著者
梅垣 雄心 中村 雅俊 武野 陽平 小林 拓也 市橋 則明
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2012, pp.48101963, 2013

【はじめに、目的】臨床現場において、ハムストリングスのストレッチングは多くの場面で用いられている。近年、ストレッチングの効果に関して多く報告されているが、ストレッチング法について検討した報告は少なく、特に内外側ハムストリングスの選択的なストレッチング法について、科学的根拠は示されていない。理論的に筋のストレッチングは筋の作用と逆方向へ伸張すべきであり、ハムストリングスは股関節伸展・膝関節屈曲作用に加え、内側は股関節内旋、外側は外旋作用を有していることから、内側は股関節屈曲・外旋位から膝関節伸展、外側は股関節屈曲・内旋位から膝関節伸展の他動運動が効果的なストレッチングになると考えられる。その一方で股関節屈曲・膝関節伸展に股関節外旋を加えることで外側を、内旋を加えることで内側を選択的に伸張できるという報告もあり、統一された見解は得られていない。そこで、本研究では筋は伸張されると硬くなるという先行研究に基づき、超音波診断装置と弾力評価装置を用いて筋硬度を測定し、筋の伸張量の指標とした。本研究の目的は股関節屈曲・膝関節伸展に股関節の内旋と外旋を加えることが、内・外側ハムストリングスの伸張量に与える影響を明確にすることである。【方法】対象は下肢に神経学的及び整形外科的疾患を有さない健常男性17名(平均年齢24±3.4歳)の利き脚(ボールを蹴る)側の大腿二頭筋(以下:BF)及び半腱様筋(以下:ST)とした。ストレッチング肢位は、背臥位でベッド側方から非利き脚をたらし、ベルトで骨盤を固定した。試行は股関節90°屈曲、膝関節90°屈曲位(以下Rest)、股関節 90°屈曲・最大内旋からの膝関節伸展(以下IR)、股関節90°屈曲からの膝関節伸展(以下NOR)、股関節90°屈曲・最大外旋からの膝関節伸展(以下ER)の4試行とし,IR、NOR、ERでは痛みを訴えず、最大限伸張する角度まで他動的関節運動を行い、その時の膝関節伸展角度と筋硬度を測定した。 筋硬度の評価はテック技販製弾力評価装置(弾力計)と、SuperSonic Imagine社製超音波診断装置の剪断波エラストグラフィ機能 (以下:エラスト)を用いた。弾力計では圧力20NでRestのみ2回測定し、その平均値を算出した。IR、NOR、ERは1回の測定値を使用した。エラストでは全て1回の測定値を使用した。測定位置は,坐骨結節と外側上顆を結ぶ線の中点の位置でBFを、坐骨結節と内側上顆を結ぶ線の中点の位置でSTを触診しながら測定を行った。統計学的解析では、BFとSTにおける筋硬度値と膝関節伸展角度をそれぞれ各条件間でWilcoxon検定を用いて比較し、Bonferroni補正を行った。有意水準は5%未満とした。【倫理的配慮、説明と同意】対象者には研究の内容を説明し、研究に参加することの同意を得た。【結果】BFでは、弾力計の値はRestに比べ、IR,NOR,ERが有意に減少し、エラストの値はRestに比べ、IR、NOR、ERが有意に増加しが、両筋硬度ともIR、NOR、ERの間に有意な差は認められなかった。STでは、弾力計の値はRestに比べ、IR、NOR、ERが有意に減少し、ERに比べ、IR、 NORが有意に減少したが、IRとNORには有意な差は認められなかった。エラストの値はRestに比べ,IR,NOR,ERが有意に増加し、ERに比べIR、NORが有意に増加したが、IRとNORには有意な差は認められなかった。膝関節伸展角度は、NORで-21.5±12.2、IRは-31.5±7.2、ERは-36.5±8.8であり、NORはIR,ERに比べ有意に高値を示し、IRはERに比べ有意に高値を示した。【考察】本研究では、 BFはIR,NOR,ERの間で伸張量に変化がなかったことから、BFの伸張量を股関節内外旋の動きにより、コントロールすることは困難であることが示唆された。一方、STはERに比べIR、NORの方が有意に伸張されたことから、大きな外旋の動きを加えた場合より、股関節内外旋の動きを加えない場合や大きな内旋の動きを加えた場合の方が、STは伸張されやすいことが示唆された。この理由として、内側ハムストリングスの股関節内旋作用、外側ハムストリングスの外旋作用というのは解剖学的肢位での作用であり、股関節屈曲や最大内外旋することによって作用が変化している可能性が考えられる。また、ERにおいて、NORやIRと比較して膝関節伸展角度が有意に小さく、BFが伸張されていないことから、ERではハムストリングス以外の要素が優先的に膝関節伸展を妨害しており、その結果としてBFが伸張されなかった可能性も考えられる。【理学療法学研究としての意義】ハムストリングスのストレッチングにおいて、股関節内外旋の動きを加えることでより伸張することは難しいことが考えられ、ハムストリングスのストレッチングにおいては股関節内外旋の動きを大きく加える必要はないことが考えられる。
著者
高比良 雅之
出版者
日本神経眼科学会
雑誌
神経眼科 (ISSN:02897024)
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.110-117, 2016

IgG4関連眼疾患(IgG4-related ophthalmic disease)の概念は,2004年のIgG4関連Mikulicz病の報告に始まった.その病変は涙腺の他に三叉神経周囲,外眼筋にも好発する.IgG4関連眼疾患の最も重要な鑑別疾患はMALTリンパ腫であり,両者はときに併発するので注意すべきである.IgG4関連眼疾患の病変において最も重視すべきは視神経症の併発である.過去の報告や自験例などからは,IgG4関連眼疾患のおよそ1割で視神経症を来すと考えられる.罹患側の光覚消失までに至った重症例も経験した.ステロイド全身投与を導入しない症例でも,血清IgG4が高値の症例では視神経症の発症に留意すべきである.またIgG4関連視神経症の初期では緑内障として加療される可能性もあり,注意を喚起したい.視神経症の視機能はある程度はステロイド治療に反応するが,その回復には限界があるので,早期の治療導入が望ましい.
著者
豊田 恵美子 箕浦 茂樹 宮澤 廣文
出版者
一般社団法人 日本結核病学会
雑誌
結核 (ISSN:00229776)
巻号頁・発行日
vol.77, no.11, pp.703-708, 2002-11-15
参考文献数
24
被引用文献数
2

妊娠・出産合併した結核治療については, WHO (World Health Organization), ATS (American Thoracic Society), BTS (British Thoracic Society) はそれぞれガイドラインを出している。1993年から2001年の8年間に当センターで取り扱った妊娠から出産後6カ月までに診断された活動性結核22例についてレトロスペクティブに検討した。41%が外国籍で, 症状が妊娠や出産によるものと紛らわしく, 発症がわかりにくく概して診断の遅れが推定され, 肺外結核が多い傾向があった。2症例が出産後に治療を脱落しており, 一般の結核と同様にDOTなどによるサポートが必要である。患者の治療に加えて, その児や周囲の新生児・妊婦への感染防止対策は重要で, とくに分娩時感染性ならば, 個別換気の部屋での分娩, 母児分離, 新生児の予防内服などの計画が必要であった。
著者
西谷 春香 水野 洋 円城寺 克也 則武 健一
出版者
日本毒性学会
雑誌
日本毒性学会学術年会
巻号頁・発行日
vol.47, pp.P-175, 2020

<p>【Introduction】We compared body temperature (BT) in non-rodents between a temperature-sensing microchip (IPTT-300, BMDS) and traditional rectal thermometer (RT) or telemetry devices. We also compared the BT changes in several implantation sites to seek the optimal implantation site for microchips.</p><p>【Methods】Microchips were implanted subcutaneously at 3 sites (chest, thigh, and interscapular region) in telemetered monkeys (4 males), and at 3 sites (chest, neck, and interscapular region) in dogs (2 males and 2 females). Animals were dosed intramuscularly with medetomidine (α2 adrenergic agonist) at 0.15 mg/kg (monkeys) and 0.2 mg/kg (dogs) , and BT was measured predose and at 15 min intervals postdose until recovery using the microchips, RT, and telemetry devices (monkeys only).</p><p>【Results】All three methods recorded decreases in BTs with medetomidine. In monkeys, The interscapular microchips BTs were similar to the rectal and telemetry temperatures, and other 2 sites were lower than them. In dogs, there were no clear differences in BTs in the 3 sites, and degree of changes in BT by microchips was similar to the RT.</p><p>【Conclusion】Microchips are useful tools for BT measurement. The advantage of microchips include that there are quick and less invasive compared to a RT. The best implantation site of microchips was interscapular subcutis in both dogs and monkeys.</p>
著者
木村 泰生 藤田 博文 山川 純一 瀧口 豪介 丸山 翔子 高井 亮 荻野 和功 小川 博
出版者
一般社団法人 日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.51, no.2, pp.146-153, 2018

<p>症例は33歳の女性で,2年前に下行結腸癌による大腸イレウスに対して自己拡張型金属ステント(self-expandable metallic stent;SEMS)留置後に,腹腔鏡下左半結腸切除術を施行した.その際の病理組織学的所見は,中分化型腺癌,深達度SS,n0,ly1,v1,stage IIの診断であった.術後2年目にCEAの上昇およびCTで下腹部に約3 cmの腫瘤性病変を認め,FDG-PETでも同部のみに集積を認めたことから孤立性再発病変と判断し,腹腔鏡下に腫瘤摘出術を施行した.術中所見では腫瘤は大網内に約3 cmの孤立性の腫瘤として認め,その他に明らかな播種および転移病変は認めなかった.病理組織学的所見では,下行結腸癌の血行性大網転移と診断された.結腸癌の孤立性大網転移はまれな再発形式で,これまでに報告例はない.本症例は近年増加傾向である金属ステント留置後の手術症例(外科手術前の処置bridge to surgery;BTS)であり,ステント留置と大網再発の因果関係は不明であるが,大腸ステント留置症例における長期的な予後は不明な点も多いため今後も症例の蓄積が必要である.</p>
出版者
日経BP
雑誌
日経ニューメディア = Nikkei new media (ISSN:02885026)
巻号頁・発行日
no.1671, pp.2-3, 2019-09-02

ラジオ、放送政策 総務省は2019年8月30日、「放送事業の基盤強化に関する検討分科会」の第7回会合を開催した。 民放連は、3月27日の同分科会会合において、AM放送のFM転換や両放送の併用に向けた制度見直しを要望していた(本誌2019年4月1日号に関連記事)。8月30日…

1 0 0 0 OA 相対性原理

著者
石原純 著
出版者
岩波書店
巻号頁・発行日
1921
著者
松岡 敦子
出版者
メディカルレビュー社
巻号頁・発行日
pp.37-41, 2017-04-20

メトホルミンに代表されるビグアナイド薬はスルホニル尿素薬と並び,最も古くから使用されている糖尿病治療薬である。ビグアナイド薬はフレンチライラック(ガレガソウ)に多く含有するとされるグアニジンの誘導体であるが,すでに17世紀の薬草療法ガイドブックに「フレンチライラックは糖尿病によると考えられる口渇・多尿などの症状に効果がある」との記載があり1),グアニジンに血糖降下作用があることが1918年に報告されている2)。ビグアナイド薬は1950年代より販売され,1970年代にフェンホルミン服用者に乳酸アシドーシスの発症が報告されて以来,一時,使用頻度が減少したが,1990年代に行われた大規模臨床研究によりメトホルミンの有効性と安全性が確認され3)4),再評価の機運が高まった。2008年には米国糖尿病協会と欧州糖尿病学会の共同ステートメントにおいてメトホルミンは第1選択薬に位置づけられた5)。最近,メトホルミンの作用メカニズムについて新しい知見が相次いで報告され,基礎研究の観点から注目を浴びている。また心不全患者での有効性や安全性に加え,悪性腫瘍への影響に関しても興味深い報告がある。本稿ではこのようなメトホルミンに関する最近の基礎的,臨床的な話題について概説する。「KEY WORDS」メトホルミン,作用機序,悪性腫瘍,心不全
著者
落合 俊輔 齋藤 彰 髙柳 聡 玉木 康信 名倉 誠朗 三原 政彦 平川 和男
出版者
南江堂
巻号頁・発行日
pp.1201-1204, 2018-11-01

は じ め に 本邦において人工股関節全置換術(total hip arthroplasty:THA)後に非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)とアセトアミノフェンを併用して内服した鎮痛方法の有用性を報告したものはない.THAの術後疼痛管理は,低侵襲手術や早期リハビリテーションの利点を最大限に活かすために重要な課題の一つである. 近年,術後疼痛管理の方法としては多様式鎮痛(multimodal analgesia)の概念が普及している1).多様式鎮痛は異なる作用機序の鎮痛方法,鎮痛薬などを組み合わせることにより,多角的に鎮痛を行い,さらにそれぞれの鎮痛方法や薬剤の副作用を低減する方法である. 多様式鎮痛で使われる薬剤のなかで,NSAIDsは消炎鎮痛効果があるため,術後鎮痛の基本的薬剤となっているが,消化性潰瘍のリスクがあるため最近ではCyclooxygenase-2(COX-2)選択的阻害薬のセレコキシブが多く用いられるようになっている.アセトアミノフェンはその作用機序は明確に解明されてはいないが,NSAIDsとは作用機序が異なりCOX阻害作用がないため,NSAIDsで懸念される消化性潰瘍や腎障害,抗血小板作用など副作用が少ないとされる2).このため多様式鎮痛では,ほかの薬剤と併用しやすい薬剤とされており,欧米での術後疼痛管理におけるガイドラインでは,禁忌でない限り,NSAIDsとアセトアミノフェンを併用することが推奨されている3,4). 以前にわれわれは,THAの術後鎮痛におけるアセトアミノフェン点滴製剤の有用性を報告した.しかし,現状,本邦ではアセトアミノフェン点滴製剤の保険適用は経口摂取困難な術後となっているため,経口摂取が可能になった後には内服に切り替える必要がある.これまで,THAの術後疼痛管理においてNSAIDsとアセトアミノフェンの内服を併用した報告はない.本研究の目的は,THAの術後鎮痛におけるCOX-2阻害薬(セレコキシブ)とアセトアミノフェンの内服を併用した鎮痛方法の有用性を明らかにすることである.
著者
澤 稜介 木林 威夫
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第35回全国大会(2021)
巻号頁・発行日
pp.1D2OS3a05, 2021 (Released:2021-06-14)

2020年日本では自動車業界を賑わせるニュースが多数報道された。2050年のカーボンニュートラルに向けた電動化政策など自動車業界に変革を迫る内容が多数を占める。ただし、自動車産業で働いていた当事者として見た自動車産業の従事者は、変革が必要だという自覚がない人で溢れているのが現実である。自覚できない原因は、ニュースで起こる事実を正しく理解できなくなる大衆のリテラシー低下やAIによってユーザーの嗜好に沿った情報、広告を表示するソーシャルメディアによるものであると推測する。自動車産業の従事者が事業変革の必要性を自覚することを目的に、昨今の自動車産業を取り囲む世界情勢を新聞記事から調査した結果、自動車産業が崩壊することは容易に推測することができ、崩壊の事実をソーシャルメディアを通じて伝える必要がある。
著者
何 娜 青才 文江 文 恵聖 関谷 宗英 矢野 明彦
出版者
日本熱帯医学会
雑誌
日本熱帯医学会雑誌 (ISSN:03042146)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.59-67, 1997-06-15
参考文献数
31
被引用文献数
3 6

To explore the mechanisms of immune responses of host to <I>Toxoplasma gondii (T. gondii) </I> infection in pregnant mice, we evaluated roles of cytokines [interferon gamma (IFN-&gamma;), tumor necrosis factor &alpha; (TNF-&alpha;), interleukin 6 (IL-6) and interleukin 4 (IL-4)] by measuring mRNAs of these cytokines in placentas, lungs and spleens. The pathogenic effects of time and duration of the Fukaya infection on cytokine mRNA levels in pregnant mice were analyzed. The abundance of mRNAs encoding these cytokines was measured by reverse transcriptase (RT) -PCR at early and late stages of pregnancy in various organs of both susceptible C57BL/6 and resistant BALB/c pregnant mice infected with <I>T. gondii.</I> IFN-&gamma; and TNF-&alpha; but not IL-6 or IL-4, were predominant in the immune responses of placentas, lungs and spleens of BALB/c and C57BL/6 mice during <I>T. gondii</I> infection. Levels of IFN-&gamma; and TNF-&alpha; mRNA in placentas of early stage pregnant BALB/c mice (infected at one-week pregnancy and examined on day 4 after infection; 1W4D) were higher than those in corresponding C57BL/6 pregnant mice, which might correlate with the fact that higher parasite numbers in placentas and lungs of C57BL/6 mice (infected at one-week pregnancy and examined on day 11 after the Fukaya infection; 1W11D) were observed than those in placentas and lungs of corresponding BALB/c mice, but not correlate with the result of parasite numbers (<I>T. gondii</I> No./mg tissue) in spleens of C57BL/6 (0) and BALB/c (120&plusmn;56) pregnant mice. In the late stage of pregnancy, levels of IFN-&gamma; and TNF-a did not show definite correlations with <I>T. gondii</I> loads in placentas, lungs and spleens. These results indicate that endogenous IFN-&gamma; and TNF-a of early stage pregnancy may be essential for inhibition of <I>T. gondii</I> growth in some organs (placentas and lungs), but not in spleens, and the mechanisms of genetic influence involved in the susceptibility and resistance to acute <I>T. gondii</I> infection may include several immune responses acting together.

1 0 0 0 OA 雪舟画集続輯

著者
審美書院 編
出版者
審美書院
巻号頁・発行日
1910
著者
尾崎 和典
出版者
Japanese Association of Electoral Studies
雑誌
選挙研究 (ISSN:09123512)
巻号頁・発行日
vol.22, pp.17-24,194, 2007

郵政民営化法案否決による05年衆院選では,メディアによる「小泉劇場」報道が自民党圧勝の大きな要因となった。衆院解散直後までは,「小泉vs抵抗勢力」という,旧来型の対決構図だったが,法案反対議員全員に対抗馬を立てる「刺客」作戦によって情勢が一変した。これまでにない新たな政治ドラマが展開し,これをワイドショーなどが大々的に取り上げたからだ。世論調査の結果を見ても,「刺客」作戦を機に,小泉自民党への支持が増加したことがわかる。テレビを見る時間が長いほど,自民党支持が強くなる傾向も見られた。<br>その一方で,メディアは「小泉劇場」と同時に進んだ自民党政治の構造変化も有権者に伝えた。そのことが改革への期待となり,小泉自民党の支持につながったといえる。