著者
高木 義和
出版者
新潟国際情報大学経営情報学部
雑誌
新潟国際情報大学経営情報学部紀要 = Journal of Niigata University of International and Information Studies Faculty of Business and Informatics (ISSN:24342939)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.51-75, 2019-04-01

1995年より大学2年生を対象に情報検索の授業を担当してきたが、2012年ごろから学生の情報検索行動が大きく変化したように感じていた。そこで授業で使用した2011年以降の情報利活用環境調査データを時系列で整理し、明らかになった問題点とその対応策を示した。➀高校1年でほぼ全員がスマートフォンを所有しインターネットの常時使用環境を入手している。予備知識もなく利用環境を突然入手しているためトラブルを避けるための基礎知識を自己学習できる仕組みが必要である。②学生がピンポイント情報と呼ぶ情報検索は1サイト選択が典型で、知るだけの使い捨て検索が多い。コンテンツ利活用力の向上には、生活を快適にするピンポイント情報検索と、知識取得のための情報検索を両立する力を育む必要がある。③学生は図書情報、学術文献情報を紙情報と呼びWeb情報を情報と認識している。紙情報を含めた複数の情報源から得た情報をまとめ、自己の知識構造に組み込む重要性を理解する必要がある。
著者
藤岡継平 著
出版者
六盟館
巻号頁・発行日
vol.上巻, 1917
著者
山本 忠 吉武 誠 岸川 圭希 幸本 重男
出版者
The Society of Synthetic Organic Chemistry, Japan
雑誌
有機合成化学協会誌 (ISSN:00379980)
巻号頁・発行日
vol.50, no.7, pp.638-651, 1992-07-01 (Released:2010-01-28)
参考文献数
116
被引用文献数
3 4

Recent studies on intramolecular epoxide cyclizations were reviewed. Regio- and stereoselective anionic cyclization of epoxy-nitriles, -olefins, -carbamates and -alcohols were discussed. Also regio- and stereoselective Lewis acid promoted epoxide cyclizations, radical and paradium-catalyzed ones were described.
著者
星野 藍子 鈴木 國文
出版者
日本作業療法士協会
巻号頁・発行日
pp.646-656, 2009-12-15

要旨:実際の企業で就労の体験をしてみるという「就労体験プログラム」において,対象患者のプログラムに作業療法士が付き添い,統合失調症患者の仕事場面における特徴や問題点を記述した.その内容を2段階にカテゴリー化し,考察を深め,就労支援における新たな視点の持ち方を提案した.その結果,支援は3つの視点,①要素的機能の障害として捉えられる問題点,②自分の行為をチェックする機能が含まれる問題点,③患者と社会との関係を考慮に入れることにおける問題点に分けられた.従来の支援では,②や③の視点が取り上げられることは少ないが,要素機能に対する支援と共に,これら2つの視点は極めて重要な視点であることが示唆された.
著者
小笠原 貞夫 高橋 茂行 深井 彰 中田 泰雄
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
工業化学雑誌 (ISSN:00232734)
巻号頁・発行日
vol.72, no.10, pp.2244-2247, 1969-10-05 (Released:2011-09-02)
参考文献数
8
被引用文献数
6

各種金属酸化物を用いてプロピレンを気相接触酸化し,アセトンの直接合成反応を検討した。原料ガスとしてプロピレン,空気および水を用い,反応は常圧流通式固定床反応管を用いて行なった。アルミナに担持させたMo,Cu,V,Cr,Wの各酸化物の順にアセトン合成活性を認めたが, 特に, MoO3-Al2O3-触媒は選択的にアセトン合成活性を示すことがわかった。シリカやアルミニウムスポンジに含浸させた酸化モリブデンはアセトン合成活性を示さないが,アルミナに担持させると活性は著しく向上し,この触媒は酸化モリブデンとアルミナの二元機能触媒であることが帰納された。原料ガス中の水は燃焼反応を抑制し,生成物中に微量のイソプロピルアルコールや水素が存在することから,この反応はイソプロピルアルコールを経由する酸化脱水素反応であると考えられる。担体アルミナに対し,酸化モリブデン含量は約20wt%以上でほぼ一定の活性となる。最適反応温度は約300℃であり,使用触媒は500℃で空気により再生が可能であった。
著者
小町谷 照彦
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.34, no.7, pp.41-49, 1985

好忠の詠作を専門歌人という視点から考察し、和歌史的に定位してみた。好忠は専門歌人として宮廷社会の中に自己の位置を確保しようと、新しい形式や表現を開拓しようとしたが、専門歌人に対する意識の変化や詠風の時代的先取りのために季節はずれ的存在として疎外され、晩年に至ってようやく歌合などに出詠できるようになった。次代に入ってようやく評価されるようになった好忠の詠歌の女歌に通じるような独特な抒情は、古今調の限界をきわめた表現時空を確立し、その切実な存在証明の営為の産物であった。
著者
田口 有希夫 岡部 守
出版者
THE ASSOCIATION OF RURAL PLANNING
雑誌
農村計画学会誌 (ISSN:09129731)
巻号頁・発行日
vol.19, no.19-suppl, pp.199-204, 2000-12-08 (Released:2011-04-13)
参考文献数
6

The perpose of this study is to review the procedures and progress of rural agricultural promotion based on Tozo Suzuki's throries during modern Japanese capitalism. His throries were implemented in Nagasaki village, Iwate prefecture, in northern Honshu. The report summarize; 1) the lization of rural area agriculture during modern japanese capitalism; 2) the biography of Tozo Suzuki, a civil sarvant, author (Rural Agriculture Ecinomy-Ideal and Reality), and entrepreneur who established and promoted a rural co-op which produced related agricultural products during the non-harvest season; 3) and analysis of his theories to understand the plan its problems.
著者
小野 良平
出版者
公益社団法人 日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.83, no.5, pp.491-494, 2020-03-30 (Released:2020-06-09)
参考文献数
22

A case study was conducted to discuss landscape settings of historic religious places as their visual relationships with surrounding environment. Mt. Daisen (Tottori pref., 1729m), where is known as one of “Reizan (sacred mountains)”, has been developed by temples and shrines on its north-west mountainside since ancient ages. Including their access roads from other regions, visual relationships of the religious places and surrounding environment was surveyed using DEM and viewshed analyses. First, visual target areas, where were assessed as significant views from the religious places, were identified. Then, high visibility areas to the target areas were extracted, and the relation with the location of religious places were investigated. As the results, strong correspondence of high visibility areas to the targets and the religious places’ setting was observed. The results show that the settings of historic religious places have visual connection with their surroundings. And they inspire the discussion that the landscape what we can see from there could be not a result of the past development, but a contributing factor of the development. The results also suggest the necessity of rethinking of landscape planning at Reizan, where are nowadays likely to be designated as national park.
著者
近藤 隆二郎 守谷 光平
出版者
社団法人 日本造園学会
雑誌
日本造園学会 全国大会 研究発表論文集 抄録
巻号頁・発行日
vol.66, pp.45, 2003

「歩行空間の変化性」に着目し、「歩行感覚」から歩行空間の分析をおこなった。サウンドスケープにおける先行研究を参考に、「サウンド」「フレーズ」「ハーモニー」「メロディー」の視点を適用し分析した。「歩行空間」の「ハーモニー」として、【回遊】【癒し】【直線平坦】【お参り】【直線平坦(テクスチャー)】【アクロバティック】【心臓破り】【特殊】の8タイプを抽出した。また、「コース」に占める割合の高い「ハーモニー」は【回遊】【癒し】であった。「ハーモニー」の変遷として、6つの「メロディー」タイプを抽出した。「歩行感覚」から得られた「ハーモニー」の特徴は、実際の印象と対応していた。
著者
小山 伸一 行岡 秀和 森本 修 新藤 光郎 西 信一 前田 均 藤森 貢 若杉 長英
出版者
The Japanese Society of Intensive Care Medicine
雑誌
日本集中治療医学会雑誌 (ISSN:13407988)
巻号頁・発行日
vol.3, no.3, pp.235-239, 1996-07-01 (Released:2009-03-27)
参考文献数
11

自殺目的で燃料用アルコール(メタノール)を服用し,脳死に陥った症例を報告する。患者は42歳の男性で,腹痛と嘔吐で発症し高度代謝性アシドーシスが認められ,昏睡状態に陥ったため気管内挿管後に当院ICUに入室した。入室時,高浸透圧血症と浸透圧ギャップの増加が認められ,頭部コンピューター断層撮影(computed tomography; CT)上両側レンズ核部に低吸収域が認められた。持続血液透析により代謝性アシドーシスの改善が認められたが患者は脳浮腫を生じ,脳死になった。ICU入室7時間後の血中メタノール濃度は173mg・dl-1であった。脳死になった原因として,メタノールおよびその代謝産物の直接作用ならびに脳浮腫による可能性が考えられる。
著者
室伏 道仁 岡藤 範正 倉田 和之 近藤 昭二 杠 俊介 栗原 三郎
出版者
一般社団法人 日本口蓋裂学会
雑誌
日本口蓋裂学会雑誌 (ISSN:03865185)
巻号頁・発行日
vol.31, no.3, pp.293-301, 2006-10-30 (Released:2013-02-19)
参考文献数
18

上顎骨の著しい劣成長を伴う両側性口唇口蓋裂二症例において,REDシステムによる上顎骨延長術を施術した際の,上顎骨および上顎骨に対する歯の移動様相を明確にするために検討を行ったので報告する.症例1は手術時年齢11歳6か月の女子.症例2は手術時年齢16歳8か月の女子.両症例とも顎裂部自家腸骨細片移植術を行った.また,症例2は延長終了22日後に下顎後退術を併せて施術した.骨延長術はREDシステムを応用し,延長装置を上顎歯列に固定した後,Le Fort I型骨切り術を施術し,朝夕0.5mmずつ1.Omm/日の割合で延長を行った.上顎骨と歯の移動様相を正確に評価するため,Le Fort I型骨切り術中にインプラントピンを骨切り線上下に計4本埋入し,骨内マーカーとした.術前から延長終了後2年までの側面セファロトレース上で検討を行った.延長終了時,上顎骨の延長量は症例1で前方11.2mm,下方1.3mm,症例2で前方7.5mm,下方2.6mmであった.延長後変化量は,症例1で-1.8mm(-16.0%)認められたが,症例2では,延長術後も+1.Omm(+13.3%)の前方移動が認められた.術中の歯の移動は両症例とも,水平方向より垂直方向への移動が多く認められた.
著者
矢ケ崎 典隆 深瀬 浩三
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集 2009年度日本地理学会秋季学術大会
巻号頁・発行日
pp.55, 2009 (Released:2009-12-11)

ロサンゼルス大都市圏はアメリカ合衆国において最も急速に都市化が進んだ地域の一つである。ロサンゼルス市とその周辺部では20世紀に入って都市化が加速し、人口が急増した。ロサンゼルス市中心部と多数の郊外都市を結びつける電車網が発達するとともに、モータリゼーションも進行し、都市域が空間的に拡大した。増加する人口に食料を供給するために農業が発達し、第二次世界大戦直前まで日系人は農産物の生産と流通において重要な役割を演じた。しかし、戦後、都市化の更なる進行に伴って農地の蚕食が進み、農業景観は大きく改変されるとともに、日系人の経済活動も変化した。本論文では、ロサンゼルス市中心部の南方に位置するガーデナ市およびトーランス市を研究対象地域として、都市化に伴う農業的土地利用の変化について検討した。この地域では、ロサンゼルス大都市圏において農業が最近まで存続するとともに、第二次世界大戦前から日系社会が存在し、日系農業が盛んに行われた。 ガーデナ・トーランス地域では、20世紀に入ると、日系人の流入とともにイチゴ栽培が盛んになった。イチゴ栽培には大きな資本は不要であったし、借地することにより、家族労働力に基づいた小規模な農場経営が可能であった。日系人の増加に伴って日本街が形成された。また、日系農業協同組合や日本人会が組織され、それらは日系社会において経済的にも社会的にも重要な役割を演じた。時間の経過とともに日系人の居住地は拡大し、多様な野菜類の栽培に従事するようになった。 第二次世界大戦中の強制収用に伴い、日系農業は中断を余儀なくされたが、戦後、日系人の帰還に伴って日系社会が再建された。しかし、都市化の進行によって、また、一世の高齢化に伴って、野菜栽培を中心とした日系農業は衰退した。戦後の日系経済の中心となったのは植木業と庭園業であった。日系植木生産者の多くは、ウエストロサンゼルスからの移転者であった。庭園業は戦前においても一世にとっての主要な業種であったが、戦後の日系人にとっても容易に就業できる業種であった。こうして、植木業と庭園業は戦後の日系社会の重要な産業となった。都心部からの日系人の流入に伴って、ガーデナ・トーランス地域の日系人口は増加した。 都市化の進行に伴ってガーデナ・トーランス地域の農業的土地利用は縮小を余儀なくされ、1980年代までには農地はほとんど消失していた。住宅地化、工業化が顕著であり、特にトーランス市にはトヨタ自動車をはじめとする日系企業の進出が著しい。最後まで存続したのが植木園(鉢植えの花壇苗、グリーンプランツ、鉢植えの花卉)の経営である。しかし、近年、日系の植木業はさらに衰退の危機に瀕している。日系4世の高学歴化が進み、後継者不足は深刻である。外的要因としては、都市化の圧力に加えて、経済の停滞、技術革新(例えば、プラグ方式の普及)、ラティーノ生産者の増加と競合、大型量販店の進出と低価格競争などの影響も深刻である。 2007年8月に行った現地調査により、限定された農業的土地利用の存続が明らかになった。それは、植木業の残存が認められたことである。小規模な植木園が依然として経営を続けており、特に、高圧送電線下の細長い土地を電力会社から借地することにより、鉢物類が栽培されている。また、特殊な残存形態として、日系農民がトーランス飛行場内に借地をして、トマト、イチゴ、とうもろこしを栽培する事例が確認された。農産物は道路に面した販売所で直売され、新鮮な商品を楽しむ常連に支えられて経営が維持されていた。 ロサンゼルス大都市圏は、経済活動、人種民族、文化景観において多様でダイナミックな地域である。今回の調査によって明らかとなったガーデナ・トーランス地域における土地利用の変化と日系農業の変化は、ロサンゼルス大都市圏のひとつの面を示している。こうした事例研究を蓄積することが重要である。
著者
百溪 三郎
出版者
財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化機病學會雜誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.51, no.11, pp.439-445, 1954

Many authors have reported on the change of liver catalase activity in relation to the growth of malignant tumors in the host and to the administration of drugs or substances extracted from cancer tissues.The author found that extracts from a placenta can cause reduction of liver catalase activity in mice when injected intraperitoneally.In the experiments, seasonal fluctuations of the liver catalase activity were also observed. This fact, is important in the research of liver catalase activity.<BR>In the experiments reported in this paper, liver catalase activity was measured periodically. With intention to investigate the productino, transportation, storage and consumption of catalase in the body, catalase activity of blood and brain were also measured periodically.<BR>1) There are seasonal fluctuations in liver, blood, and brain catalase activity.Liver and blood catalase activity has stable periods in summer and winter, and unstable periods in spring and autumn. The values of liver catalase activity are higher in summer, and those of blood are higher in winter contrary to that of liver. No stable period was found in brain catalase activity and their values are higher in summer similarly to that of liver.<BR>2) In following up their correlative relations, marked nagative correlations were found at certain time in the unstable period of the liver catalase activity.<BR>3) In summing up the correlative coefficients, negative correlations were dominant between blood and liver, and posititve correlations were dominant in other cases. This fact proved to be statistically significant.
著者
猪熊 浩子
出版者
日本監査研究学会
雑誌
現代監査 (ISSN:18832377)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.23, pp.75-86, 2013-03-31 (Released:2017-05-26)
参考文献数
19

国境を超えた企業活動が活発になることに伴い,会計基準・監査基準も世界標準化が求められ,会計プロフェッショナルにかかる教育や資格要件も国際化していく傾向にある。一方で,会計・監査制度が周辺の制度と密接な関係にある以上,各国の地域性が容易に解消されるわけではない。グローバル化とは単に制度の標準化・共通化を意味するだけでなく,絶えず地域性との摩擦と調和の下,進展していく過程であると考えられる。監査についてみれば,当面は各国固有の制度に基づく監査業務が重要である状況には変わりないとしても,会計基準・監査基準の国際標準化が進むにつれ,諸基準の標準化に対応して世界で活躍できる会計プロフェッショナルを育成していかなくてはならない。会計・監査制度は企業の活動基盤を支える社会的インフラであり,企業の国際競争力を支えている。今後,会計プロフェッショナルについても共通化や資格の相互承認が進展することが予想され,その時に備え会計プロフェッショナルにかかる確固たる将来像の構築が求められる。