著者
小坂 武
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集 2014年春季全国研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.221-224, 2014 (Released:2014-08-06)

繋がりが重要な今日、閉じた世界での情報処理には限界がある。Semantic WebのRDF/OWLは開世界仮説と非唯一名仮説でこれらを解消しようとする。本稿はRDF/OWL言語がDB言語に比べ社会科学に適合的であることを明らかにする。RDFにおいては概念の担保は間主観性によるところがあり、現象学的転回に適合的である。進化や統合においては記号間に不整合が発生するが、開世界仮説ではユーザはそれを解消する一人称の能動的主体であるとするところがある。これは実践論的転回に適合的である。技術であるRDL/OWLはそれらのみでは組織内の普及に困難がある。しかしそれらは社会科学に適合的であるためIS研究はその発展に貢献できる可能性がある。
著者
高橋 玄一郎
出版者
鹿児島大学
雑誌
鹿児島大学総合教育機構紀要
巻号頁・発行日
no.2, pp.53-66, 2019-03

These notes and discussion are primarily concerned with English comparative and equative constructions such as in the following two discourse fragments : 1) Taro was born on March 21th, while Jiro was born on February 20th of the same year. That means Jiro is older than Taro rather than * Jiro is as old as Taro. 2) Taro always gets better grades than his brother, Jiro. Although Jiro is as bright as Taro (cf. Jiro is brighter than Taro), he is not as good at taking tests. Judging from the results of the test using the two discourse fragments above, some first year college students seem to be confused with the difference in meaning of the two types of constructions: "X -er than Y" and " X as ⋮ as Y. " Researchers have elucidated equatives do not merely indicate strict identity between the two entities (X and Y), but convey a meaning of the same or more (cf. not" exactly equal" but" at least equal"). In order to better understand the subtlety of meaning regarding the context of particular situations, excerpts from narrative passages and dialogues are provided. Also, the practical use of similar expressions will be demonstrated by using a scene from the classic story called" The Praising Game"
著者
阪上 敦子 SAKAGAMI Atsuko
出版者
京都
雑誌
Asphodel = アスフォデル (ISSN:02857715)
巻号頁・発行日
no.46, pp.5-24, 2011-07-26

This paper is a sequel to the thesis in ASPHODEL no.44. In The Female Quixote (1752), Glanville, heroine Arabella's fiance, is defined as a "lover-mentor." However he is always at the mercy of her and can not reform her failed moral vision. As a result, Arabella's cure is fulfilled not by Glanville, but by a learned Doctor who suddenly appears. Although the story has a happy ending, Glanville appears to be a nominal "lover-mentor" whose role as a fiance does not seem significant.The purpose of this paper is to find out Glanville's share in the story and define him as a key person essential to the novel. Most critics discuss Arabella's reform and marriage as disappointing and even tragic; it means the subordination in the patriarchal society. However it can be suggested that Glanville, who highly values and admires Arabella's intellect, is not a typical "lovermentor" only to make her reform. If we look at their marriage in a positive view, he is the ideal person for Arabella to marry. For, by his support, her future will be brighter and much more progressive than the women of the day. Furthermore, Glanville may be, in a sense, "a utopian husband," who Lennox hopes to have. Such a view may reflect her disappointing marriage as well as her dream of a "companionate marriage," which became familiar in the mideighteenth century.
著者
疋田 聰
出版者
東洋大学
雑誌
経営論集 (ISSN:02866439)
巻号頁・発行日
vol.73, pp.155-164, 2009-03
著者
佐藤 未央子 Mioko Satoh
出版者
同志社大学国文学会
雑誌
同志社国文学 (ISSN:03898717)
巻号頁・発行日
no.90, pp.71-84, 2019-03

1920年代後半における谷崎潤一郎の小説や映画批評では、ドイツの俳優エミール・ヤニングス主演映画やアメリカの児童向け映画、ミス・アメリカを題材にした娯楽映画、ドキュメンタリー映画など、言及されるジャンルが多岐にわたっていた。また小説内には、映画館やテクニカラー(フィルムの部分彩色)といった、当時の映画文化が鏤められていることを確認した。
著者
小川 徳重 石津 憲一郎 下田 芳幸
出版者
富山大学人間発達科学部附属人間発達科学研究実践総合センター
雑誌
教育実践研究 : 富山大学人間発達科学研究実践総合センター紀要 (ISSN:18815227)
巻号頁・発行日
no.9, pp.97-111, 2014-12

本研究では通信制に通う生徒を支えていくための外部連携の在り方について焦点を当てる。具体的には,通信制高校の教職員を対象に,他機関との連携について自由記述のアンケートを行った。また,通信制高校にとって連携が重要であると考えられる機関の担当者にインタビュー調査を行うことで,生徒やその家族をどのように支えることができるのかを明らかにすることを試みることとする。通信制高校で学ぶ生徒の中には,様々な経歴や事情を持ちながら,高校で学習し,将来の可能性を広げるべく努力しようとしているものも多い。彼らにとって,通信制高校は教育の機会が保障された最後の学校とも言える。そこでの学習が円滑に行われるためにも,通信制高校の教育相談は外部機関との連携も含めて効果的に機能しなくてはならない。このような通信制高校の教育相談の体制づくりを推進していく上で,どのような点を留意しなくてはならないかを検討することを,本研究では目的とする。
著者
千葉 慶
出版者
国際日本文化研究センター
雑誌
日本研究 (ISSN:09150900)
巻号頁・発行日
vol.39, pp.85-118, 2009-03

戦後日本映画は、日米安保体制下の日米関係をどのように物語化したか。本稿では、石原裕次郎を対象に上記の問題を考察する。石原裕次郎の主演映画では、「自己の擁護と回復」というテーマが執拗に反復された。このテーマは、安保体制に基づく日本の植民地的状況を舞台にした、「植民地的主体」としての日本と「帝国主体」としてのアメリカとの葛藤を描いたナショナル・アレゴリーに起源があった。一九六〇年代までの裕次郎映画には、この「植民地的主体」意識をいかに認識し、いかに克服するかをめぐる物語的系譜が存在していた。安保改定交渉による日米関係の同等化への政治的試みは、六〇年安保直前の裕次郎映画に、「帝国」アメリカに勝利する「植民地」日本のヒーローを生み出した。しかし、安保闘争の挫折以後の裕次郎映画は、日本はアメリカには決して敵わないという去勢神話を生み出し、徐々に「植民地的主体」を論じなくなってゆく。
著者
角田 聡
出版者
大阪学院大学
雑誌
奨励研究(A)
巻号頁・発行日
1993

組織が低酸素状態に陥ると、キサンチンオキシダーゼ(XOD)の活性化により活性酸素の生成が増大する。激しい運動中には生体内において低酸素状態が生じ、XODの活性化によるO2・が生成される。そこで本研究では、骨格筋の虚血・再灌流により、活性酸素の生成が増加するかどうかを、抗酸化物質であるビタミンEを過剰に投与したラットにおいて検討した。5週齢のSD系雄ラットを5日間予備飼育した後、2週間通常食群(C)とビタミンE(1000IU/kgdiet)食群(VitE)に分けて飼育した。実験は、疑似手術(Sham)群を加えて計3群とし、12時間以上の絶食後に行った。ラットをネンブタール麻酔下で開腹し、腹部下行大動脈の血流を阻止し、20分間の虚血後に血流を再灌流した。血流再灌流20分間後に下肢の筋肉をサンプリングした。氷冷した生理食塩水で振り洗いした後、水分をとり液体窒素に凍結保存した。大川らの方法によって筋肉のホモジネイトの過酸化脂質(MDA)を測定した。筋肉のMDAは、VitE群とSham群がC群に比べ、有意に低い値を示した。また、ビタミンEの濃度は、VitE群がC群よりも約20%程度有意に上昇した。筋肉の損傷の指標である血漿CK活性を測定したところ、VitE群が最も低い値を示した。さらに、活性酸素を発生させるFe^<2+>を2mM加え、37℃で1時間インキュベーションした結果、C群に比べVitE群が有意に低い値を示した。これらの結果から、骨格筋の虚血-再灌流は活性酸素の増加を促し、筋肉の酸化ストレスを増加させることが示唆された。また、骨格筋の虚血-再灌流による酸化ストレス、もしくは活性酸素発生物質に添加による酸化ストレスは、ビタミンE含量が高い状態で軽減することが明らかになった。さらに、ビタミンEがCKなどの血中逸脱酵素の上昇を抑える可能性も示唆された
著者
梅井 凡子 小野 武也 大塚 彰 沖 貞明 大田尾 浩 積山 和加子 田坂 厚志 石倉 英樹 相原 一貴 佐藤 勇太
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.40 Suppl. No.2 (第48回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.48100050, 2013 (Released:2013-06-20)

【はじめに、目的】虚血再灌流後の骨格筋は浮腫により運動障害を引き起こす。運動障害の原因は浮腫に付随する炎症反応と疼痛であると推察される。先行研究により抗酸化物質により炎症反応が軽減することを確認した。しかし,その際の行動観察が不十分であったため,今回,虚血再灌流後にラット後肢への重量配分を測定することで鎮痛評価を行った。本研究においては抗酸化物質投与と運動負荷が,虚血再灌流後の骨格筋に与える影響を検証することを目的とした。【方法】対象は8 週齢のWistar系雌性ラット20 個体である。これらを5 個体ずつ無作為に「再灌流のみ群」「運動群」「アスコルビン酸群」「トコフェロール群」の4 群に振り分けた。すべての群は麻酔下にて右後肢に対し駆血を行った。駆血圧は300 mmHgで駆血時間は90 分間である。「アスコルビン酸群」「トコフェロール群」は12 時間毎にそれぞれを投与した。運動負荷はトレッドミルにて再灌流開始24 時間後より4 日間行った。運動負荷は1 日2 回とし,運動時間は20 分間とした。トレッドミルの速度は10 m/secより開始し20 m/secまで増加させた。また,すべての運動負荷時には歩行状態を観察するとともに 鎮痛評価は右後肢の重量配分を測定した。すべての群は実験終了時に対象肢からヒラメ筋を摘出した。摘出したヒラメ筋は,液体窒素で急速冷凍させ凍結ヒラメ筋標本を作製した。凍結ヒラメ筋標本はクリオスタットを使用して,10 μm厚のヒラメ筋筋組織横断切片を作製し,H&E染色を施した。顕微鏡デジタルカメラを使用して標本毎に組織学的検索を行った。重量配分の統計処理は実験開始前と比較し,対応のあるt検定を行った。危険率5%未満をもって有意差を判定した。【倫理的配慮、説明と同意】本実験は,動物実験モデルであるために演者所属の動物実験倫理委員会の承認を受けて行った。【結果】重量配分は実験開始前「再灌流のみ群」48.3%,「運動群」51.6%,「アスコルビン酸群」47.0%,「トコフェロール群」48.2%であった。虚血再灌流翌日には「再灌流のみ群」33.6%,「運動群」32.0%,「アスコルビン酸群」28.9%,「トコフェロール群」41.3%と変化し,実験最終日には「再灌流のみ群」25.8%,「運動群」35.0%,「アスコルビン酸群」33.1%,「トコフェロール群」36.2%であった。「トコフェロール群」以外の3 群において実験開始前に比較して虚血再灌流翌日,実験最終日ともに重量配分は有意差に減少していた。運動負荷時の歩行状態は,運動1 日目では「運動群」は5 個体,「アスコルビン酸群」「トコフェロール群」はともに3 個体で右下肢が十分背屈できずに足関節底屈位のまま歩行をしていた。運動2 日目は「運動群」は3 個体,「アスコルビン酸群」2 個体,「トコフェロール群」3 個体で右下肢が十分背屈できず,「運動群」2 個体,「アスコルビン酸群」2 個体,「トコフェロール群」1個体に擦過傷による出血を認めた。運動3日目は「運動群」は1個体,「アスコルビン酸群」2個体,「トコフェロール群」2 個体で右下肢が十分背屈できず,「運動群」2 個体,「トコフェロール群」3 個体に擦過傷を認めた。「アスコルビン酸群」2 個体は途中休憩を入れていた。運動4 日目は「運動群」,「アスコルビン酸群」,「トコフェロール群」それぞれ1 個体で右下肢の背屈が弱く,途中休憩を入れていた。筋線維の組織学的検索において「再灌流のみ群」は正常に比較し細胞間が広く,細胞自体も丸みを帯びていた。「運動群」「アスコルビン酸群」は「再灌流のみ」に比較して細胞間は狭い。核の膨化を認めるとともに中心核が存在した。「トコフェロール群」多数の炎症細胞の増加と壊死した筋線維の痕跡を認めた。【考察】虚血再灌流障害により発生する浮腫及び炎症反応により虚血肢への重量配分が減少する。しかし,「トコフェロール群」においては虚血再灌流翌日の重量配分の減少が抑制された。トコフェロールには血流改善,細胞膜保護作用があるため虚血再灌流後に発生する浮腫を減少させ,浮腫に伴う疼痛を減少させることが出来たものと考える。また,運動負荷により重量配分は増加していた。このことは運動負荷により浮腫が改善したものであると推察される。筋線維の組織学的検索においても「再灌流のみ群」に比較してその他の群では細胞間が狭かった。虚血再灌流後の浮腫の抑制には抗酸化物質の投与および運動負荷が有効であると示唆された。【理学療法学研究としての意義】虚血再灌流後の浮腫の抑制に抗酸化物質投与と運動負荷が効果的であり,早期から運動療法を施行する裏付けとなると考える。
著者
塩川 晴寿 角田 文雄
出版者
農林省蠶絲試驗場
雑誌
蚕糸試験場彙報 (ISSN:03853594)
巻号頁・発行日
no.104, pp.p1-6, 1977-01
被引用文献数
1

数aから数haの紋羽病地の土壌消毒を安全かつ高能率に行うため,四輪トラクタ(23PS)に装着できる土壌消毒機を開発した.本機はトラクタ中央部右側に装備する噴射装置と三点リンクでけん引するサブソイラおよびちん圧装置の3部からなるもので,トラクタの後輪駆動で作動する噴霧装置から圧送されるクロールピクリンは,深さ40cmまで切開して進みサブソイラ背面から走行30cm毎に地中20cmと40cmの2段に噴射され,サブソイラで初期膨軟化された土壌は,ちん圧装置で圧密し,ガス飛散を防止する機構となっている.
出版者
日経BP ; 1985-
雑誌
日経マネー (ISSN:09119361)
巻号頁・発行日
no.451, pp.116-121, 2019-12

第231回 米中貿易戦争への懸念後退などから、9月の株式市場は回復。日経平均株価は一時2万2000円の大台に乗せた。それに伴い、株価上昇の強いサインとされる「ゴールデンクロス」が発生した個別銘柄は少なくない。
著者
朝野 維起
出版者
日本蚕糸学会
巻号頁・発行日
vol.84, no.3, pp.181-194, 2015 (Released:2016-07-20)
著者
諫早 勇一
出版者
同志社大学言語文化学会
雑誌
言語文化 (ISSN:13441418)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.277-291, 2009-08

1920年代から30年代にかけて、亡命の子どもたちが学ぶロシア・ギムナジウムが置かれたモラフスカー・トシェボヴァーの町は、亡命ロシア文化を語る上で、忘れてはならない重要な地位を占めている。本稿では、1)チェコスロヴァキア政府の亡命ロシア人援助政策を受けて実現したコンスタンチノープルからの大移動、2)ここで亡命の子どもたちに課せられた作文、3)思い出の場所としてのモラフスカー・トシェボヴァー、という三つのテーマを中心に、この町の遺した意義について考察する。研究ノート(Note)
著者
田村 元樹 服部 真治 辻 大士 近藤 克則 花里 真道 坂巻 弘之
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.68, no.12, pp.899-913, 2021-12-15 (Released:2021-12-24)
参考文献数
38

目的 本研究は,うつ発症リスク予防に効果が期待される65歳以上の高齢者のボランティアグループ参加頻度の最適な閾値を傾向スコアマッチング法を用いて明らかにすることを目的とした。方法 日本老年学的評価研究(JAGES)が24市町村に在住する要介護認定を受けていない65歳以上を対象に実施した,2013年と2016年の2時点の縦断データを用いた。また,2013年にうつ(Geriatric Depression Scale(GDS-15)で5点以上)でない人を3年間追跡し2013年のボランティアグループに年1回以上,月1回以上もしくは週1回以上の参加頻度別に,2016年に新たなうつ発症のオッズ比(OR)を,傾向スコアマッチング法とt検定などを用いて求めた。結果 参加群は,年1回以上で9,722人(25.0%),月1回以上で6,026人(15.5%),週1回以上で2,735人(7.0%)であった。3年間のうつの新規発症は4,043人(10.5%)であった。傾向スコアを用いたマッチングでボランティアグループ参加群と非参加群の属性のバランスを取って比較した結果,月1回以上の頻度では参加群は非参加群に比べて,Odds比[OR]0.82(95%信頼区間:0.72, 0.93)と,うつ発症リスクは有意に低かった。年1回以上の参加群ではORが0.92(0.83, 1.02),および週1回以上では0.82(0.68, 1.00)であった。結論 高齢者のボランティアグループ参加は,月1回以上の頻度で3年後のうつ発症リスクを抑制する効果があることが示唆された。高齢者が月1回でもボランティアとして関わることができる機会や場所を地域に増やすことが,うつ発症予防対策となる可能性が示唆された。
著者
LINGLING 辻 大士 長嶺 由衣子 宮國 康弘 近藤 克則
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.68, no.12, pp.925, 2021-12-15 (Released:2021-12-24)

第67巻第11号(2020年11月15日発行)「LINGLING,他.高齢者の趣味の種類および数と認知症発症:JAGES 6年縦断研究」において,以下の箇所に誤りがありました。お詫びとともに下記のとおり訂正いたします。P800 筆者•共著者の所属•責任著者連絡先の修正 下線部が訂正箇所誤Ling LING∗,辻 大士2∗,長嶺由衣子2∗,3∗,宮國 康弘4∗,5∗,近藤 克則2∗,4∗ ∗千葉大学大学院医薬学府先進予防医学共同専攻博士課程 2∗筑波大学体育系 3∗東京医科歯科大学医学部付属病院総合診療科 4∗国立長寿医療研究センター老年学•社会科学研究センター老年学評価研究部 5∗医療経済研究機構研究部責任著者連絡先:〒260-8670 千葉市中央区亥鼻1-8-1 千葉大学大学院医薬学府Ling LING正LINGLING∗,辻 大士2∗,長嶺由衣子3∗,6∗,宮國 康弘4∗,5∗,近藤 克則4∗,6∗ ∗千葉大学大学院医学薬学府先進予防医学共同専攻博士課程 2∗筑波大学体育系 3∗東京医科歯科大学医学部付属病院総合診療科 4∗国立長寿医療研究センター老年学•社会科学研究センター老年学評価研究部 5∗医療経済研究機構研究部 6∗千葉大学予防医学センター責任著者連絡先:〒263-8522 千葉県千葉市稲毛区弥生町1-33 千葉大学大学院医学薬学府LINGLINGP810 筆者•共著者の所属 下線部が訂正箇所WrongLing LING∗, Taishi TSUJI2∗, Yuiko NAGAMINE2∗,3∗, Yasuhiro MIYAGUNI4∗,5∗, Katsunori KONDO2∗,4∗ ∗Docter Course in Graduate School of Medical and Pharmaceutical Sciences, Chiba University 2∗Faculty of Health and Sport Sciences, University of Tsukuba 3∗Department of Family Medicine, Graduate School of Medical and Dental Sciences, Tokyo Medical and Dental University 4∗Department of Gerontological Evaluation, Center for Gerontology and Social Science, National Center for Geriatrics and Gerontology 5∗Research Department, Institute for Health Economics and PolicyCorrectLINGLING∗, Taishi TSUJI2∗, Yuiko NAGAMINE3∗,6∗, Yasuhiro MIYAGUNI4∗,5∗, Katsunori KONDO4∗,6∗ ∗Doctor Course in Graduate School of Medical and Pharmaceutical Sciences, Chiba University 2∗Faculty of Health and Sport Sciences, University of Tsukuba 3∗Department of Family Medicine, Graduate School of Medical and Dental Sciences, Tokyo Medical and Dental University 4∗Department of Gerontological Evaluation, Center for Gerontology and Social Science, National Center for Geriatrics and Gerontology 5∗Research Department, Institute for Health Economics and Policy 6∗Center for Preventive Medical Sciences, Chiba University
著者
根本 裕太 桜井 良太 松永 博子 藤原 佳典
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.68, no.12, pp.888-898, 2021-12-15 (Released:2021-12-24)
参考文献数
23

目的 自然災害時において,情報通信技術(ICT)機器を用いることで,迅速に多様な情報を収集できる。本研究では性別・年齢階級別のICT機器利用状況を示し,ICT機器利用者における自然災害時に想定される情報収集の特徴を明らかにすること,インターネットを介した情報収集手段に関連する人口統計学的要因を解明することを目的とした。方法 東京都府中市の18歳以上の住民21,300人を対象に郵送調査を実施した。ICT機器は,パソコン,スマートフォン,タブレット端末,携帯電話の利用状況を調査し,いずれかの機器を利用する者をICT機器利用者とした。自然災害時に想定される情報収集手段として,テレビ,ラジオ,インターネット検索,緊急速報メール,防災行政無線,行政機関のホームページ,近隣住民,家族,友人から該当するものをすべて選択してもらった。このうち,インターネット検索,緊急速報メール,行政ホームページを,インターネットを介した情報収集手段とした。ICT機器利用割合の性差と年齢階級差ならびにインターネットを介した情報収集手段に関連する人口統計学的要因を検討するため,ロバスト分散を用いたポアソン回帰分析を実施した。結果 9,201人(回答率43.2%)から有効回答を得た。ICT機器利用者は,70歳未満では95%程度以上,80歳以上では女性66.7%,男性70.6%であった。ICT機器利用者の災害時に想定される情報収集手段は,インターネット検索を選択した者は,女性では60歳未満,男性では70歳未満の70%以上であったが,80歳以上の女性では7.8%と低かった。インターネットを介した情報収集手段に関連する人口統計学的要因は,インターネット検索では,女性,世帯収入が高い者,教育年数が長い者,配偶者がいない者で選択する者が多く,同居者がいる者や高年層,とくに高齢女性では少なかった。緊急速報メールを選択した者は,女性,教育年数が長い者で多く,高年層,配偶者がいない者では少なかった。行政ホームページを選択した者は,女性,教育年数が長い者で多く,同居者がいない者,配偶者がいない者や高年層,とくに高齢女性で少なかった。結論 ICT機器利用者における災害時に想定される情報収集手段は性や年齢階級により異なることが示され,インターネットを介した情報収集手段に関連する要因は情報収集手段によって異なることが示唆された。