著者
笹川 寿之
雑誌
臨床と微生物 = Clinical microbiology (ISSN:09107029)
巻号頁・発行日
vol.34, no.5, pp.363-371, 2007-09-25
参考文献数
20
被引用文献数
8
著者
森山 信彰 浦辺 幸夫 前田 慶明 寺花 史朗 石井 良昌 芥川 孝志
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2015, 2016

【はじめに,目的】筆者らは理学療法士を中心としたグループで,中四国学生アメリカンフットボール連盟秋季リーグ戦の全試合に帯同し,メディカルサポートを行ってきた。本研究では,外傷発生状況の分析を行い,今後の安全対策の充実に向けた提言につなげたい。【方法】2012年度から2015年度の試合中に生じた全外傷を集計した。外傷発生状況は,日本アメリカンフットボール協会の外傷報告書の形式を用いて記録した。分析項目は外傷の発生時の状況,部位,種類,発生時間帯とした。【結果】本研究の調査期間にリーグ戦に参加したのは7校であり,登録選手数は延べ686名(2012年161名,2013年152名,2014年185名,2015年188名)であった。リーグ戦の開催時期は毎回8月下旬~11月上旬であった。調査対象試合数は57試合であった。調査期間中の外傷の総発生件数は249件(2012年72件,2013年60件,2014年52件,2015年65件)であり,1試合平均の外傷発生件数は4.4件(2012年4.8件,2013年4.3件,2014年3.5件,2015年5.0件)であった。4年間で外傷発生件数には大きな変化がなく推移した。外傷発生時の状況は「タックルされた時」が67件(27%)で最も多く,次いで「タックルした時」が59件(24%),「ブロックされた時」が39件(16%)の順であった。部位は,下腿が70件(28%)で最も多く,以下膝関節が27件(11%),腹部が20件(8%)の順であった。種類は打撲が87件(35%)で最も多く,以下筋痙攣が74件(30%),靭帯損傷が35件(14%)の順であった。時期は,第4クォーターが97件(39%)と最も多かった。【結論】関東地区の大学リーグ戦中に発生した1試合平均外傷発生件数は1.3件で,外傷の38%が靭帯損傷であり,次いで打撲が17%という報告がある(藤谷ら 2012)。本リーグ戦では,1試合平均外傷発生件数が4.4件と,先行研究の3.4倍となり明らかに多くなっている。また,外傷の種類別では,靭帯損傷の発生件数が少ないが,それに代わって打撲の発生が多いことが特徴であろう。打撲については,相手の下半身を狙うような低い姿勢のタックル動作を受ける際に主に大腿部や腹部に強いコンタクトを受けたケースで多く発生していた。近年,米国では「Heads up football」と称した,タックル動作に関する組織的な啓発活動が行われており,理想的なタックル動作として相手の上半身へコンタクトすることを推奨している。わが国においても最近の安全対策への見解を取り入れ,タックル動作を安全に行うための指導を継続して行っていくことが今後重要であると考える。一方で,本研究の解析期間中には,頸髄損傷などで後遺障がいを認めるような重大外傷は発生しなかった。これは,筆者らがリーグ戦への帯同に加えて,オフシーズンに講習会を実施し,安全な動作指導を行っていることが奏功したと考えられる。重大外傷の予防のために,この事業の継続が必要と考えている。

1 0 0 0 OA 守貞謾稿

著者
喜田川季荘 編
出版者
巻号頁・発行日
vol.巻7-8,
著者
青木 敦英 石川 峻 竹安 知枝
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.70, pp.267_3, 2019

<p> バスケットボール競技は定められた時間内により多くのゴールを決めたチームが勝利する球技であり、4つのクォーターで試合は構成されている。本研究では関西学生バスケットボール連盟2部リーグを対象にクォーターごとの得点の変化に着目し、その違いについて比較検討を行った。対象となった2部リーグの全試合(90試合)についてクォーターごとの得点、得失点差を記録し、勝ちチームと負けチームで比較を行った。クォーターごとの得点と得失点差の比較は一元配置分散分析を行い、有意な差が認められた場合は多重比較検定を行った。その結果、勝ちチームのクォーターごとの得点は第2クォーターと第3クォーター、第2クォーターと第4クォーターとの間に有意な差が認められ、いずれも試合終盤の得点が大きくなる傾向を示した。また、得点差が19点差以内の試合のみを対象とした場合においても、勝ちチームの得点傾向では第2クォーターと第4クォーターとの間に有意な差が認められ、試合終盤の得点が大きくなる傾向であった。これらのことから、バスケットボール競技においてハーフタイム以降に前半以上に得点を積み重ねることが試合に勝つために重要であると考えられた。</p>
著者
横山 詔一 笹原 宏之 當山 日出夫
出版者
社会言語科学会
雑誌
社会言語科学 (ISSN:13443909)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.16-26, 2006
被引用文献数
2

文字コミュニケーションのメカニズムを解明するため,異体学の選好に関する実験を行った.異体字とは,「桧-檜」のように読みと意味は同じで字体だけが異なる文字の集合を指す.IT機器で漢字を書いている場面を実験参加者にイメージさせ,異体学263ペアについての選好判断を2肢強制選択法で求めた(選好課題).同じ実験参加者グループに対して半年後に同じ課題を与え,旧字体選好率の積率相関係数を求めたところ,r=0.96ときわめて強い正の相関がみられた.これから,選好課題の結果は高い信頼性を有することが明らかになった.さらに,別の実験参加者グループを用いて異体学ペアのいずれの親近度が高いかを2肢強制選択法で判断させ(親近度比較課題),選好課題との相関を分析した.その結果,親近度比較課題と選好課題の間にはr=0.95ときわめて強い正の相関関係がみられた.ある異体学が社会でよく使われている場合は人間がその異体学に接触する頻度が高くなり,接触頻度が高くなると単純接触効果によってその異体学に対する親近性が増加するとともに好意度も高くなると考えられる.選好課題と親近度比較課題の間に見られる強い相関関係は,単純接触効果の影響を色濃く反映した結果であると説明できる.
著者
吉沢 康和
出版者
The Crystallographic Society of Japan
雑誌
日本結晶学会誌 (ISSN:03694585)
巻号頁・発行日
vol.21, no.6, pp.342-349, 1979-11-30 (Released:2010-09-30)
参考文献数
24

The principle and the history of the Doppler broadening method is described. Recent topics of this method for studies of alkali halide crystals and inner electron shell structures are reviewed. In addition, characterics of this method are summarized.
著者
杉本 毅 桜谷 保之 山下 美智代
出版者
近畿大学農学部
雑誌
近畿大学農学部紀要 (ISSN:04538889)
巻号頁・発行日
no.17, pp.p13-20, 1984-03
被引用文献数
4

[Author abstract]In mid September in 1982 and 1983 the hopperburn by the brown planthopper, Nilaparvata lugens (STÅL) occurred in many paddy fields in Iwakura, Kyoto city. We compared the degree of the hopperburn occurrence in the paddy fields applied neither of fertilizer and pesticide for more than ten years with that in neighbouring ones applied them conventionally. Hopperburn scarcely occurred in the former fields. Such a difference between these two kinds of paddy fields might be ascribed to two density-suppressing factors; the larger tolerance to feeding by the brown planthopper of the rice plants grown in the former fields and the greater predation by spiders living with higher densities in those fields.[著者抄録]1982年と1983年の秋に京都市岩倉地区の水田でトビイロウンカによる坪枯れが多発したので,同地区の2ケ所に位置する自然農法田と慣行農法田における坪枯れの発生状況を調査,比較したところ,自然農法田で坪枯れが起りにくいことが分かった.その理由は,トビイロウンカによる吸汁・増殖に対する,自然農法田で育ったイネ自身の耐性とその水田に高密度で生息するクモ類による捕食圧という2つの密度抑制要因の働きによってウンカの増殖が抑えられたためであろうと推論した.
著者
油野 良子
出版者
至文堂
雑誌
国文学解釈と鑑賞 (ISSN:03869911)
巻号頁・発行日
vol.50, no.10, pp.p115-117, 1985-09
著者
石川 智子 上野 雄一郎 小宮 剛 吉田 尚弘 丸山 茂徳
出版者
一般社団法人日本地球化学会
雑誌
日本地球化学会年会要旨集 2009年度日本地球化学会第56回年会講演要旨集
巻号頁・発行日
pp.41, 2009 (Released:2009-09-01)

後期原生代エディアカラ紀から顕生代初期カンブリア紀にかけて、生物進化と地球化学の両面で大規模な変動が起きたと考えられいる。特に先カンブリア紀/カンブリア紀境界(Pc/C境界)前後において海洋の無機炭素同位体比は大きく変動しており、当時の海洋の炭素循環の著しい変化が予想される。一般に、海洋の炭素循環の定量化には当時の海洋の有機炭素同対比の情報も必要不可欠であるが、Pc/C境界前後の有機炭素同対比が無機炭素同位体比と共に一地域で報告された例はほとんどない。そこで我々は、南中国・三峡地域において掘削により採取された連続試料を用いてPc/C境界前後の高時間分解能の有機炭素同位体比化学層序を求めた。得られた無機・有機炭素同位体比の関係性を基に、数値計算を行い当時の海洋の炭素循環について定量的に議論する。
著者
雨宮 忠
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1282, pp.165-168, 2005-03-07

昨年のアテネ五輪では日本選手団が大活躍し、メダルラッシュに沸きました。しかし2008年の北京五輪、さらにそれ以降について、私は一種の危機感を感じています。 もちろんメダルを取る取らないというのは、第一義的にはスポーツ選手やチームの頑張りに左右されます。でも、今は根性だとか気合でメダルを取れるような時代ではありません。

1 0 0 0 放送評論

著者
日本放送聴視者連盟 編
出版者
放送評論社
巻号頁・発行日
vol.2, no.3, 1954-05
著者
塩崎 雄之輔 菊池 卓郎
出版者
園藝學會
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.60, no.4, pp.827-832, 1992
被引用文献数
1 3

リンゴ'ふじ'/マルバカイドウの開心形樹 (栽植距離9m&times;9m, 栽植密度123本/ha) 12樹について, 5年生から24年生までの20年間にわたって, 収量と葉面積指数, 新梢長等のいくつかの樹体特性について測定を行った. 10年生以降, 樹高は3.5~4.0mに維持され, 樹冠はもっぱら水平方向に拡大した. 樹冠占有面積率および葉面積指数 (LAI) は20年生まで増加を続け, 前者は約70% (1樹当たり約55m2), 後者は約2.0に達し, 以後ほぼ一定になった. 収量 (1ha当たり)は樹冠占有面積率およびLAIの増加に伴って増加した.LAIとそれに対応する収量 (1ha当たり) は, 1.0で約20t, 1.5で約35t, 2.0で55t以上であった. 樹冠占有面積の増加に伴い, 樹冠占有面積当たり収量と単位葉面積当たり収量の増加が認められた. これは樹冠が扁平で樹冠内部に光線がよく透入するように枝が配置されていることに加え, 樹冠占有面積当たりspur数の増加と平均shoot長の減少とが大きく寄与していることが示唆された.

1 0 0 0 OA 臨床のセンス

著者
祖父江 逸郎
出版者
公益社団法人 全日本鍼灸学会
雑誌
全日本鍼灸学会雑誌 (ISSN:02859955)
巻号頁・発行日
vol.53, no.4, pp.466-470, 2003-08-01 (Released:2011-03-18)

臨床のセンスは臨床の実践にあたり重要である。センスの内容は幅広く、その解釈も様々である。知、技、心の3つの要素がバランスよく、渾然一体として、ダイナミックに対応可能な臨床能力であると考えられる。コミュニケーション・テクニック、面接技法、患者心理の理解、臨床倫理、インフォームド・コンセント、告知、EBM、クリニカルパスなど、臨床で共通した基本的臨床能力といわれるものは、必須条件の一つである。さらに、それぞれの専門領域についての最新の知識、技術を熟知し、実践応用可能なことも必須条件である。知、技、心のうち、心については、かねてから主張してきたSympathy (共感) 、Sincerity (誠実) 、Service (奉仕) の3Sをとりあげたい。こうした3Sによる臨床の実践により患者との信頼はより一層深まる。臨床では、様々な問題を分析、理解し、適正な判断による的確な対応が必要である。具体的事例による修練を積み重ねることで、臨床のセンスが培われる。
著者
坂本 つや子 SAKAMOTO Tsuyako
出版者
三重大学人文学部文化学科
雑誌
人文論叢 (ISSN:02897253)
巻号頁・発行日
no.28, pp.73-87, 2011

クリストファー・マーロウの戯曲、Doctor Faustusの主人公フォースタスについて、マーロウが資料として用いたThe English Faust Bookをもとに検討する。順序は次のとおりである:1ヴィッテンベルクで学位を取得したフォースタスが悪魔と契約を結ぶ経緯、2数回の大旅行(地獄と天界の旅、ローマ訪問、世界旅行の途上楽園を遠望する)について、3カロルス5世の宮廷訪間、4アンホルト公爵夫妻訪間、5トロイのヘレンについてのエピソード、6ワグナーを相続人に指名する、学者たちとの別れ、手記の発見。The English Faust Bookでは、フォースタスはルネサンス人として異教の文化を学び、神の領域に属する知識を手に入れるため、冒険的探求の旅に出る。彼は手記を残し、死後出版されるよう心を配る。Doctor Faustusでは、フォースタスは悪魔に魂を売ることで人間に隠されている知識を獲得するが、その知識は彼を解放せず、むしろ神が支配する世界の枠組みの堅牢さを認識させる結果となる。しかし彼が高く評価するギリシア、ラテン世界の思潮は、中世的世界の枠組みを壊す力を秘めている。