著者
米谷 昇子 篠崎 優子 鈴木 由美
出版者
日本視機能看護学会
雑誌
日本視機能看護学会誌 (ISSN:24333107)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.6-9, 2022-11-30 (Released:2022-12-18)
参考文献数
5

要 旨 目的:患児とその家族,眼科手術周術期の一連の流れの理解を深めるために,絵本を改定し,その絵本を使用したプレパレーションの効果について評価を行う。 方法:疾患および周術期のタイムスケジュールの理解を補助するための絵本を他職種と共同で作成。調査期間は2019年11月〜2020年3月。斜視および睫毛内反手術で入院し手術を受けた患児の家族に対し,退院後初回外来時アンケート調査を実施した。 結果:平均年齢:7.1±2.4歳,絵本を「読んだ」95%,絵本は子どもにとって良い効果がありましたかという問に対し,『強くそう思う』30%,『そう思う』55%。「内容」「ボリューム」「文字の大きさ」「絵・写真」について適切かどうかの問に対し,90%以上が『強くそう思う』『そう思う』に回答。 考察:眼科看護師が他部署のスタッフと協力し,絵本作成し,プレパレーションを実施することで,患児と家族が安心して手術を受けることの一助になったと考える。
著者
Wenqian Xu Siwon Lee Hiromasa Okayasu
出版者
National Center for Global Health and Medicine
雑誌
Global Health & Medicine (ISSN:24349186)
巻号頁・発行日
pp.2023.01005, (Released:2023-02-08)
参考文献数
22
被引用文献数
2

The Western Pacific Region is experiencing rapid population ageing, which has implications for almost all areas of society. Countries will need to prepare for population ageing by investing in health and optimizing living environments. This requires a whole-of-society approach to healthy ageing. Countries in the Western Pacific Region have been making significant progress in healthy ageing. Since the endorsement of the Regional Action Plan on Healthy Ageing, younger societies have also started preparing for population ageing, focusing on social and health systems transformation, community-based integrated care, social and technological innovations and research, monitoring and evaluation. As more countries are interested in healthy ageing and preparing for necessary social and health systems transformation, the case studies in this article can be an inspiration for Member States to transform their approaches to achieving a society where older adults are healthier and can participate fully.
著者
野中 俊介 境 泉洋
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
pp.85.13315, (Released:2014-07-01)
参考文献数
22
被引用文献数
15 18

The purpose of the present study was to examine the effect of hikikomori, a Japanese term denoting “prolonged social withdrawal”, on quality of life (QOL). Individuals with hikikomori at present (n = 26) and in the past (n = 31), as well as mildly depressed individuals without hikikomori (n = 114) and highly depressed individuals without hikikomori (n = 27) were requested to complete the WHO Quality of Life 26 (QOL26).The results of MANOVA indicated that the present hikikomori group’s scores on the social relationships domains of the QOL26 were significantly lower than the scores of the highly depressed group.The results of this study suggest that it might be important to intervene to improve QOL in individuals with hikikomori.
著者
岡田清一編
出版者
名著出版
巻号頁・発行日
2003
著者
湯田 厚司 小川 由起子 新井 宏幸 荻原 仁美 神前 英明 清水 猛史
出版者
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会
雑誌
日本耳鼻咽喉科学会会報 (ISSN:00306622)
巻号頁・発行日
vol.122, no.2, pp.126-132, 2019-02-20 (Released:2019-03-01)
参考文献数
10
被引用文献数
4 3

本邦でのスギ花粉とダニが原因のアレルギー性鼻炎合併例は多い. スギ花粉とダニを同時に用いた皮下免疫療法は行えるが, 舌下免疫療法の併用治療 (併用 SLIT) に関する知見は十分ではない. 併用 SLIT が行えれば有用であり, 安全性を検討した. 当院で2017年6月以降にスギ花粉 (シダトレン ®) とダニ (ミティキュア ®) で併用 SLIT を行った53例 (男性31例, 女性22例, 年齢12~53歳, 平均21.7±11.6歳, スギ花粉先行39例) を対象とした. 先行と後行 SLIT の間隔は1カ月以上あけ, 朝夕に分けて開始した後に5分間隔でスギ花粉・ダニの順で行った. 併用 SLIT 後6カ月まで受診毎に副反応を確認した. 完遂率は51/53例 (96.2%) で, 脱落2例の理由は副反応によるものではなかった. 副反応はすべて軽度で, 処置不要であった. 併用 SLIT 期の副反応は, 全副反応で増加せず, 口腔咽頭感覚症状で有意に減少した. 投与間隔による副反応は変わらず, 投与順で副反応は変わらなかったが, ダニ後行 SLIT で維持アレルゲンを減量する例が増えた. 併用 SLIT は1~2カ月以内の短期間間隔で安全に行えた.
著者
土井 庸直 石河 利之 戸田 慎 内藤 正俊
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.64, no.3, pp.562-566, 2015-09-25 (Released:2015-12-03)
参考文献数
9

手指末節骨内に発生する類上皮嚢腫は稀である.外傷後に左環指末節骨内に発生し,長期経過により著明な増大・骨破壊をきたした類上皮嚢腫の1例を経験したので報告する.【症例】54歳の男性.20年前にモーターに左環指を挟み受傷し,末節骨粉砕骨折の診断にて某医にて手術施行.その後,指の変形・腫脹は続いていた.平成26年3月仕事中に左環指を打撲後に疼痛出現し,近医受診.軟部腫瘍の診断にて当科紹介となった.左示指の末節部~中節部にかけて腫瘤形成認め,皮膚表面は凹凸変形していた.X線にて示指末節骨の骨透亮像を認め,造影MRIでは嚢胞性病変を認め,明らかな造影効果は認めなかった.骨内類上皮嚢腫を疑い,手術施行した.病理診断は類上皮嚢腫であった.【考察】骨内類上皮嚢腫はしばしば骨破壊を伴う.本症例は長期経過により著明な骨破壊をきたしていた.悪性化する報告もあり,疑った際は比較的早期に手術を行うことが望ましいと思われた.
著者
井上 隆広 井上 三四郎 松延 知哉 岩崎 元気 菊池 直士 阿久根 広宣 丸塚 浩助
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.69, no.1, pp.154-156, 2020-03-25 (Released:2020-04-30)
参考文献数
5

【症例】類表皮嚢腫は手指軟部組織に発生することは多いが,まれに骨内に発生する.末節骨内に発生した1例を経験したので報告する.【症例】41歳男性.12歳時に左示指を受傷し,縫合処置を受けた既往がある.1.5年前に近医で偶然示指末節骨透亮像を指摘された.半年前より特に誘因なく左示指疼痛が出現し,骨透亮像の増大を指摘され当科紹介となった.MRI検査で骨透亮部はT1強調画像で低信号,T2強調画像で高度の高信号を示し,造影効果は認めなかった.初診より1.5ヶ月後,腫瘍掻爬及び人工骨移植を行った.培養陰性で,病理学的に類表皮嚢腫と診断された.術後1年で可動域に左右差なく,疼痛も軽減し経過良好である.【考察】本症を診断する際には,手の受傷歴を丁寧に問診することが重要である.
著者
伊藤 亜矢子 宇佐美 慧
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.65, no.1, pp.91-105, 2017 (Released:2017-04-21)
参考文献数
53
被引用文献数
11 11

学級の個別的・心理社会的性質を意味する学級風土は, 学習環境の基盤として重要であり, いじめ・暴力の予防や精神健康の向上, 特別支援教育などの側面から注目を集めている。本研究では, 学級風土質問紙(CCI; 伊藤・松井, 2001)を元に, 近年の子どもをめぐる社会や学校の変化を踏まえて, 新版の中学生用CCIの作成を試みた。首都圏・北海道・東北・北陸・東海・近畿・九州の計24中学校227学級にて回答データを収集し, 得点の経年変化を調べるとともに, マルチレベル因子分析の枠組みを通して尺度の再構成を行い新版のCCIを作成した。また, 基準関連妥当性に基づく妥当性検証を行い, さらに旧版と新版の両者を用いた教師コンサルテーションの結果から, 新版CCIの実践的有用性を例証し, 結果提示の方法・尺度構成の更なる見直しの可能性について検討した。

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出版者
日本音声学会
雑誌
音声研究 (ISSN:13428675)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.95, 2022 (Released:2023-01-31)
著者
鈴木亜由美
雑誌
日本教育心理学会第59回総会
巻号頁・発行日
2017-09-27

問題と目的 Aron(2002)の提唱した,感覚処理に敏感性を持つ子ども,Highly Sensitive Child(HSC)は,明橋(2015)によって“ひといちばい敏感な子”と和訳され,広く知られるようになった。しかしながら実証的な研究は非常に少ない。本研究では,Aron(2002)のHSCチェックリストを幼児用の尺度として作成する試みを行った。方 法調査対象者 調査会社(株式会社クロス・マーケティング)に登録しているリサーチモニターの中から,3-4歳の子を持つ母親300名を対象とした。年齢は,21歳から48歳であり,平均34.1歳であった。質問項目1.幼児用Highly Sensitive Child Scale 日本語版: Aron(2002)の23項目からなるチェックリストを日本語訳し,バックトランスレーションの手続きにより,原文の英語との等価性を確認した。Aron(2002)は各項目についてT/Fで回答するものであったが,本研究では成人向けに作成された,Highly Sensitive Person Scale 日本語版(髙橋, 2016)を参考に,“7.非常にあてはまる”から“1.まったくあてはまらない”の7件法により評定を求めた。2.Big Five尺度: 和田(1996)の形容詞による性格特性語を用いた尺度の,情緒不安定性と外向性の2つの下位尺度の中から,幼児の特性を測定するのに適切と思われる各9項目を選択した。3.幼児気質質問紙: 武井・寺崎・門田(2007)の尺度から,神経質尺度10項目,外向性尺度8項目をそれぞれ用いた。結 果因子構造の検討 幼児用Highly Sensitive Child Scale 日本語版23項目について,主因子法による探索的因子分析を行った。固有値の減衰状況と解釈可能性から2因子構造を採択してPromax回転を行い,因子負荷量が十分でない2項目を削除した。Prmax回転後の因子パターン,因子間相関係数を,Table 1に示した。髙橋(2016)を参考に,因子1を“感受性”,因子2を“低感覚閾”とした。信頼性の検討 全体の信頼性係数は,α=.91 であった。下位尺度ごとでは,“感受性”がα=.91,“刺激回避”がα=.76であり,十分な信頼性が示された。妥当性の検討 構成概念妥当性を検討するため,Big Five尺度と幼児気質質問紙の2つの下位尺度との相関係数を算出した(Ta考 察 妥当性の検討では,下位尺度ごとに異なる傾向がれた。“低感覚閾”と“幼児気質質問紙”の間には相関が見られなかったため,用いる尺度の再検討が求められる。また,幼児期の他の年齢も対象とし,年齢差についても検討する必要がある。
著者
佐藤 和彦
出版者
日本心身健康科学会
雑誌
心身健康科学 (ISSN:18826881)
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.93-101, 2009-09-10 (Released:2010-11-19)
参考文献数
17
被引用文献数
1

容易に実施できるリラクセーション手法の一つに呼吸法がある.しかし,どのような呼吸法がリラクセーション効果を生じさせるかについては諸説があって明らかではない.本研究では,特別な修練を行うことなく誰もがその場で実施できる呼吸法として,呼吸パターンに着目する.呼吸法の実施前後における心拍,血圧の測定,及び各呼吸法に関する快適度等の主観評価を行い,呼吸パターンの違いによる効果を考察した.呼吸パターンとして「吸気-止息-呼気」を「呼吸法X-Y-Z」として秒数表記した場合,パターン化した呼吸法自体への不快感がない人においては,「呼吸法2-1-4」がより効果的であることが示唆された.修練不要な簡易な呼吸法であっても一定の効果があり,その呼吸パターンにおけるリラクセーション効果は,呼吸法自体の快適度によって影響を受けることが明らかになった.