著者
錦織 淳美
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.134, no.3, pp.363-366, 2014 (Released:2014-03-01)
参考文献数
4

In 2012, a new medical fee system was introduced for the clinical activities of hospital pharmacists responsible for in-patient pharmacotherapy monitoring in medical institutions in Japan. The new medical system demands greater efforts to provide the most suitable and safest medicine for each patient. By applying the concept of academic detailing to clinical pharmacists' roles in hospitals, I present drug use evaluation in three disease states (peptic ulcer, insomnia, and osteoporosis). To analyze these from multiple aspects, we not only need knowledge of drug monographs (clinical and adverse drug effects), but also the ability to evaluate a patient's adherence and cost-effectiveness. If we combine the idea of academic detailing with a clinical pharmacist's role, it is necessary to strengthen drug information skills, such as guideline or literature search skills and journal evaluation. Simultaneously, it is important to introduce new pharmaceutical education curriculums regarding evidence-based medicine (EBM), pharmacoeconomics, and professional communication in order to explore pharmacists' roles in the future.
著者
中山 健夫
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.134, no.3, pp.367-370, 2014 (Released:2014-03-01)
参考文献数
16

Academic detailing, interactive information services by pharmacists for clinicians, has been getting interests in the US and European countries. A systematic review of randomized controlled trials supported the effectiveness of academic detailing. Knowledge of evidence-based medicine and clinical practice guidelines is one of the essential bases for pharmacists to promote these activities. In addition, pharmacists need to understand attitudes and ways of thinking of clinicians toward medicines. Through communications and information sharing between clinicians and pharmacists, collaborations to modify and improve the use of medicines should be facilitated. On these grounds, academic detailing will be able to play an important role in real healthcare circumstances.
著者
斎藤 重徳
出版者
島根大学
雑誌
島根大学教育学部紀要. 人文・社会科学 (ISSN:02872501)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.1-6, 1981-12-25

三段跳は,走幅跳と同じように水平方向の跳躍距離を競う種目であり,基本となる力学的諸原理も同じである。これらは,助走によって得られた水平方向の力(運動量)を最大限に利用し,より多くの水平方向への距離を跳ぶ競技で,基礎体力や運動能力のほかに踏み切りでの動きが重要なポイントである。三段跳が走幅跳と大きく異なるところは、走幅跳が1回の踏み切り(跳躍)から成り立っているのに対し,三段跳にはホップ,ステップ、ジャンプの3つの局面の踏み切り(跳躍)があることである。13; 三段跳は,跳躍種目の中でも自然発生的な源をもっている種目(走幅跳,走高跳,棒高跳)とは異なり,発生に特異な性格をもっている。記録によれば,古くからケルト人らによってお祭りなどで行われていたが,近代競技としての三段跳は,アイルランドやスコットランドの競技に源を発し,ホップを2度つづけるホップ−ホップ−ジャンプという片足跳びであった。一方別の跳躍方法としては,ステップ−ステップ−ジャンプの方法を用いるドイツ式三段跳もあったようである。その後,今世紀にはいる直前に現行の跳躍方法に統一がなされたようである。13; このように,三段跳の跳躍方法は歴史的にも変遷を繰り返し,ホップ−ステップ−ジャンプといった跳躍方法は,他人のまねや教えられることで初めて経験するといった特異なものである。13; それでは,三段跳はどのような性格をもっているのだろうか。一般的に,三段跳は筋力が,走幅跳にはスピードがポイントである,といわれている。三段跳では3回の踏み切り(跳躍)が行われ,その中でもホップとステップの跳躍のあとは片足で着地し,それぞれの着地からステップとジャンプの踏み切りが行われる。このため三段跳は,この着地の局面において自分の体重を十分支えられるパワーを必要とすると考えられる。13; そこで本研究では,三段跳の未経験者に学習を行い,その学習の結果と三段跳の体力の機能的な指標として考えられる各種のパーフォーマンス・テストの結果をもとに,三段跳に必要な運動機能的な要素を究明しようとした。
著者
柴田 碧
出版者
東京大学生産技術研究所
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.45, no.3, pp.155-162, 1993-03-01

本稿は1958年から発足した装置機器学(化学機械)部門担当の柴田研究室の研究課題の発展の経過についてまとめたものである.同年発足した日本最初の原子力発電所の耐震設計に関する委員会に参加したことがきっかけとなって,それ以来機器・配管系の耐震設計手法の開発を行って来た.これは1970年代になり石油化学プラントヘと発展した.この間,理論,試験方法,実地震応答観測などを手掛け,さらに防災関係と展開した.そして,地震による損傷事例の原因を解明していくうちに,ヒューマン・エラーなどに関する研究へと進展した.どのような背景で,30年余の間研究がこのように発展したかを述べる.
著者
高瀬 裕志
出版者
日本歯科大学
雑誌
奨励研究(A)
巻号頁・発行日
1993

放射線治療において、歯科金属補綴物が口腔内に装着されていると、補綴物と隣接する口腔粘膜の放射線吸収線量が増加するため、金属補綴物は放射線粘膜炎の増悪因子として重要である。今回の検討では、歯科金属補綴物の有無により口腔粘膜部の吸収線量がどの程度変化するか(後方散乱電子の影響)について基礎的な実験を行った。1.データ分析システムの構築歯科金属補綴物の組成データ、照射データ(照射野、線量など)、線量分布データ等を一括して管理し、テ-タ処理を行うためのシステムを構築した。2.実験用簡易固定具の作製CTならびに放射線治療装置(2.8MV LINAC)の両者において照射野の再現性が得られるようにするため、ウレタンとアクリル樹脂を用いて、ファントム固定用の簡易固定具を作製した。3.ファントム実験軟部組織等物質(Mix-DP)を用いて作製したファントム中に、金銀パラジウム、ニッケルクロム合金、アルミニウムをそれぞれ挿入し、金属の厚みと照射野を変化させて、放射線(2.8MV X線)を照射した。金属が存在しない場合の金属相当部の吸収線量は、同ファントムをCT撮影して治療計画装置(TOSPLAN)から求め、また、金属が存在する場合の金属後方部の吸収線量(照射側の対側)はフィルム法により測定した。結果と今後の展望金属後方部の吸収線量は、金属がなく軟部組織のみの場合と比べ著明に増加し(金パラで約1.4倍)、原子番号の高い金属ほど増加する傾向が示された。また、金属が厚くなると吸収線量は増加するが、一定値以上では大きく変化しないことが確かめられた。今後は、金属が存在する場合の吸収線量増加に対する軽減法について、さらに検討を加えたい。

1 0 0 0 OA パワーシフト

著者
羽場 久美子
出版者
公益財団法人 日本学術協力財団
雑誌
学術の動向 (ISSN:13423363)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.1_26-1_35, 2014-01-01 (Released:2014-05-02)
著者
Hayakawa S. Kawai N. Masataka N.
出版者
Nature Publishing Group
雑誌
Scientific Reports (ISSN:20452322)
巻号頁・発行日
vol.1, 2011-09-01
被引用文献数
41

なぜ人間と高等サル類のみで色覚は進化したのか. 京都大学プレスリリース. 2011-09-01

1 0 0 0 OA 昇華の価値論

著者
堀川 聡司
出版者
京都大学大学院教育学研究科
雑誌
京都大学大学院教育学研究科紀要 (ISSN:13452142)
巻号頁・発行日
vol.61, pp.163-174, 2015-03-31
著者
井部 己文 山本 修一郎 佐藤友合子
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ソフトウェア工学(SE) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.107, pp.1-6, 2007-11-02
被引用文献数
9

i* フレームワークは,アクタ間の依存関係を表現する有効な手法として期待されている [1][2]。しかし,その有効性や限界については,まだ十分解明されていない。実際のビジネス構造を i* フレームワークを用いてモデル化し,適用評価を行ったところ,(1) 各アクタ間の関係としてのソフトゴールの網羅性を確認することができないこと (2) アクタがおかれている利用シーンが表現できないといった課題があることがわかった [3]。本稿では,これらの課題を解決するため,アクタ関係行列を用いたゴール指向要求分析方法を提案する。i* framework is expected as an effective technique for analyzing the dependence between actor [1][2]. However, neither the effectiveness nor the limits have been clarified enough. When an actual business structure is modeled by using i* framework, and the application evaluation was done, we found (1) Covering a soft goal as the relations between each Actor should be not able to be confirmed. (2)The following problems, the use scenes of Actors are not expressible [3]. To solve these problems in this text, we propose the method of the goal oriented requirements analysis using the Actor relationship matrix.
著者
日暮 聡志 奈良 貴幸 松山 博昭 細谷 知広 門岡 幸男 加藤 健
出版者
日本酪農科学会
雑誌
ミルクサイエンス (ISSN:13430289)
巻号頁・発行日
vol.61, no.2, pp.75-80, 2012

近年,肝臓における脂肪蓄積は異所性脂肪として注目されており,MSに関連する病態の発症に深く関わることが知られている。一方,チーズがMSに対して保護的な作用を示すことが種々の研究により明らかになってきている。しかしながら,チーズが肝臓の脂質代謝に及ぼす影響についてはほとんど知られていない。そこで,市販のゴーダタイプのチーズを,高脂肪かつ高コレステロールの飼料を投与した脂肪肝のモデルであるラットに28日間経口摂取させ,肝臓での脂肪蓄積に及ぼす効果を調べた。その結果,チーズの摂取により血清コレステロール濃度が低下し,肝臓の重量やトリグリセリド量,コレステロール量が減少した。また,チーズの摂取により糞中の脂質排泄量が増加した。したがって,チーズを経口摂取することにより,高脂肪,高コレステロール摂取に起因する脂肪肝を予防することができる可能性が示唆された。
著者
杉本 モニカ
出版者
京都外国語大学
雑誌
研究論叢 (ISSN:03899152)
巻号頁・発行日
vol.67, pp.323-332, 2006

2005年の日本におけるドイツ年の一つのイベントであった日本全国作文コンテストSchreib doch mal Deutschに向けて,2005年の春学期に3年次生,4年次生を対象として作文の授業を行なった。今まで習った作文作成方法から離れて,辞書に頼りすぎる癖を直して,ドイツ語らしい文書作成を習うのがこの授業の目標であった。最後まで頑張れば,学生は良い点数だけではなく,コンテストの賞品であった往復チケットを含めるドイツへの語学旅行が当たる見込みもあって,受講者はいつになく高いモティベーションを持って,この授業を履修した。そういう特別な事情のせいか,クラスの全体的な雰囲気は「授業」,というより「ワークショップっぽい」ところがあって,学生にとっては受けやすかったのではないかと思われる。実際,授業終了の時に行ったアンケートで非常に満足度の高いことに気づいて,学生を実験台に使った割りに結果が良かったと思った。また極めて参加者の多かったコンテストの8位を占めた学生がこの授業受講者の一人であったことは,担当者として一番嬉しいことである。授業で実施したFree Writing, Mind Mapping, Clusteringなどは学生にとって新鮮な勉強方法であった。この小論はそれらの教育法・学習法の内容と実践,および学生の反応と成果について報告している。