著者
右田 裕規
出版者
日本社会学会
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.66, no.3, pp.379-394, 2015 (Released:2017-03-08)
参考文献数
61

近代君主制国家の人びとは, 産業資本制と結びつきスペクタクル化した君主の祝祭をどのように眺め欲望していたか. またその視的経験は, かれらのナショナル・アイデンティティ形成とどのようにかかわりあっていたか. 本稿では, 20世紀初期の日本社会を事例にしつつ, この問いについて社会学的に応答することが目指される. つまり君主の祝祭のスペクタクル化という史的事態がネイション編成とどう関連しあっていたのかが, 同時代人たちの視覚経験から再考される.あきらかにされるのは次の2点である. 第1に, 君主のスペクタクルの見物者たちを特徴づけたのは, 祝祭の景観を刹那的かつ量的に眺め欲望する知覚様式であったこと. 第2に, 資本制に照応したこの知覚様式の拡がりから, 君主のスペクタクルを構成する表象群の ‹国民的› な意味作用が失効する事態が生成されていたことである. 本稿では, この2点をつまびらかにすることで, 君主の祝祭をスペクタクル化する経済主体の運動が君主制ナショナリズム編成に対して含んだ反作用的な契機と機制が呈示される.
著者
安達 智史
出版者
日本社会学会
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.66, no.3, pp.346-363, 2015 (Released:2017-03-08)
参考文献数
21

社会学において「知識」は, 人びとに特有のリアリティを与える社会的フレームを意味し, 宗教はその1つとして考えられている. 従来, 社会の中心的な「知識」は, 宗教的/政治的エリートにより生産され, 人びとの認識や社会関係に大きな影響を与えてきた. だが, 「情報化」のもと, 宗教的知識をめぐる環境は大きな変化の中にある. 情報化の進展は, 人びとが既存の権威から自由に宗教的知識を獲得し, また解釈することを可能にしている. 本稿の目的は, こうした環境変化の中で, 現代イギリスの若者ムスリムがどのようにイスラームの‹知識›と関わり, 社会への統合を果たしているのかを描くことにある. データは, コベントリー市における若者ムスリムへのインタビューを通じて収集され, 主題分析により検討された. 調査の中で, イスラームの‹知識›の探求を促す(親の世代と異なる)3つの環境が指摘された. 第1に, イスラームの‹知識›をめぐるインフラの充実, 第2に, 非イスラーム社会においてムスリムとして生活すること, 第3に, ムスリムをとりまく社会的プレッシャーである. このような環境の中で若者ムスリムは, より広い社会への参加のために, ‹知識›との積極的な関わりを通じて, イスラームの再解釈/再呈示をおこなっている. このことは, 若者が自身の生きる社会的文脈への適応を容易にするために, 宗教的インフラや情報のさらなる充実が求められていることを示している.
著者
得田 雅章
出版者
Center for Risk Research (CRR), Shiga University
雑誌
CRR Discussion Paper, Series J
巻号頁・発行日
no.No. J-59, pp.1-17, 2016-09 (Released:2016-09-06)

2013 年より本格始動したアベノミクス(Abenomics)ももう3 年が経過した。アベノミクスは3 本の矢として「大胆な金融政策」、「機動的な財政政策」、「民間投資を喚起する成長戦略」を標榜しているが、これは経済学的には狭義のポリシーミックス(金融・財政政策)の亜種に過ぎない。なかんずく日銀の金融政策に世間の耳目が集まっているが、これは非伝統的金融緩和の一種であるQQE(量的・質的金融緩和)が実施されたことが大きい。QQE は果たして実体経済に影響を与えたのだろうか。黒田東彦日銀総裁は、戦力の逐次投入はしないと豪語していたにもかかわらず、何発もの「バズーカ」を放つことになり、2016 年に入ってからはマイナス金利という新兵器まで併せて投入してきた。このようにいわば金融政策の実験場と化した日本経済への金融政策効果について、時系列分析を試みる。「試み」としたのは、金融市場における政策反応はさておき、波及までのタイムラグを加えた実体経済への影響となると、時系列分析によって判断を下すのは時期尚早といえなくもないからだ。一方で、アベノミクスの成果に疑問が生じている現況において、かつてないほど金融政策に関心が集まる中、暫定的にでも何らかの知見を示すことには意味があるだろう。過去10 年ほどの金融政策を取り巻く環境はまさに激変であり、対応する非伝統的金融政策も今ではすっかり普遍的になりつつある。本稿ではマイナス金利を含むQQE と実体経済への影響について、標準的な構造VAR モデルを主とする時系列分析手法を用いて評価する。結果、資産価格上昇、円安、長期金利の一層の低下を通じインフレ率に一定の上昇効果を確認した。一方で、実体経済に関して、失業率の低下が確認できたものの、鉱工業生産指数や実質GDP の明確な上昇は確認できなかった。 追加分析からは、政策パッケージとしての株式資産購入プログラムは効果がないあるいはむしろ逆効果となることが示唆された。
著者
征矢野 晃雅
出版者
(一社)日本ゴム協会
雑誌
日本ゴム協会誌 (ISSN:0029022X)
巻号頁・発行日
vol.85, no.2, pp.33-39, 2012 (Released:2013-08-02)
参考文献数
21
被引用文献数
1 6

Demands for high performance chips have been drastically increased along with the development of smart phones, tablet-PCs and so on. Scaling is an ongoing challenge to fabricate a chip with multi-functions in a limited space for semiconductor manufacturers. In accordance with the design rules, critical dimensions (CD) have shrunk in half every two years. Scaling has been realized by making a photolithography pattern finer and finer by implementing a light source that has a shorter wavelength for lithography. In the development of photoresists for each wavelength, such as g-line, i-line, KrF and ArF, it is necessary to select suitable polymer platforms in order to obtain transmittance of the wavelength being used. This report introduces the history of the development of photoresist material and describes future lithography materials such as nano-imprint lithography (NIL) and direct self-assembly (DSA) technology.
著者
佐藤 孝雄
出版者
国立歴史民俗博物館
雑誌
国立歴史民俗博物館研究報告 = Bulletin of the National Museum of Japanese History (ISSN:02867400)
巻号頁・発行日
vol.107, pp.119-165, 2003-03-31

For an archeologically discussion of the establishing process of Ainu's animal cult, including the “sending-off” ceremony for bears, it is first necessary to investigate modern Nusa sites, places where outdoor sacred altars were built, that have ethnographic information available and to organize the characteristics and remains of animals there so as to compare them with other archaeological evidence. However, only a few attempts have been made for Nusa sites in the mountains, far from an Ainu settlement, called a kotan. In particular, the species and characteristics of animal remains at a kotan's Nusa site important due to its relationship with the “sending-off” ceremony for reared bear cubs, called an iomante, have effectively not been studied.As far as I know, the Nijibetsu Shuwan Kumaokriba Site in Shibecha-town, east Hokkaido, is the only remains that is appropriate for the investigation of animal remains. The History Study Group of the basin of the River Kushiro excavated the Kumaokuriba Site in 1976 and 1978 with an about 5mm mesh sieve for collecting fine samples, and recovered over 18,000 pieces of animal body fragments from the Site, it is said that Mr. Kotaro Hashibami, a neighbor of the Site, sent off 200-300 bears from late 19th century (early Meiji era) to 1939 at the site, which is also famous for being the site of the last iomante (December 1939) that was observed by Dr. Takemitsu Natori and his colleagues. However, although these animal remains have a high academic significance, they have not been analyzed in detail.I scrutinized the animal body remains between December 1996 and January 1998. As a result, a statement of the details and characteristics of the animal body remains can be summarized as follows:・ The excavated species were 15 in total including wild animals such as brown bear (Ursus arctos yesoensis), fox (Vulpes vulpes schrencki), river otter (Lutra lutra), sable (Martes zibellina brachyura), deer (Cervus nippon yesoensis), Blackiston's fish owl (Ketupa blakistoni), and large eagles (Haliaeetus sp.); as well as boar (Sus scrofa, of course, which has a possibility of pig) and domestic animals such as dog (Canis familiaris), sheep (Ovis domesticus), cattle (Bos taurus), and horse (Equus caballus), which originally did not inhabit Hokkaido and is unknown as a cult object.・ At least 59 mandibular bones of brown bears were detected, including 11 cubs (<2 years old) that are the objects of the iomante. Beside, bones of extremities, those of trunks, which are rarely observed at rock shelter Nusa sites in the mountains, were also found, though their quantity was lower than 30 % of the mandibular bones on a population basis.・ Cranial bones were more marked in the excavated bones of small terrestrial animals (rabbit, fox, river otter, and otter) than in those of brown bears. One hundred, 49, and 7 mandibular bones of rabbit, fox, and river otter, respectively, were found. Small amounts of bones of extremities and trunks that were derived from one individual had been excavated. Moreover, only 3 sable mandibular bones were found; no sable otter bones were observed.・ The deer specimens were derived from only 2 individuals; this may be attributable to the hunting with bow or trap, and hunting by chasing animals being banned in the early Meiji era, and a reduced population size due to heavy snowfalls.・ The Blackiston's fish owl specimens obtained were derived from at least 3 individuals, with nearly entire body pars being excavated. These findings indicate the possibility of a “sending-off” ceremony for owls, something that is poorly researched in ethnographic information, and will be valuable for archeological study of the establishing process of that ceremony.
著者
松林 嘉克
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2013-05-31

植物成長を制御する新しい細胞間シグナルとして,翻訳後修飾を伴った短鎖分泌型ペプチドに注目が集まっている.本研究は,翻訳後修飾ペプチドホルモンのさらなる探索や,既知因子の受容および細胞内情報伝達機構の解明を基軸としながら,翻訳後修飾のメカニズム,細胞外での分子動態などを解析し,翻訳後修飾ペプチドホルモンを介した植物形態形成や環境応答の分子機構を明らかにすることを目的としている.今年度は,ゲノム情報に基づいたペプチドホルモン候補のスクリーニングとLC-MSによる成熟型構造解析,そして受容体キナーゼ発現ライブラリーを用いた受容体探索により,植物の根の拡散障壁であるカスパリー線の形成に必要なペプチドホルモンの同定に成功した(Science 2017).Casparian strip Integrity Factor(CIF)と命名した21アミノ酸のチロシン硫酸化ペプチドは,根の中心柱で発現し,内皮細胞で発現する受容体GSO1/SGN3に特異的に結合する.これらを欠損する植物は,根のカスパリー線に穴があき,濃度勾配依存的に外界からイオンが道管に流入または道管から流出するため,至適栄養条件以外では成長が阻害されることが明らかとなった.また,以前に発見した全身的な窒素要求シグナリングに関わるペプチドホルモンCEPの下流で働く新しい長距離移行シグナルの同定に成功した.CEPは窒素欠乏時に根で誘導され,道管を通って葉の師部側にある受容体CEPR1に認識されるが,その下流で師管内を根へ移行するポリペプチドCEPD1およびCEPD2を見出した(Nature Plants 2017).根に移行したCEPDは,硝酸取り込み輸送体であるNRT2.1の発現を上昇させる.この発見により,片側の根が窒素欠乏になった時,もう片側の根で相補的に窒素取り込みが促進される現象の基本的なメカニズムが明らかとなった.

1 0 0 0 嶋呼三浦君

出版者
Tokyo Geographical Society
雑誌
地学雑誌 (ISSN:0022135X)
巻号頁・発行日
vol.5, no.6, pp.306a-307, 1893
著者
小河 邦雄 岩澤 まり子
出版者
情報メディア学会
雑誌
情報メディア研究 (ISSN:13485857)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.26-37, 2017-03-22 (Released:2017-03-22)
参考文献数
28

探索調査のためには広い概念でデータベースを検索する場合が多く,大量の検索結果が得られた場合は調査者の過剰な情報負荷となる.本研究では探索的フィルタリングを使用した新しい探索調査の方法を提案する.研究テーマ探索を主題として文献データベースを検索し,得られた文献情報を作成した既知の知識辞書でフィルタリングして低頻度の新奇な情報のみを抽出した.実験では疾病名で文献を検索し,索引情報のフィルタリングで新奇な薬理メカニズムのシーズリストを得た.特に PubMed API を使用した一般語の除去,同義語検出により,大量の情報を半自動的に処理することを可能とした.大量の情報から低頻度で価値のある情報を入手する方法は重要と考える.
著者
宇宙科学研究所編 山田 隆弘
出版者
宇宙航空研究開発機構
雑誌
宇宙科学研究所報告特集 (ISSN:02859920)
巻号頁・発行日
pp.3-200, 1997
被引用文献数
1

本報告は, 宇宙実験・観測フリーフライヤー(SFU)の成果をまとめたものである。SFUは, 汎用・多目的のフリーフライヤーであり, 飛行後に回収され, 再飛行を行うことができる。SFUは, 1995年3月18日に宇宙開発事業団のH-IIロケットにより種子島宇宙センターより打ち上げられ, 軌道上で各種の実験・観測を行った。その後, 1996年1月13日にNASAのスペースシャトルにより回収され, 1月20日にケネディ宇宙センターに帰還した。本報告は, SFUのコアシステム(共通部分)について飛行の成果をまとめたものである。SFUの搭載実験の成果については, 別の報告書にまとめられる。本報告書の第1章では, SFUミッションの概要, SFUの開発の経緯, SFUの運用の概要について述べる。第2章では, SFUコアシステムの各々の部分について, (1)概要(主要な機能性能等), (2)軌道上での運用の結果, (3)回収後の試験・検査で判明したことを述べる。第3章では, 打上げ前から帰還後までの各運用のフェーズ毎に運用の結果を説明する。
著者
久保田 喜裕 山崎 興輔 飯川 健勝 吉越 正勝
出版者
地学団体研究会
雑誌
地球科學 (ISSN:03666611)
巻号頁・発行日
vol.60, no.6, pp.455-464, 2006-11-25

2004年10月23日の新潟県中越地震において,長岡市悠久山地域の被害要因に関する疑問を解明するため,補充調査を行った.その結果,以下のことが判明した.(1)一般に地盤が良いとされる段丘地でなぜ被害の集中域がみられたのか:住宅が集中する段丘面上にふたつの谷状凹地を確認したが,被害はこの谷状凹地の谷底や斜面の盛土地に集中した.とくに谷頭など,傾斜地の盛土部で顕著な被害がでた.被害要因として,この谷状凹地を埋積した沖積泥質堆積物や盛土が低い方へ変位したことが考えられる.(2)沖積盛土の大規模住宅地でなぜ被害が偏在したのか:損壊家屋は隣地との境界に設けられた水路(かつての水田の用排水路)脇に多かった.宅地地盤は北西側に0.7/100程度傾斜しており,被害は盛土が厚く深い水路(約1m)がある下流部に集中した.このような水路には一様にフタがない凹地空間となっている.被害要因として,傾斜した地盤に地震時の過剰な土圧が発生したため,盛土が水路・側溝の凹地空間へ押し出し,家屋とともに変位したことが考えられる.大規模な新興住宅地の開発は,今後ますます沖積低地へ向かうと思われる.沖積低地でも微傾斜地や,深い水路や側溝がある宅地地盤には,地震動による過剰な土圧の発生に耐えられる盛土の土留め擁壁や水路・側溝の側壁の耐力強化,グレーチングやコンクリート製のフタの設置といった,地盤の変位を抑える対策が不可欠である.
著者
塚口 眞佐子
出版者
大阪樟蔭女子大学
雑誌
大阪樟蔭女子大学学芸学部論集 (ISSN:18807887)
巻号頁・発行日
vol.44, pp.137-149, 2007-03-20

デザイン史を観るに1860年代から1930年代までの70年間とそれ以降の70年間を比較した場合、前者がいかに劇的な展開を果たしたか驚くばかりである。歴史様式の混乱状態からモダンデザインへの胎動期、そして誕生、成長まですべてを包含している。それだけに関係が複雑に交差し、過去の様式史とは異なる多元的な理解が必要となる。また、担い手もこれまでとは異なり、勃興する中流階級がデザインの潮流を支えた点も注目に値する。本稿ではこの期間のうち19世紀のデザインをリードした英国のヴィクトリアン期、中でも中流階級のインテリアに照準を当て、様相の背景を探ることで、デザイン史が展開した必然性に迫り解明することをねらいとしている。 建築やインテリアは社会状況や時代精神、生活意識の反映である。デザインのあり方にはこれらの理解が欠かせない。第1章では、モダンデザインの胎動期となったヴィクトリアン期のインテリアの概観とともに、時代精神、特に階級意識とジェンダーをからめてこの様相に迫ってみる。第2章では、装飾品の実態を詳述することで、装飾品に仮託された生活意識を浮かび上がらせる。第3章では、第1章と第2章で明らかにした過剰な装飾の様相から発生した改革運動とその展開を取り上げる。ここではモダンデザインへの移行に大きな役割を果たした日本の影響を軸に述べている。いずれの章も具体的事項を語ることで全体像を浮かび上がらせたいと考える。
著者
森田 伸子
出版者
教育思想史学会
雑誌
近代教育フォーラム (ISSN:09196560)
巻号頁・発行日
no.16, pp.111-119, 2007-09-16

18世紀イギリスの教訓派作家とは、歴史的にどのように位置づけられるのだろうか。それは、児童文学史、社会運動史、そして教育史が交差するところに位置づけられる特異な存在である。このフォーラムはこうした対象を扱うことの困難とともにその可能性をも指し示している。子ども観の変化、中産階級の勃興と階級意識の発達、女性の自己変革とその社会的位置の変化、そして、社会経済的コードからは一定程度の独立と自律性を有する「教育的なるもの」の萌芽とその展開、これらの多様で多層にわたる動きが重なり合うところに、あの、独特な「児童文学」とは呼びがたい、しかし紛れもなく子どものための文学であるところの教訓的物語が成立するのである。そしてそれは、ほかならぬ18世紀という時代に成立し、19世紀が進むにつれて速やかに消えていくべく運命づけられた存在であった。
著者
橋川 喜美代
出版者
鳴門教育大学
雑誌
鳴門教育大学研究紀要 鳴門教育大学 編 (ISSN:18807194)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.12-24, 2012

The purpose of this paper is to clarify how the teachers understand the children's inner world and their way of expression, and share the world together, analyzing the practical reports in our time and in history by Te Whãriki and the learning story. The teachers recover the live body which can understand the children's inner world, from the stage of watching the children's play, to the stage of predicting their move. The teacher and the children share the place that they live, the relationship between two grow flexibility widely, and the form of education and care change. The change of their relationship created many results of learning in which children enjoyed the play. Te Whãriki and the learning story speak of the inter−subjective relation, are the scale of the results of the learning which it creates. By Te Whãriki and the learning story, the teacher understands the gap in environment of child care and education, and learning and growth of children, realize again the children life.