著者
阿部 文一
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
化学と教育 (ISSN:03862151)
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.88-91, 2007
参考文献数
6

液体と気体,液体と液体(例えば有機溶媒と水),固体と液体などの境界には,必ず界面が存在する。界面の科学は古くから知られているが,今だに解明されていない点も多い。本企画では,界面化学の基礎から最新情報までを4回の連載にて解説する。ここでは,界面張力の発生のメカニズムとエネルギーの状態について概観し,特に気体-液体界面の張力についてと,測定方法の代表的なWilhelmy法について原理を述べる。また,ぬれについても基礎的なことを述べる。
著者
中野 恵子
出版者
日経BP社
雑誌
日経レストラン (ISSN:09147845)
巻号頁・発行日
no.401, pp.62-64, 2008-08

前回紹介した「飲食店の喫煙環境に関する調査」結果では、7割の店が「全面喫煙可」だった。今回は、そうした店の実情と悩みを紹介。そして、「喫煙環境の重要度」についての、お客の意識と店側の認識のギャップを探った。 今回の調査では、全面喫煙可の店(以下、喫煙店)の現状と悩みを探った。
著者
福井 裕輝
出版者
国立精神・神経センター
雑誌
若手研究(スタートアップ)
巻号頁・発行日
2008

サイコパス群、比較対照群に対して、拡散テンソル画像;DTI)を撮像し、tract-based spatial statics(TBSS)を用いて全脳におけるfranctional anisotrophy(FA)値を調べた。サイコパス群では、前頭葉眼窩領域においてFA値の有意な低下を認めた。
著者
中嶋 朝子 中島 清子
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
家政学雑誌 (ISSN:04499069)
巻号頁・発行日
vol.13, no.3, pp.172-177, 1962

室内温湿度24.3~29.3℃、湿度57~80%において成人女子2名を被検者とし、四種の試験用マットレスを使用した場合即ちソフランマットレス・ハマフォームマットレス・わら布団・わら布団ともめん綿入り敷布団を重ねた場合について、その透湿性を知る為就床時の寝床内温湿度(上腹部・下肢側部)、マットレス内外面温湿度(上腹側部)などを測定した。温度測定は銅-コンスタンタン熱電対を用いて電位差計法により、湿度測定はミニマ鋭感湿度計を用いて行ない、両被検者とも各マットレス2回ずつ計16回測定した。その測定結果より次のことがわかった.<BR>(1) 寝床内温湿度・マットレス内外面温湿度の変化<BR>寝床内は就床により温度は上昇し湿度は低くなるが、温感が暑・蒸暑になると湿度は急に増加する。180分までの各マットレス内面及び外面の湿度増加を掛にタオル布団を用いた場合についてみると、ソフラン-内面6~2%・外面6.5%、ハマフォーム-内面3~21%・外面8~13%、わら-内面1.6~13.5%・外面0.8~2.5%、わら及びもめん-もめん内面3~23%・外面8~17%、わら内面9~15%・外面0.9~1.4%である。ソフラン・ハマフォーム・もめんの内外面湿度は増加しているが、わら外面は就床前と殆ど変化がない。<BR>(2) マットレスの透湿性<BR>就床前と180分後におけるマットレス内外面の温湿度から水蒸気張力を求め、その就床前よりの増加量を算出し、これらの内面増加量に対する外面の増加量をみると、ソフラン-0.43~0.53.ハマフォーム-0.30~0.62、わら-0.17~0.32わら及びもめん、-もめん綿0.67~1.00、わら-0.15~0.24で使用3時間における透湿度はソフランマットレス・ハマフォームマットレスは大体同じ程度であり、わら布団は透湿が最小であった。
著者
小野 勉 宮崎 茂次 金川 明弘
出版者
社団法人日本経営工学会
雑誌
日本経営工学会論文誌 (ISSN:13422618)
巻号頁・発行日
vol.56, no.3, pp.218-226, 2005-08-15

人が移動するとき、人全体の移動の効率をあげるには、どのような対策を施せばよいかを考察する。まず、人と物の移動を、それぞれ体系的に整理し、その後、人が移動するときの移動補助手段を有効活用するための課題を述べる。移動補助手段の利用効率を上げるには、その需要をなるべく小さい誤差で予測し、それに合わせた効率的な供給が実現できればよい。本論文では、人流の移動補助手段の需要予測を説明する数理モデルを提案し、その精度について検証する。また、その数理モデルによる需要予測の説明変数には、日付、曜日、時刻のような時間的な要因、天候、風速、風向、気温、また湿度のような気象要因、住宅地や工業地や商業地や夜の飲食街のような地域要因、交通事故、交通規制、イベント(各種の祭、店舗の開閉店、入試、卒業式、入学式、学会など)のような突(単)発要因などが考えられる。数理モデルを作成するにあたり、これらの要因の有効性を実在するO市のタクシーの輸送履歴について検証することにする。
著者
Shohei Ikeda Junichi Sadoshima
出版者
日本循環器学会
雑誌
Circulation Journal (ISSN:13469843)
巻号頁・発行日
vol.80, no.7, pp.1511-1519, 2016-06-24 (Released:2016-06-24)
参考文献数
108
被引用文献数
50

Stress in the heart causes loss of cardiomyocytes (CMs), the accumulation of which leads to heart failure, a major cause of clinical mortality. The improvement of CM survival and facilitation of CM regeneration are major goals in treatment for heart failure. The Hippo pathway is an evolutionarily conserved signaling mechanism that regulates organ size by controlling both apoptosis and cell proliferation. The main components of the Hippo pathway, including Mst1/2, Lats1/2 and Yes-associated protein (Yap), are present in the mammalian heart and play an important role in regulating the growth and death of CMs. Recent research in the cardiac field has demonstrated that Yap, a key downstream transcriptional cofactor in the Hippo signaling pathway, plays a crucial role in regulating survival and proliferation/hypertrophy of CMs. Increasing lines of evidence suggest that Yap promotes regeneration of the heart after myocardial infarction. In this review, we summarize the current knowledge regarding the roles and functions of the Hippo pathway in the heart, with a particular emphasis on the role of Yap in regulating growth and death of CMs. (Circ J 2016; 80: 1511–1519)
著者
平林 靖彦
出版者
農林水産技術情報協会
雑誌
農林水産技術研究ジャーナル (ISSN:03879240)
巻号頁・発行日
vol.24, no.11, pp.37-41, 2001-11-01

1985年末にオゾン層の破壊を示すオゾンホールの存在が発表され、地上に到達する有害紫外線量が増加すると警告されて世界に衝撃をあたえた。それ以来、フロンガスの製造と使用禁止によるオゾンホールの拡大防止策が進められ、紫外線防御技術も注目されるようになった。自動車の窓もUⅤカットガラスが標準仕様の時世である。紫外線吸収フィルムは時代の申し子ともいえる。以下は、自然界に存在するリグニンの紫外線吸収機能に着目して紫外線吸収性を有するリグノセルロースフィルムの開発を行った経験を述べる。
著者
村上 成之 中村 紀夫 谷 諭
出版者
日本救急医学会
雑誌
日本救急医学会雑誌 (ISSN:0915924X)
巻号頁・発行日
vol.3, no.6, pp.461-470, 1992-12-15 (Released:2009-03-27)
参考文献数
21
被引用文献数
1

二輪車交通事故における頭部外傷のメカニズムを検討する目的で,臨床情報をふまえて事故後回収したヘルメット120例について分析を加えた。臨床データから頭部外傷の程度によって負傷者を軽症,重症,死亡に分類した。また,障害の内容も細分しそれぞれの延べ数を求めた。ヘルメットは外表の観察にとどめず,切断して衝撃吸収ライナーとして使用されている発泡スチロールの状態も検査した。この方法によりヘルメットの損傷部位と程度を評価した。ヘルメットが事故に際し脱落したもの(脱落例)では脱落しなかったもの(非脱落例)に比べ障害が重症となる傾向を示した。局所性脳損傷は脱落例で多いのに対し,びまん性脳損傷は脱落例,非脱落例で明らかな差はみられなかった。ヘルメットの分析結果から衝撃の強さと方向を推定し頭部外傷の傷害内容と比較したところ,急性硬膜下血腫ではヘルメットの辺縁部に前後方向から衝撃を受けた場合に生じやすく,びまん性軸索損傷は円蓋部に横方向から衝撃を受けた場合に生じやすかった。脳組織の損傷メカニズムとして,実験的に回転外力でびまん性脳損傷が生じやすいことが証明されている。ヘルメットの円蓋部を打ったときにびまん性軸索損傷が多かったのは,ヘルメットの円蓋部への衝撃では頭部の重心より上部に外力が加わり,辺縁部への衝撃に比べ回転外力が生じやすいためと考えられた。急性硬膜下血腫,脳挫創,びまん性軸索損傷などの重症の脳外傷はヘルメットの損傷の強い場合が多かった。ヘルメットにそのような損傷を来す外力がヘルメットを着用せず直接頭部に加わっていたならば,さらに重篤な脳損傷を来して死亡していた可能性が強いと推定された。したがって,重症度の軽減の面からはヘルメットは十分に脳保護作用を発揮していると考えられる。
著者
桑原 博道
出版者
日経BP社
雑誌
日経メディカル (ISSN:03851699)
巻号頁・発行日
vol.41, no.2, pp.143-145, 2012-02

透析のため通院していた患者が看護師や技士に対し、危害を加えることをほのめかす暴言などを繰り返しました。このため、病院は警察署に被害届を提出。裁判所は脅迫罪・強要罪の成立を認め、患者に実刑判決を下しました。事件の概要 患者は2000年1月以降、腎臓透析治療を受けるために、X病院の人工腎透析センターに通院していた。
著者
片山 正夫
出版者
The Ichthyological Society of Japan
雑誌
魚類学雑誌 (ISSN:18847374)
巻号頁・発行日
vol.2, no.3, pp.104-110, 1952

Up to the present day, the affinities of <I>Döderleinia berycoides</I> (H<SUB>ILGENDORF</SUB>) are not certainly known. In this anatomical study it was found that this species was closely related to <I>Synagrops japonicus</I> (S<SUB>TEINDACHNER</SUB> et D<SUB>ÖDERLEIN</SUB>). It is worthy of a special mention that it is characteristic of these species to have a spherical hollow on each siele in the basioccipital and the exoccipital of the ventral side of the cranium, which the writer herein calls the basicccipital fossa, and in which the anterior spherical branch of the air-bladder firmly fits. In spite of the resemblance of <I>Synagrops</I> to <I>Apogon</I> (A pogonidae) in having the seperated dorsals and two spines in anal fin, the affinity of this genus seems rather closer to Döderleinia. It should be transferred to the Serranidae and included in the Doderleininae with the latter. On the other hand, these genera are related to <I>Stereolepis, Malakichtliys</I> (Serranidae), and <I>Acropoma</I> (Acropomidae) in some important features.
著者
山本 裕司 大槻 知明
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CS, 通信方式 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.596, pp.101-106, 2005-01-21

近年, 検知, データ処理, 通信機能を持つ小型センサノードから構成されるセンサネットワークが注目されている.しかし, センサノードは電力, メモリ, 処理能力が限られているため, 電力効率の優れたセンサネットワークの設計が課題である.また, 観測雑音の影響が大きいとき, 実際に起こった事象と異なる情報を, センサノードが送信する可能性がある.本稿では, 観測雑音, フェージング, そして雑音の影響を低減するために, ローカルフュージョンを用いたセンサネットワークを提案し, その電力効率を観測雑音を考慮して評価する.提案方式では, センサノードの近隣にローカルフュージョンセンターを配置してローカルフュージョンを行う.その後, 距離減衰やフェージングの影響を低減するために, 誤り訂正符号化した情報を目的ノード(グローバルフュージョンセンター)までマルチホップ通信する.観測雑音の影響が大きいとき, ローカルフュージョンを用いない方式では, ビット誤り率(BER)特性にフロアが生じてしまい, 所要BERを達成することができないのに対し, 提案方式はローカルフュージョンを用いることで, 所要BERを達成することができる.計算機シミュレーションの結果, 観測雑音の影響が大きいとき, ローカルフュージョンセンターで尤度判定法を用いた方式は, 多数決判定法を用いた方式と比較して, 電力効率を改善できることを示す.また, ローカルフュージョンセンターとグローバルフュージョンセンター間の送信距離に応じて, 消費電力が最小になる最適なマルチホップ数が存在することを示す.