著者
五十嵐 花織 須賀 千絵
出版者
日本図書館研究会
雑誌
図書館界 (ISSN:00409669)
巻号頁・発行日
vol.63, no.3, pp.232-246, 2011-09-01

2006年8〜10月に,日本の公共図書館5館において,レファレンスサービスを対象に覆面調査を試行した。調査方法の妥当性を検証するために,司書率が高い図書館は優れたレファレンスサービスを提供しているという想定のもとで,調査結果と司書率との関係を調べた。正答率,回答にかかった時間,図書館員の態度の3つの観点からサービスを評価した結果,特に重視されると考えた正答率について司書率との関係が認められた。さらに,試行の結果をもとに,具体的な調査方法の提案を行うと共に,残された課題について指摘した。
著者
経済雑誌社 編
出版者
経済雑誌社
巻号頁・発行日
vol.上, 1896
著者
佐々木 信博 上野 幸司 白石 武 吉村 章 久野 宗寛 武田 真一 斎藤 孝子 安藤 康宏 草野 英二
出版者
The Japanese Society for Dialysis Therapy
雑誌
日本透析医学会雑誌 = Journal of Japanese Society for Dialysis Therapy (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.41, no.10, pp.723-730, 2008-10-28
被引用文献数
2 5

近年われわれは,高精度体成分分析装置(InBody S20)を用いた生体電気インピーダンス(BIA法)が血液透析患者の体液量評価に有用であることを報告し,特に浮腫値(細胞外水分量(ECW)/体水分量(TBW))やInBody S20でのDW(BIA-DW)が,臨床的DW(Cl-DW)の一つの指標となることを報告した.今回われわれは,糖尿病,心不全,低アルブミン血症,透析低血圧例,肥満患者,透析期間,尿量維持患者などの各種疾患や病態別に透析後の浮腫値を中心に具体的なDW設定基準について検討を行った.対象は当院で維持透析を施行している57名で,透析前後でInBody S20による各種体液量と血液一般検査,透析後にhANP,BNP,胸部X線による心胸郭比(CTR),心臓超音波検査による下大静脈(IVC)径,左室駆出率(EF)などを測定した.全ての病態で浮腫値は透析後に有意に低下した(p<0.0001).透析後浮腫値は,血清Alb値と負の相関を示し(r=-0.720,p<0.0001),糖尿病群では非糖尿病群にくらべ有意に高値を示した(p<0.0001).そこで,糖尿病と低Alb血症の有無による4群での検討を行った.透析後浮腫値は,I群(DM(-),低Alb(-)):0.384±0.005にくらべ,II群(DM(-),低Alb(+)):0.397±0.013,III群(DM(+),低Alb(-)):0.398±0.011で有意に高値を示し(p<0.001),IV群(DM(+),低Alb(+)):0.404±0.012で最も高値を示した(p<0.0001).InBody S20で求められる理想的なDW(BIA-DW;浮腫値0.380のBW)と実際の臨床的DW(Cl-DW)は,強い正相関(r=0.996,p<0.0001)を示し,I群においてはその値はほぼ一致し,II群,III群においてはBIA-DWよりも0.5~0.8kg程度上乗せした体重が,IV群では1kg程度上乗せした体重がCl-DWとなることが示された.一方,浮腫値は,血圧,心機能,透析期間,尿量とは相関を認めなかった.InBody S20で求められる透析後浮腫値は,原疾患の有無にかかわらず,透析患者のDWの一指標となりうると考えられた.
著者
岸本 正実 幣 憲一郎 田中 真理子 和田 啓子 福田 美由紀 姫野 雅子 桑原 晶子 小川 蓉子 木戸 詔子 稲垣 暢也 田中 清
出版者
公益社団法人 日本栄養・食糧学会
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.62, no.5, pp.253-258, 2009 (Released:2009-10-29)
参考文献数
13
被引用文献数
4

肥満は通常body mass index (BMI) によって判定されるが, 本来肥満は脂肪細胞過多である。そこで本研究では生活習慣病患者166名を対象に, BMIとbioimpedance analysis (BIA) 法による体組成の関係を検討した。BMIは体脂肪量と, 相関係数0.914と強く相関したが, 除脂肪量とは相関係数0.434と中等度にとどまり, BMIと除脂肪量の相関係数は, BMI≧25 kg/m2群ではBMI<25 kg/m2群より低かった。BMIによる肥満 (≧25 kg/m2) と, 体脂肪率による肥満 (男性≧20%, 女性≧30%) の関係は, 後者の判定に対して前者の特異度は高いが, 感度は低く, BMI25 kg/m2以上では, ほぼ確実に体脂肪率による肥満が存在するが, 25 kg/m2未満でもその存在を否定できない。栄養アセスメントにおいて, BMIに加えて体組成評価の併用が必要であり, また感度・特異度などによる解析を考慮すべきである。
著者
松永 亮一 高橋 将一 小松 邦彦
出版者
日本作物学会
雑誌
日本作物学会九州支部会報 (ISSN:02853507)
巻号頁・発行日
no.67, pp.62-64, 2001-05-15

九州で栽培されている大豆品種は九州農業試験場で育成された良質多収品種である「フクユタ力」が3分の2以上を占め, 残りのほとんどは「フクユタカ」に放射線を照射して白目化した「むらゆたか」が栽培されている. 両品種とも子実の蛋白質含粒率が高く, 主に豆腐の原料として利用されており, 納豆の原料となる小粒品種の栽培はほとんどないため, 九州の納豆製造会社では国産の小粒納豆製品の原料として北海道産あるいは関東産を使用しており, 九州で栽培できる納豆用小粒大豆品種の育成に強い期待があった. この要望に応えるために, 九州農業試験場では新たに納豆用小粒大豆品種として「すずおとめ」を育成した. 本報告では, 「すずおとめ」の主要な栽培特性を明らかにするとともに, 「すずおとめ」を原料とした試作納豆の試食アンケートを一般の消費者を対象として実施することによって, 試作納豆の官能評価を得るだけでなく, 今後の納豆用品種育成に役立てるための納豆製品に対する消費者ニーズの調査を行った.
著者
青栁 淳子
出版者
慶應義塾経済学会
雑誌
三田学会雑誌 (ISSN:00266760)
巻号頁・発行日
vol.105, no.1, pp.57-85, 2012-04

論説海保青陵が17歳の時に実父, 角田青渓は尾張藩に迎えられ, 藩主世子の教育係に就き, 青陵が家督を譲った弟も藩主に近侍した。このように, 青陵と尾張藩には密接な関係があったにもかかわらず, 両者の関係に注目し, 論じられることはこれまでなかった。本稿では尾張藩と青陵のつながりを示した上で, 両者の思想的親和性と距離について考える。18世紀後半における両者の思想傾向を比較することの思想史上の意義を明らかにしたい。When Kaiho Seiryo was 17, his genetic father, Sumita Seikei, took him to the feudal domain (or "Han") of Owari and placed him under the person responsible for the education of the lord's successor and Seiryo's younger brother, to whom Seiryo transferred the family's headship and who also served the Han's lord. Although Seiryo's and Owari Han's relationship was close, a discussion focused on both parties' relationship has never been attempted thus far. After showing the link between Owari Han and Seiryo, this study explores the ideological affinities and distances between both. In addition, it clarifies the significance of the comparison of ideological trends between both parties in the late 18th century from the history of thought perspective.
出版者
日経BP社
雑誌
日経ヘルスケア : 医療・介護の経営情報 (ISSN:18815707)
巻号頁・発行日
no.267, pp.22-24, 2012-01

2025年1月、大学医局の同窓会で、1990年に入局した3人の医師が久しぶりに顔を合わせた。病院、診療所の院長として社会保障・税の一体改革を乗り切ってきた彼らは、医業経営の話題で盛り上がり……。受皿 いやー、久しぶり。相変わらず元気そうだな。うわさによると、また病院を買ったらしいね。
著者
関谷 剛男
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.26, no.3, pp.209-212, 1990-03-01
著者
三浦 久美子 齋藤 美穂
出版者
一般社団法人日本色彩学会
雑誌
日本色彩学会誌 (ISSN:03899357)
巻号頁・発行日
vol.28, no.3, pp.163-175, 2004-09-01
被引用文献数
9

色彩嗜好は具体的形態を伴った場合に変化すると考えられる。本研究では<身につける色>及び<周辺の色>という2つのカテゴリに着目し、両カテゴリの共通点と差異を検討した。刺激は色見本を使用し、335名(男性136名/女性199名)に対し、身につけたい色、周辺にあって欲しい色/身につけたくない色、周辺に欲しくない色をそれぞれ3色ずつ選択すると同時に選択理由の解答を求めた。選択された色に対しては、両カテゴリの嗜好色と嫌悪色における一般的な嗜好傾向の特徴を明らかにする為に双対尺度法(Dual-Scalina)による分析を施し、χ^2検定により有意差を検討した。その結果、両カテゴリにおける共通点は白嗜好、差異は黒に対する嗜好の差異である事が分かり、また色相やトーン別に有意差が認められた。また、年代や性、調査時期も色彩嗜好における重要な要因であることが示唆された。
著者
吉里 邦夫
出版者
文部省史料館
雑誌
文部省史料館報
巻号頁・発行日
no.1, pp.1-8, 1965-03-31

創刊の辞三九年度事業報告史料館の当面する問題民具収蔵庫の現況と問題点湿度管制近世史料の整理について館内での研究活動所蔵史料一覧概表(1)新収史料紹介
著者
市古 貞次 久松 潜一 佐々木 八郎 臼田 甚五郎 フランク ・ホープ 松田 修 鈴木 寿 大久保 正 古川 清彦
出版者
国文学研究資料館
雑誌
国文学研究資料館報
巻号頁・発行日
no.1, pp.1-20, 1972-12-25

国文学研究資料館の発足に当って設立をよろこんで国文学研究責料館の創設経過 資料に導かれもして国文学研究資料館へ望むこと〃新考古学〃の立場から高野山採訪記史料管見文献資料部事業報告研究情報部事業報告評議員名簿・職員名簿・組織図
著者
粟野 皓光 清水 裕史 筒井 弘 越智 裕之 佐藤 高史
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. VLD, VLSI設計技術 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.324, pp.85-90, 2011-11-21

ランダムテレグラフノイズ(Random Telegraph Noise: RTN)は微細デバイスの信頼性や回路特性に関わる物理現象であり,様々なモデル化手法が提案されている.閾値電圧の変動幅と変動時定数は,種々のモデルに共通する特に重要なパラメータであるが,測定データからこれらを求めることは困難な課題となっている.本研究では,キャリアの捕獲と放出の過程を統計的モデルとして表現し,マルコフ連鎖モンテカルロ法(MCMC)を用いて各パラメータをベイズ推定する手法を提案する.人工的に生成したRTN信号に提案手法を適用し,良好な結果が得られたが,実測信号については課題も見られた.
著者
井上 茂
出版者
The Japanese Society of Behavioral Medicine
雑誌
行動医学研究 (ISSN:13416790)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.47-51, 2014

現在、大学医学部では大幅なカリキュラム改編が進行している。背景にはいわゆる「2023年問題」がある。2010年に米国のECFMG(Educational Commission for Foreign Medical Graduates)は「2023年以降、国際基準の認証を受けていない医学部の卒業生にはECFMGの受験を認めない」ことを宣言した。日本人が米国で診療するためにはECFMGが行う試験に合格する必要があり、2023年以降は日本の医学部を卒業した者が米国で診療を行うためには、国際基準に則った認証を受けた医学部を卒業していることが前提となる。大学の国際化が進む中で、認証の取得は各大学にとって必須の課題となっている。これを受けて、2012年にWorld Federation for Medical Education(WFME:国際医学教育連盟)は医学教育のグローバルスタンダードを発表し、2013年には日本医学教育学会がこのスタンダードに準拠した「医学教育分野別評価基準日本版」を発表した。今後は日本医学教育質保証評議会(Japan Accreditation Council for Medical Education:JACME)が、この基準に沿って各大学の医学教育を認証する体制が構築されることになる。ところで、この認証基準において「行動科学」が教育プログラムのなかに、大きな見出し語として取り上げられている。これに従えば、各大学のカリキュラム担当者は「行動科学」の教育を実施する必要がある。一方、医学教育者間で行動科学・行動医学という領域は十分に認知されておらず、標準的な行動医学の教育内容も示されていない。このような背景のもと、日本行動医学会は「行動医学コアカリキュラム」を提案するための作業を進めている。そこで、医学教育における行動医学の位置づけを確認すべく、「医学教育分野別評価基準日本版」およびその原本(国際版)を行動科学の視点から検討した。また、行動医学に関連した部分をできるだけ原本から忠実に引用し、まとまった資料として整理した。さらに、その他の医学教育に関連したガイドラインとして「医師国家試験出題基準」「医学教育モデル・コア・カリキュラム」を行動医学の視点から検討した。その結果、医学教育分野別評価基準日本版においては「行動科学」が大きな見出し語となっており、行動医学の社会医学的側面を踏まえた記載が中心となっていた。医師国家試験出題基準には行動医学の特に臨床医学的側面が比較的体系立てて示されていた。また、医学教育モデル・コア・カリキュラム(準備教育モデル・コア・カリキュラム)には心理学的側面に関するキーワードが多く掲載されていた。これらの文書は医学教育のカリキュラム作成において大きな影響があることから、これらを踏まえて、各大学医学部のカリキュラム作成担当者の指針となるような、行動科学・行動医学の標準的な教育内容が提案されることが期待される。
著者
大石 進一 高安 亮紀 久保 隆徹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLP, 非線形問題 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.166, pp.61-64, 2010-07-26

本報告では非線形楕円型偏微分方程式のDrichlet境界値問題の解に対する精度保証付き数値計算方法について述べる.提案手法は先行研究とは違うまったく新しい精度保証法法で,Newton-Kantorovichの定理に基づき,自然に精度保証条件が導かれる.さらにこの手法は近似解計算の数倍程度の手間で精度保証可能である.精度保証付き数値計算法の計算速度について効果的な結果を得ることができた.