著者
高橋 顕博 安藤 朝夫 文 世一
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木計画学研究・論文集 (ISSN:09134034)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.149-156, 1997-09-30 (Released:2010-06-04)
参考文献数
12
被引用文献数
4 5

阪神・淡路大震災の被害には構造物の破壊のような直接的被害のみならず産業活動の衰退のような間接的被害もみられた。本研究では産業連関表と計量経済モデルを組み合わせ、建物被害と交通被害により間接的被害を推計するモデルを構築し、実際に被害推計を行うことを目的とする。分析は被災地域として兵庫県を想定し、日本全国を (1) 兵庫県、(2) 兵庫県を除く近畿地域、(3) 近畿以東の日本及び (4) 近畿以西の日本に区分し、これに外国を加えた5地域で行われた.交通被害の影響は交易係数及び交通容量を等して分析される. 被害は所得の減少による人口流出や地域間交易 (取引) の変化で評価される・分析の結果、全国で約13兆円の経済被害が生じ、その約15%は兵庫県で生じた結果を得た。これらの推計結果は兵庫県の県民経済計算との比較により妥当であると検証された。

1 0 0 0 聊斎志異

著者
蒲松齢作 立間祥介編訳
出版者
岩波書店
巻号頁・発行日
1997
著者
安藤 貴史
出版者
一般社団法人日本体力医学会
雑誌
体力科学 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.67, no.5, pp.327-344, 2018-10-01 (Released:2018-09-25)
参考文献数
198

Energy balance in human body undergoes constant change, leading to a change in the weight and body composition throughout life. Energy balance at a particular time point is influenced by the psychological, physiological, sociological, and environmental factors of that moment. In addition, the regulation of homeostasis continuously monitors and maintains the energy balance; however, it complicates the identification of factors influencing the energy balance. For understanding these factors, creating a model with comprehensive factors and testing it among a substantial number of individuals for dynamic changes in the energy balance may be warranted. However, till date, to the best of our knowledge, no studies report on comprehensive modeling, including homeostasis and the other factors. Thus, at this moment, summarizing previous studies for further research is required. Accordingly, this review summarizes 1) the basic factor of energy expenditure and intake; 2) interactive relationship between energy expenditure and intake; and 3) energy expenditure and intake during dynamic changes in the body weight caused by events such as overfeeding, underfeeding, growth and aging, and pregnancy.
著者
小渕 浩平 竹林 崇 松井 克明 堀内 博志 中村 裕一
出版者
一般社団法人 日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.38, no.2, pp.222-229, 2019-04-15 (Released:2019-04-15)
参考文献数
18

中等度の上肢麻痺を呈した脳卒中患者に対し,急性期よりCI療法(量的練習,課題指向型練習,介入で獲得した機能を生活に転移するための戦略)と,電気刺激療法を併用した複合的な上肢集中練習を実施した.さらに,退院後,長期的効果を調査するため1年後の経過を追った.その結果,介入直後および介入から1年後に,麻痺側上肢機能と,実生活における麻痺手の使用の頻度および質の改善を認めた.したがって,我々はCI療法を急性期より実践することで,長期的にも好影響を及ぼす可能性を示唆した.ただし,今回の結果は一症例の経過に過ぎない.今後,多数の症例で同様の疑問を明らかにする必要がある.
著者
Junya IIDA Daisuke WATANABE Kenta NAGATA Masahiro MATSUDA
出版者
Eastern Asia Society for Transportation Studies
雑誌
Asian Transport Studies (ISSN:21855560)
巻号頁・発行日
vol.5, no.4, pp.694-719, 2019 (Released:2019-09-01)
参考文献数
48

Consignors, consignees, and freight forwarders need procedure status information on import and export containers, such as customs clearance, not only within a specific country but also across relevant countries in order to optimize supply chain management. In this paper, we review the current situation and literature on the sharing of procedure status information using IT systems. After clarifying issues in this regard, we present an IT system we have developed for sharing procedure status information in real time among Port Community Systems across countries. Finally, we discuss the issues and prospects in the development of the IT system. We conclude that, at present, it is beneficial to apply a decentralized system architecture in the sharing of procedure status information across countries without attaching any additional devices such as Radio Frequency Identification (RFID) tags.
著者
田中 亮 戸梶 亜紀彦
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.24, no.5, pp.737-744, 2009 (Released:2009-11-25)
参考文献数
27
被引用文献数
4 3

〔目的〕本研究の目的は,我々が開発を進めている「欲求の充足に基づく顧客満足測定尺度(Customer Satisfaction Scale based on Need Satisfaction: CSSNS)」の因子的妥当性を検証するために,検証的因子分析を行って因子構造モデルの適合度を検討することである。〔対象〕対象は,リハビリテーションサービスの利用者311名とした。〔方法〕CSSNSの因子構造モデルとして仮定した斜交モデル,直交モデル,二次因子モデルの適合度を検討するために,構造方程式モデリングによる検証的因子分析を行った。〔結果〕分析の結果,モデル適合度の絶対的指標であるCFIとRMSEAが基準値以上を示したモデルは,斜交モデルと二次因子モデルであった。さらに,モデル適合度の相対的指標であるAICを比較した結果,斜交モデルは二次因子モデルよりも適合が良いことが示された。〔結語〕CSSNSの因子的妥当性は斜交モデルにおいて検証された。
著者
蔵田 伸雄
出版者
日本生命倫理学会
雑誌
生命倫理 (ISSN:13434063)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.35-40, 1998-09-07 (Released:2017-04-27)
参考文献数
17

今後出生前診断の普及に伴い、医療従事者の「助言」と我々各自の「優生的な指向」及び「自由な選択」の結果として、ある種の先天的な疾患をもつ患者の数が激減する可能性がある。選択的中絶は、「生まれてくる子が不幸」「家族に対する経済的負担」「障害児を出生前に中絶した方が、社会全体の医療費を節約できる」といった論拠によって正当化されることが多い。しかしこれらの理由にはいずれも問題点がある。選択的中絶を倫理的に許容できるのは、生まれてくる子に激しい苦痛がある、疾患に対する治療法がない、あらゆる可能な治療を試みても生後数年以内にほぼ確実に死んでしまう、両親が中絶を強く希望し医師もそれを了承しているといった条件のすべてを満たしている場合だけだと思われる。
著者
山本 正雅 兼田 瑞穂 前田 美穂
出版者
奥羽大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2005

フュージョンパートナー細胞SPYMEGを用いてヒトのモノクローナル抗体が作製できるか否かを検討した。健常人の末梢血よりリンパ球を得てSPYMEGとPEG法を用いて融合させ、HAT存在下にてハイブリドーマ細胞を培養した。融合細胞を768ウエルに播種したところ、コロニー形成率は平均28%(2回の融合)であった。IgG産生能をサンドイッチELISAにて測定した結果、コロニーが形成されたウエル中27%で陽性であった。これは既報のパートナー細胞Karpasを用いた成績に極めて近い値であった。ヒトのIgGを産生している細胞を限界希釈し単クローンにし、IgGを精製したところ、H-鎖、L-鎖ともに発現しており、完全なIgGが合成されていることが分った。抗体産生能はハイブリドーマに依存するがよく産生するクローンで2〜10μg/ml程度であった。ハイブリドーマはセルバンカーを用いて1ヶ月凍結保存し、その後再び培養を再開しても抗体産生能は凍結前に比べ変化はなかった。この結果から、かなり安定したヒトのモノクローナル抗体が作製できることが明らかになった。そこで、ヒトの特異的モノクローナル抗体を作製するために、ヒトに投与できる抗原としてインフルエンザワクチンを用いた。インフルエンザワクチン投与した場合、投与後1ヶ月以内に末梢血リンパ球を得てSPYMEGと融合させ、HAT存在下にてハイブリドーマ細胞を培養した。またインフルエンザに自然感染した健常人についても検討した。融合細胞を384ウエルに播種し、インフルエンザワクチン抗原AとBの混合液ををELISAプレートにコートし、スクリーニングを行なった。その結果、自然感染の健常人からのリンパ球を用いたときインフルエンザ抗原に陽性に反応するモノクローナル抗体が14クローンが陽性であり、最終的に2クローンが得られた。インフルエンザワクチンを投与したとき、121クローンが陽性であった。このうち最終的に12クローンが得られた。同手法を用いて、血小板のGPIIb/IIIa複合体に対する抗体を産生している自己免疫疾患患者から抗体の作製を行なった。その結果、2クローンが健常人の血小板に反応しIIb/IIIaを免疫沈降してくることがわかった。これらの結果から、SPYMEGはヒトのモノクローナル抗体の作製が可能でり、臨床と基礎医学研究に役立つと考えられた。
著者
森山 淳
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集C編 (ISSN:18848354)
巻号頁・発行日
vol.78, no.791, pp.2536-2548, 2012 (Released:2012-07-25)
参考文献数
10
被引用文献数
3 2

For the clarification of the overturning behavior of railway vehicle exposed to strong cross wind, several experiments were done to study the effect of wind velocity and wind direction on the wheel unloading ratio. In this paper, the results of the experiment at a line in the Kanto region are described. In this line, strong wind is often observed, and various types of train are operated. To get useful knowledge about the improvement of the critical wind speed of vehicle overturning, data were analyzed in terms of the vehicle cross-sectional shape. Results of the experiment show that vehicle specifications, such as a car weight, or a bogie suspension are little effective for overturning, if there are no difference about the cross-sectional shape. Analyzed results of the experiment also show that depending on the cross-sectional shape, the behavior of wheel unloading ratio by strong wind is different. These results suggest the possibility of the superiority of round shape roof for improving the performance against overturning.
著者
島田 敏實 竹越 忠美
出版者
一般社団法人 日本老年医学会
雑誌
日本老年医学会雑誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.29, no.12, pp.945-952, 1992-12-25 (Released:2009-11-24)
参考文献数
10

老齢者の糞便貯留と体温との関係を明らかにする. 対象は65歳以上の入院患者34人 (男11人, 66歳から82歳, 平均70.3歳. 女23人, 65歳から84歳, 平均72.1歳. 全平均71.5歳) で毎日1回以上排便のある患者 (NCP) であるか3日間以上排便のない患者 (CP) である. CPにおいては排便前排便日を含んだ2日間における最低体温, 最高体温, および排便後排便日を含んだ2日間における最低体温の計3つの測定値を得た. NCPにおいては毎日排便があるので無作為に3日間を取出しその第1日の最低体温, 第2日の最高体温, 第3日の最低体温の計3つの測定値を得た. CPで排便前には28人中6人(21.4%) が37.3℃以上であった. NCPでは排便前の最高体温が平均36.39℃, 排便後の最低体温は平均36.0℃で, 排便前後の体温差は0.39℃であるが, CPでは排便前最高体温が37.03℃, 排便後最低体温が36.1℃で前後で体温の低下が0.93℃に及び差は0.54℃であった (F検定, p<0.001). 男女間ではNCPで差を認めず体温の変化は0.39℃に止まり, CPでは男女とも体温変化が強く女性が0.85℃男性が1.02℃であった (p<0.05). 緩下剤服用者の方が変化度が小さかった. 脳梗塞, 脳溢血や老人性痴呆をもつ患者ともたない患者とを比較してみると, NCPではその他の疾患と比較し差を認めなかったがCPでは中枢神経障害者で体温変化が大きかった(p<0.05). 糖尿病患者は非糖尿病患者に比しこの体温変動は有意差を示さなかった. NCPの年齢別にみた排便前後の体温の変化は加齢とともに大きくCPにおいては各年代とも体温変動が大きかった. 排便前後の白血球数は低下, 血沈が高進, CRPは変化せず体温は低下しエンドトキシンは減少又は不変であった. NCPの高齢者は糞便貯留により体温が上昇しやすいが糞便が貯留し便秘となると老齢者では年齢にかかわらず体温が排便後と比較し平均0.93℃上昇することが判明した.