著者
Mai Shimoda Shunsuke Shimoda
出版者
The Japanese Group Dynamics Association
雑誌
実験社会心理学研究 (ISSN:03877973)
巻号頁・発行日
vol.61, no.1, pp.28-33, 2021 (Released:2021-10-16)
参考文献数
12

This study examined how self-affirmation influences people’s intention to improve health behaviors after reading messages about health risks from physical inactivity. A usual physical activity level, measured by a smartphone app, was used as a moderator. Participants (103 Japanese undergraduates) reported their usual physical activity (average walking and running distances) measured by a health management app. They then completed a writing task, in which they affirmed (or did not affirm) important personal values. After the task, they read health risk messages about physical inactivity and reported their intention to increase their daily physical activity. The results revealed that participants with low physical activity levels displayed a significantly stronger intention to increase their daily physical activity when they self-affirmed than when they did not. Conversely, participants with high levels of physical activity did not show a significant effect of self-affirmation. These results suggest that the effect of self-affirmation on improving physical inactivity is moderated by the level of usual physical activity, highlighting the significance of the relevance of the health messages.
著者
椎塚 久雄 橋爪 絢子
出版者
横断型基幹科学技術研究団体連合(横幹連合)
雑誌
横幹連合コンファレンス予稿集 第4回横幹連合コンファレンス
巻号頁・発行日
pp.8, 2011 (Released:2012-03-14)

キャラクターの“おもしろさ”や“親しみやすさ”はどこからくるのか。どのような要素を持ったキャラクターが指示されヒットするのか。このような疑問は大方の人々が抱いているであろう。つまり、ヒットするキャラクターは、それを創るクリエーターの経験とか勘だけで創造されるものと思われている。もちろん、経験則から得られるある種の法則は存在するのは事実である。一方、キャラクターは、いわゆる「人工物」が発する何らかの情報を受け取ることで、われわれが、そこから受ける認知体系の反応の結果であると考えられるが、これは必ずしも人工物である必要はない。例えば、それが「人間」であってもかまわない。つまり、その人個人が発するキャラクターである。よく言われるように、「あの人は良いキャラだ」などというのは、人のキャラクターを意味している。 本稿では、まず、ヒットキャラクターを概観し、それらの持つ特徴について述べる。そして、キャラクターのインタラクティブ性について議論している。キャラクターの持つインタラクティブ度を決定づけている要素は、そのキャラクターが持っている物語性に関係していることを示している。そして、さらに「かわいさ」と「インタラクティビティ」について考察している。
著者
永澤 桂
出版者
美術科教育学会
雑誌
美術教育学:美術科教育学会誌 (ISSN:0917771X)
巻号頁・発行日
vol.34, pp.357-366, 2013-03-25 (Released:2017-06-12)

本論は,美術が家族をめぐる問題に対して,いかなる貢献ができるのかという視点から,西欧で描かれた伝統的な母子像に光をあてることにより,そこで示されたジェンダーに関する考察を目指すものである。西欧で伝統的に描かれてきた聖母子像においては,イエスや聖母マリアが人間としての身体を獲得することと,両者の間に親密な情が交わされることが結びついている。このことから,ジェンダーについての理解を深めるための題材として,母子像の鑑賞が有効性を持つと考え,その実践的な方法として,とくに身体表象について検討する。現在,家族をめぐって多様な問題が議論されているなかで,母子像の鑑賞が,多様なジェンダー観を磨くことに寄与しうる可能性を持つと考えている。結論として,ジェンダーを切り口とした母子画の鑑賞を通して,美術が人間関係,多文化・異文化理解に貢献できる営みであることを言及している。
著者
高橋 伸夫
出版者
特定非営利活動法人 グローバルビジネスリサーチセンター
雑誌
赤門マネジメント・レビュー (ISSN:13485504)
巻号頁・発行日
vol.14, no.7, pp.357-386, 2015-07-25 (Released:2016-07-25)
参考文献数
26
被引用文献数
1

組織やシステムを設計するには、まずはそれがどのように形成されてきたのかを理解する必要がある。日本企業の行動や組織を理解する鍵は「仕事の報酬は次の仕事」である。そうした思想で構築されたシステムはどのように運用されているのか。そこから理解が始まる。
著者
一和多 俊男
出版者
一般社団法人 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
雑誌
日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌 (ISSN:18817319)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.76-82, 2014-04-30 (Released:2015-11-13)

3学会合同呼吸療法認定士制度は,日本胸部外科学会・日本呼吸器学会・日本麻酔科学会の3学会により設立され,1996年に第1回認定試験が実施された.本制度が発足して18年経過したが,呼吸療法に関連する医療従事者の育成に果たしてきた功績は非常に大きい.3学会合同呼吸療法認定士の業務は個々の国家資格により規定されているため,呼吸療法チームによる医療が必要であり,強いリーダーシップを発揮して,しっかりとしたマネージメントができる呼吸器専門医師が育成されれば,より有益な医療を患者に提供することが可能である.
著者
古賀 広志
出版者
日本情報経営学会
雑誌
日本情報経営学会誌 (ISSN:18822614)
巻号頁・発行日
vol.38, no.4, pp.36-56, 2019 (Released:2020-09-23)
参考文献数
53

In information system research, research focusing on the practice of IT artifacts has received muchattention. One perspective is the idea of “design science.” The focus of Design Science is a research on IT artifacts developed based on Simonʼs seminal book “The Science of the artifacts”. However, there is no consensus on the idea of digital science, and there is confusion over the perspectives. Therefore, in this paper, in order to unravel conceptual confusion of design science, the author conduct a comprehensive review of previous studies with two keywords “design” and “science” as clues.
著者
常田 賢一 小田 和広 中平 明憲 林 健二 依藤 光代
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
地震工学論文集 (ISSN:1884846X)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.596-604, 2007 (Released:2010-11-22)
参考文献数
7
被引用文献数
4

地震時の道路では路面の段差により車両の走行機能が阻害されるが, 社会的影響の低減のためには, 特に一般車両の迅速な開放が必要である. そのためには, 段階的な補修とそのレベルに応じた車両の解放が有効であるが, このような性能評価型道路管理の視点による補修, 交通開放の基準は明確でない.本研究は既往地震での地震直後の交通規制から解除までの運用の現状を把握するとともに, 地震時に発生する段差に関して, 模擬段差に対する車両の走行実験を行い, 段差通過時の車両の挙動, 段差量と車両の走行速度の関係, 段差通過時のドライバーの意識を明らかにした. また, 地震直後の交通止めから通常走行までの段階的な補修水準および車両の種類, 車両の走行速度に応じた交通開放の運用方法を提示した.
著者
高井(山下) 千加 馬渕 裕也 池田 純子 藤 正督 仙名 保 大矢 豊
出版者
一般社団法人 粉体工学会
雑誌
粉体工学会誌 (ISSN:03866157)
巻号頁・発行日
vol.58, no.4, pp.164-169, 2021-04-10 (Released:2021-05-21)
参考文献数
16
被引用文献数
1 1

Mechanochemistry offers sustainable synthesis of the functionalized cellulose nanofiber (CNF). In this study, changes in the microstructure of the CNF aqueous sol by planetary ball milling were investigated in terms of its rheological behavior, crystallinity, and diameter distribution. The surface activity of the CNF was additionally characterized by a pulsed nuclear magnetic resonance (NMR). A decreased thixotropy hysteresis loop observed in the 100 min−1-treated CNFs indicated a weaker interaction among the fibers, but still having a three-dimensional structure. 300 min−1 could collapse them. A decreased x-ray diffraction peak intensity observed in the 500-min−1-treated CNF could indicate a split in the fiber’s bundle as well as shredding. An increase in the wet surface area (SNMR) could indicate surface activity in the 500-min−1 milled CNF sol. Such newly formed hydroxyl groups can serve as effective reaction sites with, for example, the TiO2 precursor and perhaps favorably works to improve the photocatalytic performance.
著者
南 政孝 茂木 進一 道平 雅一
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会論文誌D(産業応用部門誌) (ISSN:09136339)
巻号頁・発行日
vol.139, no.2, pp.NL2_10, 2019-02-01 (Released:2019-02-01)

Our laboratory focuses on power electronics, energy storage applications, and renewable energy systems.
著者
小熊 英二
出版者
日本社会学会
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.50, no.4, pp.524-540, 2000-03-31 (Released:2009-10-19)
参考文献数
36

本稿は, 日本における共同性と公共性の意識形態を, 国際比較を交えた近代国家形成の歴史的経緯から考察したものである.フランスにおける近代国家形成は, 中央政府主導により, 地方の旧勢力を打破するかたちで進められた.そこでは, 前近代的な地方共同体が否定されることによって, 地域を越えた国家大の共同意識と, 自立した近代的主体意識を合わせ持つ個人=国民が析出され, 地方共同体の前近代的公共性に代る近代的公共性は, 国民=国家に求められるという理念が生まれた.それにたいしアメリカでは, 開拓移民による地域コミュニティの連合体として国家形成がなされた.このため, あらかじめ近代的主体意識を備えている個人= 市民が, 自発的に集合して地域コミュニティをはじめとした中間集団を形成するのであり, 共同性と公共性は主にそうした中間集団で実現され, 国家= 中央政府はそれに介入するべきではないという理念が発生した.すなわち, 前近代的共同体から解き放たれた主体意識を持つ個人が, 従来の共同体に代る近代的な共同性や公共性を実現してゆく場としては, 前者では国民国家が, 後者では中間集団が想定されている.しかし日本の近代国家形成では, 地方や家族, あるいは学校・企業などの中間集団は, 構成員にたいする前近代的ともいえる拘束機能を残したまま, 国家の下部組織として中央集権制と接合されるという経緯をたどった.このため, ここでは個人の主体性確立と共同性の希求は二律背反関係であり, 共同性とは主体意識を放棄した集団への埋没なのであって, 近代的な公共性は中間集団にも国家にも求めえないという意識が広がりがちとなる.