著者
見上 昌睦
出版者
The Japan Society of Logopedics and Phoniatrics
雑誌
音声言語医学 (ISSN:00302813)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.1-8, 2007-01-20 (Released:2010-06-22)
参考文献数
38
被引用文献数
3 4

発話困難の意識があり重症度の高い発吃3歳3ヵ月, 初診時年齢5歳1ヵ月の男児1例に対して環境調整, 遊戯療法とともに流暢性を促すために以下の直接的言語指導による治療を実施した.1) ゆっくり, ひき伸ばし気味の発話 (カメの玩具を動かして) , 2) タッピング (蛙の玩具を弾ませて) , 3) 柔らかな起声・発話: 吸気後に呼気にのせて軟起声で, ゆっくりと母音部をひき伸ばし気味に発声・発話 (発話困難な語音に焦点を当てて実施) , 4) 自由会話.言語指導終了後, 遊戯療法に並行して母親面接を実施し環境調整を図った.家庭でも本言語指導を実施してもらった.本治療を通して, 指導および家庭場面の吃音症状は顕著に改善した.また工夫・回避反応は消失した.吃音の進展した幼児に対する遊戯的要素を取り入れた直接的言語指導に焦点を当てた治療の効果が示唆された.さらに, 言語指導と遊戯療法を組み合わせて実施することの効果も示唆された.
著者
見上 昌睦
出版者
The Japan Society of Logopedics and Phoniatrics
雑誌
音声言語医学 (ISSN:00302813)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.21-28, 2005-01-20 (Released:2010-06-22)
参考文献数
30
被引用文献数
8 9

吃音の意識があり重症度の高い発吃3歳6ヵ月, 初診時年齢8歳10ヵ月の男児1例に対して環境調整, 遊戯療法とともに流暢性を促すために以下の直接的言語指導による治療を実施した.1) “ゆっくり, ひき伸ばし気味に”, “力を抜いて, 柔らかな声で”などをカメの玩具, 柔軟性に富むぬいぐるみの動き等にたとえて発話, 2) メトロノームを用いたリズム効果法, 3) 主症状である吸気発声への対応として, 吸気後に呼気にのせて軟起声で, 柔らかな声を用いながらゆっくりとひき伸ばし気味に発声・発語, 4) 劇遊びを斉読, 復唱など吃音症状が抑制されやすい条件をとり入れて実施した.言語指導終了後, 遊戯療法に並行して親面接を実施し環境調整を図った.家庭でも本言語指導を実施してもらった.本指導開始後, 指導および家庭場面の吃音症状は顕著に改善した.また回避反応は消失, 行動・心理面についても好転した.重度吃音学童に対して, 環境調整, 遊戯療法とともに, 遊戯的要素をとり入れ, 核となる吃音症状を踏まえて直接的言語指導を試みることの効果が示唆された.
出版者
日経BP社
雑誌
日経コンストラクション (ISSN:09153470)
巻号頁・発行日
no.654, pp.14-20, 2016-12-26

英国ロンドン市の中心部に位置する大規模再開発エリアで昨年11月、19世紀半ばの産業遺構を生かしたユニークな公園がオープンした。東西に並ぶ市内有数の2駅、キングスクロス駅とセント・パンクラス国際駅の北側で、リージェント運河沿いに位置する「ガスホル…
著者
資源素材学会
出版者
資源・素材学会
巻号頁・発行日
vol.92, no.1062, 1976-08
著者
金子 真 和田 充雄 前川 仁 谷江 和雄
出版者
The Robotics Society of Japan
雑誌
日本ロボット学会誌 (ISSN:02891824)
巻号頁・発行日
vol.9, no.4, pp.437-444, 1991-08-15 (Released:2010-08-25)
参考文献数
14
被引用文献数
1

This paper discusses transmission characteristics of tendon-sheath driving system typically used to actuate robotic finger joints, and also their effects on force control system. For a simple tendonsheath model, we first formulate the transmission characteristics with the newly introduced two physical parameters apparent tendon-stiffness and equivalent backlash. An interesting aspect is that apparent tendon-stiffness changes when the tendon is pulled or loosened, while tendon-stiffness itself keeps constant. This unexpected behavior is confirmed by simulations as well as experiments. We also consider the effect of apparent tendon-stiffness on force control precisely and show that the direction-dependent behavior ofapparent tendon-stiffness eventually brings about a direction-dependent response in the force control system.
著者
谷村 一郎
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
日本獸醫學雜誌 (ISSN:00215295)
巻号頁・発行日
vol.39, no.6, pp.643-656, 1977-12-25

家畜の眼球について形態学的研究を行った. 採取眼球のうち馬16個, 牛28個, 山羊26個, 豚30個, 犬18個, 猫20個および兎28個の眼球については各部位を計測し,ー方, 残りの馬8個, 牛22個, 山羊14個, 豚18個, 犬20個, 猫26個および兎16個の眼球の各部について走査型電子顕微鏡による観察を行った. 各部位の計測値は動物の種類により特異的なものであった(Table 1). 走査型電子顕微鏡観察の結果では, それぞれの動物の種類において各部位に特徴的な所見が得られた. 虹彩顆粒は馬, 牛, 山羊のほかに, 豚や犬でも小顆粒が瞳孔縁全周に配列することが認められた. 毛様体突起は動物種によりその形態を異にし, 馬や牛では太く, 起始部は分岐しないが, 山羊や豚では高いものと低いものがあり, 犬や猫では低い突起が集まって櫛状を呈する. 毛様小体は種々な太さの線維束から構成され, その伸長径路も動物種間で差が見られ, 硝子体包に終止する部位は特異なV字型(牛, 山羊, 犬, 兎), 楔形(馬, 豚), 馬蹄型(猫)を呈した. 水晶体には動物間による構造上の差はみられなかったが, 水晶体線維面に多数の小孔の存在が確認された. 視神経円板は各家畜により形態を異にするが, 牛および山羊ではこの部位に硝子体突起の存在が認められ, その立体構造が明らかにされた.
著者
おもろ研究会編
出版者
ひるぎ社
巻号頁・発行日
1987
著者
木苗 直秀 下位 香代子
出版者
静岡県立大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1994

1.茶葉(日本産緑茶、中国産黒茶、南アフリカ産ルイボス茶)抽出物、1,1-ジフェニル-2-ピクリルヒドラジルを用いる比色法、および、5,5-ジメチルピロリン-N-オキシド付加体として検定するESR法を適用したところ、いずれも活性酸素(O2-)を含むラジカル補足能を示しており、活性は、緑茶>ポ-レイ茶>ルイボス茶の順であった。2.ストレプトゾトシンを投与して糖尿病を誘発させたWistarラットに各種茶葉抽出物を飲料水として摂取させ、AGEsの経時的変化を調べたところ、ポ-レイ茶と緑茶が有意に血漿中のAGEs量を低下させた。ポ-レイ茶抽出物中のケルセチン、ミリセチン、ケンフェロール、ルチン、ミルシトリンが、また緑茶抽出物中の(-)-エピガロカテキンガレートを含む4種のカテキン類がAGEs生成に対する阻害物質であると推定した。3.アフィニティHPLC法およびELISA法により、ヒト糖尿病患者の血漿中のAGE量が健常者と比べて有意に高いこと、AGEs量とHbA_<1C>値が高い相関性を示すことを明らかにした。
著者
大石 高典 山下 俊介 内堀 基光 Takanori OISHI YAMASHITA Shunsuke UCHIBORI Motomitsu
雑誌
放送大学研究年報 = Journal of the Open University of Japan (ISSN:09114505)
巻号頁・発行日
vol.30, pp.63-75, 2013-03-21

2011年度放送大学学長裁量経費による研究助成を得て、放送大学に保管されている放送大学特別講義『HUMAN:人間・その起源を探る』の一部素材映像のアーカイブ化を行った。一連の作品は、撮り下ろし現地取材に基づく単発のシリーズとしては、放送大学のみならず、日本におけるこれまでで最大の教育用人類学映像教材作成プロジェクトであった。未編集のものを含む当該講義取材資料のうち約40%に当たる部分のアーカイブ化を行うとともに、当時現地取材や映像資料の作成に関わった放送大学関係者と自らの調査地に取材チームを案内した研究者らを中心に聞き取り調査を行った。「ヒューマン」シリーズ撮影から、既に15年以上が経過しているが、狩猟採集民、牧畜民、焼畑農耕民など、アフリカ各地の「自然に強く依存して生きる人びと」に焦点を当てた番組の取材対象地域では、取材後も撮影に関わった研究者自身やその次世代、次次世代におよぶ若手研究者が継続的に研究活動を行っている。これらの研究者との議論を踏まえれば、「ヒューマン」シリーズのラッシュ・フィルムの学術資料としての価値は、以下にまとめられる。(1)現代アフリカ社会、とくに生態人類学が主たる対象としてきた「自然に強く依存」した社会の貨幣経済化やグローバリゼーションへの対応を映像資料から考察するための格好の資料であること。(2)同時に、ラッシュ・フィルムは研究者だけでなく、被写体となった人びとやその属する地域社会にとっても大変意味あるものであり、方法になお検討が必要であるものの対象社会への還元には様々な可能性があること。(3)映像資料にメタデータを付加することにより、調査地を共有しない研究者を含む、より広範な利用者が活用できる教育研究のためのアーカイブ・データになりうること。本事例は、放送教材作成の取材過程で生まれた学術価値の高い映像一次資料は、適切な方法でアーカイブ化されることにより、さらなる教育研究上の価値を生み出しうることを示している。このような実践は、放送大学に蓄積された映像資料の活性を高めるだけでなく、例えば新たな放送教材作成への資料の再活用を通じて、教育研究と映像教材作成の間により再帰的な知的生産のループを生み出すことに貢献することが期待される。
著者
柳瀬 崇 平野 浩太郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. A・P, アンテナ・伝播
巻号頁・発行日
vol.98, no.356, pp.97-101, 1998-10-23
参考文献数
7

ここでは筆者らが昨年度に分散アンテナを用いてPHSによる通話実験を行った結果に対して, PHSの変調方式であるπ/4シフトQPSKにおける分散アンテナの定量的な解析を行い, 理想的な開空間においてπ/4シフトQPSKでの2-ダイポール分散アンテナのBER特性を明らかにしている.ここで得られた結果はPHS以外の無線システムへの適用も可能である。