著者
田中 信徳
出版者
公益社団法人 日本植物学会
雑誌
植物学雑誌 (ISSN:0006808X)
巻号頁・発行日
vol.55, no.650, pp.55-65, 1941
被引用文献数
15

本報ニ於テハはたがや (<i>Bulbostylis barbata</i>), かはらすがな? (<i>Cyperus sanguinolentus</i>), こしんじゅがや (<i>Scleria tesselata</i>), ひめくぐ (<i>Kyllingia brevifolia</i> var. <i>leiolepis</i>), いぬのはなひげ (<i>Rhyncospora japonica</i>)ノ5種ニツキ其染色體數ト花粉發達トヲ記シタ。染色體數ハはたがやn=5, かはらすがなn=24, こしんじゅがやn=14, ひめくぐn=60, いぬのはなひげn=31デアル。<br>いぬのはなひげヲ除イタ4種ニ於テハ本科特有ノ花粉發達ガ見ラレタ。即チ減數分裂ニヨツテ生ジタ4核ノ内, 楔形ヲナシテヰル花粉母細胞内ニテ最外側ニ位置スル1核ノミ花粉核トシテ生長シ, 他ノ3核ハ母細胞ノ内方隅ニ押込メラレテ退化スル (コレラノ内方隅ニテ退化スル3核ヲ&ldquo;<b>先端核</b>&rdquo;ト名付ケル)。花粉核ハヤガテ花粉第一分裂ヲ行ヒ内方ニ生殖核, 外方ニ榮養核ヲツクル。前者ハソノ周園ニ發達シテクル隔膜形成體ノ融含ニヨツテ生殖細胞トナル。<br>所ガいぬのはなひげニ於テハ4核ノ内3核ガ退化スルコトニハ變リガナイガ, 母細胞ノ内方隅ニ於テデハナク, ソノ反對側ノ廣イ場所即チ楔形細胞ノ底面ニ於テ退化スル(コノ場合ノ退化スル3核ヲ前記ノ先端核ト區別シテ&ldquo;<b>底位核</b>&rdquo;ト名付ケル)。コノ新事實ハ從來本科ノ花粉發達ガ被子植物群中全ク他トカケハナレテ居リ, 相互間ノ關係ガ不明デアツタノニ對シテ一ツノ手懸リヲ與ヘタモノトシテ意義ガ大キイ。即チ花粉發達過程ノ細胞學的見地ヨリ見ル時, 本科ニ最モ近似ノ花粉發達型ヲ有スルとうしんさう科(Juncaceae)ト系統的ニ近縁デアルコトガ知ラレタノデアル。とうしんさう科デハ4核ノ内3核ハ母細胞ノ外側ノ廣イ場所ニ移動シ&ldquo;底位核&rdquo;トナリ, 生殘ル1核ハ母細胞ノ中央ニ殘リ花粉核トナル(とうしんさう科デハコノ生キ殘ル花粉核ヲ漫然ト&ldquo;先端核&rdquo;ト呼ンデヰルガ,&ldquo;花粉核&rdquo;ト呼ブベキデアル)。コノ底位核ハ丁度いぬのはなひげノ退化スル3核ニ相當スル かやつりぐさ科ノ先端核或ヒバ底位核ハ殆ド分裂セズ, 稀ニ分裂シテモ再ピ一ツニ融合シテシマフガ, とうしんさう科ノ底位核ハ明ラカニ花粉第一分裂ヲ行ツテ生殖核ト榮養核トニナル然シ花粉四分子ニマデ分化スルコトナク, 結局1個ノ退化花粉四分子型ノ花粉トナル。換言スレバいぬのはなひげノ花粉發達ハとうしんさう科ノソレヨリ退化ガ更ニ一歩進ンデヰルモノト言ヘヨウ, ソシテ底位核ノ更ニ退化シ状態ガすげ屬ほたるゐ屬等ノ光端核ト考ヘラレル。<br>本科ノ花粉發達ハ現在マデ9屬ニ就イテ研究報告セラレテヰルガ, 4核ノ内3核ガ退化スルコトハ凡ベテニ共通デアルガ, ソノ退化ノ程度ニ僅カヅツノ差ガアリ, ソノ程度ハ染色體基本數ト聯關スル傾向ガアル。
著者
高見澤 一裕
出版者
Osaka Urban Living and Health Association
雑誌
生活衛生 (ISSN:05824176)
巻号頁・発行日
vol.52, no.5, pp.267-273, 2008-10-30 (Released:2008-11-11)
参考文献数
3

This is an interpretative article for better understanding of trends in bioethanol, starting from the historical background of the primary energy requirements indicated in the 2nd IPCC Report. Methods for production of bioethanol from biomass are briefly described with emphasis on the advantages of enzymatic decomposition of biomass, especially soft cellulosic biomass. The energy efficiency of bioethanol production from soft biomass is computed using results obtained from a model study in which the ethanol raw material was cut grass from golf courses. The role of mega-cities as producers of bioethanol and related new energy forms are also discussed.
著者
長澤明範
雑誌
BMTh
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.85-87, 1985
被引用文献数
1
著者
神山 敦
出版者
日本信頼性学会
雑誌
日本信頼性学会誌 信頼性 (ISSN:09192697)
巻号頁・発行日
vol.40, no.4, pp.196-203, 2018 (Released:2019-12-02)

モバイル製品に搭載されているリチウムイオン電池(LIB)の事故件数に増加傾向が見受けられる. モバイルバッテリー,スマートフォン,ノートパソコンの事故等,LIB が関係する製品事故,LIB の構 造及び特徴について,製品安全の観点から解説する.
著者
由比 ヨシ子 浅沼 アサ子 伊東 清枝
出版者
昭和女子大学
雑誌
學苑 (ISSN:13480103)
巻号頁・発行日
vol.770, pp.74-80, 2004-12-01

本報では,食品,調理,献立作成,食品の分量知識について調査AとBの比較を行った。1)食品の利用法に関しては,小学校5年〜中学校3年に至るまで,伝統的な食品の正答率はAが高くBでは低かった。逆に比較的新しい食品であるバターやハム,ソーセージ等に関しては,Bが高くAが低下傾向を示した。しかし,伝統的な食品であっても,家庭科の調理実習教材として取り上げられている"にぼし,かつおぶし,とうふ"についてはA・B間の有意差もなく正答率もかなり高かった。加工食品の原料に関しては,利用法と同様に伝統的な食品の正答率はAが高く,Bでは特に"にぼし,きなこ,しん粉,やきふ"が低かった。にぼしは,利用法の設問で高い正答率を示したが,その原料に関しては小学校5年〜中学校3年に至るまで理解度に変化は見られず平均5%前後であった。またハムやソーセージ,バターについてはやはりBが高い傾向を示した。2)調理では,まず青菜のひたしの作り方を見ると,正答率は全体に低く,A・B間の有意差も見られず,中学校3年で約50%程度である。また,その他の野菜を見ると,更に低く中学校3年女子ですら40%に満たない状況であり,調理法の知識に関しては高いとはいえない。3)献立作成に関しては,みそ汁の実と昼食の弁当のおかずを選択するものである。みそ汁の実については中学校全段階において,Bが圧倒的に高く,献立作成と栄養素の働きを結びつけた指導の成果がうかがえた。昼食の弁当のおかずに関しては,調査当時状況の中では設問自体が適切ではなかったようである。4)食品の分量に関する知識は,A・Bとも正答率は低く,それぞれにマイナス要因が考えられた。つまりAでは,計量単位の不統一と計量指導が不十分であった。Bでは計量指導後の応用や活用の機会が不足していることが上げられる。特にBにおいては,中学校3年になっても50%の正答率も得られない状況から,まず食生活の指導の課題でもある"なにをどれだけ食べたらよいか"の具体化のためにも指導法の研究が必要であったであろう。
著者
奥 恒行 岡松 洋 藤井 康弘
出版者
Japanese Association for Dietary Fiber Research
雑誌
日本食物繊維研究会誌 (ISSN:13431994)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.29-35, 2000-07-28 (Released:2010-06-28)
参考文献数
17

We studied the effects of polydextrose (PD) on fecal weight andgastrointestinal transit time by the Latinsquare method in a cross-over fasionusing 9 male beagle dogs. Animals were divided to 3 groups; control group (PD free), PD 2.5% group and PD 5.0% group and fed with each diet for 11 days withthe wash out period of 7 days . Body weight gain, food intake and water intakewere not affected by polydextrose ingestion. The fecal weight was increased significantly in PD 5.0% group in compared with that of the control group. Also, the hardness of feces was softer in the groups fed PD than in the control group. However, the gastrointestinal transit time was not affected significantly by PD ingestion. These results suggest that PD is one of the dietary fibers which improve on defecation and fecal status.
著者
土屋 礼子
雑誌
人文研究 (ISSN:04913329)
巻号頁・発行日
vol.51, no.9, pp.45-63, 1999-12

1)はじめに : 明治十七年(1884)に, 『今日新聞』と『警察新報』という二つの新たな小新聞(こしんぶん)が東京で誕生した。両紙はいづれも, それまでの小新聞にない新たな試みを行い, 後にそれぞれ『都新聞』と『やまと新聞』と改められて, 第二次世界大戦期まで存続する新聞の出発点となった。……
著者
早川 峻平 山口 実靖
雑誌
第80回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2018, no.1, pp.425-426, 2018-03-13

近年、電子メールやWeb、画像などの非構造化データの量が増大してきている。膨大なデータを管理するシステムとしてオブジェクトストレージがある。オブジェクトストレージは、データをオブジェクト単位で扱い、ディレクトリのような階層構造を用いず、個々のデータをURIで管理する。本発表では、オブジェクトストレージにおけるオブジェクト数と性能についての考察を行う。
著者
吉田 正章
出版者
一般社団法人 日本数学会
雑誌
数学 (ISSN:0039470X)
巻号頁・発行日
vol.40, no.1, pp.36-46, 1988-02-18 (Released:2008-12-25)
参考文献数
17
著者
田邊 史 小宮 節郎 瀬戸口 啓夫
出版者
鹿児島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

細胞はヒトiPS細胞から樹立された神経幹細胞AF22を使用した。1%O2下では20% O2下と比較してオートファジーのマーカーであるLC3-IIの発現が亢進した。またオートファジー活性剤であるLiClの投与で1% O2,20% O2ともにAF22の細胞増殖能が亢進することがWST assayで示された。さらに他のオートファジー亢進剤であるラパマイシンの投与でも同様に1% O2,20% O2ともにAF22の細胞増殖能が亢進することがWST assayで示された。低酸素で培養した際のヒトiPS細胞由来AF22の分化能を検討したが20% O2と比較して1% O2では分化能に影響がないことが示された。