著者
神崎 正英
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.70, no.8, pp.399-405, 2020-08-01 (Released:2020-08-01)

多様なデータの共通点やつながりを見つけ,それを用いて狙いのデータを取り出し,分析や視覚化などによって付加価値を生むためには,複数ソースのデータを集約しても共通点が得られる語彙やモデルの設計,つながりを見出すための値の正規化やリンク,そしてそれを適切に利用できるクエリが必要になる。RDFの導入期から行なわれてきたデータ設計やリンクの工夫を,図書館を始めとするGLAMやポータルの具体例を用いて紹介する。またそれらを利用するSPARQLクエリ例を示し,他のケースに応用するヒントにもなるように解説する。
著者
渡邊 淳司 川口 ゆい 坂倉 杏介 安藤 英由樹
出版者
特定非営利活動法人 日本バーチャルリアリティ学会
雑誌
日本バーチャルリアリティ学会論文誌 (ISSN:1344011X)
巻号頁・発行日
vol.16, no.3, pp.303-306, 2011-09-30 (Released:2017-02-01)
参考文献数
11
被引用文献数
3

You don't usually care about your own heartbeats, unless you are in a specific situation such as when getting nervous or injured. In the workshop your heartbeats are externalized with a concise system, which is composed of a vibration speaker and stethoscope. Heartbeat sounds taken by the stethoscope are sent to the vibration speaker via information processing circuit, and the system enables you to hear and touch states of your own heartbeats, and to exchange them with others. This workshop is aimed to provide a gut feeling of living self. The current paper describes the concept of workshop, and reports the participants' comments.
著者
佐藤 弘樹 吉川 憲一 宮田 一弘 佐野 歩 水上 昌文
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
pp.11914, (Released:2021-02-16)
参考文献数
33

【目的】脊髄損傷者の体幹機能評価尺度(以下,TASS)を開発し,信頼性を検証すること。【方法】脊髄障害認定理学療法士9 名によって開発したTASS を用いて,理学療法士2 名が脊髄障害を有する10 例の評価を実施した。級内相関係数ICC(2,1),Cohen のκ 係数,Cronbach のα 係数を用いて,検者間信頼性,項目一致度,内的整合性を確認した。Bland-Altman 分析を用いて,系統誤差の有無を確認した。【結果】TASS は端座位課題7 項目で構成される尺度となった。ICC(2,1)は0.98,κ 係数は0.57 ~1.00,α 係数は0.94 であった。評価者2 名の差の平均値は95% 信頼区間が–2.58 ~1.18,散布図の回帰直線の傾きは0.19(p=0.61)であった。【結論】端座位課題7 項目で構成される体幹機能評価尺度が完成し,高い検者間信頼性,内的整合性を示し,系統誤差のない尺度であることが確認された。
著者
月野木 ルミ 村上 義孝 早川 岳人 橋本 修二
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.63, no.1, pp.17-25, 2016 (Released:2016-01-29)
参考文献数
54
被引用文献数
2

目的 震災による疾患発生・死亡への影響を検討した疫学研究(保健医療統計調査を含む)を対象に系統的な文献レビューを行い,疾患別に震災からの経過時間とその影響の関連を検討した。方法 文献検索には MEDLINE を用い,発行年が1990年 1 月 1 日から2012年10月30日,政府統計もしくは500人程度以上の集団,を検索条件として実行した。文献レビューでは重複文献,少数例の調査,動物実験,実験的研究など不適切な文献を除外した。最終的に抽出した文献から,震災からの経過時間と震災前後の疾患発生・死亡の増減に焦点をあてチャート図にまとめた。なお経過時間については災害サイクルに基づき,発生~3 日,4 日~3 週間,1 か月~5 か月,6 か月から 1 年未満,1 年,2 年以降とした。疾患分類は精神障害,自殺,感染症,外傷,循環器疾患とした。結果 文献検討の結果54件が抽出された。精神障害では,震災直後からのうつ症状の有訴率,心的外傷後ストレス障害などの精神的ストレス評価指標は高い得点を示す割合が高く,震災後 6 か月以降緩やかに減少傾向を示したものの,震災 3 年後でも依然高い得点を維持する傾向がみられた。自殺では震災後 1,2 年間は減少傾向を示し,その特性は中高年男性のみ減少傾向,男性で減少傾向を示す一方で,女性では増加傾向を示すなど,性・年齢・被災地域での違いで認められた。感染症では震災の影響は震災直後から数か月間と限定的であり,理由として衛生状態の悪化などが示されていた。外傷では震災発生時から 2,3 日間死亡および入院が激増し,それ以降は激減した。循環器疾患では,急性心筋梗塞は発症・死亡数のピークが震災後24時間~数日で夜間発症例が多く,3~6 か月間から最長 1 年間は継続し,震災規模や被災状況により増加する期間に違いが認められた。脳卒中は急性心筋梗塞と同様のパターンを示し70~80歳での発症・死亡が多かった。その他,突然死,たこつぼ型心筋症の報告があり,震災直後から 1 週間~1 か月程度は平時に比べ増加する傾向にあった。結論 疾患により震災発生からの経過時間と疾患発生のパターンに大きな違いがあり,震災直後の疾病の増加抑制のためには,疾患に応じた介入タイミングがあることが示された。
著者
Youngsook Bae
出版者
Tohoku University Medical Press
雑誌
The Tohoku Journal of Experimental Medicine (ISSN:00408727)
巻号頁・発行日
vol.239, no.2, pp.159-164, 2016 (Released:2016-06-10)
参考文献数
40
被引用文献数
2 7

Vision, proprioception and plantar sensation contribute to the control of postural balance (PB). Reduced plantar sensation alters postural response and is at an increased risk of fall, and eye movements reduce the postural sway. Therefore, the aim of this study was to study the improvement of plantar sensation and PB after saccadic eye movement (SEM) and pursuit eye movement (PEM) in community-dwelling elderly women. Participants (104 females; 75.11 ± 6.25 years) were randomly allocated into the SEM group (n = 52) and PEM groups (n = 52). The SEM group performed eye fixation and SEM for 5 minutes, and the PEM group performed eye fixation and PEM for 5 minutes. The plantar sensation was measured according to the plantar surface area of the feet in contact with the floor surface before and after the intervention. Before and after SEM and PEM with the eyes open and closed, PB was measured as the area (mm2), length (cm), and velocity (cm/s) of the fluctuation of the center of pressure (COP). The plantar sensation of both feet improved in both groups (p < 0.01). Significant decreases in the area, length, and velocity of the COP were observed in the eye open and close in both groups (p < 0.01). The length and velocity of the COP significantly decreased in the SEM group compared to the PEM group (p < 0.05). In conclusion, SEM and PEM are effective interventions for improving plantar sensation and PB in elderly women, with greater PB improvement after SEM.
著者
Khalid Yaseen Paul Hendrick Ayah Ismail Mohannad Felemban Mansour Abdullah Alshehri
出版者
The Society of Physical Therapy Science
雑誌
Journal of Physical Therapy Science (ISSN:09155287)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.96-102, 2018 (Released:2018-01-27)
参考文献数
29
被引用文献数
18

[Purpose] This review provides an evaluation of the evidence for the effectiveness of using manual therapy to treat cervicogenic dizziness. [Subjects and Methods] The literature was systematically searched on the May 2, 2016 using the following online databases: Medline, EMBASE, CINAHL and PEDro. This review included randomised controlled trials and compared the efficacy of manual therapy for the treatment of cervicogenic dizziness, compared to other types of intervention. This study measured changes based on dizziness intensity and frequency. [Results] The primary search found 30 articles, but only four articles met the inclusion criteria. Assessment of methodological quality was performed by two researchers using the PEDro scale. The level of evidence was determined using a recognised grading scale. Three out of the four articles were deemed to have high methodological quality, while the fourth was rated as moderate quality. The attributed level of evidence was moderate (level 2). [Conclusion] Manual therapy is potentially effective for managing cervicogenic dizziness. However, due to the heterogeneity of the results and techniques and the low number of studies, further research is recommended to provide conclusive evidence.
著者
辻野 裕紀
出版者
日本音声学会
雑誌
音声研究 (ISSN:13428675)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.116-126, 2017-08-30 (Released:2018-02-28)
参考文献数
28

The morphophonology of the Korean language is extremely complex. Various phonological phenomena occur when phonemes, syllables, morphemes, and so on, come together. In addition, some of the phonological phenomena show remarkable synchronic variations, about which no sufficient research has been conducted. In this paper, we discuss in detail the phonological phenomena observable in modern Korean speeches, particularly focusing on the n-insertion and the post liquid tensification (PLT) in sino-Korean words, where fluctuations in the pronunciation of the speakers are prominent. We critically examine previous researches on the topic and present the results we have achieved.
著者
マクヴェイ山田 久仁子
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.71, no.1, pp.28-33, 2021-01-01 (Released:2021-01-01)

2020年3月にパンデミックとなった新型肺炎の影響で,ハーバード大学では3月23日から全ての授業がオンラインに切り替わり,図書館の全職員が自宅勤務となった。春学期途上の突然の移行を経て,9月の新学期はオンライン授業のみとなったが,大学図書館は,この新たな教育形態の支援を最優先として取り組んできた。本稿では,ハーバードのオンライン教育における電子資料活用の実際を,日本語資料専任ライブラリアンである筆者の職務を交えながら,報告,考察する。
著者
伊藤 操子
出版者
特定非営利活動法人 緑地雑草科学研究所
雑誌
草と緑 (ISSN:21858977)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.45-52, 2011 (Released:2017-06-30)
参考文献数
12

トクサ属(Equisetum)はシダ植物トクサ綱に属しているが(1綱1属),雑草とみなされているにはスギナとイヌスギナのみである.作物への雑草害だけでなく,家畜への障害もある.スギナの最大の生物的特徴は,他の雑草類に例を見ない地下器官系の大きさであり,発達した集団では現存量の70~90%を占める.地上部については早春に胞子茎(つくし)が発生し,続いて栄養茎(すぎな)が秋季まで(本州中部以西では4月~11月)次々発生・生長する.地下部は横走根茎とその一部の節に付着する塊茎ならびに地上茎につながる垂直根茎からなる.根茎分布はむしろ30 cm以下に多く,1 mに及ぶことも稀ではない.根茎には地上茎と同様に5~9本程度の稜と溝があり,これらと同数の維管束とともに通気孔がよく発達しており,地下深くまでの生存に適応している.シダ植物であることから,繁殖は本来有性生殖(胞子の発芽により形成された前葉体につくられた精子と卵子の受精で栄養茎ができる)もあるはずだが,野外ではめったに起こらず,栄養繁殖が主体である.繁殖体は根茎断片と塊茎であり,10℃前後の比較的低温でもよく萌芽する.定着した集団の一般的防除法は除草剤による以外になく,比較試験からはアシュラムの6月処理が最も有効であった.
著者
頼高 朝子
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.103, no.8, pp.1854-1860, 2014-08-10 (Released:2015-08-10)
参考文献数
10

Parkinson病は運動症状発症前より睡眠障害,うつ,嗅覚障害,痛み,便秘等の自律神経障害が伴っていることが多くのコホート研究から判明し,早期診断の助けになっている.一方で非専門医への受診につながり,より診断が遅れやすい.便秘は約18年前から,REM睡眠行動異常症は約10年前から,嗅覚障害は2~7年前から,過眠は数年前から3大運動症状である振戦,歯車様固縮,無動に先行する.
著者
平井 克之 岡崎 麻紀子 奥津 佐恵子 久保 琢也 矢吹 命大 渡邉 優香
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.71, no.2, pp.80-86, 2021-02-01 (Released:2021-02-01)

リサーチ・アドミニストレーター(URA)による研究力分析の効率化・高度化を進めるには,実務担当者間の連携が不可欠である。近年,データ分析の現場では,プログラミング技術を用いた分析手法が,広く利用されるようになってきた。分析作業の効率化と高度化を目的に,Code for Research Administration (C4RA)が発足した。本稿では,論文書誌情報や科研費を用いた研究力分析において,PythonやR等により作業の効率化を図った事例を紹介する。最後に,C4RAの今後の活動の方向性及びURAの普及定着への貢献の可能性を探る。
著者
野村 竜也
出版者
数理社会学会
雑誌
理論と方法 (ISSN:09131442)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.211-226, 2002-10-31 (Released:2009-02-10)
参考文献数
31

本稿では、二重拘束が思弁的概念定義に留まっていることを省察し、改めて社会心理学的・社会学的モデルの観点から再構築することにより、その源であるサイバネティクスに立ち返って曖昧性を低減したシステムモデルを提供し、家族システム論において新たな含意を得ることを目的とする。そのために、二重拘束を関係システムにおけるポジティブ・ネガティブのフィードバックの安定状態として捉える長谷のアプローチ、およびHochschildの感情規則論を基に二重拘束を感情のギャップとして捉える山田の示唆を、社会心理学の三者関係における認知的斉合性の理論を用いて形式的に表現する。
著者
石黒 聡士 山田 勝雅 山北 剛久 山野 博哉 松永 恒雄
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
pp.253, 2013 (Released:2013-09-04)

1.はじめに浅海域の生態系や水環境の動態を推し量るうえで、生物群の生息場の役割を果たす海草・海藻類をはじめとする海中基質の分布を正確に把握することが重要である。海藻・海草類をはじめとする海中基質の分布調査は潜行による直接調査のほかに、航空写真や衛星画像等の画像を用いた教師付分類手法など、リモートセンシングによる分布の傾向の把握手法が提案されている。しかし,水域の画像解析による基質の把握は,陸域のそれとは異なり、色調の変化が水深に大きく拘束されるため,色調変化の補正が必須となる。特に、船舶が侵入できない浅海域においては正確な水深を面的に効率よく計測することが困難であるため、水深による色調の補正が難しく、従来は水深による色調の変化が誤分類の大きな要因となっていた。国立環境研究所は平成24年11月から12月にかけて東北沿岸の一部において航空機搭載型ライダ(LiDAR)による測深を実施した。本研究では、航空機搭載型測深LiDARにより得られた細密な海底地形を用いて航空写真の色調を補正し、浅海底の被覆分類を試みたので報告する。本研究は平成24年度補正予算、独立行政法人産業技術総合研究所「巨大地震・津波災害に伴う複合地質リスク評価」事業の一部として実施されている。2.航空機搭載型測深LiDAR航空機搭載型測深LiDARは緑色の波長(532nm)のレーザを海面に照射して海底面からの反射をとらえることにより海底地形を計測する技術である。航空機はGPS/IMUを搭載しており、レーザ照射時刻と反射波の時間差から、反射地点の3次元座標が決定される。このときの座標系はWGS84に準拠しており、鉛直方向は楕円体高である。したがって、データ取得後にジオイド高補正し標高を算出する。これにより従来は効率的な海底地形計測が困難であった水深0m~十数mの浅海域において、面的に効率よく計測することが可能である。このシステムを固定翼機(セスナ208)に搭載し、レーザ照射による人体への影響を考慮した安全高度を維持して観測飛行を行う。このシステムは各点における反射波形を記録している。さらに、観測飛行中に毎秒1枚の8ビットRGB画像を撮影するカメラ(RedLake)を搭載している。このカメラの解像度は1600×1200画素で地上分解能は約0.4m/画素(飛行高度3000 ft時)である。なお、観測飛行は中日本航空株式会社によって実施された。3.対象地域と計測および分類手法本研究の対象地域は岩手県山田湾の小島周辺である。この地域は平成23年東日本大震災の前から現地調査が続けられている。震災により東北の多くの湾内で藻場が消失するなどの環境変化が起こった中にあって、震災後も藻場が消失することなく分布していることが確認されており、浅海域の生態系や水環境の動態を理解する上で貴重なサイトである。当該地域の観測は平成24年11月30日に実施された。観測結果(水深データによる陰影図およびRedLake画像)を図1に示す。本研究ではまず、1)RedLake画像を用いた教師付分類法による底質分類、2)細密水深データによる色調補正を施した画像を用いた教師付分類法による底質分類を実施する。2)の色調補正はdark pixel法による大気補正をした上で、Yamano and Tamura (2004)による手法を用いて水深による色調補正を行う。なお、本研究で使用した画像と水深のデータから簡易的に推定したR,G,Bの減衰パターンを図2に、また、これによって色調補正した結果を図3に示す。これらによって得られた画像を用いた分類結果を、現地調査によるグラウンドトゥルースと比較することにより評価する。現地調査は2012年10月に実施した。4.結果と今後の計画本研究では細密な浅海海底地形データを用いて航空写真の色調を補正して分類を行った。その結果、補正前の画像に比べて誤分類の確率が減少することを確認した。今後、色調補正の手法を精緻化することにより、さらに正確な分類が可能になること考えられる。また、航空写真の画像判読と現地調査結果および細密海底地形データの範読から、局所的に凹凸が激しい領域が藻場である可能性が高いことが分かった。今後、地形の凹凸度合いを指標化し、新たな画層としてRGBに追加して教師付分類や、各点で記録された反射波形を指標として考慮した分類手法を試みる予定である。参考文献Yamano, H. and Tamura, M. 2004. Detection limits of coral reef bleaching by satellite remote sensing: Simulation and data analysis. Remote Sensing of Environment 90: 86–103.
著者
Satoshi Iizuka Ryuichi Kawamura Hisashi Nakamura Toru Miyama
出版者
Meteorological Society of Japan
雑誌
SOLA (ISSN:13496476)
巻号頁・発行日
vol.17A, no.Special_Edition, pp.21-28, 2021 (Released:2021-02-23)
参考文献数
19
被引用文献数
11

Typhoon Hagibis (2019) caused widespread flooding and damage over eastern Japan. The associated rainfall maxima were primarily observed on the windward mountain slopes along with the west of the leading edge of a low-level front. Concomitantly, a significant positive value in sea surface temperature anomalies (SSTAs) was observed in association with an ocean eddy over the Oyashio region, together with anomalous warmth over the entire western North Pacific. The present study examines the role of the SSTAs in the rainfall distribution associated with Hagibis, to deepen our understanding of the influence of the midlatitude ocean on tropical cyclones and associated rainfall. Our sensitivity experiments demonstrate that the observed warm SSTAs had the potential to displace the rainfall caused by Hagibis inland and thereby acted to increase precipitation along the Pacific coast of northeastern Japan. Our results suggest that midlatitude SSTAs on ocean-eddy scales can also influence the synoptic-scale atmospheric front and associated heavy rainfall.