著者
Yoshinori Kanayama
出版者
一般社団法人 園芸学会
雑誌
The Horticulture Journal (ISSN:21890102)
巻号頁・発行日
pp.OKD-IR01, (Released:2017-01-31)
被引用文献数
49

Sugars are strongly related to fruit yield and quality, playing a critical role in fruit set, growth, ripening, and composition. The tomato (Solanum lycopersicum) is not only an important horticultural crop, but also a useful experimental model plant that can be used to further our understanding of fruit physiology. Therefore, in this review, we consider sugar metabolism and fruit development in the tomato. We begin by discussing how the sugar content of tomato fruit has been successfully increased in a tomato introgression line containing a chromosome segment from a wild relative, and how this has furthered our understanding of the mechanism controlling sugar content. We then outline current knowledge around how sugar sensing and signaling, proton pumps, and auxin affect sugar accumulation and fruit set. The prevention of fruit abscission by auxin, which is transported by PIN auxin efflux carriers and vacuolar proton phyrophosphatase (V-PPase), may retain sucrose transport to the fruit to inhibit programed cell death (PCD) and ensure successful fruit set. There is believed to be a trade-off between fruit sugar content and yield. However, fruit size and yield do not appear to decrease in the tomato introgression line IL8-3 and sucrose-induced repression of translation (SIRT)-engineered tomatoes, which contain higher fruit sugar contents. Future research needs to investigate the factors involved in sugar sensing and signaling, in addition to the sugar metabolic enzymes that have previously been studied for horticultural applications.
著者
古田 賢治 下村 茂美 大橋 等
出版者
Japan Poultry Science Association
雑誌
日本家禽学会誌 (ISSN:00290254)
巻号頁・発行日
vol.19, no.5, pp.265-268, 1982-09-25 (Released:2008-11-12)
参考文献数
3

洗濯による作業服の微生物汚染程度の低下を明らかにする目的で, 細菌により人工汚染した材料と自然汚染した材料を用いて洗濯による付着菌数の減少を調べた。その結果, 従来慣行的に行われていた洗濯は微生物汚染の程度を低下させるのに効果があり, 洗濯した作業服を直射日光下で乾燥させるのが望ましいことが明らかとなった。
著者
太田 耕人
出版者
京都教育大学
雑誌
京都教育大学紀要 (ISSN:21873011)
巻号頁・発行日
no.129, pp.125-140, 2016-09

英国初期近代演劇の手紙の演劇的用法に迫るため,英国演劇の黎明期から17 世紀末までに英語で書かれ,テクストが現存して入手できる劇を調査し,手紙の用いられた例を収集した。この序論では15世紀までの用例を分析した。中世の典礼劇,サイクル劇などでは,当初"letter" は神の力や奇跡をしめす「文字」の意で使われ,やがて布告,令状など「公文書」の意味で用いられた。しかし,手紙を「差出人が(その場にいない)特定の受取人(たち)にたいして,何らかの情報を個人的に通信するため送る書面」と定義すると,「手紙」と呼べる"letter"の用例は見当たらない。識字率が低かった中世の民衆の劇に,手紙が現われないのは当然であろう。また,単純明快な寓意的図式を好む道徳劇には,手紙を利用した複雑な筋立ては必要なかった。 「手紙」が初めて現れるのは,1497 年の『フルゲンスとルクリース』であった。ルネサンスの人文学の洗礼を受けて,ギリシア・ローマ演劇を知る知識人が,ある程度の複雑さをそなえた劇を書いて,手紙が英国演劇に現われたと考えられる。
著者
三善 勝代
出版者
和洋女子大学
雑誌
和洋女子大学紀要. 家政系編 (ISSN:09160035)
巻号頁・発行日
vol.43, pp.1-12, 2003-03-31
被引用文献数
1

有職既婚女性が夫の海外派遣に同行する場合、就労ビザ等との関係では職の断念が避けられない。途切れたキャリア(職業経歴)は、どう繋がれるのか。就業面を中心に帰国者のライフコースを辿り直し、併せて、現求職者の今後を展望してみた。2001年10月、帰国子女支援団体等を介して、在外期間1年以上で帰国後1年以上10年未満の配偶者に対し質問票を送付。有効回答票152部を郵送にて個別回収した(回収率50.2%)。回答者の平均年齢は43.5歳で、夫は46歳。夫婦1組あたりの平均子供数は2人である。派遣地域は北米、アジアが共に3割台を占めており、派遣元企業の業種では製造業が最多(35.5%)となっている。得られた知見は、次の通り:(1)結婚前には大多数が職を持っていた。(2)しかし、出国前3か月頃までには、結婚や出産・育児でそれを手放しており、有職者は2割未満に減少する。(3)さらに在外時には9名となり、現在に至って4割近くに回復する。(4)主要な就労形態と職種についても、前者は正規雇用から非正規へ、後者は事務職から専門・技術職へと推移していた。(5)この趨勢に基づけば、現在「適職なし」ゆえに無職となっている、いわば「求職者」(無職者の2割強)の就職はおそらく、就労形態としては非正規で、職種としては専門・技術職で、より容易に叶うと推測される。(6)現有職に至る職の有無歴として大別された3タイプの一つ「有職継続型」の存在からも、高度の専門性を身につけ働き方を工夫すれば継続就業が不可能ではないと示唆された。(6)とはいえ、自由記述欄を通しては、この型においてさえ、夫の後方支援と自身のキャリア形成を両立させるのは容易でないと読み取れた。
著者
佐藤 聡彦
出版者
日本マネジメント学会
雑誌
日本マネジメント学会全国研究大会報告要旨集
巻号頁・発行日
no.64, pp.43-47, 2011-10-29

本稿では,専門経営者における「プロフェッショナル」に着目し,協働から人間や仕事における分業・分離の過大な重視,短期的な成長志向に基づく企業の極大(資本・企業)利潤の追求が行われ,専門経営者においては,粉飾や虚偽報告,高額報酬問題などに起因する社会を斯く不祥事が起こされている。かかる背景から,専門経営者における「プロフェッショナル」とは何か考察する必要があるのではないかといった問題提起を行った。筆者は,専門経営者の「プロフェッショナル」とは,「社会結合の専門化」として「人間」と「仕事」の両面を統一していくことであり,かかる両面の統一とは「精神」であると考えた。その「精神」とは,人間・社会への応答可能性を持って,社会的欲求に応える事業の遂行に対して「経営利潤」をあげる「企業家精神」である。すなわち,「企業家精神」のなかでも,事業を企業や経営を通じて歴史的社会的に作る「事業経営家精神」であるという結論に至った。
著者
半井 健一郎 蔵重 勲 岸 利治
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学 (ISSN:03871061)
巻号頁・発行日
vol.49, no.3, pp.3_3-3_6, 2011 (Released:2012-03-01)
参考文献数
6
被引用文献数
3 3

コンクリート構造物の耐久性能を直接的に確認することを目的とし,スイスでは,竣工時に非破壊の透気試験によって実構造物のかぶりコンクリートの品質(物質移動抵抗性)を検査するために必要となる指針を作成している。プロセス検査ではなく,最終的な製品の耐久性能を直接的に検査する本手法は,耐久性の確保や向上,技術開発につながるものと期待される新たな取組みである。本稿ではその概要を紹介する。
著者
井上 有美子 山本 泰雄 加藤 純代 中里 哲夫 越前谷 達紀 依田 有八郎
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.22, no.7, pp.433-436, 1995
参考文献数
9
被引用文献数
1

本研究は,前腕の固定角度による日常生活動作の難易度を明確にするため,健常成人24名を対象に前腕の肢位を固定し4種目の日常生活動作の難易度を自己評定させた。測定は前腕を回内60度,30度,中間位,回外30度,60度,90度の計6肢位とし,各々の固定角度にて書字動作,食事動作,洗面動作,トイレ動作を行った。さらに,その時の肘関節の影響についても調査した。結果,書字動作は回内位主体の動作であり回内30度が動作容易であった。他の3動作は,回外位主体の動作であり回外30度,回外60度が動作容易であった。4動作間の肘関節運動は異なるが,各動作の前腕回旋固定角度による肘関節運動への影響は,認められなかった。
著者
大能 俊久
出版者
秋田県総合食品研究センター
雑誌
秋田県総合食品研究センター報告 = Bulletin of the Akita Research Institute of Food and Brewing (ISSN:21856699)
巻号頁・発行日
no.16, pp.25-27, 2014-12 (Released:2015-03-30)

通常玄そばは収穫後貯蔵され、使用する際に製粉されてそば粉となる。その後、小麦粉や水と一緒に捏ねられて生地となり、圧延、裁断されて麺の「蕎麦」となり食される。玄そばは翌年の玄そばが収穫されるまで、1年程度貯蔵された後に使用される場合がある。今回、約1年冷蔵貯蔵した玄そばから調製したそば粉について製麺性と品質を調べ、若干の知見を得たので以下に報告する。
著者
大曽根 圭輔 鬼沢 武久
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集
巻号頁・発行日
vol.26, pp.14-14, 2010

本稿では,セブンカードスタッドポーカーにおいて、プレーヤと対話しながらゲームを攻略するパートナーエージェントの構築を目指す.セブンカードスタッドポーカーは不完全情報ゲームであるため,最適な戦略をとる事が難しい.そこで,パートナーエージェントが,ゲームに関するアドバイスを提示し,また,プレーヤからパートナーエージェントに対しても戦略を提示するという対話を通じて,協調し,ゲームを進めることを考える.パートナーエージェントはプレーヤに,ゲームの状況に応じた自身の意思決定および,顔表情を併せて提示し,アドバイスをする.そして,プレーヤが,パートナーエージェントの意見に反論がある場合にはプレーヤからの意見を事例という形で保存し,後のゲームに利用できるようにする.本稿では,評価実験を行い,提案したパートナーエージェントの有効性およびプレーヤから得られたルールについて検証する.
著者
山川 信夫
出版者
社会経済史学会
雑誌
社會經濟史學 (ISSN:00380113)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.20-41, 1944-04-15
著者
川添 禎浩 筒井 絢子 岸本 桂子 Tsutsui Ayako 岸本 桂子 Kishimoto Keiko 福島 紀子 Fukushima Noriko
出版者
京都女子大学食物学会
雑誌
京都女子大学食物学会誌 (ISSN:02893827)
巻号頁・発行日
no.68, pp.17-24, 2013-12

The purpose of this study is to evaluate the reliability of Japanese websites providing health food information. We used the search engine "Google Japan". The search keyword was "health food", "health food and lifestyle-related disease", or "health food a
著者
間島 隆博 山口 勝治 山之内 博 蒲生 昌志
出版者
公益社団法人 日本航海学会
雑誌
日本航海学会論文集 (ISSN:03887405)
巻号頁・発行日
vol.108, pp.39-46, 2003
被引用文献数
2

IMO (International Maritime Organization) recognized that chronic exposure to benzene vapor in air may cause leukemia even if the concentration is very low, such as a few parts per million. Chemical tankers in Japan, however, transport various kinds of chemicals over 15 (MT/year). Not only benzene but also another chemical transported by marine vessels have adverse effects to the human health condition. In this paper, firstly the exposure concentration levels of tanker crews engaged in benzene (human carcinogen) and acrylonitrile (probable human carcinogen) transport operations are clarified by results of field measurements. Using these exposure levels, the health conditions of tanker crews are evaluated by a method with LLE (Loss of Life Expectancy). Chemicals transported by tanker in Japan contain both carcinogen and non-carcinogen. The advantage using LLE is that we can compare the degree of the adverse effects induced from exposure to carcinogens and non-carcinogens. Furthermore, taking into account of the dependency of cancer risk on the start age and the duration of the exposure, we represent a simple equation for carcinogens to yield the LLE.
著者
小嶋 稔
出版者
日本惑星科学会
雑誌
日本惑星科学会秋季講演会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2005, pp.117-117, 2005

コンドライト、エコンドライト、SNC隕石、月、地球の酸素同位体比データのBootstrap法による統計的考察から、これらの試料の酸素同位体比のバラツキはは、大局的に見て共通の母集団(ネブラ)からのランダム・サンプリングによると結論される。したがって地球と太陽は同じ酸素同位体比を持つ事が推測される。