果:295校中,141校から回答が得られた(回収率47.8%)。講習会は80.1%の養成校で開催されており,75.2%が講義と実技を組み合わせた形式であった。女性傷病者を想定した実施は,講義では29.5%,実技では15.7%であった。危機管理マニュアルがあると回答したのは24.1%であり,AEDは97.2%が学内にあると回答した。ケースの有無については3校の報告があり,学生においては「運動会・体育祭」で発生していた。結論:心肺蘇生教育は多くの養成校で開催されていたが,女性傷病者を想定していたのは講義29.5%,実技15.7%であった。基礎的な教育に加えてより実践的な取り組みを導入することや,危機管理マニュアル,AEDの適正配置といった体制を整備しておくことが必要である。
著者
村 竜次 升田 由美子
出版者
日本看護技術学会
雑誌
日本看護技術学会誌 (ISSN:13495429)
巻号頁・発行日
vol.22, pp.63-70, 2023-12-20 (Released:2023-12-20)
参考文献数
28

本研究の目的は, 末梢静脈路確保時に最も効果的なアームダウンの体位を検討することである. そのため, ヘッドアップの角度の違いによる静脈怒張効果を比較した. 被験者は20~30代の健康でBMIが標準な女性20名とし, 基礎データ (年齢・身長・体重・BMI・上腕周囲長・上腕三頭筋皮下脂肪厚・血圧・体温) と各体位 (仰臥位に駆血, ヘッドアップ30°・45°・90°に駆血) の静脈要因 (断面積・深さ・血管周囲長, 静脈の縦径・横径), 目視怒張度および触知怒張度を測定ならびに判定を行った. 最も静脈怒張を示したのはヘッドアップ90°に駆血を加えた体位であり, すべての静脈要因で有意な効果がみられた.
著者
宮川 明美 谷川 攻一
出版者
一般社団法人 日本災害医学会
雑誌
日本災害医学会雑誌 (ISSN:21894035)
巻号頁・発行日
vol.28, no.3, pp.89-100, 2023-12-02 (Released:2023-12-02)
参考文献数
22

【目的】双葉郡は2011年の福島第一原子力発電所事故の影響を最も受けた地域である。我々はこの地域における医療体制の再整備に関する課題を把握するために、事故後の医療ニーズの変化と医療体制の変遷について調査した。【方法】福島県と地方自治体からの報告、双葉消防署からの救急搬送データ、ふたば医療センター(FMC)での患者データの分析を行った。【結果】事故後、2014年からの避難指示解除に伴い、救急搬送件数は年率約10%で増加した。事故後早期には労働関連事故や交通事故による外傷の割合が30%以上増加した。住民の帰還に伴って内因性疾患(呼吸器疾患が最多)の割合が増加した。2018年にFMCが開設されたが、60歳代の患者が多く、2019年には80歳代の患者の割合が著しく増加した。【考察と結語】事故後、継続して行われた除染事業や復興事業、および住民の帰還による人口統計の変化は観察された外傷や疾病構造と関連していた。なお、本論文は以下の原著論文の和訳である。Miyagawa A, Tanigawa K: Health and medical issues in the area affected by Fukushima Daiichi nuclear power plant accident. Int J Environ Res Public Health 2022; 19: 144.
著者
関 勝寿 岩田 幸良 柳井 洋介 亀山 幸司
出版者
土壌物理学会
雑誌
土壌の物理性 (ISSN:03876012)
巻号頁・発行日
vol.155, pp.35-44, 2023-11-20 (Released:2023-12-18)
参考文献数
16

土壌の水分特性曲線の近似ではvan Genuchten のVG モデルが広く使われているが,団粒構造が発達した黒ボク土のような土壌では,VG モデルを足し合わせるDurner(1994) のdual-VG モデルがより適している.本研究では,SWRC Fit のdual-VG モデルによる非線形回帰のアルゴリズムを改良した.すなわち,水分特性曲線を高水分領域と低水分領域に分割し,それぞれをVG モデルで近似して得たパラメータをdual-VG モデルの初期値として与えて近似するという手法である.日本全国のアスパラガス圃場を中心とした試験圃場の実測データによりこの手法の精度を検証した.開発された手法により,検証されたすべての土壌において大域解とほぼ等しい適合度の曲線が得られることが示された.また,修正AIC によるVG モデル,dual-VG モデル,dual-VG-CH モデル(dual-VG モデルにおいてα1=α2 と したモデル)の比較をしたところ,黒ボク土,低地土,褐色森林土において,dual-VG モデルが最も適している試料が多いことが示された.
著者
林 浩之 池上 昂平 赤峰 修一 市來 龍大 金澤 誠司
出版者
電気・情報関係学会九州支部連合大会委員会
雑誌
電気関係学会九州支部連合大会講演論文集 平成25年度電気関係学会九州支部連合大会(第66回連合大会)講演論文集
巻号頁・発行日
pp.217, 2013-09-13 (Released:2016-01-17)

水中放電で生成されるOHラジカルは高い酸化力を有し、従来の水処理では対応することができなかった難分解性の有機化合物を分解することができる。本研究では水中放電で生成されたOHラジカルと過酸化水素の計測を試みた。水中放電は針対球電極を使用し,パルス高電圧を印加して発生させた。OHラジカルの定量にはテレフタル酸二ナトリウムを使用する化学プローブ法を用いた。過酸化水素の定量には硫酸チタン比色法を用いた。過酸化水素はおもに水中放電によって生成したOHラジカルの再結合により生成すると考えられている。化学プローブ法によるOHラジカルの推定量を過酸化水素の濃度から算出した量と比較して検討も行った。
著者
梅谷 陽二 広瀬 茂男
出版者
The Society of Instrument and Control Engineers
雑誌
計測自動制御学会論文集 (ISSN:04534654)
巻号頁・発行日
vol.10, no.4, pp.513-518, 1974-08-30 (Released:2009-03-27)
参考文献数
9
被引用文献数
1

It is a well-known fact in morphology that static forms of living organisms are classified into several fundamental shapes. Some of them can be described by a geometrical function. On the contrary, the posture of a moving animal has scarcely been treated in morphology, with a few exceptions. But it seems that the posture could be represented with an idealized mathematical form if the animal's behavior is conditioned and maintained in uniform and stationary surroundings. The present paper shows one such typical case, discussing the shape of a gliding snake.In this paper the gliding shape of snakes during locomotion on a flat surface in stationary straightforward movement is treated. The authors conclude that two kinds of geometrical curves, Eq. (7) and (10), represent sufficiently the shape of a gliding snake. Especially the curve derived under the assumption that the muscle will repeat contraction and relaxation cycles harmoniously during serpentine movement, which we named as the “serpenoid curve”, is shown to be remarkably similar to that of a living snake. Thus the authors believe that research on the shape of animals is useful not only to zoology but also to the biomechanics of an artificial animal-like vehicle and its designing.
著者
浅田 晴久 松田 正彦 安藤 和雄 内田 晴夫 柳澤 雅之 小林 知 小坂 康之
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集 2018年度日本地理学会秋季学術大会
巻号頁・発行日
pp.73, 2018 (Released:2018-12-01)

1.はじめにモンスーンアジア、中でも東南アジア大陸部稲作圏の国々ではすでに食糧自給がほぼ達成されたことから、農業技術開発・普及および農村開発は、国家戦略の中では優先順位が下がっている。つまり「緑の革命」期の政府による、「技術の押し売り」的状況が改善し、近代農業技術の画一的な普及状況が一変している。国によっては農民の自発的な技術変革が顕著に見られるようになってきており、農業技術発展において各国の状況にはかなり大きな温度差が生じつつある。伝統農業時代に存在した、地域による多様性が再び出現しつつあると言える。また、世界の農業技術が向かっている方向も、多収技術から持続性、安定性、安全性、低投入技術へと移り、脱化学農業の動きも活発である。この変化を国際的な比較を通じて整理し、地域発展の共時的現象として確認し、地域の固有性との関連で農業技術発展における意義を明らかにすることが本研究の目的である。近年、特に2000年以降、地域研究およびそれに隣接する分野の諸研究において農業技術の現状を具体的に記述し、その変容等の意義を問う研究事例がほとんど見られなくなってきている。これは「緑の革命」という東南アジア諸国に共通した農業・農村開発国家戦略が主政策でなくなりつつあることにも関係している。しかし、そのような状況下であるからこそ、東南アジア各国では、国家の圧力から放たれた農民の自由意志による近代と伝統の統合によるもう一つの技術革新が静かに進行していると言える。まさに東南アジア大陸部では、地域の固有性に強く立脚した農業技術発展がその多様性を大きく開花させつつあると言える。このことは現在までほとんどまとまった形で報告されていない。本研究は、水田稲作に着目して、その現象の実態と現代的意義を明らかにする。それにより、地域研究に携わる研究者コミュニティと東南アジアの人々とともに、将来の農業技術のあり方について考えるという意義ももつ。2.研究手法本研究は、京都大学東南アジア研究所の共同研究として2016~2017年度の2年間、浅田が代表を務めて実施した。各国を担当する研究チームを、インド・アッサム(浅田)、バングラデシュ(安藤)、ミャンマー(松田)、ラオス(小坂)、カンボジア(小林)、ベトナム(柳澤)、という形で編成した。研究期間と予算が限られていたため、新たに現地調査を実施するという形式はとらず、各担当者が、これまで現地のカウンターパートとともに行ってきた研究成果を持ち寄り、研究会を定期的に開催して情報交換を行った。各国で近年みられるようになった新しい稲作技術の動向を整理し、モンスーンアジア全域で共通している問題を考察した。 3.結果と考察本研究の成果として、以下の知見が得られた。「緑の革命」の推進期まで、アジア各国では、食料自給を高めるために、政府によるトップダウンにより農民の間に稲作技術が普及していったが、現在は、農民が自由に技術を選択できる状況になっている。各国において機械化農業が進んでいるが、省力化・効率化など技術面での多様性が増している。各国政府は自給率を達成した後もなお収量を重視しているが、農民はコストを重視しており、両者にギャップが生じている。特に農外就労機会の増加、農村から都市への人口移動により、農業就業者の数はいずれの地域でも減少傾向にあり、稲作の持続性にとって大きな問題となりつつある。農業・農村の魅力を高めるには、国家が一方的に関与するだけでなく、農民の主体性も認められなければならない。もはやトップダウン型の政策が通用する時代ではないため、農村の現場で起こっている変化を肯定的に捉えて評価しないと、いかなる農業政策も定着させることは難しいと考える。
著者
松本 淳
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集 2018年度日本地理学会秋季学術大会
巻号頁・発行日
pp.66, 2018 (Released:2018-12-01)

1 アジアのモンスーン気候気象学・気候学では,モンスーン(季節風)気候とは,季節によって卓越風向が反対になる現象のことである。Ramage (1971)では,1月と7月を夏と冬の代表月として,1) 地表風の卓越風向が120度以上変化, 2) 卓越風の出現頻度の平均が40%以上,3) 卓越風の平均風速が3 m/s以上,4) 経緯度5度以内での高低気圧中心の出現が2年に1回以下,との4条件によって,世界のモンスーン気候の分布を示した。この図によると,日本や韓国・中国を含む東アジアは,上記の4)の条件によってのみ,モンスーン気候ではない,とされた。このような地域は世界の他の中緯度から亜熱帯地域には存在しない。1990年代になると,気象衛星観測の充実により,モンスーン気候のもう一つの側面である夏雨気候が注目され,モンスーン地域の定義を雲活動や降水量から行う研究が主流となってきている。例えばWang and Ding (2008) では,1) 北半球の夏(5~9月)と冬(11~3月)の降水量の差を年降水量で除したモンスーン降水指標(MPI)が0.5以上,2) 夏と冬の降水量の差が300 mm以上の地域をモンスーン気候域とすることを提案している。この定義によると,アジアからアフリカにかけての伝統的なモンスーン地域以外に,世界の全大陸とその周辺域にモンスーン気候が存在することとなり,グローバル・モンスーンとも呼ばれる。しかし,この定義においても,緯度30度より極側にモンスーン気候がみられるのは,アジアだけであり,亜熱帯から中緯度にかけて広がるモンスーンアジアの気候の特異性は,依然として明白である。2 大陸東西での大きな乾湿コントラスト グローバル・モンスーン気候論の一つの主眼点は,多雨の夏雨モンスーン気候と,その西側のやや極側に隣接する乾燥域とが,対で存在することである。この乾燥域が大陸上に広く東西に広がっている大陸は,ユーラシア大陸だけである。換言すると地中海性気候が広大な面積を占めている大陸は,ユーラシア大陸だけである。 ジャレド・ダイヤモンド(2000)は,東西に長いユーラシア大陸が,農耕の発展に有利であったとし,また,藤本(1994)や佐藤(2016)などは,ユーラシア大陸東部の夏雨地域と,西部の冬雨地域の違いを論じている。ユーラシア大陸東西の気候コントラストが人類史に果たしてきた役割はきわめて大きかったといえる。3 モンスーンと稲作 ユーラシア大陸東部のモンスーンの降雨による夏雨地域には,水田が広がっている。篠田他(2009)によれば,この水田から蒸発した水蒸気が,中国大陸上の梅雨前線帯における対流活動を活発化させているという。水田という人間活動が作り出した陸面状態が,モンスーンアジアに特有の大気陸面相互作用をもたらしている可能性がある。浅田と松本(2012)は,ガンジス川・ブラマプトラ川の下流域において,近年洪水が頻発する一方,バングラデシュでは乾季作が拡大し,1998年の大洪水以降は,乾季米が雨季後期米の生産量を上回るようになったことを示した。洪水を契機とした灌漑の普及が,モンスーンアジアの稲作を大きく変貌させている。4 大陸東西での気候の将来変化IPCC(2013)などによる地球温暖化に伴う気候の将来予測においては,熱帯アジアモンスーン域では降水が増加し,地中海性気候域では,乾燥が強まる可能性があることが指摘されている。現在でも大きいユーラシア大陸の東西の乾湿気候コントラストがより強まる方向に向かうことになる可能性が高い。
著者
小岩 直人
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集 2018年度日本地理学会秋季学術大会
巻号頁・発行日
pp.142, 2018 (Released:2018-12-01)

自然環境と食の関連性は,おもに気候から考察が行われることが多く,地形学の視点から食を掘り下げて検討した例は少ない.中学校社会地理,高校地歴科地理の教科書では台地面は果樹園や畑,低地は水田といった小地形~微地形スケールでの土地利用との対応についての記述がされ,それが地形構成物質の透水性の違いによるものであることが解説されているが,研究レベルでの議論は活発ではない. 近年,巽(2014)は地質学的(地球科学的)な観点から,和食の美味しさについて,「出汁」,「寒鰤」,「ボタンエビ」などの12のテーマについて,ユニークな解説を行っている.これは,地球科学の観点から食についての興味深い考察の可能性が示されたものといえるであろう.本報告では,食を取り巻く地形環境について,巽(2014)が扱った時間・空間スケールを,より人間生活に近づけたスケールにおいて地形学的な視点,とくに地形発達史を考慮した試みを報告する. モンスーンアジアに位置する日本は,湿潤変動帯,中緯度偏西風帯にも分布しているともいわれ,活発な地殻変動,火山活動がみられるとともに,気候変動に敏感に応答した地形変化が生じやすい場所でもあるといえるであろう.これらをふまえると農業,漁業などにおいても,現在の気候・地形環境のみならず,過去の環境変化も含めて食を検討することができると思われる.本発表では発表者がこれまで行ってきた地形発達に関する研究の中から,海跡湖をとりあげ,食に関する考察を行った事例を述べる. 青森県太平洋側の小川原湖では,現在,汽水環境のもとでヤマトシジミ,シラウオ等の漁業が行われている.汽水環境は太平洋と小川原湖の間に発達する沿岸州によるものであるが,この沿岸州の発達以前と推定される縄文時代早期~前期前葉の貝塚である野口貝塚では,アサリ・シオフキガイ・ハマグリが見出され,当時の人々は現在よりも塩分の高い環境で生育する貝類を食していたことが明らかにされている.これらの貝は,泥質の海底には適しておらず,砂地を好むものである.発表者らは野口貝塚周辺でボーリングを実施し,そのコアの解析の結果,縄文海進に伴って海食崖の侵食が進み多量の砂層が,間欠的に供給されることにより海底の埋積が急激に進んだことを明らかにした(髙橋ほか,季刊地理学へ投稿中).このように,地形変化を考慮すると,塩分変化のみならず,地形環境が当時の「食」の背景に関する情報を得ることができる. 青森県岩木川最下流部に位置する十三湖は,日本でも有数のヤマトシジミの漁獲量をあげる汽水湖である.岩木川下流部では,縄文海進時以降に形成された水深の大きな湖(潮流口からの海水が流入し,湖水の成層化が生じていた)が,岩木川等の河川が運搬する土砂により埋積されつつある.十三湖はその埋め残された水域である(最大水深約2m).湿潤変動帯ならではの急峻な山地,火山からのモンスーンに起因した降水による多量の土砂供給,(ヤマトシジミの成長に必要な)珪酸の供給,汽水湖となるように浅い水深の湖沼を攪拌する冬季の季節風と暖向期のヤマセなど,その多くがモンスーンアジアの特徴によるものといえるであろう.また,人為のインパクトは十三湖に流入する土砂を自然状態の1/10程度の量に減少させ,湖の埋め尽くされる時間を延ばしている.また,河口部の導流堤が適度な海水の流入をもたらすなど,ヤマトシジミには人為の影響もかなり大きい.一方,人為のインパクトはヤマトシジミの好む砂の堆積を妨げ,泥質の湖底の面積を増加させている.十三湖では,微妙なバランスの中でシジミ漁が営まれている. 周知のように,日本では地形編年に関する研究成果の蓄積が著しい.食に関する地形学的な視点での研究は,新たな研究を開始することも必要かもしれないが,まずは(とくに自然地理学,地形学の)系統地理学の成果を用いて食を説明することからはじめることが現実的であると思われる.たとえば山地斜面も発達史と,植生分布,それに基づく山菜の分布,生業としている人々の生活との関係や,海水準変動と海流と漁業とのかかわりなど,食と自然環境を検討するための素材は数多く存在しているといえるであろう.引用文献高橋未央・小野映介・小岩直人 投稿中.青森県野口貝塚周辺における完新世初頭から中期の地形環境.季刊地理学.巽 好幸 2014.和食はなぜ美味しい.岩波書店.181p.