出版者
京都大学大学院教育学研究科
雑誌
京都大学大学院教育学研究科紀要 (ISSN:13452142)
巻号頁・発行日
vol.49, pp.507-516, 2003-03-31

「年表」(p.507-510)は編集委員会の決定により公開しない
著者
ゴルゴル リカルド ミゾグチ (2014) ミゾグチ ゴルゴル リカルド (2013) ゴルゴル リカルドミゾグチ (2012)
出版者
東京大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2012-04-01

本年度は,二つの異なるアプローチでフラーレン二重膜ベシクルのようなナノカーボンから形成される階層的複合材料の研究を行いました.①フラーレン二重膜ベシクル上での金ナノ粒子の配列を制御しました.静電相互作用によるベシクルの表面修飾は凝集を起こす原因として広く知られていますが,ここでフラーレンベシクルが水中に形成する界面の自由エネルギーの減少を吸着の駆動力として利用することで,ベシクル上に金ナノ粒子を高密度に集積化させることに成功しました.さらに,ベシクル表面上でナノ粒子をさらに成長させることも可能であり,ナノ粒子同士の表面プラズモン共鳴のカップリングを観測することに成功しています.このハイブリッド構造はフラーレン二重ベシクルを用いた光電変換システムの構築に非常に重要な技術になります.②高分解能電子顕微鏡による単一の有機分子で修飾されたカーボンナノホーンの観察技術を開発しました.有機単分子の電子顕微鏡観察においては測定温度がその立体配座変換の速度に影響を与えないため,電子顕微鏡で有機単分子の動きを観察することが困難であったが,新たな分子デザインと測定条件を用いることで、複雑な有機分子の段階的な立体配座の変化を観察することに成功しました.また,画像解析により分子の動きを定量化する方法を確立し,これを用いて分子動力学の観点から有機単分子の動画を解析することで,観察された分子の動きが高エネルギー配座から低エネルギー配座への変化であることを明らかにしました.このような有機単分子の動的挙動を研究できる実験手法は他に例がなく,有機分子の構造解析と配座変化の研究に大変有用であります.本研究は,交付申請書で提案した研究を大きく超えて,電子顕微鏡を用いた分子運動の観察技術として重要な成果になりました.
著者
樋口 隆一
出版者
美学会
雑誌
美學 (ISSN:05200962)
巻号頁・発行日
vol.34, no.3, 1983-12-31

Der Lebensweg von Johannes Brahms lief fast parallel mit der Entwicklung der Bach-Renaissance im 19. Jahrhundert. Im Vortrag wurde die Gegeneinanderwirkung zwischen Brahms und Bachforschung erortert aus folgenden Gesichtspunkten : 1) Alte-Bach-Ausgabe ; 2) Briefwechsel mit Philipp Spitta ; 3) Brahms als Bach-Interpret. Zum 2) wurde die achtjahrige Pause hervorgehoben, die sich vielleicht auf die Meinungsunterschiede uber Bach-Sache bezieht. Zum 3) wurden gezeigt die Auffuhrungspartitur der Bachschen Kantate 34 "O ewiges Feuer, o Ursprung der Liebe" (Sammlung der Gesellschaft der Musikfreunde in Wien, Signatur : III 25453/H 27794 ; Auffuhrungsdatum : 10. 1. 1875). Daraus geht hervor, dass Brahms dort mehrfach die Instrumentation veranderte, namlich die originalen Trompeten-Partien teilweise in die Stimmen von Floten bzw. Oboen oder sogar Klarinetten umschreiben liess, die ausser 2 Oboen alle zusatzlich sind. 2 Fagotte und Orgel behandelt er auch nicht buchstablich : Fagotte manchmal als Unterstutzung der Manner, Orgel mit "Tacet"-Stelle. Schluss : Brahms' Verhaltnis zur Bachschen Musik wird gepragt durch seine positivistische Haltung. Positivistisches Historismus im Gegensatz vom "enthusiastischen Historismus" (Doflein) bei Mendelssohn. Seine Rolle als Brucke zwischen Musikwissenschaft und Praxis ist schatzenswert. Als Bach-Interpret ist er prinzipiell originaltreu, aber doch gegebenfalls so frei, wie oben gezeigt.
著者
高橋 友一
出版者
名城大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

避難行動において重要な要素である避難誘導に着目し、身体的な相違の他に、過去の災害時の報告書にある行動に至る個人の状態をモデルで表現し、避難情報の提供方法や個人の心理状態と行動パターンもパラメータとするマルチエージェントベースの避難シミュレーションを構築した。一斉避難放送や警備員から避難誘導、避難誘導情報の適切さ・伝達効率、エージェントの行動パターンなどの条件を変化させたシミュレーション結果を解析し、避難誘導内容・方法により避難行動に変化がある事を示し、それをもとに避難シミュレーションが防災計画の評価に有効な事を示した。
著者
近藤 通朗
出版者
東京電機大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

直観主義的時相論理の決定可能性問題を一般化した形で解決するため,様相部分構造論理を代数的に考察した.部分構造論理の代数的意味論として剰余束を用い,この代数に様相演算子に対応する演算子を追加した代数系の性質を調べた.最初に1つの演算子を持つ体系の性質を調べ,その特徴付け定理を証明した.次に2つの演算子をガロア結合として持つ代数系の性質を調べ,直観主義的様相論理が決定可能であること,直観主義的時相論理が直観主義的様相論理のfusionであることを示した.これらの結果に,既知の結果(決定可能な論理のfusionはまた決定可能)を適用すると,直観主義的時相論理が決定可能であることが証明できた.
著者
南 裕子 神崎 初美 岡本 玲子 大野 かおり 内布 敦子 神原 咲子 片山 貴文 井伊 久美子 新井 香奈子
出版者
兵庫県立大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2005

まちの保健室に対する住民のニーズを2つの記述的研究により調査した。ひとつは兵庫県全土で開催されているまちの保健室来訪者を対象としたもので、405人の有効回答者で最も多かった疾患は高血圧(22.8%)、次に糖尿病(9.1%),高脂血症(8.9%),不整脈(1.2%),リウマチ(1.0%)であった。もう一方は地域住民3064人のうち有効回答858人(23.7%)へ認知症に関するまちの保健室のニーズを調査した。認知症の種類や薬物療法について知らないものが、41.2%と57.5%であった。身近に疑いのある人が「いる」は23.6%、認知症について相談してみたいは85.9%であった。また、まちの保健室を新たに立ち上げる準備のため(10項目)、設立のため(10項目)、立ち上げた後の効果的な運営のため(7項目)の立ち上げ運営支援マニュアルを作成した。相談技術を開発するためには、がん専門看護師によるがん患者へのフォーカスグループインタビューを企画し、がん療養相談技術カテゴリーを作成した。また、専門家による口腔ケア支援のモデルを作成した。女性の健康班では、相談機能において後方支援に期待される機能を明らかにするために、ボランティアNsへのインタビューを実施し、結果を基に相談の実態及び困難を支援できるマニュアルを作成した。ボランティア看護師のための教育研修を継続実施している。その効果を測定するため講習会の前後で得点を比較しほぼ全項目で有意に改善していた(p<0.05)。平成18年度129拠点で実施された活動実績報告と教育・研修会班が実施したボランティア看護師へのアンケート・座談会から抽出した質問集に、班で作成した回答を加えWeb上に反映させボNsが簡単に利用できる仕組みとした。看護師がまちの保健室活動を行うにあたっての困難は、「本職が忙しい」「活動に対する上司の理解がない」が主であり、職場での理解が必要であることが分かった。まちの保健室看護師支援を目的とし、Webと携帯サイトにFAQを作成し、記述や閲覧ができるようにした。これは、セミナーグループワークでの発言やWeb上の記述から作成した。
著者
佐々木 丈予 関矢 寛史
出版者
Japan Society of Physical Education, Health and Sport Sciences
雑誌
体育学研究 (ISSN:04846710)
巻号頁・発行日
2014

The objective of the present study was to investigate the influences of psychological pressure on initial posture and anticipatory postural adjustment (APA) when performing a single forward step movement. Fourteen participants performed a single step toward a circular target (10 cm in diameter) in response to a beep sound. The trials were conducted under non-pressure and pressure conditions, with ten attempts for each. In performing the task, participants were required to respond rapidly to the beep sound, to be as brief as possible with the stepping movement, and to place their foot accurately in the landing position on the target. Pressure was induced by a small audience and false instructions of starting over the same experiment on another day and the presentation of video-taped performance in a sports science lecture if performance does not reach a criteria. The results showed that state anxiety (state-trait anxiety inventory: STAI Y-1) increased from 42.4 (±7.0) to 53.7 (±8.7) and that heart rate also increased from 76.2 (±7.0) bpm to 83.4 (±9.3) bpm when the participants were under pressure. Significant increases in mean radial error and bivariate variable error were found, indicating that accuracy of stepping in the landing position was reduced under pressure. Kinematic analysis showed that, in the initial posture phase, significant trunk inclination was observed under pressure. Kinetic data obtained using a force plate showed that mean and maximal force in the posterior direction increased when under pressure. Furthermore, the EMG activity levels of the tibialis anterior muscles increased under pressure. These results indicate that pressure affects both the initial posture and APA when performing a single forward step movement.<br>
著者
尾谷 昌則
出版者
法政大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究では、近年の日本語における文法変化について類推ネットワークモデルの観点から分析するため、昭和中期から後期にかけて出版された小説(主に文庫本、約700冊)をスキャンし、テキスト化して簡易コーパスを作成した。主に書き言葉であったため、口語の変化を研究するに十分なデータが得られたわけではなかったが、国会会議録検索システムなども併用しながら、接続助詞から接続詞化した「なので」や、「V+ません」から「V+ナイデス」への変化を中心に、様々な事例を研究した。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1000, pp.207-209, 1999-07-19

6月20日の足立区長選で、前職で共産党推薦の私は、自民、公明、民主などが推す元助役の鈴木恒年さんに13万票対11万票で敗れました。 今一歩力及ばずという感じで、残念なことは残念なのですが、あまり負けた気がしないのも正直なところです。得票数は、私が初当選した前回の区長選より4万票以上増えました。足立区民の良識を示せたというか、見ている人は見ていたなと思うのです。

1 0 0 0 OA 9. 原子力利用

出版者
一般社団法人 日本エネルギー学会
雑誌
燃料協会誌 (ISSN:03693775)
巻号頁・発行日
vol.70, no.7, pp.757-760, 1991-07-20 (Released:2010-06-28)
著者
保田 隆明
出版者
小樽商科大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011

わが国におけるエクイティファイナンスの現状を実正分析を通じて行った。第三者割当増資、公募増資に関してそれぞれ案件の発表時の株式市場の反応を分析し、市場から評価される案件の系類を明らかにした。また、第三者割当増資、公募増資実施後の中長期の収益分析、株価パフォーマンス分析をあわせて実施し、事後的にも評価されるエクイティファイナンスのタイプを明らかにした。分析結果を要約すると、資金使途が借入金の返済ではない案件、特に第三者割当増資の場合は増資の引き受けをする株主と発行体の関係性、シナジーの有無が重要であることが分かった。
著者
鬼頭 史城
出版者
公益社団法人日本船舶海洋工学会
雑誌
造船協会誌 (ISSN:03861597)
巻号頁・発行日
no.462, pp.523-528, 1967-12-25
著者
園田 茂人
出版者
中央大学
雑誌
奨励研究(A)
巻号頁・発行日
1993

本研究では、研究代表者が以前「在京県人会に見られるネットワークの構造とその機能」(1990年度文部省科学研究費助成金・奨励研究(A))プロジェクトで行った調査の成果を受けて、県人会組織に所属する個人を対象に、その出身背景、東京地域への流入プロセス、就職経路と転職過程、同郷人との交流、現在の出身地との結び付き、同郷意識などの項目に関して質問票調査を行った。具体的な作業としては、まず最初に、1993年の夏に秋田県と鹿児島県からの出郷者を対象に、合計6人、一人3時間程度のヒアリングを行い、これをもとに調査票の質問項目の確認作業を行った。次に、県人会に所属している人たちを結び付ける活動について、具体的に東京新潟県人会の事務局を対象にヒアリングを行い、同時に今回の質問票調査の協力を取り付けた。もともと留置法による調査を考えていたが、調査の効率性と対象者のばらつきを考え、郵送法による調査へと変更した。結局調査の対象者は、東京新潟県人会に属する400人となったが、すでに対象者には質問票を配布してある。本年5月中旬までには質問票の回収作業を終わらせ、このデータをコンピュータに入力した後、7月〜8月くらいには、基礎集計がまとまるものと期待される。この結果は、それ独自に論文としてまとめられると同時に、東京大学の苅谷剛彦助教授のグループと連動し、戦後日本の社会形成に関する大規模プロジェクトへとつなげてゆく計画がある。
著者
中川 一雄
出版者
岐阜大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011

メアリ・コリアの文化的想像力と詩的言説は二重の意味で疎外されている。経済的・社会的構造において彼女は、スティーブン・ダックと同様に、下層の労働者階級に属している。彼らは領主層に「服従」し、その命に応じて労働することによって賃金を得、最底辺の貧困生活を送る。もうひとつのレベルでは、女性であることによって男性に抑圧されているのである。この抑圧構造がダックの農婦批判という言説を生んだと言える。この経済と性に関わる二重の疎外性は、当時のジェントリー階級文化のイデオローグの一人であったアレグザンダー・ポウプの詩を二人の詩と対置させ、彼ら3人の詩における水表象の分析によって明らかとなる。