出版者
函館財界問題研究所
雑誌
はこだて財界
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.180-182, 2000-01
著者
上條 浩一 利根川 聡子 豊川 和浩 森本 典繁 小出 昭夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.591, pp.55-60, 2000-01-27

前回、自動車保険等の損害クレーム処理において、損害の証拠写真にデジタルカメラによるデジタル画像が使われる場合、データハイディングによる画像改ざん・検出方式が、いわゆる"水増し請求"防止にシステムとって有効なことを報告した。今回は、データハイディング技術の続報、特に、デバイス認証が成功した後のイメージ認証において、圧縮画像の周波数成分の量子化ステップの性質を使った改竄の検出法とその実験結果、性能評価について報告する。
著者
奥田 玲子 石村 哲代 金谷 昭子
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.42, no.6, pp.394-403, 2009 (Released:2014-12-26)
参考文献数
17
被引用文献数
1

米粒組織から遊離した炊飯液中の固形成分が,米飯粒表面付着層形成に関わる主要なファクターの一つになっているのではないかとの観点から,炊飯過程における炊飯液固形成分量と,それに対応する付着層固形成分量の量的変化を追跡し,固形成分による付着層形成のメカニズムの解明を試みた。また米粒組織と付着層の境界を明らかにして光学顕微鏡観察をおこなうとともに,SEMによる米飯粒表面付着層の詳細な観察をおこなった。その結果,付着層の形成は糊化開始温度付近から始まり,炊飯の進行につれて炊飯液の固形成分量は次第に減少するが,それに伴って固形成分の集積による付着層の増加がみられるという,炊飯液固形成分の付着層形成機構への関与が明らかになった。また光学顕微鏡による米飯粒付着層の厚さの測定およびSEMによる表面観察より,日本穀物検定協会による食味評価ランクが高い品種の米飯粒は全体的に均一で厚く滑らかな付着層に覆われており,食味と付着層形成状態との関連性が示唆された。
著者
久末 正晴 福永 大督 赤池 勝周 石川 武史 齋藤 弥代子 土屋 亮 山田 隆紹
出版者
公益社団法人 日本獣医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.61, no.3, pp.223-226, 2008-03-20 (Released:2011-06-17)
参考文献数
13

1歳2カ月齢ウェルシュコーギーが麻布大学附属動物病院に紹介され, 血液検査から特発性血小板減少性紫斑病が疑われた. 本症例は, 紹介獣医にてステロイドおよび免疫抑制剤によって治療を行っていたが, 改善が認められなかった. 当院にて, 人免疫グロブリン静脈内投与による治療を行ったところ, 血小板減少症は改善した. さらに, 維持療法のため脾臓摘出とプレドニゾロンの投与を行ったところ, 再発もなく2年間以上生存し良好な経過が得られた.
著者
亘 敏広 辻本 元 小野 憲一郎 長谷川 篤彦
出版者
公益社団法人 日本獣医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.51, no.6, pp.309-312, 1998-06-20 (Released:2011-06-17)
参考文献数
16
被引用文献数
1 1

治療により血小板数が200×103/μl以上に維持されている特発性血小板減少性紫斑病 (ITP) 犬5例について臨床症状, 止血スクリーニング検査およびアデノシン二リン酸 (ADP) に対する血小板凝集能を検討した. 全例とも止血スクリーニング検査では異常は認められなかったが, 5例中3例で採血後の皮下出血, 止血遅延などがみられ, 4例においてはADPに対する血小板凝集能の明らかな低下が認められた. 以上から, ITP患犬の止血異常持続例は, 血小板凝集能低下によることが示唆された.
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1247, pp.142-145, 2004-06-21

「うちの機器ですか? 知らないので調べておきます」。新生銀行の大川信之システム企画部部長は、4年前に米大手通信機器メーカーのシスコシステムズ日本法人の営業担当者に問い合わせた時のことを今でも覚えている。 大川氏は2000年9月に米国に出張した際、初めてシスコ製IP(インターネット・プロトコル)電話に触れ、利便性の高さに着目。帰国後に早速購入の希望を伝えた。
著者
金 相賢 盛川 浩志 渡邊 克己 河合 隆史
出版者
特定非営利活動法人 日本バーチャルリアリティ学会
雑誌
日本バーチャルリアリティ学会論文誌 (ISSN:1344011X)
巻号頁・発行日
vol.21, no.4, pp.675-683, 2016 (Released:2017-02-01)
参考文献数
22

In this study, the effects on concentration of attention, cognitive activity such as memory was examined in consideration of humans' cognitive characteristic over 3D images about the partial 3D image which changed a part of picture. The experiment of concentration of attention was carried out by measuring reaction time in visual search task using a simple visual target and eye fixation while viewing natural color image. On the other hand, the experiment of cognitive effect such as memory, the searching time until the changes are recognized were computed using the change blindness subject. That needs the cognitive activity of comparing by memorizing a picture temporarily while turning a look for detection of change. As a result, it was suggested by the partial 3D image that an object has the cognitive effect which is easy to go up to consciousness and to remain in memory.
著者
橋口 哲志 片岡 佑太 柴田 史久 木村 朝子
出版者
特定非営利活動法人 日本バーチャルリアリティ学会
雑誌
日本バーチャルリアリティ学会論文誌 (ISSN:1344011X)
巻号頁・発行日
vol.21, no.4, pp.635-644, 2016 (Released:2017-02-01)
参考文献数
25

In Mixed-Reality space, it appeared that the sense of weight can be affected by a MR visual stimulation with a movable portion. We named this psychophysical influence caused by the difference between dynamics of the real object (R) and the virtual object (V) movement, the “R-V Dynamics Illusion”. There are many combinations of experiments that can be conducted. Previously, we conducted experiments of the case where the real object is rigid and the virtual object is dynamically changeable. In this paper, we conducted experiments of the case where the real object is liquid and both the real and the virtual objects are dynamically changeable. The results of the experiments showed that the subjects sensed weight differently when virtual object with a movable portion is superimposed onto a real liquid object.
著者
越田 明子
出版者
鹿児島国際大学
雑誌
福祉社会学部論集 (ISSN:13466321)
巻号頁・発行日
vol.23, no.3, pp.17-32, 2004-12-30

奄美大島南端の瀬戸内町の養護老人ホームY園利用者から,聞き取り調査を実施し,利用者の語りを通して,離島高齢者の生活とY園の現況を考察した。調査対象である13名の利用者が暮らしていた,過疎化,高齢化する「島」は,健康であればよいところであるが,独りになり健康を害すると,移動や食事に困難を体験し,孤独で,辛いところであった。また,利用者は,Y園での生活に満足していた。Y園は,生活支援が少ない離島生活に代わり,他者との交流,安心した食生活,行事など,「島」のよい側面を提供し,離島高齢者の居宅生活機能を担っていた。今後は,良質な介護も備えた生活支援施設として,さらに必要とされると考察した。
著者
島村 義樹 玉谷 大 水木 佑輔 國安 翔太 遠藤 良夫 大久保 敬 中西 郁夫 久保 健太郎 口池 大輔 乾 利夫 宇都 義浩
巻号頁・発行日
2015-03-27 (Released:2015-03-19)

【目的】ポルフィリン化合物は励起光によって細胞障害性の高い一重項酸素を発生するため光線力学療法(PDT)の増感剤として用いられている。一方、超音波力学療法(SDT)の増感剤としての有効性も報告されているが詳細な作用機序は不明である。そこで本研究では、ポルフィリンおよびクロリン誘導体の超音波増感活性とその作用機序について検討した。【方法】超音波増感活性は、96ウェルプレートにマウス乳腺がん由来EMT6/KU細胞もしくは4T1細胞を播種し、分子設計・合成したポルフィリンもしくはクロリン誘導体を添加後、Sonitron GTS (ネッパジーン社)もしくはUST-770 (伊藤超短波社)を用いて液面から超音波を照射し、WSTアッセイにより評価した。OHラジカルはAPF法により、一重項酸素は1,3-diphenylisobenzofuran (DPBF)および近赤外分光測光装置(浜松ホトニクス社)により評価した。ミトコンドリア膜電位の解析は蛍光標識薬JC-1を用いたタイムラプス測定(ニコン社)により行った。【結果および考察】5-アミノレブリン酸(5-ALA)由来PpIXおよびTinChlorin e6は超音波との併用において有意な抗腫瘍活性の増強を示した。PpIXと超音波の併用において、DPBF法および発光スペクトル法でも有意な変化は観測されず、この抗腫瘍活性に対する一重項酸素の関与は小さいことが示唆された。また、超音波照射によってOHラジカル由来のAPF蛍光の増加が観測されたが、PpIXを併用しても有意な増加は認められず、OHラジカルも超音波増感活性の要因ではないことが示唆された。一方、5-ALAと超音波の併用によりJC-1由来の緑色蛍光が増加したことから、ミトコンドリアが標的分子の1つでることが示唆された。 日本薬学会第135年会
著者
山田 吉郎
出版者
山梨英和大学
雑誌
山梨英和短期大学紀要 (ISSN:02862360)
巻号頁・発行日
vol.26, pp.35-46, 1992-12-10

川端康成は大正十三年の大学卒業後、伊豆湯ヶ島に引きこもり、孤独な文学修業時代を送るが、とくに大正十四年は一年の大半を湯ヶ島に滞在し、彼の人生観、文学観の形成の上に大きな影響を与えたと推測される。本稿においてはその若き川端の魂の軌跡を、とくに彼の書いた随筆作品に焦点をおいて考察した。大正十四年の随筆群を概観すると、人間と自然との境界を暈して自然自己一如的な境地に立脚した死生観や、そこから導き出されてきた自然観、さらに旅の意識の三点が主要な要素として指摘できる。そして、これらがこののちの川端文学の基底を形づくってゆくわけであり、その随筆作品の文学的意義はたいへんに重いものをはらんでいると言える。また、この時期の随筆作品の所々に、『伊豆の踊子』や『春景色』など川端文学の主要作品の表現に直接つながるような部分が見られ、川端小説の表現の形成過程を探る上でも、当時の随筆には看過しがたいものが存すると考えられるのである。如上の考察をふまえた上で、大正十四年の随筆活動の位置づけを展望し、まとめとした。
著者
八木 弥生
出版者
日本文化人類学会
雑誌
文化人類学 (ISSN:13490648)
巻号頁・発行日
vol.70, no.3, pp.335-354, 2005-12-31

本稿は、ふたりの乳がん患者会リーダーが、自らの病いの苦悩を見据え、日常的に相互交流を深めながらそれぞれの患者会を運営し、他の患者をケアしていくことによって、自己活用の価値や病いの意味に気づき、人をケアすることを通して自分自身もケアされていくことを認識するプロセスを明らかにすることを目的とした。ほとんど構成のないインタビューをそれぞれ別に実施し、自由に語られた彼女らの物語りを、それぞれのライフヒストリーとして再構成した。それ等を比較検討すると、家族背景や生活環境の多少の違いはあるものの、それぞれのライフヒストリーは相似形を成したので、これをふたりのライフヒストリーとした。ふたりのライフヒストリーは次のような8項に分けることができた。1 中年期の専業主婦として家族の世話に忙しく、自分の健康問題への関心が疎かになっていた日常の中で乳がんを発見する。 2 異なる環境でそれぞれに苦悩しながら、乳がんの治療を受け、自らのからだに生じていることへの認識を高める。 3 術後1年で同側への再発(Bさん)、退院後1週間で反対側の乳がんの発見(Cさん)という現実に圧倒される。 4 初発時より苦悩は深まるが、病気に関連するさまざまな学習を深める。 5 患者会のリーダーとなる過程でふたりは知り合い、さらに共通の知己となったT医師とも協同していく。 6 家族の協力を得て患者会活動を充実・発展させていく。 7 医師や患者会の援助を受け、ふたりの協同で活動を社会的に発展させていく。 8 患者会活動を通して、乳がんの経験の人生における意味を味わう。 また、逐語録を詳細に吟味し、病いの経験がふたりの人生にもつ意味を象徴的に語っている箇所を抜き出し、同じ要素をもつものを集めて分類して次の3項にまとめた。 1 自らの人生は自らが織り成すものである。 2 病いは共存していくもので、織り成していく人生の一部である。 3 病いを克服していく力は、苦悩を人生に織り成すことによって強められる。 ふたりの乳がん患者会のリーダーは、病いとともに生きることが自分の生き方を強く深くしてきたと解釈しており、さらに、患者会に集まる人々のための世話をする過程で、その人々もまた強められていく様子を見ていくことに喜びを感じていた。また検診に関して行政を動かし、医学生の教育の一端を担えるようになったことなど、病いを経験しなければ味わえない喜びを味わっていた。彼女たちは人をケアすることによって、ケアの本質である「成長」と「自己実現を果たす」プロセスを歩んでいた。