著者
杉浦 実
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.61, no.8, pp.373-381, 2014-08-15 (Released:2014-09-30)
参考文献数
24
被引用文献数
5 8

Antioxidant micronutrients such as vitamins and carotenoids exist in abundance in fruits and vegetables and are known to contribute to the body’s defense against reactive oxygen species. Numerous recent epidemiologic studies have demonstrated that a high dietary consumption of fruits and vegetables rich in carotenoids or producing high serum carotenoid concentrations results in a decreased risk for certain cancers, diabetes, and cardiovascular disease. These epidemiologic studies have suggested that antioxidant carotenoids exert a protective effect against several lifestyle-related diseases. Beta-cryptoxanthin is a carotenoid pigment particularly found in Japanese mandarin (Citrus unshiu Marc.) fruit, which is heavily produced in Japan. Our nutritional epidemiologic survey, the Mikkabi Study, utilized data derived from health examinations involving inhabitants of the town of Mikkabi in Shizuoka, Japan. In this survey, we measured serum beta-cryptoxanthin as a specific bio-marker to estimate the consumption of Japanese mandarin fruit. The cross-sectional analyses of the Mikkabi Study indicated inverse associations between serum β-cryptoxanthin and the risk for atherosclerosis, insulin resistance, liver dysfunction, metabolic syndrome, low bone mineral density and oxidative stress. In this chapter, recent epidemiologic studies of the association between serum beta-cryptoxanthin and the risk for several lifestyle-related diseases are reviewed.
著者
白岩 正 谷口 省三 井川 明彦 樫間 裕司 黒川 秀基
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化学会誌 (ISSN:03694577)
巻号頁・発行日
vol.1983, no.11, pp.1617-1622, 1983

(±)-α-メチルベンジルアミンの有機酸塩のラセミ体構造を調べ,優先晶出法による光学分割の可能性について検討した。塩形成に用いた有機酸は,ベンゼンスルホン酸(BS),p-メチルベソゼンスルホン酸(MBS),p-エチルベンゼンスルホン酸(EBS),スルファニル酸(SU),p-t-ブチル安息香酸(TBB),フェノキシ酢酸(PA),イソ吉草酸(IVA),ビバル酸(PI),メタクリル酸(MC)および2,2-ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸(HMP)である。これらの有機酸塩のラセミ体と光学活性体の融点,溶解度および赤外吸収スペクトルの比較によってラセミ体構造を調べた。しかし,これらの方法では(±)-TBB塩のみがラセミ混合物であることが推定できただけで,その他の塩のラセミ体構造を推定することは困難であった。そこで,ラセミ体と光学活性体の融解エンタルピー(ΔHf)を比較し,さらにラセミ化合物の生成自由エネルギー(ΔGφ)を求めた。BS,MBS,EBS,SU,PA,MCおよびHMP塩においてはΔHf(±)>ΔHf(-)になったが,IVAならびにPI塩ではΔHf(±)<ΔHf(-)になった。しかし,これらの塩のΔGφ はすべて負の値を示したことから,その(±)-塩はいずれもラセミ化合物を形成していることがわかった。とくに,PI塩のΔGφ の絶対値はその他の塩のそれらにくらべてきわめて小さいので,(±)-PI塩は安定性の乏しいラセミ化合物であると推定されるTBB塩ではΔHf(±)<ΔHf(-)になり,ΔGφ の値も正の値を示したので,そのラセミ体はラセミ混合物であることが確認された。なお,以上の(±)一塩のラセミ体構造は,融点の二成分系状態図からも確認した。以上の結果から,(±)-TBB塩がラセミ混合物であることがわかったので,テトラヒドロフラン中,20℃で優先晶出法によって光学分割した。その結果,90%以上の光学純度の(-)-TBB塩を分割することができた。
著者
中野 允裕 石黒 勝彦 木村 昭悟 山田 武士 上田 修功
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 = IEICE technical report : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.286, pp.197-204, 2013-11-12

本稿では,関係データ解析への応用を目的として,無限サイズを持つ行列の長方形分割を行う確率過程について議論する.関係データ解析法の一つとして、与えられたデータを行列として表現し、その行列を少数の長方形クラスタに分割する手法が広く利用されている。長方形分割を表す確率的生成モデルとして従来Chinese restaurant processの積やMondrian processなどが用いられてきたが,これらは限られたクラスの長方形分割しか表現することが出来なかった.より一般に任意の長方形分割を生成しうる確率モデルとしてGilbert tessellationが知られているが,これは統計的な振る舞いの解析が困難であることが知られている.そこで本稿では,有限確率モデルの無限拡張によって長方形分割のための確率過程を構成する方法を提案する.はじめに,確率過程構成の常套手段であるKomogorovの拡張定理を用いた方法を示し,その問題点を明らかにした後,より洗練された構成法として有限のベイズ階層モデルに関する射影系をOrbanzの拡張定理によって無限拡張する方法を提案する.
出版者
日経BP社
雑誌
日経コンストラクション (ISSN:09153470)
巻号頁・発行日
no.679, pp.54-55, 2018-01-08

東京都は都道環状2号の新橋─豊洲間を、当初の予定より約2年遅れの今年12月中旬に暫定開通させる予定だ。2017年12月5日に開いた市場移転に関する関係局長会議で決めた(図1)。 20年夏に開催される東京五輪の関連施設の建設や都道環状2号の整備、築地から豊洲へ…
著者
新井 竜治
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.55, no.6, pp.85-94, 2009-03-31
被引用文献数
4

戦後日本の木製家具メーカー及びベッドメーカーの家具を評価する一つの有効な指標はグッドデザイン賞である。本研究では、先行研究文献資料及び日本産業デザイン振興会のグッドデザインファインダーにおける半世紀分のGマーク商品の精査により、以下のことが判明した。この間に選定された木製家具メーカー及びベッドメーカーの家具の大半は、戦後日本人の生活様式を大きく変えた脚物家具とベッドであった。秋田木工、天童木工、コスガ、ヤマカワラタン、飛騨産業、二葉工業といった主要木製家具メーカーは、社外デザイナーを積極的に活用しつつ、社内デザイン部門と連携して、主に脚物家具のデザイン開発に取り組んだ。その受賞時期は主に60年代であり、意匠はミッドセンチュリー・モダンスタイル及びジャパニーズ・モダンスタイルであった。また西川産業、フランスベッド、アイシン精機といった主要ベッドメーカー各社には強力な社内デザイン部門が存在しており、主に普通ベッドのデザイン開発に注力した。その受賞時期は主に80年代であった。
著者
池田智子 山下純子 小澤靖枝
雑誌
日本教育心理学会第59回総会
巻号頁・発行日
2017-09-27

問題と目的 村上(1986)は,抑うつ傾向と成功失敗事態での原因帰属のパターンの関係について検討を行い,抑うつ傾向が高いほど,自分の内的要因(能力・努力など)とは関係のない,自分にとって統制不可能な外的要因へ帰属することを報告している。また,平松(2003)は,対人的傷つきやすさは成功場面よりも失敗場面における原因帰属スタイルとの関係が強く,対人的に傷つきやすい人ほどその失敗が自分の内部に内在していると帰属しやすく,また失敗の原因は安定的で,普遍的であると考える傾向があると報告している。 さて,近年,教育現場,臨床現場等多くの場面で,さまざまな不適応的傾向から起こる不適応状態に陥っても,それに立ち向かう力としてのレジリエンス(resilience)という概念に注目が集まっている(小塩・中谷・金子・長峰, 2002)。抑うつ傾向や傷つきやすさといった不適応傾向にある者が特有の原因帰属のスタイルを持っているならば,レジリエントな状態にある者も,適応状態につながる特有の原因帰属のスタイルを持っていると予想される。そこで,本研究では,大学生のレジリエンス要因と原因帰属スタイル,そして人間行動の原因帰属をどれくらい多く行うかという帰属の量,言い換えれば,原因帰属の複雑性の関係について検討することを目的とした。方 法調査対象者 女子大学生121名(有効回答者)。質問紙1. 二次元レジリエンス要因尺度(BRS)(平野, 2010)21 項目に5件法で回答を求めた。2. 帰属複雑性尺度(佐藤・川端, 2012)28項目に7件法で回答を求めた。3. 原因帰属スタイル測定尺度(村上, 1989)学業達成領域と対人関係領域のそれぞれ成功場面と失敗場面5場面における,原因帰属の外在性,安定性,普遍性について7件法で回答を求めた。手続き 授業時間を利用して,集団で質問紙調査を行った。結果と考察 二次元レジリエンス要因尺度の得点を因子分析した結果,「楽観性」「行動力」「自己理解」「他者理解」の4因子が抽出された。各レジリエンス要因因子の得点と帰属複雑性尺度の得点,各原因帰属スタイルの得点間の相関分析の結果(Table1),レジリエンス要因因子の「自己理解」「他者理解」と主に対人領域での成功場面において正の関連が見られ,他者や自分を理解する自信が高いほど,対人関係がうまくいった原因を自分に帰属し,また,その原因は安定的だとみなしていることがわかった。また,このレジリエンス要因の「自己理解」と「他者理解」の2つの因子の得点と原因帰属の複雑性得点との間に正の相関がみられ, 自己や他者を理解する自信が高いほど,多くの原因帰属を行なうことがわかった。これらの結果から,レジリエンス要因の高い者に特徴的な原因帰属のスタイルと量があることが示唆された。
著者
原 郁水 都築 繁幸
出版者
愛知教育大学障害児教育講座
雑誌
障害者教育・福祉学研究 (ISSN:18833101)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.79-84, 2017-03

本研究は,小学5年生を対象に帰属スタイルがレジリエンスにどのような影響を及ぼすかを検討した。 レジリエンスは,未来志向,興味関心,感情調整の下位尺度からなる小学生用レジリエンス尺度を使用した。困難場面として友人トラブル場面と学業失敗場面の二つの場面を取り上げ,原因の所在(内-外)と永続性(一時的-永続的)の点から帰属スタイルを捉えた。その結果,1 )子どもの帰属のスタイルの分布においては,χ2検定の結果,有意差が認められ,偏りが認められた。場面に関わらず原因の所在において内的に帰属するものが多いことが示された。2 )原因の所在と永続性を独立変数,レジリエンスを従属変数とした二要因の分散分析を行ったところ, 友人トラブル場面では未来志向とレジリエンス合計において帰属の永続性の要因に主効果が認められた。学業失敗場面では興味関心とレジリエンス合計において帰属の永続性の要因に主効果が認められた。 これらのことから今後,レジリエンスを高める授業を行っていく際には,帰属スタイルの永続性の要因に着目していく必要があることが示唆された。
著者
笠井 昇
出版者
一般社団法人 画像電子学会
雑誌
画像電子学会研究会講演予稿
巻号頁・発行日
vol.13, pp.83, 2014

本作品はAfter Effectsのみを使用しているショートアニメーションです。人が作品を制作する際の苦悩を表現している。
著者
石坂 宏
出版者
社団法人 におい・かおり環境協会
雑誌
におい・かおり環境学会誌 (ISSN:13482904)
巻号頁・発行日
vol.42, no.2, pp.107-113, 2011-03-25 (Released:2016-04-01)
参考文献数
15
被引用文献数
1 1

シクラメンの園芸品種はCyclamen persicumの野生種の花の色,形,大きさを改良することにより育成されてきたが,C. persicumの育種において香りは改良されてこなかった.そこで,シクラメンの香りの育種を開始した.C. persicumの園芸品種とC. purpurascensの芳香性野生種の種間交雑によりC. purpurascensと同様の香りを発散する芳香シクラメン,‘麗しの香り’, ‘香りの舞い’および‘孤高の香り’を育成した.芳香シクラメンの香りはC. persicumの園芸品種に比較して大きく改善されたが,それらの花色の多様性は少なくなった.これまでに,芳香シクラメンの花色の多様性を増やすためにイオンビーム照射技術による突然変異育種を実施してきた.
著者
笠井 昇
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映情学技報 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.38, 2014

本作品はAfter Effectsのみを使用しているショートアニメーションです。人が作品を制作する際の苦悩を表現している。
著者
安藤 和代
出版者
日本マーケティング学会
雑誌
マーケティングジャーナル (ISSN:03897265)
巻号頁・発行日
vol.40, no.1, pp.96-106, 2020

<p>かつてハレクラニは,大衆的なバンガローホテルであった。およそ35年前に三井不動産株式会社のもとで再開業した際,その名前が意味する「天国にふさわしい館」に適したサービスを提供するラグジュアリーホテルとなることを目標にした。今日では高い評価を得ているハレクラニの高品質なサービスについて,サーバクションフレームワークに沿って分析し,物的な環境,サービス提供のプロセス,参加者の視点で考察した。また顧客が受け取る「サービス便益の束」を分解し,「コンティンジェントサービス」や「潜在的サービス」を提供するための工夫について確認した。顧客が体験するサービス経験をプロセスとして設計することに加えて,そうしたプロセスに,組織が共有する価値観を浸透させることの重要性を,同社の成功事例を通して浮かび上がらせる。</p>
著者
豊田 輝 高田 治実 菅沼 一男 芹田 透
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.Gc1040, 2012

【はじめに】 理学療法評価において歩行分析は,重要な手段として位置づけられ,特に義足歩行分析は切断者の残存機能を最大限に活かすためになくてはならない評価項目である.しかしながら,この義足歩行分析を的確に実施するために必要な情報の多くは,その現象の説明に留まっているのが現状である. そこで,義足歩行分析を熟練者はどのような方法で観察評価しているかを明らかにし,経験の浅い者の義足歩行評価技能向上の一助となる情報を提供することを目的とした.【方法】 切断者のリハビリテーションに5年以上従事している理学療法士10名(男性9名,女性1名,平均経験年数9.5±3.3年,以下熟練群)と同リハビリテーション従事年数が1年未満の理学療法士10名(男性7名,女性3名,平均経験年数0.1±0.2年,以下初心群)を対象とした. まず,筆者が作製した片側大腿切断者の10m直線歩行における正常歩行映像(ソケット不適合やアライメント異常がない状態の歩行映像)をスクリーンに投影させ観察させた.次に,2つの異常歩行映像(あるアライメント異常を筆者が意図的に設定した状態での異常歩行映像,課題1外側ホイップ,課題2側傾歩行)を分析し,3設問のアンケート(設問1.異常歩行の名称,設問2.その原因となる義足アライメント異常,設問3.その修正方法について)に回答することを事前に説明した.また,その義足歩行映像は対象者自身が課題ごとに「アンケート内容に回答できる」と判断するまで繰り返し流すことも説明した.その後の手順は,課題ごとに異常歩行映像をスクリーンに投影し,歩行分析させた.この際対象者は,眼球運動計測装置(モバイル型アイマークレコーダEMR-9,NAC社製,以下EMR-9)を装着した状態で,この映像をスクリーンから3m離れた位置で静止立位にて歩行分析を行った.また,歩行分析終了までの時間を評価所要時間として計測した.尚,アンケートには,歩行分析終了後に対象者自身で記入させた. 得られたデータの解析方法は,EMR-9によって歩行観察時の視野映像に注視点を表示させるとともに,解析ソフト(EMR-dFactory)によって視線軌跡及び停留点(0.1秒以上)の定量解析を行った.統計的手法としては,アンケート設問1の異常歩行名称正答率にはχ2検定を用い,評価所要時間にはMann-WhitneyのU検定を用いて検討した.また,いずれも危険率5%未満を有意水準とし,全ての分析にはPASW Statistics18を用いた.【倫理的配慮、説明と同意】 対象者には,本研究の趣旨を説明し同意を得た.また,本研究結果を個人が特定できる形で公表しないことも説明した.その他,映像作製に協力頂いた切断者にも本研究の趣旨を説明し同意を得た.【結果】 評価所要時間では,課題1で初心群が平均63,1±38.8秒,熟練群が6,2±1,3秒,課題2で初心群が平均65,0±34.9秒,熟練群が6,8±0,6秒であり,いずれも優位に熟練群が短時間で分析を終了していた.また,アンケート設問1の正答率は,初心群で10%,熟練群で100%であり,優位に熟練群が高い正答率であった.その他,EMR-dFactoryによる注視項目分析と停留点分析より,アンケート設問1を正答した者には,特定の異常歩行ごとに遊脚期,立脚期において共通した注視点,停留点及び注視順があることが明らかとなった.具体的には課題1では,遊脚初期において義足側足部と膝継手を注視及び停留しながら観察し,課題2では,遊脚期には義足側股関節周囲,膝継手及び足部を,立脚期には義足側肩関節周囲に注視及び停留しながら観察していた.一方,この設問に誤答した者は,異常歩行の種類,遊脚期,立脚期を問わず身体のあらゆる部位を無作為に観察しており,注視点,停留点及び注視順の全てにおいて分散した状態であった.【考察】 熟練群は初心群に比較し歩行分析に要する所要時間が優位に短く,正答率も優位に高かった.また,アンケート設問1に正答した者の注視点,停留点及び注視順は,共通したものであった.これらのことから,経験年数を重ねることで適切な分析が可能になる反面,初心者は,切断者に大きな負担をかけながら歩行分析を実施する可能性が高いことが示唆された.これでは,理学療法士全体の質が低下することに成りかねない. この問題解決のために,本研究の成果を教育方法のひとつとして活用できると考える.設問1で正答した者全てに共通する注視点,停留点及び注視順を抽出し,外側ホイップもしくは側傾歩行に対する歩行観察手順として示すことにより,理学療法士の卒前・後教育の資料として活用できると考える.【理学療法学研究としての意義】 義足歩行分析の教育的なひとつの方法論として,今回の研究成果は活用できると考える.これにより,初心者が外側ホイップもしくは側傾歩行の義足歩行分析を実施する際の有益な情報になることが示唆された.
著者
斎藤 一彦
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1619, pp.56-58, 2011-12-05

11月10日、常磐興産は今期の業績予想を発表した。2012年3月期は、売上高が前期比17%減の275億8000万円、純損益は93億9000万円の赤字になるという。主力の観光施設「スパリゾートハワイアンズ」は東京電力の福島第1原子力発電所からおよそ50kmのいわき市にある。専属の踊り子「フラガール」たちは原発事故後、1人も離脱せず、全国キャラバンを敢行して各地で大きな反響を呼んだ。
著者
曲沼 美恵
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.277, pp.15-21, 2007-10

ファッション業界の常識を破り、東京から離れた福島県いわき市で流行の婦人服を安価に作る。企業家としての負けん気が不可能を可能にした。取材・文◎曲沼美恵 写真◎尾苗 清構成◎中沢康彦(編集部)福島県いわき市のJR常磐線湯本駅は、映画『フラガール』の舞台になった常磐ハワイアンセンター(現スパリゾートハワイアンズ)の玄関口として知られる。