著者
植村 友里 松本 良恵 神 信人
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
pp.85.12015, (Released:2014-06-01)
参考文献数
26

Why do people behave altruistically toward others, even in situations where nobody would observe their behavior? We formulated the following hypothesis regarding this question: “Reputations are decided by behaviors in situations that nobody can observe, rather than by behaviors in situations that can be observed by others.” The validity of this hypothesis was examined through a Prisoner’s Dilemma experiment. In the first stage, participants played the Prisoner’s Dilemma game in a situation where nobody could observe them. In the second stage, participants selected another partner in the game, based on information about their behavior in the first stage. The results indicated that participants tended to choose people that behaved altruistically in situations where nobody could observe them. Furthermore, this tendency was stronger with cooperative participants. These results support the hypothesis of this study.
著者
McNamara Robert S.
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.882, pp.110-114, 1997-03-17

第2次世界大戦後の米国を代表するスーパーエリートとして著名。国防長官時代は,キューバ危機,ベトナム戦争の理論的支柱だった。一昨年,「ベトナム戦争は誤りだった」と発言し,世界的な話題に。米国では批判の多かったマクナマラ発言の真意はどこにあるのか。一昨年,私は米国で1冊の本を出版しました。
著者
赤尾 祐司
出版者
一般社団法人 日本時計学会
雑誌
マイクロメカトロニクス (ISSN:13438565)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.27-33, 2001-03-10 (Released:2017-11-09)

With the purpose of improving performance of lubricant at low temperature and unifying lubricants to be used, we made new synthetic lubricant for watch mechamism. In this paper, we selected ester oil among several kinds of synthetic oils. We found that ester, as base oil, was superior in performance at low temperature and cahracteristic of evaporation rate, which has three ester groups in one molecule synthesized with tri-methylopropane and alkyl acid. We defined that the viscosity of the above mentioned lubricant should be 15cSt to 1000cSt at its used temperature range(-30 to 80°C). We found by evaluating performance of watches that the consumption electric current and the voltage to start moving with the lubricant at the used temperature are both almost same as with the existing lubricants. We also found by evaluating durability by accelerating test that the performance of the train wheel movement for twenty years is almost same. From the above we can obtain the new lubricant for watches which is superior in performance at low temperature and which we can apply for every part in watches.
著者
高城 詠輝
出版者
尚美学園大学芸術情報学部
雑誌
尚美学園大学芸術情報研究 = Journal of Informatics for Arts, Shobi University (ISSN:18825370)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.31-43, 2018-10

新藤兼人の監督作品を、その映像を中心に考察し、新藤の長年の創作活動を支えてきた、彼の映画演出の技術を明らかにする。新藤兼人は多作な脚本家であるが、映画監督としての作品には、自らや周りの人間の実体験を作品化するといった共通点がある。そして、その作劇術は、近代劇から着想を得た映画冒頭からのドラマの展開、シチュエーションの繰り返しと差異等が挙げられる。それは同一アングルの繰り返しとして表れ、最後の作品である『一枚のハガキ』にも見られる。また、『一枚のハガキ』で登場人物と共にもう一つの主役としてクローズアップされるのが家そのものである。そして『裸の島』にもつながる天秤棒で水を運ぶラストシーンでは、大地が強調される。それは新藤自身の幼少期の記憶から再現されているならば、私小説的な映画と考えられる。

1 0 0 0 OA 小唄集

著者
蓼胡蝶 編
出版者
館なか
巻号頁・発行日
vol.下, 1938
著者
麻生 良文
出版者
岩波書店
雑誌
経済研究 (ISSN:00229733)
巻号頁・発行日
vol.51, no.2, pp.152-161, 2000-04

この論文では厚生省が1997年に発表した「5つの選択肢」および1999年度改正案がどのような所得移転をもたらすのかを分析した.分析の結果,次のことが明らかになった.まず,(1)5つの選択肢のどの案が採用されるかで大きな影響を受ける二つのグループが存在する.一つは1980年生まれ以降の世代(将来世代)であり,もう一つのグループは1940年から1970年生まれの世代(移行期世代)である.(2)将来世代にとっては A 案(現状の給付水準を維持する案)がもっとも不利で,D 案(給付水準を4割削減する案)が有利である.しかし,移行期の世代にとっては A 案が有利で D 案は不利である.(3)厚生年金の1999年度改正案は C 案とほぼ等しい内容である.この案のもとで,負担と給付が均衡する世代は1960年生まれの世代であり,それ以降の世代は負担が給付を上回っている.将来世代とっては生涯所得の10%程度が厚生年金を通じて取り上げられている.(4)厚生年金制度は労働供給に対して暗黙の課税を行っているが,暗黙の税率は将来世代ほど大きい.(5)国民年金の所得移転は厚生年金に比べれば小さいが,やはり世代間格差が存在する.負担と給付がほぼ均衡するのは1975年生まれの世代であり,それ以降の世代は負担超過である.将来世代の負担は夫婦合計で生涯所得の3%程度である.
著者
薄井 智貴
出版者
日本徒手理学療法学会
雑誌
徒手理学療法 (ISSN:13469223)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.27-31, 2019

<p>近年, 世界的に医療技術が発達する中,理学療法士の立場を見直そうという改革があった。その先頭に立った国がアメリカである。アメリカの理学療法教育は元来,学士,修士, 博士のプログラムが混在していたが,2015 年の改革にて博士レベルであるDoctor of Physical Therapy(DPT)のみとなった。現在ではイギリスやオーストラリアでもDPT プログラムは普及している。教育水準の向上に伴い入学条件は厳しくなったが,現場でのインターンシップや観察実習などプログラムは充実した。さらにアメリカの理学療法にはスペシャリストという資格制度が存在し,整形外科や小児科,スポーツなど自身の極めたい分野に特化することができる。さらにこの改革にてアメリカ全50州にて理学療法士が医師を介さず独自に診断や治療ができる権利(Direct Access)が認められ,各分野における理学療法士の社会的地位の向上が顕著になった。</p>
著者
Chao-Chieh CHEN Jane-Chi WU Bruno Andreas WALTHER Po-Jen CHIANG
出版者
The Ornithological Society of Japan
雑誌
ORNITHOLOGICAL SCIENCE (ISSN:13470558)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.135-144, 2020 (Released:2020-07-29)
参考文献数
35
被引用文献数
2

Detecting different bird species requires different and appropriate surveying methods. We tested a new detection method for the Tataka Area in Yushan National Park, Taiwan, which is an important alpine stopover site for migratory landbirds. Numerous migrant species have previously been reported from this area during bird counts and banding operations. However, these traditional survey methods are incapable of detecting nocturnal migrants. Therefore, we applied acoustic monitoring devices to survey the flight calls of nocturnal migrants in the Tataka Area in order to identify the species and estimate their detection rate. We set up acoustic recorders at five recording stations twice a month during September, October and November, and once in December 2014. We identified 18 nocturnal migrant taxa from 801 hours of recordings. The Black-crowned Night Heron Nycticorax nycticorax was the most frequently recorded species, followed by thrushes (Turdus spp.) and the Brown Shrike Lanius cristatus. Passages of nocturnal migrants occurred during every hour of the night, but with a significantly higher detection rate during the period from 2000 to 2300. Detection rates also varied significantly among months and recording stations. Significantly higher detection rates were recorded in September and October than in November and December. The recording station on a ridge detected significantly fewer birds than the other four recording stations situated in or near valleys. This suggests that nocturnal migrants use lower-lying stream valleys in order to pass over mountain ridges at the lowest possible point. This study provides the first evidence to demonstrate that, besides landbird migrants, many shorebird species and even kingfishers migrate through alpine areas at night when they pass over Taiwan Island during autumn migration.
著者
福井 美苗 本田 順子 法橋 尚宏
出版者
一般社団法人 日本小児看護学会
雑誌
日本小児看護学会誌 (ISSN:13449923)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.29-35, 2016

家族を1つのシステムユニットとして捉え、こどもの長期入院に伴う家族役割の変化から生じる家族ストレスと家族のストレスコーピング行動を明らかにすることを本研究の目的とし、6家族の夫婦合計12名に半構成面接を実施した。その結果、こどもの長期入院による家族役割の変化に伴う家族のストレス要因として、【病児への接し方に関する戸惑い】【病児のきょうだいに対する気がかりや葛藤】【家事役割の変化と遂行】など、7つのカテゴリが抽出された。また、それから生じるストレスに対処するための家族のコーピング行動として、【家族内コミュニケーションを増やす】【友人・ピアと交流する】【医療者から支援を受ける】など、7つのカテゴリが抽出された。長期入院するこどもとその家族を支援するには、家族員個人への支援だけでなく、家族がもつストレス要因を除去または軽減させることや家族のストレスコーピング行動を促す支援が必要である。

1 0 0 0 OA 随筆民話

著者
高田十郎 著
出版者
桑名文星堂
巻号頁・発行日
1943
著者
藤田 智子 坂本 有芳
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.66, 2014

<b>目的</b> 共働き世帯が子の発達段階に応じた生活設計を行なうために必要なことを明らかにするため、子の発達に伴い、夫婦の家事遂行状況がどのように変化するのかを検討する。<br><b>方法</b> 東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県に居住する、末子が中学生以下の有配偶女性を対象に、Webアンケート調査を行い、得られた個票データを統計的に分析する。層化無作為抽出法を用い、株式会社マイボイスコムの登録モニターより、末子学齢別の就業率に応じた比例割り当てをおこなった。実施は2013年9月、有効回収数502人、有効回収率30.2%である。<br><b>結果</b> 末子学齢によって、夫婦の家事遂行状況がどのように変化するか、夫婦の「家事頻度」「夫の分担割合」「家事育児の外部化」、妻の夫への「家事促進行動」の単純集計、相関分析、分散分析により検討した。夫婦合計の家事頻度は長子よりも末子年齢による差がみられ、最も高いのは末子が0~2歳と小学4~6年生の時点である。夫婦合計家事頻度を100とした夫の相対頻度は12%であり、末子学齢が0~2歳のときに最も高いが有意な差はみられなかった。家事育児の外部化はほとんど行なわれていなかった。夫への促進行動をする妻は全体の半数程度であり、妻の促進行動が多いほど夫の家事分担割合は高かった。夫に対して家事促進行動をする妻には、家事・育児を外部化している、末子の学齢が低いという特徴がみられた。<br> なお、本研究は、お茶の水女子大学・社会連携室外部受託研究(代表者:石井クンツ昌子)の一部である「子の発達段階に応じたキャリア・デザイン研究会」(代表者:坂本有芳)の一環として実施した調査に基づく。
著者
西澤 智明 杉本 伸夫
出版者
日本エアロゾル学会
雑誌
エアロゾル研究 (ISSN:09122834)
巻号頁・発行日
vol.24, no.4, pp.242-249, 2009-12-20 (Released:2009-12-25)
参考文献数
26
被引用文献数
2

Vertical distributions of aerosol optical properties derived from lidar measurements are essential information for evaluating climate change. The recent development of lidar, communication, and computer technologies has enabled us to conduct ground-based network observations and satellite borne, ship borne, and airborne measurements with multichannel lidar. These lidar observations and related data analyses have provided detailed aerosol information. This paper reports the current status of aerosol observations conducted with lidars by the National Institute for Environmental Studies (NIES) and those performed around the world. Several up-to-date developed algorithms that estimate aerosol optical and microphysical properties using multichannel lidar data are also reported. NIES future strategies for lidar observation and aerosol retrieval algorithms are also presented based on the current status.
著者
宇都宮 健 菊池 直士 横田 和也 高野 祐護 宮崎 幸政 井上 三四郎 谷口 博信 阿久根 広宣
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.62, no.2, pp.241-247, 2013-03-25 (Released:2013-06-11)
参考文献数
24

本疾患は1970年Maroteuxが初めて報告した.手指に紡錘形の腫脹・熱感・疼痛を生じるが,数カ月の経過で自然軽快し予後は良好とされる.生後2カ月-15歳に好発し,寒冷期に多い.血液検査では炎症反応は認めない場合が多く,単純X線写真で中節骨に1mm大の小透亮像を多数有することが特徴である.今回本疾患と思われた3症例を経験したので報告する.
著者
湖山 昌男 石山 直欣 渡邊 郁馬 佐藤 亨 腰原 好 牧野 正義
出版者
Japanese Society of Gerodontology
雑誌
老年歯科医学 (ISSN:09143866)
巻号頁・発行日
vol.6, no.2, pp.126-131, 1992

従来咀嚼能力の測定には様々なものが考案されている。しかしこれらは日常の食生活を考慮した測定方法とは必ずしもいえない。老年者に対する歯科医療の現場では「食べたいものが噛めない」という患者の声は切実であり, 日常の食事における食品と対応した咀嚼能力の判定が必要であると考えられる。そこで今回われわれは, 義歯に対して付着性が低く, 安心して食べることができ, 診療室内で簡単に咀嚼能力を判定できるものとしてゼリーを用い, 日常食品の物性に対応した試料の作製を試みた (G-1ゼリー) 。<BR>試料のゲル化剤には寒天とゼラチンを使用した。外形は13mm角の立方体であり, 一口では飲み込めない大きさを考慮した。物性については柳沢らの「咀嚼筋活動量による食物分類」を用いた。10のランクに分けられた食品群のうち, 実用的な最低ランク2と最高ランク10, そして中間の3つのランクを選び, 5段階の試料を作製した。味については, 一般的に好き嫌いが少ないと思われる柑橘系にした。この試料に対して健常成人10人による官能試験と当科外来患者24人に臨床試験を行った。その結果今回の試料が食品と対応し, 臨床的に簡便で有効な試料であることが確認された。
著者
小川 彰 伊藤 陽子 森原 寛子 金棒 優美 黒川 賢三 國廣 和恵 橋本 展幸 小泉 幸毅 宮岡 秀子
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2003, pp.E0981-E0981, 2004

【目的】回復期病棟に入院する患者は発症から間もない方が多い。そのため身体機能面の問題に加え、心理的問題も抱えていると推測される。そこで今回、回復期病棟における入院患者の心理状況を把握する目的で調査・分析した。<BR>【対象】H15年11月19日時点の当院回復期病棟入院患者40名(当該病棟料非算定者、失語症により有効回答不能、HDS-R20点以下、アンケート実施による心理面への影響が予測される者は除外)を対象者とした。40名(男21名、女19名)の平均年齢は64.9歳、主疾患は脳血管疾患29名、整形疾患9名、その他2名であり、発症から調査日までの期間は平均97.2日、Barthel Index(以下B.I)は平均81.1点、日常生活自立度はJランク10名、A19名、B11名であった。<BR>【方法】1.精神心理面を把握する指標として、意欲低下の程度はSDS(自己評価式抑うつ尺度)、生活の質はQUIK(自己記入式QOL質問表)でアンケート調査した。SDSは20の質問(満点80点)からなり、点数が高い程うつ状態は重い。QUIKは50項目(満点50点)からなり、点数が高い程生活の質が低く、その程度は「きわめて良好」から「きわめて不良」までの6段階に分類され、更に身体関係、情緒適応、対人関係、生活目標の4尺度に分類されている。なお、身体関係尺度のみ20点満点のため10点満点に換算した。2.SDSを基にうつの有無で年齢、発症からの期間、疾患、麻痺別、B.I、日常生活自立度等からなる基本情報とQUIKを比較、分析した。3.うつの程度を正常、軽度うつ、中程度うつの3段階で比較、分析した。【結果】1.SDS平均42.9点、正常13名(32.5%)、軽度うつ16名(40%)、中程度うつ11名(27.5%)であった。QUIK平均17.1点、6段階のうちきわめて良好0名、良好2名(5%)、普通8名(20%)、いくぶん不良11名(27.5%)、不良16名(40%)、きわめて不良3名(7.5%)であった。項目別の平均は身体関係尺度3.4点、情緒適応尺度3.5点、対人関係尺度2.7点、生活目標尺度4.1点であった。2.SDSを基にうつの有無で比較すると平均年齢は無68.8歳・有63歳、発症からの期間は無89.7日・有100.8日、QUIKは無10.4点・有20.3点であった。片麻痺ではうつ無9名中右片麻痺4名(44.4%)、うつ有22名中右片麻痺14名(63.6%)であった。3.うつの程度で比較するとB.Iは正常85.4点、軽度うつ84.4点、中程度うつ71.4点。QUIKは正常10.4点、軽度うつ16.8点、中程度うつ25.5点であった。<BR>【考察】40名の7割弱がうつ状態にあり、また7割強が生活の質を不良と感じていることが確認された。QUIKの4尺度では大差無く、多種多様の悩みを抱えていることが分かった。うつ状態は年齢が比較的若く、発症から3ヶ月以上、右片麻痺の者、また能力が低い者ほどうつの程度が重く、生活の質も低い傾向にあった。またうつ状態でない者でも、生活の質は低い傾向にあった。以上より回復期病棟では、身体機能面への治療のみならず、誰もが心理的不安を抱えているという視点での関わりが必要である。
著者
奥谷 喬司 上村 清幸
出版者
The Malacological Society of Japan
雑誌
貝類学雑誌 (ISSN:00423580)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.39-_47-2_, 1973-07-31 (Released:2018-01-31)

房総半島勝浦沖南東10&acd;20浬に形成されるスルメイカ漁場から, 当業者が"アブライカ"と通称しているイカが屡々混獲される。著者の一人, 上村が1972年8月, 10月, 12月に同漁場の漁獲物中から見出した"アブライカ"の9標本(5♂, 4♀)につき研究した結果, これが日本未記録属Nototodarus PFEFFER, 1912に属する未記載の一種と判明したので, ここにNototodarus nipponicus n. sp.の新名を与え記載した。和名にはアブライカを採用したい。Nototodarus属とした根拠は, (1)漏斗溝に, 縦襞しかない(Todarodinaeの特徴), (2)側腕大吸盤角質環上の歯のうち最外縁の1歯が他のものより著るしく大きい, (3)両腹腕とも交接腕として変形していることである。同属には4既知種(N. sloani (GRAY)=属模式, ニュージランド&acd;フィジイ;N. gouldi (MCCOY)タスマニア&acd;オーストラリア;N. hawaiiensis (BERRY)ハワイ;N.philippinensis Vossフィリッピン&acd;南シナ海)があるが, 本新種は, それらとは(1)外套膜表面に一種のモザイク様又は小鱗様の彫刻がある, (2)外套膜が太短い, (3)鰭幅が外套長の70%に及ぶ, (4)鰭の後縁角が著るしく大きく, 120°&acd;130°であるなどの点から容易に区別される。なお, これらの特徴のうち(1)は, 本種の属するアカイカ科Ommastrephidae中には他の例を見ない。本新種に関して生物学的知見はほとんどない。しかし, これが勝浦南東沖を中心とする10&acd;20浬の大陸棚縁辺部に形成されるスルメイカ漁場から混獲される所から見ると, 1972年は黒潮の接岸傾向が強く, 魚群の滞泳する深度100&acd;250mの範囲は夏冬を通じて20°&acd;11℃(中心15℃)にあったので, 本新種もほぼこの付近に分布するものと考えられる。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1555, pp.54-58, 2010-08-30

この夏、映像・音楽のレンタル店「TSUTAYA」が発行するメルマガ読者の元には、こんな内容のメールが送られてきた。ある映画作品を紹介するキャンペーンの宣伝文だが、その作品名を見て多くのメルマガ読者は「?」と思ったに違いない。 作品名は「ジャガーノート」。英国の原作を米国人監督が製作したサスペンスアクション映画で、その公開は1974年にさかのぼる。