著者
Keizo SAKAMOTO Futoshi SUGIMOTO Yoshisada SATO Etsuo FUJIMAKI Yoshihisa TASHIRO
出版者
The Showa University Society
雑誌
The Showa University Journal of Medical Sciences (ISSN:09156380)
巻号頁・発行日
vol.11, no.4, pp.247-254, 1999 (Released:2010-09-09)
参考文献数
19
被引用文献数
6 6

This paper describes the theoretical background of Dynamic Flamingo Therapy (DF therapy) . DF therapy is a method based on Wolff's laws and Pauwels' lever arm theory for increasing the bone mineral density at the femoral neck. According to Pauwels' theory, during one-leg standing the femoral head receives 2.75 times the load applied during two-leg standing. Our photoelasticity results show that the maximum concentration of stress in the inner side of the femoral neck was 0.706kg/mm2 for the one-leg standing posture and 0.212kg/mm2 for the two-leg standing posture. When the patient stands on one leg the femur is subjected to a mechanical stress approximately 3-fold that of a normal standing posture without any increase in body weight. According to Peizer's walking cycle, 95% of the maximum stress applied to the femoral head of one leg (the supporting leg) equals 1.5/80 of the walking cycle. The time necessary to complete this number of cycles is 2987× (60/56) =3200 seconds (53.3minutes) .
著者
中山 康之 伊藤 真
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.38, no.10, pp.787-793, 1983-10-05 (Released:2008-04-14)

原子を形づくる原子核と電子の間の空間には何が存在するだろうか. そこにはもはや他の分子や原子が入り込めないことを我々はよく知っている. そこにはどんな物も存在し得ない, まさしく虚とか空とか言えそうな場所である. 我我の物理学ではその空間は負のエネルギーをもった電子で満たされていると解釈し, それを真空と呼ぶ. この真空は外からエネルギーを与えれば簡単に確認出来るが, 原子番号が173をこえるような超重原子では外からエネルギーを与えなくても, 真空から自発的に電子-陽電子対が発生して真空が崩壊する. これは真空中に実在の電子が出来ることを意味し, 真空の全く新しい側面である. こんな理論的予測を実証しようとする実験が永い間続けられている.

6 0 0 0 OA 石川県史

著者
石川県 [編]
出版者
石川県
巻号頁・発行日
vol.第5編, 1933
著者
田中 嘉浩
出版者
北海道大学大学院経済学研究科
雑誌
經濟學研究 (ISSN:04516265)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.177-183, 2006-06-08

ジョージ・ダンツィーク(George Bernard Dantzig)は修士号修得以降にワシントンの労働統計局に勤務していたが,ふとしたことでカリフォルニア大学バークレー校に行ったネイマンの下で Ph.D. を目指すことになった。本稿ではその時代に遅刻が原因で黒板に書いてあった未解決問題2問を宿題と思って解いた彼の若き日の統計学への貢献について述べる。一つはt検定の改良が不可能であること,もう一つは Neyman-Pearson の補題の必要十分性に関する問題である。 ダンツィークは後の空軍時代に考案した線形計画に対するシンプレックス法で有名で「線形計画法の父」と呼ばれているが,スタンフォード大学教授以降も晩年迄温和,研究熱心な人として知られている。昨年5月にパロ・アルトの自宅で惜しまれながら逝去された。
著者
大井 一弥 三谷 宜靖 林 雅彦
出版者
日本皮膚科学会西部支部
雑誌
西日本皮膚科 (ISSN:03869784)
巻号頁・発行日
vol.73, no.3, pp.248-252, 2011-06-01 (Released:2011-09-28)
参考文献数
19
被引用文献数
2

デキサメタゾン吉草酸エステル軟膏(ボアラ®軟膏)と油中水型ヘパリン類似物質含有保湿剤(ヒルドイド®ソフト軟膏)の適用順序によるステロイドの皮膚内移行性について,豚耳および健康ヒト皮膚により検討を行った。ステロイド軟膏単独適用はA群,ステロイド軟膏剤適用後,保湿剤適用はB群,保湿剤適用後,ステロイド軟膏剤適用はC群とし,豚耳における,ステロイドの皮膚内移行性をみるため,皮膚中のデキサメタゾン吉草酸エステル濃度を,HPLCを用いて測定した(n =8)。また,健康ヒト皮膚(n =2)により,ステロイドの皮膚内移行性を,共焦点ラマン分光光度計を用いて測定した。豚耳において皮膚移行したステロイド濃度について,A群,B群およびC群をそれぞれ比較したところA群が最も高く,次いでB群がC群に比べて有意に高かった(p <0.01 ; t-test)。豚耳における試験と健康ヒト皮膚による検討では,塗布順によるステロイド皮膚内移行が同様の傾向になることがわかった。しかしながら,その差はわずかであり,臨床的効果に差を認めることはないと考えられた。
著者
大井 一弥 横山 聡 阿波 勇樹 河井 亜希 平本 恵一
出版者
日本皮膚科学会西部支部
雑誌
西日本皮膚科 (ISSN:03869784)
巻号頁・発行日
vol.76, no.2, pp.127-130, 2014-04-01 (Released:2014-07-17)
参考文献数
11

タクロリムス軟膏とヘパリン類似物質製剤の塗布順序によるタクロリムスの皮膚内移行性について,アトピー性皮膚炎モデル動物である NOA/Jcl マウスにより検討を行った。NOA/Jcl マウスの背部にタクロリムス軟膏を塗布し,タクロリムス軟膏 (プロトピック® 軟膏 0.1%) およびヘパリン類似物質製剤 (ヒルドイド® ソフト軟膏 0.3%,ヒルドイド® クリーム 0.3%,ヒルドイド® ローション 0.3%) 塗布後,3 時間の皮膚中タクロリムス濃度を LC-MS/MS を用いて測定した。タクロリムス軟膏塗布後,ヒルドイド® ソフト軟膏塗布は A 群,ヒルドイド® ソフト軟膏塗布後,タクロリムス軟膏塗布は B 群,タクロリムス軟膏塗布後,ヒルドイド® クリーム塗布は C 群,ヒルドイド® クリーム塗布後,タクロリムス軟膏塗布は D 群,タクロリムス軟膏塗布後,ヒルドイド® ローション塗布は E 群,ヒルドイド® ローション塗布後,タクロリムス軟膏塗布は F 群,タクロリムス軟膏とヒルドイド® ソフト軟膏混合塗布は G 群とした。この結果,タクロリムス軟膏とヘパリン類似物質製剤の塗布順序の違いによる皮膚中タクロリムス濃度に,有意な差はなかった ( P=0.8325)。また,タクロリムス軟膏と各剤形のヘパリン類似物質製剤の塗布順序による皮膚中タクロリムス濃度についても検討したところ,有意な差はなかった( P=0.0811)。さらに,タクロリムス軟膏とヘパリン類似物質製剤の混合塗布した場合とタクロリムス軟膏とヘパリン類似物質製剤の各々の塗布順序でも有意差は認められなかった (A 群との比較 : P=0.0958,B 群との比較 : P=0.1331)。これらのことから,タクロリムス軟膏とヘパリン類似物質製剤の塗布順序の違いが,皮膚中タクロリムス濃度に影響を与える可能性は低いと考えられる。従って,臨床ではどちらを先行塗布しても効果に差を認めるものではないことが推察される。
著者
小林 麻美 岩永 誠 生和 秀敏
出版者
広島大学
雑誌
Memoirs of the Faculty of Integrated Arts and Sciences, Hiroshima University. IV, Science reports : studies of fundamental and environmental sciences (ISSN:13408364)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.21-28, 2002

Previous researches suggest that musical mood and preferences affects on emotional response, and that context of music also affects on musical-dependent memory. We often feel 'nostalgia' when listening to old familiar tunes. Nostalgia is related to eliciting positive emotions, recall of autobiographical memory and positive evaluations for recall contents. The present study aimed to examine effects of musical mood, preference and nostalgia on emotional responses, the amounts of recall of autobiographical memory, and evaluations to contents of them. Participants were 50 undergraduates. They were presented with 4 music pieces that have listened when they were about ten-years-old. All participants listened to all pieces. As the results, the influences of nostalgia elicited greater positive emotion and amounts of recall of autobiographical memory than musical mood and musical preference. Regardless of musical mood and preference, the more feeling nostalgia, the more elicits positive emotion and autobiographical memory recall.

6 0 0 0 OA 妖怪学講義

著者
井上円了 [著]
出版者
大鐙閣
巻号頁・発行日
vol.第1巻, 1923
著者
阪口 諒 阪口 諒
出版者
日本北方言語学会
雑誌
北方言語研究 (ISSN:21857121)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.131-144, 2019-03-15

知里真志保(1909-1961)の遺稿ノートを翻刻した北海道教育庁生涯学習部文化課編(2002)(以下、【フィールド1】)には樺太アイヌの物語が複数掲載されている。そのうちいくつかはすでに和訳が公刊されているが、どの和訳と対応するのか分からないものもあり、遺稿ノートの忠実な翻刻のままでは利用しにくい。今回、【フィールド1】45-47頁に掲載の「Esaman Carahau」が既に「カワウソのばけもの」(一つ目の大入道)として公刊されていることが確認できた。また、いくつかの資料から語り手に関しても特定できるように思われる。この物語は「樺太西海岸タラントマリの伝承」であるが、樺太(サハリン)西海岸の散文物語で原文が公開されているものは極めて少ないことを考慮して、原文に新たな訳註を付すことにした。なお、この物語の原文はローマ字で筆記されている。
著者
川瀬 豊子
出版者
樟蔭女子短期大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1989

ペルセポリス出土の城砦文書は、イラン高原南西部パ-ルサ地方を中心とした王室経済圏における諸活動を記録する。近年あらたに利用することが可能となったこの新史料は、女性が男性と同様に生産活動の重要な一翼を担っていたこと、男性と比較した場合女性に対する労働評価は相対的に低いものの、特殊な技術や経験を有する女性に対しては男性を上回る高い評価が与えられていたのみならず、男性をも含む所属集団統轄の責務が委ねられることもあったことを明らかにする。労働者の家族生活は基本的に保証されていたようであるが、とりわけ女性労働者に対して産後1ヵ月間労働が猶予されていたことが注目される。この措置は「経血のタブ-」と結びついたものと考えられるが、結果として産褥期間にある母体の保護となったことは間違いない。こどもは一定の年齢に達するまでは、原則として母親の労働集団の所属し、先行するオリエント諸国家(たとえばシュメ-ル)におけるような幼児段階での母子分離の政策はとられていない。一方王族の女性に関しては、彼女達が自らの所領、労働者をもち積極的に経済活動に参加し、時には不在の王の代理として祭儀を主宰していたこと等を確認することができる。同様の事例は、同時代のバビロニア出土の経済文書によっても検証される。ハカ-マニシュ朝(アカイメネス朝 前550ー330)治下のペルシア人社会では、女性は必ずしも社会生活から隔離された存在ではなかった。同時代市民階級の女性を公的領域からほぼ完全に追放し、彼女達を生殖と家内労働の担い手としかみなさなかった民主政期のポリス社会の価値観に基づくギリシア人史家がくり返すハカ-マニシュ朝の宮廷におれる女性の政治介入、陰謀加担に関する報告も、むしろこの観点からみなおすべきである。
著者
蒔田 純
出版者
弘前大学大学院教育学研究科
雑誌
弘前大学大学院教育学研究科教職実践専攻(教職大学院)年報 (ISSN:24345628)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.9-21, 2019-03-20

本稿では,中学校社会科公民分野の教科書において,政治,特に民主主義に関わる事柄がどのように記述されているか確認した上で,政治学的観点から見た若干の提案を行う。「民主主義」は「多数者による支配」「多元主義・自由主義」「政治参加」「熟議」の四要素に区分され,それぞれについて各教科書間での共通点と相違点が示された上で,その内容に関して政治学が貢献し得る点が明らかにされる。

6 0 0 0 OA 世界聖典全集

出版者
世界聖典全集刊行会
巻号頁・発行日
vol.前輯 第11巻, 1920
著者
菊池 信彦 内田 慶市 岡田 忠克 林 武文 藤田 高夫 二ノ宮 聡 宮川 創
出版者
デジタルアーカイブ学会
雑誌
デジタルアーカイブ学会誌 (ISSN:24329762)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.32-37, 2021-01-12 (Released:2021-02-24)
参考文献数
11

本稿は、筆者を含め、関西大学アジア・オープン・リサーチセンター(以下、KU-ORCAS)の研究者を中心とした学内の共同プロジェクトとして実施している「コロナアーカイブ@関西大学」について論じている。コロナアーカイブ@関西大学は、ユーザ参加型のコミュニティアーカイブの手法を用いて、COVID-19の流行という歴史的転換期における関西大学の関係者の記録と記憶を収集している、デジタルパブリックヒストリーの実践プロジェクトである。本稿では、パブリックヒストリーという研究動向の紹介を踏まえたうえで、世界的な動向におけるコロナアーカイブ@関西大学の位置付けやその特徴、そして収集している資料の性格等について論じる。
著者
連 勇太朗
出版者
一般社団法人 日本建築学会
雑誌
日本建築学会技術報告集 (ISSN:13419463)
巻号頁・発行日
vol.27, no.65, pp.406-411, 2021-02-20 (Released:2021-02-20)
参考文献数
7
被引用文献数
2

The study is aimed to propose a new design method in order to develop architectural design as common resource for multiple stakeholders. We will focus on “MOKU-CHIN RECIPE” which is a design tool that opens up renovation ideas for old wooden Japanese apartment known as Mokuchin. Here we report 1) the outline and its background of MOKU-CHIN RECIPE, 2) the framework and development process of each renovation ideas and its results and finally, we modelized the development process of MOKU-CHIN RECIPE in order to make it applicable to other practice domain.
著者
Seika Tanji Masaru Inatsu
出版者
Meteorological Society of Japan
雑誌
SOLA (ISSN:13496476)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.32-36, 2019 (Released:2019-02-13)
参考文献数
31
被引用文献数
2 4

Blowing snow potential is diagnosed for typical cases around Sapporo, Japan, as snow concentration and visibility based on dynamically downscaled data with 1-km resolution. The results are consistent with the blowing-snow records on time and place of traffic disruption, when the dynamical downscaling (DDS) reproduced wind speed well for a case. The diagnosis with mesoscale model analysis with 5-km resolution does not reproduce the blowing snow events in most area, however. Hence, the DDS potentially, not perfectly, adds the value to estimate blowing snow potential, despite a large scale-gap from an explicit representation of small-scale turbulence related to blowing snow. Sensitivity tests clarify that blowing snow requires strong wind and freezing temperature at the surface.