著者
イウ マンイー
出版者
広島大学比較論理学プロジェクト研究センター
雑誌
比較論理学研究 (ISSN:18806376)
巻号頁・発行日
no.4, pp.19-29, 2007-06-24

広島大学比較論理学プロジェクト研究センター研究成果報告書(2006年度)
著者
大草 輝政
出版者
京都大学西洋古代哲学史研究室
雑誌
古代哲学研究室紀要 (ISSN:0918161X)
巻号頁・発行日
no.11, pp.1-9, 2001

この論文は国立情報学研究所の学術雑誌公開支援事業により電子化されました。
著者
片野 智子
出版者
日本近代文学会
雑誌
日本近代文学 (ISSN:05493749)
巻号頁・発行日
vol.99, pp.64-79, 2018

<p>本稿では、『聖少女』における「ぼく」とその姉、未紀とその父による二つの近親相姦を比較することで、少女が実の父への近親相姦的欲望を諦めることで父に似た別の男性と結婚するという、女性のエディプス・コンプレックスの克服を無批判に描いているかに見えるこの作品が、実はマゾヒストたる未紀が自らの求める苦痛=快楽のために父への近親愛や近親相姦の禁止という〈法〉さえも利用するラディカルな物語であることを明らかにした。更に、未紀は苦痛=快楽を得るために「ぼく」との結婚をマゾヒズム的な契約関係へすり替えもする。そうした未紀のマゾヒズムは、近親相姦の禁止という〈法〉が実は父権的な家族を維持するためのシステムにすぎないことを暴くと共に、男性中心的な快楽のありようや結婚という制度を内側から解体していく契機を孕んでいることを示した。</p>
著者
伊藤 弘 仲谷 寛 沼部 幸博 鴨井 久一 辰已 順一 栗原 徳善 渡辺 幸男 池田 克已
出版者
特定非営利活動法人 日本歯周病学会
雑誌
日本歯周病学会会誌 (ISSN:03850110)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, pp.417-428, 1993-06-28 (Released:2010-08-25)
参考文献数
36
被引用文献数
2 1

本研究の目的は, 垂直性骨欠損においてコラーゲンより精製した吸収性膜を組織再生誘導法 (GTR法) に応用し, 臨床的な評価を検索することである。慢性辺縁性歯周炎と診断され, 歯周初期治療終了後, 外科処置の必要性がある垂直性骨欠損を有する31名の患者に対してGTR法を応用した。GTR法は通常のフラップ手術に準じて行った。すなわち, 粘膜骨膜弁にて剥離, 翻転した後, 骨欠損部にコラーゲン膜を完全に覆うように調整し, 歯肉弁を復位し縫合を行った。術後3カ月, 6カ月に各々臨床評価を行った。その結果, 術後3カ月では術前と比較して骨変化量は, 1.15mmの増加, 付着の獲得量は, 1.52±1.81mmの増加, また, ボケットの深さは2.75±1.54mmの減少を認めた。術後6カ月では術前と比較して骨変化量は, 1 . 26mmの増加, 付着の獲得量は, 1.68±1.75mmの増加, また, ポケットの深さは2.84±1.54mmの減少を認めた。以上の結果より, 歯周組織の再生を目的としたGTR法におけるコラーゲン膜の応用は有用な処置方法であることが示唆された。
著者
林 優一
出版者
一般社団法人 電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会 基礎・境界ソサイエティ Fundamentals Review (ISSN:18820875)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.28-37, 2019-07-01 (Released:2019-07-01)
参考文献数
13

情報セキュリティ確保に関する重要性が日々増大する中,上位レイヤにおけるセキュリティ確保と同様,物理層におけるセキュリティ確保の重要性も高まっている.近年の計測器の高精度化・低価格化,計算機の高速化と記憶装置の大容量化に伴い,従来では技術的に困難だった高度な攻撃の脅威が増大しており,こうした脅威は軍事・外交分野のみならず民生品へと拡大している.本稿では,物理層におけるセキュリティの中でも,攻撃の痕跡が残り難いため,その脅威の検出が困難とされる電磁波を通じたセキュリティ(電磁情報セキュリティ)の問題に焦点を当て,民生用機器にも拡大している電磁波を通じた情報漏えいの脅威について解説するとともに,情報漏えいのメカニズム,そして,メカニズムに基づく上位レイヤのプロトコルやアプリケーションに依存しない情報機器全般に適用可能な漏えい情報の計測を困難化する対策手法を紹介する.

1 0 0 0 OA のりもの

著者
木俣武 著
出版者
鈴木仁成堂
巻号頁・発行日
vol.2, 1950
著者
岡本 芳晴 大﨑 智弘 東 和生 伊藤 典彦 柄 武志 今川 智敬 菅波 晃子 田村 裕
出版者
Japan Society for Laser Surgery and Medicine
雑誌
日本レーザー医学会誌 (ISSN:02886200)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.46-50, 2014-05-15 (Released:2015-09-09)
参考文献数
9
被引用文献数
1

我々はインドシアニングリーン(ICG)をリン脂質成分に結合させたICG修飾リポソーム(ICG-lipo)を開発した.今回は深部腫瘍15例に対し,ICG-lipo(抗がん剤等内包)を点滴投与後,近赤外線光源装置または半導体レーザーを用いて患部に20-60分間光照射した.照射間隔は毎日~週3日で実施した.Response Evaluation Criteria in Solid Tumors (RECIST)に基づく判定結果はCR:1 例,PR:8例,SD:5例,PD:1例であった.PR,SD症例は全例QOLの改善がみられた.15例いずれも重篤な副作用は確認されなかった.

1 0 0 0 OA 折々くさ

著者
建部綾足 著
出版者
富山房
巻号頁・発行日
1908
著者
Wataru Aoi Takashi Maoka Ryo Abe Mayuko Fujishita Kumi Tominaga
出版者
SOCIETY FOR FREE RADICAL RESEARCH JAPAN
雑誌
Journal of Clinical Biochemistry and Nutrition (ISSN:09120009)
巻号頁・発行日
vol.62, no.2, pp.161-166, 2018 (Released:2018-03-01)
参考文献数
44
被引用文献数
34

Astaxanthin, a natural antioxidant, exists in non-esterified and esterified forms. Although it is known that astaxanthin can improve exercise endurance and cause metabolic improvement in skeletal muscle, the effects of the two different forms are unclear. We investigated the effects of the different forms of astaxanthin on endurance in mice. Eight-week-old ICR mice were divided into four groups: control; astaxanthin extracted from Haematococcus pluvialis in an esterified form; astaxanthin extracted from Phaffia rhodozyma in a non-esterified form; and astaxanthin synthesized chemically in a non-esterified form. After 5 weeks of treatment, each group was divided into sedentary and exercise groups. In the group fed astaxanthin from Haematococcus, the running time to exhaustion was longest, and the plasma and tissue concentrations of astaxanthin were significantly higher than those in the other groups. Astaxanthin from Haematococcus increased 5'-adenosine monophosphate-activated protein kinase levels in the skeletal muscle. Although the mice in the Haematococcus group ran for longer, hexanoyl lysine adduct levels in the skeletal muscle mitochondria were similar in the control and Haematococcus groups. Our results suggested that esterified astaxanthin promoted energy production and protected tissues from oxidative damage during exercise owing to its favorable absorption properties, leading to a longer running time.
著者
梁間 真 川村 正喜 松岡 研 板垣 信生 児玉 光正 山手 貴詔 安達 高久 中西 淳 岸本 武利
出版者
社団法人 日本透析医学会
雑誌
日本透析療法学会雑誌 (ISSN:09115889)
巻号頁・発行日
vol.26, no.8, pp.1461-1466, 1993

今回, 当院腎センターにおいて長期透析患者しかも高齢初産婦の妊娠, 分娩を経験したので報告する.<br>症例は透析歴13年, 41歳, 月経周期は不規則であつたが, エリスロポエチン製剤投与開始され, 貧血が改善されるに伴い正常化し, 平成3年7月25月を最終月経として妊娠した. 妊娠10週にて, 人工流産を勧められたが, 本人が妊娠継続, 分娩を強く希望したため, 妊娠20週より産科に入院とし, 週3回各5時間の透析を施行した. BUN 60mg/d<i>l</i>以下, Cre 6.0mg/d<i>l</i>以下に維持するため, 妊娠24週からは週6回各4時間の透析を施行した. Htは25%以上に保ち, 透析施行中は収縮期血圧90mmHg以下に低下させないことを目標とした. 妊娠20-25週にかけて羊水過多が認められたが, 妊娠27週頃より次第に改善した. 胎児のBPD, FL, HL, FTA, EFBWは正常範囲に推移し, 超音波上, 明らかな奇形は認められなかつた. 妊娠32週2日, 全身麻酔下に帝王切開し, 体重1,462gの男児を娩出した.<br>Apgar scoreは8点であった. 分娩後, 母児とも順調な経過をたどり, 新生児は生後75日, 体重3,332gで退院した.<br>透析患者の妊娠では流早産が高頻度で起こるが, 流早産の原因である子宮内感染症, 羊水過多に注意を払い, 在胎週数がのばせれば, 生児を得ることも可能であると思われた.
著者
大越 桂
出版者
日本重症心身障害学会
雑誌
日本重症心身障害学会誌 (ISSN:13431439)
巻号頁・発行日
vol.42, no.2, pp.127-128, 2017

心が見える突破口 双胎第二子、819グラムの超未熟児で誕生した私は、重度脳性まひとともに現在28歳になった。一人では何もできなくても多くの人に支えられて今日を生きている。山積する課題の中にあっても、未来の希望やよいことを確信できることこそが私にとっての「幸せ」である。ここにいていい、と確かに許されている実感に包まれている。 全介助の重い障害者という私と、自由気ままな内面にいる私。独立した二人の私を生きてきた。二人が互いの距離に耐え切れなくなったとき筆談に出会った。外界に伝えたい内面の私を一言ずつ伝えながら、私は海の底の石から等身大の人間になっていった。 どの一日も常にそこにいる人に向かって「心をみて」、と叫び続けた。全身全霊で表現することだけは諦めなかった。私を人として関わる人といるときだけは、確かに人になれることを知っていたからである。 ここに至る忘れられない突破口が5つある。(その1・6歳) ハムストリング手術のために1年間入院した。初めて両親と離れる生活で、障害がある子どもがこんなに多くいることを知った。同時に、私の障害が一番重いことも知った。自力移動し、片言でも会話ができる子どもの要求は率先してくみ取られた。私は常に待ち続けた。一番最後でも、必ず関わってくれる人がいることも知った。 友だちの会話は面白くてたまらなかった。もっと聞きたくて、統制のない首を思わず持ちあげて見ようとした一瞬を、面会にきた母が見逃さず言った。「この子、わかっているのかもしれないよ。」(←そうなんだってば。気づくの遅すぎ・・心の声)(その2・7歳) コミュニケーション支援機器を利用して、スイッチで初めて「おかあさん」と呼んだ。自分の言葉を自分のタイミングで伝えることが私にもできるのだと知った。母は感動して泣いた。(←弟に先を越されたけど、私だって呼べた。嬉しくて泣いた)(その3・11歳) 伝えたいことが伝わらないストレスで嘔吐発作を起こすようになった。肺炎を繰り返して呼吸器を装着していたとき、スタッフの足音が聞こえるだけで不安になり心拍アラームが鳴った。服薬で眠っているように見えても実は起きているのかもしれないと母が気づいた。希望を聞いてもらえるようになり、好きな音楽やケアの要望をアラーム音と心拍数で伝えられるようになった。 (←本当に眠いとき話しかけられるとやかましい)(その4・13歳) 気管切開で失声した。通信手段がなくなり困惑した。支援学校の訪問教育で筆談を教わる。初めて文字を書いたとき、体中の細胞が口から飛び出すかと思うほど歓喜した。死んでもやり遂げると強く誓った。(←後に危篤のときに勝手にお別れを言われて怒りで峠を越えたことを伝えて溜飲を下げた)(その5・14歳) 常に介護で共に過ごす母と大喧嘩をした。それまでの恨みつらみをぶちまけてやっと対等になれた。初めて本当に呼吸が楽になった。(←母子の喧嘩は遠慮がない分壮絶) 詩を通して、多くの人と出会った。アーチストの表現と詩のコラボレーションは、想像もできない美しい世界を作り出す。表現する人も受け取る人もともに一度しかない今を共有し、いのちの存在を実感する至福のときを体験する。詩と触れた人々が行間に生み出す人間性に引かれる。美しいものを味わい、感動する心は当たり前のようで当たり前ではない。どの表現もすべての人が精一杯生きるいのちの表現として行っている。それらを感じ取るたびに共鳴する。自分自身が昨日よりも今日、ひとつ豊かになろうとする生命力でいっぱいになる。 誕生後10カ月の告知のとき。両親が聞いたという青年医師の言葉だ。 「この白い線は白質といって命令を伝える神経の道です。今は細くてよく見えませんが、刺激を与え続ければ、もしかしたら道が太くなるかもしれませんよ。」 『かもしれない』この一言がすべての始まりだった。 そうして、今日の私は幸せになった。略歴1989年、仙台市生まれ。819グラムの未熟児で誕生し、重度脳性まひ、未熟児網膜症による弱視など重度重複障害児として過ごす。9歳頃より周期性嘔吐症を併発し障害の重度化により要医療管理になる。13歳で気管切開により失声。筆談によるコミュニケーションを開始。2004年「第4回One by Oneアワード/キッズ個人賞」(日本アムウェイ主催)を受賞。詩と切り絵のコラボ展「みえない手」(2017)などのコラボ活動多数。2011年「花の冠」が野田佳彦総理大臣の所信表明演説に引用される。ブログ「積乱雲」http://plaza.rakuten.co.jp/678901/詩集 「花の冠」朝日新聞出版)「海の石」光文社(2012)、「あしたの私は幸せになる」ぱるす出版(2016)