著者
百田 義治 伊藤 健市 岩波 文孝 内田 一秀 佐藤 健司 関口 定一 中川 誠士 橋場 俊展 堀 龍二 宮崎 信二 森川 章
出版者
駒澤大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

わが国においても人事・労務管理の成果主義的な再編が顕著である。この変化は1980年以降アメリカにおける人事制度変革(人的資源管理への転換)の影響を受けたものである。本研究は現代アメリカの人事制度改革の意義を歴史的・実証的に検証している。すなわち、80年代以前のアメリカ大企業の人事制度と労使関係システムが人的資源管理に与えた影響を、20年代ウェルフェア・キャピタリズム(非組合型労使関係)、ニューディール期におけるその変容、それに制約された第2次大戦後の労使関係下の人事制度の課題を実証的に検証したものである。
著者
大西 武雄
出版者
奈良県立医科大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011

p53 の機能を失ったがん細胞は、低線エネルギー付与(LET)放射線(X 線)によって誘発されるアポトーシス出現頻度が低く、放射線抵抗性を示すことを報告してきた。 今回、重粒子(高 LET)放射線は細胞死シグナルが誘導されやすいのは、生のシグナル系に関連する Akt-mTOR Akt、リン酸化 Akt、mTOR、リン酸化 mTOR, rpS6、リン酸化 rpS6、Survivin いずれのタンパク質量およびそれらの活性が効率的に抑制されることによることが明らかとなった。
著者
横田 隆史 斎藤盛幸 大津 金光 古川 文人 馬場 敬信
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌コンピューティングシステム(ACS) (ISSN:18827829)
巻号頁・発行日
vol.46, no.16, pp.1-13, 2005-12-15
参考文献数
20
被引用文献数
23

LSI の高集積化にともない,計算機システムで利用可能なハードウェア資源の量は拡大の一途をたどっているが,一方でクロック速度の向上が飽和する状況になっており,命令レベル・スレッドレベルの並列性を活かした効果的な実行方式が求められている.本論文は,実行頻度の高いホットループに対して,次のイテレーションで行われる実行経路(パス)を予測して投機実行するパスベースの投機的マルチスレッド処理に関して,スレッドレベル並列性を得るための現実的かつ効果的な方法を検討する.パスを投機の対象とすることで,スレッド間依存の問題の緩和や,スレッドコードの最適化が図れるメリットを享受できるが,その一方で,効果的なパスの予測方法・投機方法が課題となる.本論文では,一般的なプログラムでは多くの場合,予測・投機の対象を実行頻度の高い2 つのパスに絞っても実質上問題にならないことを示し,2 つのパスに限定して投機実行する2 パス限定投機実行方式を提案する.実行頻度の上位2 つのパスが支配的である場合は,最初のパスの投機に失敗しても次点のパスが高確率で成功するために実行効率を上げられる.本提案方式をモデル化し解析的に性能見積りを行うとともに,2 レベル分岐予測器をもとにしたパス予測器を用い,トレースベースのシミュレータにより評価を行い有効性を示す.Modern microprocessor systems take their advantages by exploiting large hardware resources in a single chip and by accelerating clock speed. However, in near future, LSI integration will be continued while clock speed be saturated. Thus efficient instruction- and thread-level parallelism is required to achieve higher performance. This paper addresses a path-based speculative multithreading, where frequently executed path is predicted and executed speculatively. We propose a practical speculation method for path-based speculative multithreading. Most practical programs execute only one or two paths in hot-loops, while there are many possible paths according to many branches. We show most frequent two paths are practical candidates to predict and speculate, and thus we propose the two-path limited speculation method. Analytical performance estimation and trace-based simulation results show effectiveness of the proposed method.
著者
筑井 麻紀子
出版者
東京国際大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

本研究では、日本と中国が経済面及び環境面において相互に与える影響について特に廃棄物の排出に注目し、2007年版の日中地域間廃棄物産業連関表を推計した。日本が中国から購入する最終需要目的の財・サービスが中国に与える影響は、中国が日本に与える影響に比べ、生産額における波及効果はほぼ同額であるが、産業部門における廃棄物排出量は約5倍、温暖化ガス排出量は約4倍にも上り、日本の最終需要の中でも、民間消費支出と固定資本形成が中国に与える影響が大きい。本研究の結果より定量的に明らかになった日本の消費者責任を鑑みれば、日中が政策的に環境負荷の軽減の取り組みを協力して行う必要がある。
著者
金子 善博
出版者
秋田大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-28

日本の自殺高率地域において、自殺の社会的影響の拡がりの評価可能性を検討するために、地域の保健福祉関係者に対する質問紙調査を行った。回答者の自殺予防への関心は低くなかったが、近隣の自殺者の存在は対策の費用と関連しなかった。社会コストに関する要因は明確ではなかった。自殺の心理社会学的な外部不経済の評価は明確にならなかった。自殺予防の促進に際して地域住民に参画を求めるためには、自殺にフォーカスする対策だけでなくより幅広い学際的な戦略を検討する必要があるだろう。
著者
清水 康敬 前迫 孝憲 坂本 昂 高野 綏 森 政弘
出版者
東京工業大学
雑誌
試験研究
巻号頁・発行日
1985

9.研究成果の概要(最終まとめ) 本研究は, 留学生が日本語を習得するためのCAIシステムの構築を目的としている. すなわち光ビデオディスクに書き込んだ画像を動画教材とし, パーソナルコンピュータによる提示画像とのスーパーインポーズの制御を行っているが, 機器類の操作を学習者が自らの意思でインタラクティブに行うことができるよう構成したことに特徴がある. 本システムにより, 学習者は主体的に学習に取り組むことが可能となった. 本研究により, 書き込み可能な光ディスクをパーソナルコンピュータで制御するためのソフトウェアシステムの構築と改善を行った. また, 世界有数のCAIオーサリングシステムであるPLATOシステムに, 本研究で実現したインタラクティブ制御機能を組み込む実験を行った. そして, これらのCAIシステムの学習コースを作成し, ビデオディスクに付加したインタラクティブな制御機能が, 学習成績と深い相関を持ってょいることを実証するなど, インタラクティブなCAI環境でビデオディスクを利用する際の基本的な要件を明らかにした. また遠隔教育における通信量の適正化を図るため, ビデオテックス・NAPLPSを利用するCAIシステムの可能性を調査し, 色再現性の支持等適切な制御を行うことで高い効果の得られることを確認した. そして入力インタフェースとしての手書き漢字入力装置の可能性について調査研究を行った. 今後は, 本研究の成果に基づき, 学習コースの開発と利用を進めていく予定である.
著者
古屋 東一郎
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育
巻号頁・発行日
vol.32, no.4, pp.209-217, 1984

実習しやすく生徒が喜ぶ物理実験教材の研究を通し,これらの実験に必要な材料を,コンパクトなケースに納めた「パック詰めにされた手軽にできる生徒実験」なるものを開発した.この研究には,高校での物理の教師としての経験,および理大の「実験講義」の手伝いなどを通して約10年の歳月をかけて作り上げた.特にこの2〜3年間でその内容が研究発表できるような充実したものにした.これらの実験はすべて短時間で手軽にできるため,生徒には普通の理論的な授業の中に,ほんの少しの時間をさいて実験させることもできる.さらにこのパックによる実験によって,ひじょうに興味深い現象が見られるため,生徒は物理を身近なものとして捕えることができる.よって生徒に興味をもたせながら授業を進める手段として,この方法は非常に有効である.
著者
井上 秀彦 柴田 幸夫
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告グラフィクスとCAD(CG) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1995, no.107, pp.19-26, 1995-11-09

CADやグラフィクスにおいてよく用いられる曲線は局所的な滑らかさに基づいて曲線が定められているため,大域的な滑らかさや見た目の自然さが必ずしも保証されていない.本論文では,通過点が指定されたときの曲線生成における大域的な滑らかさや見た目の自然さの評価基準として「疑似エネルギー」を定義し,その最小化に基づいてエルミート曲線の接線ベクトルの最適化を行う効率のよい方法を提案する.In CAD and graphics, smooth curves are usually generated so that they have a high degree of differentiability with respect to the curve papameter. However, this does not necessarily guarantee their global smoothness. In this paper, we introduce "pseudeenergy" for measuring the global smoothness of a curve and present a simple scheme for generating a smooth Hermite spline curve based on it. An efficient table lookup technique is proposed for this computation. We also show that the length of a generated curve and the area of the region it encloses can be evaluated accurately and efficiently by our table lookup technique. Some examples are given to illustrate our scheme.
著者
藤井 範久
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

本研究では,投動作における運動連鎖が発生する要因を明らかにすることを目的とした.投動作のコンピュータシミュレーションを用いて,様々な条件での最適投動作を推定し,運動連鎖の現象がみられるのかを検討した.さらにシミュレーション条件に類似した投動作を実験的に分析し,シミュレーション結果の妥当性を検証した.その結果,投動作における運動連鎖を決定する要因は,ボールや上肢の慣性の分布よりも,上肢関節の自由度である可能性が高いと考えられた.たとえば肘関節は内外反軸が拘束されているため,受動トルクを有効利用するように肩関節水平内転は肩関節内旋よりも早いタイミングで生じ,運動連鎖が存在すると考えられる.
著者
谷田 千里 荻島 央江
出版者
日経BP社
雑誌
日経トップリーダー
巻号頁・発行日
no.313, pp.84-89, 2010-10

次男だったし、私の場合、昔から父との折り合いが悪かったんですよ。しょっちゅう些細なことでけんかをして、口論になる。父が争いの最後に言う「おれが食わしてやっているんだから、口答えするな」という捨てぜりふが悔しくて。高校のころには「早く家を出たい」とばかり考えていました。 タニタは、ヘルスメーターのトップメーカー。
著者
鈴森 康一 脇元 修一 安積 欣志
出版者
東京工業大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2014-04-01

現在の人型ロボットと実際の人の身体の駆動機構は大きく異なっており,これが両者の運動特性に様々な違いを生んでいる.しなやかで「生き物らしい」運動特性を持ったロボットを実現するには,十分な収縮能力を持ち,集積して超多自由度機構を駆動できる「人工筋肉」の実現が鍵になる.本研究では,①「電気駆動」と「多繊維構造」を特徴とする「次世代マッキベン人工筋肉」を実現し,②「筋骨格ロボット機構」に適用してその可能性を実証することを目的としている.①マッキベン人工筋肉の電動化に関しては,本年度は,プロトン交換膜表面の電極形成の工夫により,1~2秒程度の速さで動作する「電動細径マッキベン筋肉」の動作に成功した.電気駆動に関しては,安定した製造方法と反応速度の向上については今後検討する必要があるものの,ほぼ当初の目的であった動作性能を実現することができた.多繊維化に関しては,紡錘状筋肉を対象に多繊維化に伴う筋肉間の干渉をモデル化し,細径人工筋肉単体の特性と多繊維化した場合の特性を理論と実験から検討し,多繊維化により収縮率が10%程度上昇することを示した.②筋骨格ロボット機構に関しては,一昨年度の脚,腕,昨年度の顎の動作実現に加え,首および脛骨へ適用,動作に成功し,超冗長駆動システムの駆動が本多繊維人工筋で行えることを実証した.以上のように,②については,研究が当初計画より約1年前倒しに当初目標を達成し,①の電動化については安定した製造方法と反応速度の向上については今後検討する必要があるものの,4年間でほぼ当初の目的を達することができた.今後はさらに高性能化を目指して油圧駆動に取り組みたい.
著者
渡邊 亜美
出版者
東京大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究では当研究室で樹立したヒトiPS細胞からの膵島形成培養系をベースとし、ヒト膵島前駆細胞から膵島様構造物形成に至るまでのメカニズムを解析すること、および得られた知見を応用して生体外で大量に膵島を作製する系を確立することを目的に研究を行なった。その結果、分化誘導系において内分泌前駆細胞は, 自己凝集することで膵島様構造を形成することを見出した。この結果をもとに膵島形成培養系を改良したところ, 膵島形成効率を向上させることに成功した
著者
伊藤 博明 田中 純 加藤 哲弘 木村 三郎 上村 清雄 足達 薫
出版者
埼玉大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

ヴァールブルクが晩年に取り組んだ、未完の学問的プロジェクトである『ムネモシュネ・アトラス』に所蔵された全パネルについて共同して詳しく読み解き、その成果は図書として刊行するとともに、2回のシンポジウム「アビ・ヴァールブルクの宇宙」と「ムネモシュネ・アトラス展」において公表した。ヴァールブルクの研究を批判的に受け継ぎ、文化系統学、イメージ人類学、神話の構造分析、世俗世界のイコノロジーなどについて方法論的考察を深め、その成果は7名の外国人研究者を含んだ国際シンポジウム「思考手段と文化形象としてのイメージ――アビ・ヴァールブルクから技術的イメージ・図像行為まで――」において発表した。
著者
作山 佳奈子
出版者
信州大学
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2013-04-01

研究目的本研究では、腎癌分子標的薬服用患者を対象に、血中濃度及び遺伝子多型が薬効・副作用発現に与える影響を評価することを目的とした。まずSunitinib服用患者の血中濃度測定から研究を開始した。研究方法Sunitinib血中濃度測定血清中のSunitinibおよびN-desethylsunitinibはアルカリ条件下、t-butylmethyl etherで抽出し、減圧乾固後、移動相に溶解し、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)にて分離定量した。HPLCの分析はODSカラムを用い移動相として0.05Mリン酸緩衝液(pH 3.0) : アセトニトリル : PIC試薬B7 (Waters)=695:300:5の混合液を使用した。UV-VIS検出器の検出波長は0~12minが431nm、12~20minが250nmに設定した。研究成果Sunitinib服用患者1名(50mg/日内服)のSunitinib及び活性代謝物であるN-desethylsunitinibの測定を行った。その結果、内服8日目のSunitinib、N-desethylsunitinibのトラフ値はそれぞれ84.2ng/mL、20.1ng/mL、その後11日目まで内服継続されたが発熱が認められ中止、内服中止後1日目では41.4ng/mL、21.7ng/mL、中止後8日後では4.8ng/mL、5.4ng/mLであった。今後はSunitinib服用患者の血液を収集し、血中濃度及び患者の遺伝子多型が薬効・副作用発現に及ぼす影響を評価する予定である。