著者
浜野 洋三 柳澤 孝寿 山岸 保子
出版者
公益社団法人 東京地学協会
雑誌
地学雑誌 (ISSN:0022135X)
巻号頁・発行日
vol.114, no.2, pp.142-150, 2005-04-25 (Released:2009-11-12)
参考文献数
7

Recent progress of numerical simulations on the dynamo process in the core and the mantle convection provides a clue to understanding the origin of global variations of the Earth system during the last 150 Ma, in which long-term variations of geomagnetic reversal frequency and mantle activity are closely related in time. Recent MHD dynamo simulations suggest that the increase of the total heat flow through the CMB changes the geodynamo from stable dipolar dynamos to unstable multipolar dynamos, and on axially symmetric and equatorial symmetric pattern of heat flux produces stable dipolar dynamos. Numerical modelings of mantle convection indicate 3 convection regimes, whole-mantle, intermittent, and 2-layer convections, in a parameter space of the Rayleigh number (Ra) and the Clapeyron slope (dP/dT) of the phase transition at a depth of 660 km. In the intermittent convection regime, the convection vacillates between wholelayer and the 2-layer regimes, and the surface and CMB heat flows fluctuate with time. The global variation of the Earth system might be attributed to this intermittent convection mode of the present Earth. However, the apparent out of phase variation of the total heat flow through the CMB inferred from the reversal frequency and the mantle activity requires some mechanism for the phase shift of the variations..
著者
大塚武松 編
出版者
日本史籍協会
巻号頁・発行日
1929
著者
長坂 慶子 粂野 恵子 中浜 信子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.42, no.7, pp.621-627, 1991-07-15 (Released:2010-04-23)
参考文献数
31

ブドウ糖, 果糖, 麦芽糖, ショ糖の4種の糖を用いて, 糖の種類・添加濃度の変化が寒天ゲルの性状に及ぼす影響について, 破断特性値, 動的粘弾性定数, ゲルの光の透過率の測定から検討した.あわせて官能検査を行い, 客観測定値との対応を試みた.(1) 糖類の添加により, 寒天ゲルの破断ひずみεfは増加したが比較的変化は少なかった.また, 破断応力Pfおよび破断エネルギーEnは顕著に増加したが, 果糖添加ゲルは増加が小さいことが認められた.(2) 寒天ゲルの貯蔵弾性率E′は糖類の添加により顕著に増加したが, 果糖添加ゲルの増加は小さいことが示された.損失弾性率E″は糖類の添加によりやや増加したが, 糖の種類による差は認められなかった.(3) ゲルの光の透過率は, 麦芽糖, ショ糖の二糖類添加ゲルが, ブドウ糖, 果糖の単糖類添加ゲルに比べ高いことが示された.(4) 官能検査により, 透明感, 経口時の硬さ, ねばり, 甘さに糖の種類による違いが認められ, 果糖添加ゲルは他の糖類添加ゲルに比べ経口時に軟らかく, ねばりがあり, 最も甘いと評価された.(5) 官能検査と客観測定値との対応の結果, 透明感とゲルの光の透過率, 経口時の硬さと破断応力Pfおよび貯蔵弾性率E′, 経口時の甘さと各糖類の甘味度がよく対応した.
著者
辻村 弘美
出版者
北関東医学会
雑誌
The KITAKANTO medical journal (ISSN:13432826)
巻号頁・発行日
vol.56, no.2, pp.129-136, 2006-05-01

【目的】中国で整体看護普及のために看護過程学習会を開催し,その理解度や関心度などを検討した.【方法】河北省唐山市の病院で働く,臨床経験5年以上の看護師23名を対象に,質問紙調査を行った.【結果】講義内容の項目の中で最も理解度が高かったのは,「看護過程の5段階」で23名中18名(78.3%)であり,「臨床で活用できる」と回答したのは16名(69.6%)であった.「看護診断」と「情報関連図」に関しては最も理解度が低かった.また,「臨床で看護過程を用いることの利点」に関しては16名(69.6%)が良く理解できたと回答しているものの,「臨床で活用できる」と回答したのは5名(21.7%)だけであった.【結語】看護過程の概論的なことは理解できていても,実際に看護過程を事例に展開することは困難である.
著者
Kang Ji-Houn Chang Dongwoo Lee Young Won NA Ki-Jeong YANG Mhan-Pyo
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.69, no.7, pp.751-754, 2007-07-25
被引用文献数
3

4歳,雄,体重27kgのラブラドルレトリーバーが,突然,精神遅滞や旋回運動,頭部を押付けるといった臨床徴候を呈した.この犬は水を好んで摂取することはなく,無敗症が持続し,人工的な高塩素血症を伴った高ナトリウム血症がみられた.一連の内分泌検査と画像検査所見から,甲状腺機能低下症が示唆され,脳脊髄液と血清からは抗甲状腺抗体の存在が明らかになった.レポチロキシンナトリウムを投与したところ,神経徴候は処置後1週以内に軽減され,無敗症も解消した.
著者
水田 義雄
出版者
早稲田大学法学会
雑誌
早稲田法学 (ISSN:03890546)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1-2, pp.19-46, 1963-02-05
著者
孫慶増 著
出版者
文求堂書店
巻号頁・発行日
1913
著者
松永 寿人
出版者
日本不安症学会
雑誌
不安症研究 (ISSN:21887578)
巻号頁・発行日
vol.6, no.2, pp.86-99, 2015-03-31 (Released:2015-05-29)
参考文献数
60

強迫症(OCD)は,DSM-IV-TRまで,神経症あるいは不安障害の一型とされてきた。しかしDSM-5では不安症群から分離され,「とらわれ」や「繰り返し行為」を特徴とする強迫症および関連症群という新たなカテゴリー内に位置づけられた。すなわちOCDの疾患概念は,不安の病気から強迫スペクトラムへと転換することとなり,その背景には,病因や病態,治療など他の不安症との相違に関する知見の集積がある。一方,病的不安や回避,うつ病との密接な関連性などの共有,さらに生物学的病態や治療を含め他の不安症との共通性も明白で,両者の関係は極めて複雑である。その複雑さには,cognitiveからmotoricなものまで,さらに自閉スペクトラムや嗜癖性障害などとの重なりや連続性を含むOCD概念の異種性や広がりが関わっており,OCDの今後の方向性については,現概念の妥当性や臨床的有用性を含めさらに検討が必要である。
著者
佐藤 みほ 朝倉 京子 渡邊 生恵 下條 祐也
出版者
公益社団法人 日本看護科学学会
雑誌
日本看護科学会誌 (ISSN:02875330)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.63-71, 2015-05-15 (Released:2015-05-26)
参考文献数
26
被引用文献数
1 5

目的:北米で作成された職業コミットメント尺度(OCS)を日本語に翻訳し,日本語版OCSの信頼性と妥当性を検証した.対象と方法:看護師を対象とした予備調査において尺度の信頼性と因子構造を確認後,看護師4046名を対象に本調査を実施し,1331名(有効回答率32.9%)を分析対象とした.結果:探索的因子分析により,情緒的職業コミットメント,功利的職業コミットメント,規範的職業コミットメントの3因子が抽出され,確証的因子分析で良好な適合度が得られた.信頼性係数は尺度全体が0.817,下位尺度が0.756~0.837であり,I–T相関はおおむね良好な値が得られた.併存妥当性の基準とした職務満足感とは有意な正の相関が,離職意向とは有意な負の相関が認められた.結論:1項目のみ日本語訳の信頼性,妥当性が十分に得られず,結果の解釈に留意が必要であるものの,日本語版OCSについて,一定の信頼性,構成概念妥当性および併存妥当性が確認された.
著者
臼井 進
出版者
吉川弘文館
雑誌
日本歴史 (ISSN:03869164)
巻号頁・発行日
no.785, pp.88-91, 2013-10
著者
岡野 邦泰 大槻 眞 前田 光雄 山崎 富生 坂本 長逸 大木 篤 佐伯 進 尤 芳才 神田 勤 馬場 茂明
出版者
The Japanese Society of Gastroenterology
雑誌
日本消化機病學會雜誌. 乙 (ISSN:13497693)
巻号頁・発行日
vol.75, no.11, pp.1825-1831, 1978

腎不全患者に発現する高アミラーゼ血症に関してアミラーゼクリアスラン/クレアチニンクリアランス比 (Cam/Ccr) およびアミラーゼアイソザイムの面より検討をおこなつた. 腎不全患者および血液透析患者において高頻度に高アミラーゼ血症が認められたが, アミラーゼアイソザイムの解析でこれらはすべて正常パターンであることが明らかにされ, 膵炎の合併は否定された. 急性膵炎で上昇する Cam/Ccr は Ccr 5ml/分以下の末期腎不全患者においても膵炎と同程度の上昇を認め Cam/Ccr のみからでは両者を鑑別できなかつた.しかしこれらの患者のアミラーゼアイソザイムは正常パターンを示しており, アイソザイムによる検討からCam/Ccr 上昇を示す腎不全患者と膵炎を鑑別することができた.
著者
田中 真 内田 純平 宮岡 祐一郎 戸川 望 柳澤 政生 大附 辰夫
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.46, no.6, pp.1383-1394, 2005-06-15
被引用文献数
11

演算器ごとに専用のローカルレジスタを持たせるレジスタ分散型アーキテクチャを用いると,レジスタ間データ転送を利用することによって配線遅延が回路の性能に与える影響を削減することが可能である.しかし,高位合成のスケジューリングの段階からフロアプラン情報を考慮する必要がある.本論文では,レジスタ分散型をターゲットアーキテクチャとし,(1) スケジューリング,(2) レジスタバインディング,(3) モジュール配置,の工程を繰り返し,(3) から得られたフロアプラン情報を(1),(3) の工程にフィードバックすることによって,解(合成結果)を収束させる高位合成手法を提案する.フロアプラン情報をスケジューリングに反映させるために,フィードバックされた配置情報とタイミング制約に基づいて,レジスタ間データ転送を利用することができるスケジューリング手法を提案する.また,レジスタ分散型に対応したレジスタバインディング手法を提案する.提案バインディング手法では,ローカルレジスタを入力側と出力側で区別し,出力側レジスタで可能な限りデータを保持することにより,総レジスタ数を削減する.提案手法により,フロアプランを考慮したレジスタ間データ転送を用いた回路を解として得ることが可能となる.計算機実験によって,提案手法の有効性を示す.By using a distributed-register architecture, we can synthesize the circuits with register-toregister data transfer, and can reduce influence of interconnect delay. In this paper, we propose a high-level synthesis method targeting a distributed-register architecture. Our method repeats (1) scheduling, (2) register binding, (3) module placement processes, and feeds back floorplan information from (3) to (1) in order to decide which functional units use registertoregister data transfers. Our scheduling algorithm can use register-to-register data transfer based on floorplan and timing constraint. We also propose a register binding algorithm on a distributed-register architecture. We show effectiveness of the proposed methods through experimental results.