著者
Hiroshi SHINOKUBO
出版者
日本学士院
雑誌
Proceedings of the Japan Academy, Series B (ISSN:03862208)
巻号頁・発行日
vol.90, no.1, pp.1-11, 2014-01-10 (Released:2014-01-31)
参考文献数
98
被引用文献数
12 30

Borylated functional π-systems are useful building blocks to enable efficient synthesis of novel molecular architectures with beautiful structures, intriguing properties and unique functions. Introduction of boronic ester substituents to a variety of extended π-systems can be achieved through either iridium-catalyzed direct C–H borylation or the two-step procedure via electrophilic halogenation followed by palladium-catalyzed borylation. This review article focuses on our recent progress on borylation of large π-conjugated systems such as porphyrins, perylene bisimides, hexabenzocoronenes and dipyrrins.
著者
Xuan Zhu Chunqing Wu Yuhua Tang Junjie Wu Xun Yi
出版者
一般社団法人 電子情報通信学会
雑誌
IEICE Electronics Express (ISSN:13492543)
巻号頁・発行日
vol.10, no.5, pp.20130013-20130013, 2013-03-05 (Released:2013-03-05)
参考文献数
8
被引用文献数
4

Utilizing memristor to obtain multi-level memory in nano-crossbar is a promising approach to enhance the memory density. In this paper, we proposed a solution for multi-level programming of memristor in nanocrossbar, which can be implemented on nanocrossbar without the need for extra selective devices. Meanwhile, using a general device model, this solution is demonstrated to be adaptive to a wide range of memristors that have been experimentally fabricated through HSPICE simulation.
著者
田中長嶺 著
出版者
石川芝太郎
巻号頁・発行日
1892
著者
伊藤 映 福岡 俊之 藤田 卓志 西山 聡一 渡辺 和之 田口 ひとみ
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.46, pp.351-352, 1993-03-01

近年、パーソナルコンピュータはその普及のめざましいものがあるが、個人が生活のパートナーとして使うとうい点ではまだまだ、心理的にはパーソナルとはいえない状況である。我々は、コンピュータの操作性という意味での「物理的な壁」はもとより、人とコンピュータのスムーズでかつ深いコミュニケーションを阻む「心理的な壁」をも取り除いた「つき合いたくなるコンピュータ」のためのヒューマンインタフェースの研究を行っている。特に、コンピュータ上に、賢いだけでなく親しみをもって接することのできる生物のような「エージェント」を用いた対話を提案している。その研究の一環として、コンピュータの内部世界を写し出し、利用者とその世界との仲介を行う「仮想生物」というエージェントの導入を提案し、コンピュータ内の「仮想世界」に没入し、仮想生物と対話できるシステムを試作した。本稿では、試作したシステムの概要とその基本モデルの考え方、更にシステムの基盤となるプラットフォームの実現例について述べる。
著者
近藤 悟 平井 伸博 菅谷 純子
出版者
千葉大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

リンゴ樹を供試し、光量条件が花芽形成に及ぼす影響を検討した。リンゴの花芽形成に関連する遺伝子として、幼若性に関連するMdTFL1および花形成に関連するMdFT1の発現について検討した。MdTFL1の発現は光量制限下で高くなった。この結果は、リンゴの花芽形成に及ぼす光量制限の影響はMdTFL1との関わりが強いことを示唆する。ブドウ樹を供試し、夜間における青色光あるいは赤色光LEDの照射が果実のアブシシン酸(ABA)代謝およびアントシアニン合成に及ぼす影響を検討した。夜間の赤色LED照射は内生ABA濃度に影響するが、必ずしもアントシアニン濃度とは一致しないこと、青色LED照射は内生ABAに及ぼす影響は大きくないものの、mybA1などアントシアニン合成に関連する遺伝子に影響することが示唆された。
著者
三上 美絵
出版者
日経BP社
雑誌
日経アーキテクチュア (ISSN:03850870)
巻号頁・発行日
no.843, pp.24-27, 2007-03-12

降り注ぐ陽光を浴びて、縁側で遊ぶ母と子。庭とガレージを挟んで家をセットバックさせてあるとはいえ、前面道路との境に塀や生垣はなく、通りから濡れ縁までは素通しだ。ベランダへ洗濯物を干しに出た隣家の主婦が「おはようございます」と声をかけてくる。 最近は、プライバシーを重視して道路側の開口を少なく設計した住宅が多い。
著者
末光 愛正
出版者
駒澤大学
雑誌
駒澤大学佛教学部論集 (ISSN:0389990X)
巻号頁・発行日
vol.23, pp.245-258, 1992-10
著者
宮原 誠 吉田 育弘
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.43, no.10, pp.1129-1136, 1989-10-20
被引用文献数
46 7

カラー画像処理や符号化の研究は, (1)信号を人間の色知覚の3属性(Hue, Value, Chroma)にもとづく均等知覚空間上で, (2)処理誤差を実際に知覚される色差と関係づけて扱うことが有効である.この目的で用いる均等色空間として, 色差が定義されている(H, V, C)マンセル色空間を用いることとした.しかし, CIE(1976)L^*a^*b^*色空間にもとづく(R, G, B)↔(H, V, C)データ相互変換は精度が低く, また変換表を用いる方法も, 表を内挿する必要があるなど, 実用上の支障が多い.そこで本論文では, MTMと名付けた数学的(R, G, B)→(H, V, C)データ変換方法を提案する.MTMは, ある仮定した変換関数の未定係数を, カラーテレビの色再現範囲から均等にサンプルした250の代表色にもとづく重回帰分析によって決定したものである.また, ニュートン法を応用した逆変換の方法を示した.最後に, MTMとこの逆変換法を組み合せれば, 充分精度良く, かつ, 簡単に(R, G, B)↔(H, V, C)データ相互変換が行えることを確認した.
著者
大西 利幸
出版者
静岡大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2009

本研究ではイリドイド化合物の一つであるオレウロペインを化学防御物質前駆体と考え、環境ストレスに対する樹木の化学防御機構の解明を目的として防御活性化酵素の機能解析を行った。その結果、オリーブ実からオレウロペイン糖加水分解酵素(β-グルコシダーゼ)の精製し、そのペプチド配列から設計したジェネレートプライマーを用いて、オリーブから全長cDNA配列の取得に成功した。
著者
白 迎玖 三上 岳彦
出版者
東北公益文科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

本研究は、日本で蓄積された研究成果を有効利用し、途上国の実情に鑑み、観測およびシステム保守のコストを抑えながら、中国・上海において高密度自動観測システムを初めて構築し、長期間にわたって37箇所で気象観測を実施して得られたデータに基づいて、上海におけるUHI(Urban Heat Island)の実態を解明することを目的としている。観測によると、上海の月平均気温が上昇し、特に2005年の最高気温38℃を超える日数が10日以上、最高気温の最大値は39.8℃であり、世界的に見ても異常な高温化が顕著化していることが確認された。また、季節別の気温上昇については、春季(3-5月)と夏季(6-8月)の気温の上昇率が大きかった。1985-2005年の20年間に上海の気温上昇は、春季の気温の上昇が約2.53℃/20年でもっとも大きく、冬季(12月〜3月)の気温上昇は1.43℃/20年でもっとも小さかった。上海では風の弱い晴天夜間にUHIが年間を通してはっきり存在している。7月のUHI強度の最大値(月平均値)は4.3℃で、8月の場合には3.4℃であった。UHI強度は日没後急速に増加し、その後は同じような状態が日の出頃まで続くことが明らかになった。また、UHI強度の時間変化と風向とは密接な関連があり、各地域のUHI強度のピーク値の出現は風速と関連があることも確認された。さらに、UHI強度のピーク値は、20-22時と0-3時に現れると同時に、公園緑地のUHI緩和効果も同一時間帯に最大になることが判明した。7月には、夜間は市中心部にある公園緑地のUHI強度の最大値は旧密集型住宅地よりも約1.3℃低かった。8月には、夜間は市中心部にある旧密集型住宅地のUHI強度の最大値の方が約1.4℃高かった。
著者
小沢 浩
出版者
名古屋大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2006

本研究は, ライン生産からセル生産への移行過程に関する概念モデルを精緻化するために, 製造作業に要する動作時間を測定すること, および, 既にライン生産からセル生産へ移行した工場における以降のプロセスに関する事例を整理することを目的として行われた。まず, 動作時間の測定については, これを行ったものの, 実験できる範囲の製造工程では, 簡単な作業の再現しかできないこと被験者となる作業者が限られていることなどから, 常にセル生産が有利であるという結果しか得られていない。しかしながら, 作業時間の平均ではなく, 作業者ごとの作業時間のバラツキをコントロールする方法がセル生産とライン生産では全く異なることに気がついた。そしてこれにもとづいて, 生産形態と業績評価法・行動規範が適合していなければならないという事実に気がついた。具体的には, 「産出/投入」として計算される能率概念は, セル生産では適用可能であるが, ライン生産でこの概念を適用すると工程が混乱することが論証できた。つまり, 一般的な感覚における「能率向上」が適合するのは, セル生産においてであり, ライン生産においてこれを目指すことは悪い効果をもたらしかねないということである。この知見は, 私がこれまで行ってきたJust-In-Time生産の解釈にも新たな光を投じるものである。この成果は, 標準原価計算と関連づけて, 第67回日本会計研究学会において報告した。セル生産と関連づけた研究は, 2009年6月に, 組織学会でも報告し, 論文にまとめる予定である。また, もう一つの課題である事例の収集・整理については, 十分な成果を得られていない。
出版者
福岡県水産海洋技術センター
雑誌
福岡県水産海洋技術センター研究報告 (ISSN:09192468)
巻号頁・発行日
no.13, pp.27-30, 2003-03

1)ノリ葉体の色と乾燥葉体のアミノ酸量の経時変化を明らかにし、色とうまみの面から摘採時間の検討を行った。2)L値は20時から2時の間で低い値を示した。a値、b値は大きな変動はなかった。3)アミノ酸量では、グルタミン酸は20時から2時、アラニンは11時から14時が高い値を示した。4)午後2時頃から午前2時頃までがうまみの多い時間帯、日中の午後が甘みの多い時間帯である。グルタミン酸、アスパラギン酸、アラニンの合計量から考えても正午頃から午前0時頃までに得られるノリ葉体が、1日の中でもうまみ、甘みの多いものと考えられた。5)労働の軽減と操業上の安全性から考えると夜間摘採をやめ、色の点では劣るが甘みの強い乾ノリを生産することを目的として、正午から日没前の時間帯に摘採を行う方策が考えられた。
著者
佐々田 槙子
出版者
慶應義塾大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2011

ランダムなノイズのある一次元調和振動子鎖に対する平衡揺動の研究を行い、時空間変数に対する拡散型のスケール極限としてマクロなエネルギー揺動の従う確率微分方程式を導出した。また、様々な確率モデルに対するSpectral gapの詳細な評価の新しい手法を得た。
著者
坂本 邦暢
出版者
東京外国語大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2011

今年度はこれまで進めてきた研究成果をまとめ、一本の論考と複数の発表に結実させることができた。まず博士論文以降すすめてきた研究成果をまとめた論文「アリストテレスを救え 16世紀のスコラ学とスカリゲルの改革」を論集『知のミクロコスモス 中世・ルネサンスのインテレクチュアル・ヒストリー』(ヒロ・ヒライ、小澤実編集、中央公論新社、2014年3月)に寄稿した。古代からルネサンス期までの知の歴史を追う形で執筆された本論文には、15世紀後半から16世紀前半までのイタリアでの大学教育について行った研究成果が反映されている。また結論部において、アリストテレス主義の哲学が新科学の台頭の中いかに生きのびていったかをしるすことで、17世紀以降についての調査成果も統合した。この成果と並んで、4月と7月にそれぞれアメリカと日本の学会にて研究成果を発表した。両者とも16世紀のアリストテレス主義をめぐる発表である。以上の論考執筆、発表と平行して、本年度は書籍の解説記事やいくつかの書評記事の執筆を行うことで、研究成果の共有と評価につとめた。榎本恵美子『天才カルダーノの肖像ルネサンスの自叙伝、占星術、夢解釈』(勁草書房、2013年)の解説記事では、16世紀の医学者カルダーノをめぐる近年の研究状況を解説し、あわせて同書の特色と意義を論じた。書評記事としては、古代から近世までの生理学を扱った論文集と、アリストテレスの物質論の歴史を扱う論集をとりあげた。
著者
黒石 智誠 菅原 俊二 田中 志典
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

ビオチンは水様性ビタミンB群に属し、細胞内において5種類のカルボキシラーゼの補酵素として機能する。これまでに、アトピー性皮膚炎患者における血清中ビオチン濃度の低下が報告されている。本研究では、マウスモデルを用いて、アトピー性皮膚炎発症に対するビオチン摂取量の影響を解析したが、その影響は認められなかった。一方、ビオチン欠乏マウスでは、ビオチン充足マウスに比較して肝臓中のアミノ酸(メチオニン、システインなど)含有量が低下していた。さらに、ビオチン欠乏に伴う抗酸化能の低下も認められた。