著者
石坂 昌司 中川 真秀
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2018-04-01

エアロゾルを足場とした雲粒の発生過程は、気候変動予測における最大の不確定要素である。大気中には多種多様な微粒子が混在しているため、微粒子集合系の平均値解析では現象の解明に限界があり、個々の微粒子を直接観測可能な分析手法の開発が強く望まれる。本研究では、特に気候への影響が大きく、従来のレーザー捕捉法が適応できない黒色炭素粒子に着目し、単一の黒色炭素粒子を空気中の一点に非接触で浮遊させ、雲粒の発生を再現する新規計測法を開発する。これまでに我々が開発したドーナツビームを用いるレーザー捕捉法では、ロウソクの燃焼により発生した煤を一旦、固体基板の上に捕集し、マイクロマニピュレーターを用いて固体基板から黒色炭素微粒子を気相中に持ち上げ、レーザー捕捉空間内に導入する必要があった。2019年度は、燃焼によって発生した黒色炭素微粒子を固体基板に捕集することなく、そのままレーザー捕捉し計測するための実験手法の改良を行った。線香の燃焼によって発生した煙(黒色炭素微粒子)を光学顕微鏡のステージ上に設置した反応容器へ直接導入し、気相中において観測することに成功した。また、黒色炭素微粒子のオゾンによる不均一酸化反応を誘起するため、オゾン発生装置を設備備品として導入した。オゾンの発生量は、原料ガスの種類(空気または酸素)及びガスの流量に依存する。ヨウ化カリウム水溶液にオゾンガスを通過させ、遊離したヨウ素を酸化還元滴定することによりオゾンを定量し、実験条件の検討を行った。
著者
和泉 潔 松井 藤五郎
出版者
行動経済学会
雑誌
行動経済学 (ISSN:21853568)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.43-46, 2011 (Released:2012-03-29)
参考文献数
11

金融市場は世の中の経済活動の活発さを反映しているはずである.だからもし,みんなが持っている平均的な景況感を早く正確に知ることができたら,株価が予測できるはずだ.Web上の大量のテキスト情報から現在人々が経済状況に対して抱いている気分を抽出することが出来るかもしれない.専門家でないごく普通の人たちが,経済と直接は関係ないような事柄について書いたものから,金融の専門家が発信する市場に関わる様々なニュースや経済レポートまで,web上には常に大量のテキスト情報が溢れている.機械学習を用いたテキストマイニング手法によって,テキスト情報と市場変動の関係性を発見し市場分析に応用する最新研究事例を紹介する.
著者
江井 仁 中尾 典子 太田 静行
出版者
Japan Oil Chemists' Society
雑誌
油化学 (ISSN:18842003)
巻号頁・発行日
vol.14, no.7, pp.352-359, 1965-07-20 (Released:2009-10-09)
参考文献数
8

The effects of heat-treatment on the emulsifying properties of soybean lecithin were studied.Soybean lecithin was heated at 120150°C for 560 minutes. with soybean oil. Chemical properties of heated soybean lecithin, such as the contents of acetone soluble lipid, water soluble compounds containing phosphorus and acid value were determined, and then, the contents of individual phosphatides, were determined by silicic acid column chromatography as described by Hanahan.The phase inversion curves obtained by emulsifying soybean oil with water, and the emulsion stabilities were determined by the residual emulsion volume (ml), after centrifuged at 4, 000rpm for 7 minutes.From the experiments we could conclude that water soluble compounds, such as glycerpylhosphoryl compounds and glycerophosphoric acid, and lysophosphatides were increased with heating, and also heated soybean lecithin could easily make emulsions of O/W type and their emulsions were very stable.
著者
菱田 瞳 安藤 真美 門上 剛 白坂 直輝 北尾 悟
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 平成24年度日本調理科学会大会
巻号頁・発行日
pp.37, 2012 (Released:2012-09-25)

【目的】ホスホリパーゼA2(PLA2)は、卵黄に多く含まれるレシチンなどグリセロリン脂質のグリセロール2位のエステル結合を加水分解し、遊離脂肪酸とリゾリン脂質を生成させ、耐熱安定性、乳化性および起泡性の改善などが期待できる。先に検討したカスタードクリームでは、酵素処理卵黄を使用した場合、冷凍耐性の向上などの利点が明らかとなったが、遊離脂肪酸の影響による苦味が残るため官能評価では必ずしも好まれる結果が得られなかった。今回は、苦味による影響を低くするために高温で焼成するスポンジケーキを対象に、酵素処理の有無による比較検討を行った。【方法】Streptomyces属起源の食品添加物として認可を受けたPLA2を使用した。無改質、分解率50%、分解率80%の3種類の卵黄を用いて170℃、25分の条件で作製したスポンジケーキを測定試料とした。さらに生地を調製後1週間冷凍し焼成(以下A)、および卵黄のみを1週間冷凍し解凍後生地調製・焼成(以下B)した場合も検討した。焼成後、高さや比容積などを測定し、物性測定はクリープメーターを用いた。官能検査は評点法にて実施した。【結果】酵素処理卵黄を用いた場合、分解率に関わらず高さおよび比容積が有意に高く破断エネルギーは有意に低かった。官能検査では、「苦味」は無処理卵黄を用いた場合と差がなく、かつ分解率が上がるほど有意に「甘く」感じられることが認められた。A条件でも同様の結果が得られたが、B条件では高さおよび比容積以外有意差は認められなかった。以上の結果からPLA2処理卵黄を用いたスポンジケーキは、生地を冷凍保存してもボリュームアップ効果や食感・食味の向上が期待できると考えられた。
著者
西口 光一 ニシグチ コウイチ
出版者
日本語教育学会
雑誌
日本語教育 (ISSN:03894037)
巻号頁・発行日
no.138, pp.24-32, 2008-07

著作権法に規定されている私的使用や引用などの範囲内で行ってください。在住外国人がそれに参加することで日本語を習得していくという要素は,地域日本語活動の重要な要素である。しかし「日本語の習得支援=日本語を教えること」ではない。一方,海外で行われている成人に対する第二言語教育に目を向けてみると,しばしば議論される「生活日本語」と対比して「おしゃべり日本語」というものが抽出できる。「おしゃべり日本語」の能力は文化的に生きる人間の重要な要素であり,現代の自然習得者は,ある程度数が限られた日本語話者との多かれ少なかれ個人的な交流を継続的に続けることでそのような日本語力を自然に習得している。地域日本語教室は,在住外国人にそれに類した日本語習得環境を提供できる環境条件を備えている。その習得環境は,個々の人の現在の日本語力には配慮しながらも,市民ボランティアが在住外国人と対等な人間として自然に接して交流することで,巧まずして構成できる自然習得環境である。
出版者
日経BP社
雑誌
日経コンピュ-タ (ISSN:02854619)
巻号頁・発行日
no.612, pp.156-161, 2004-11-01

ピーシーエー(PCA)生命保険は今年9月、新契約管理システムの開発を完了した。新商品の発売に合わせるため、稼働までに与えられた期間は通常の半分の5カ月半。パッケージの採用、手戻りを防ぐために要件を綿密に定義、必要な機能から順次開発する体制の実現、さらにポータルを生かして担当者間のやり取りを円滑にするなど、短期開発に必要なあらゆる手を駆使。予定通り稼働できた。
著者
土沢 一実 渡辺 孝章 渡辺 一郎 山本 和子 新井 高 中村 治郎
出版者
特定非営利活動法人 日本歯周病学会
雑誌
日本歯周病学会会誌 (ISSN:03850110)
巻号頁・発行日
vol.28, no.4, pp.1120-1130, 1986-12-28 (Released:2010-08-25)
参考文献数
41
被引用文献数
7 2

スクラッビング法による歯ブラシについて, 第1報として毛の直径と毛の先端形態の違いがブラッシング圧とプラーク除去効果にどの様な影響を与えるかを検討した。歯ブラシの直径 (0.18mm, 0.25mm, 0.33mm) と毛の先端形態 (ラウンドカット, ストレートカット) の異なる合計6種類の歯ブラシを試作した。被験者12名にブラッシングを行わせ, 前後のプラークのスコアーを測定し, プラ本論文の要旨は, 第28回春期歯周病学会総会 (1985年6月6日) において発表した。ーク除去率を算出した。ブラッシング圧は渡辺のブラッシング圧測定装置を用い計測した。その結果, 毛の直径が太くなるほどプラーク除去率もブラッシング圧も有意に高くなった (P<0.01) 。ラウンドカットの方がストレートカットに比べ, ブラッシング圧は高い傾向を示した (P<0.01) 。プラーク除去率は, ラウンドカットの方が高くなる傾向を示した。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1650, pp.58-61, 2012-07-16

「危機感はここ数年、相当に強くなっていた。だからあの商品の発売が決まった時には、『ああやっぱり』と思ったほどだった」 首都圏で働く日本生命保険のある女性営業職員が、声を落としてこう話した。「あの」と呼んだのは、日生が今年4月、「みらいのカタチ」と名づけて売り出した商品のこと。
著者
福井 順治
出版者
日本蜻蛉学会
雑誌
Tombo (ISSN:04958314)
巻号頁・発行日
vol.38, pp.51-53, 1995-12-01
参考文献数
13