著者
縫部 義憲
出版者
広島大学大学院教育学研究科日本語教育学講座
雑誌
広島大学日本語教育研究 (ISSN:13477226)
巻号頁・発行日
no.12, pp.25-31, 2002

The present article aims to evaluate the new guideline for Japanese language teacher education issued by the Bunkacho in 2000). Although the new one has its own concept and curriculum framework different from the present one, I investigated how much they overlap each other in content. In conclusion, both of them are much the same in content and the present one will be radically restructured into the new one according to the new concept of "teacher development" consciously or unconsciously.
著者
縫部 義憲 松崎 寛 佐藤 礼子
出版者
日本教科教育学会
雑誌
日本教科教育学会誌 (ISSN:02880334)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.21-30, 2005-09-20

平成12年の「日本語教育のための教員養成について」への対応を巡り,国内における日本語教員養成は大きな転換を迫られている。本論では,この新たな教育内容を基に独自に作成した調査用紙を用いて,全国の教員養成課程を持つ大学を対象に,十分対応できる,もしくは対応できない項目を調べた。その結果,マクロレベルでは言語や教育実習に関する側面は対応できているが,心理的及び異文化的側面は対応できていないことが確認された。また,クラスター分析を行い,対応度の傾向によって大学をグループ分けした結果,全体平均では値が高かった項目に関しても,大学群によっては対応できていないことが確認された。これらへの対応策として,各大学の特長を活かした養成カリキュラムの策定や大学間の提携プログラムやVOD教材利用のネットワーキング構築に柔軟に取り組むための提案を行った。
著者
縫部 義憲
出版者
広島大学
雑誌
広島大学日本語教育学科紀要 (ISSN:13415298)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.1-10, 1995-03-31

The present article aims to find out the problems of Japanese language education in the special Japanese language classrooms designed to help foreign students learn "Basic Interpersonal Communication Skills" (BICS) in Japanese at elementary schools in Hiroshima Prefecture, and to posit solutions for them from the standpoint of bilingual education.
著者
縫部 義憲
出版者
広島大学教育学部
雑誌
広島大学教育学部紀要 第二部 (ISSN:04408713)
巻号頁・発行日
no.37, pp.p167-175, 1988

The purpose of the present article is to present a conceptual framework for systematizing the Japanese-language teacher training curriculum. Firstly, I discussed what an outstanding Japanese language teacher is like. Secondly, I focussed on teacher development. Thirdly, I proposed the principles of constructing a systematic curriculum. Lastly, I insisted that a new curriculum for human dynamics in Japanese be introduced and established in the Japanese language teacher training course.
著者
熊 崎 さとみ
出版者
信州大学
雑誌
信州大学留学生センター紀要 (ISSN:13467433)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.139-149, 2003-03

1990年の入管法改正以来増加してきた就労目的のブラジル人の在住に伴い問題となってきたのが、彼らの子供たちの就学問題である。その現場において生じている様々な問題を明らかにする為に行なった調査において、先生方やブラジル籍児童・生徒の保護者計149名から寄せられた回答によると、①日本全体での統一マニュアルの作成 ②日本文化・教育システム・学校制度・集団生活についてのガイダンス ③専門スタッフの常設(日本語教育・異文化理解のアドバイザー,カウンセラー)④サポート体制の充実(通訳,翻訳)⑤帰国後、ブラジルへの再順応を見越してのことば・教育・文化についての指導、という5点が、主に現在必要とされていることが分かった。
著者
鈴木 克明 市川 尚 向後 千春 清水 克彦
出版者
岩手県立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2000

本研究では、教材や授業の動機づけの側面を評価して問題点を見つけ出し、授業や教材の改善作業を支援するためのツール群を開発した。J・M・ケラーが提唱するARCS動機づけモデルに基づいて、ARCSモデルの枠組みである注意・関連性・自信・満足感の4要因それぞれ4項目ずつ、合計16項目からなる「ARCS評価シート」を設計した。それを複数の大学における学生による授業評価で試用し、因子分析などの手法により信頼性と妥当性を検討するデータを収集して改良し、「ARCS評価シート」最終版を提案した。さらに、「ARCS評価シート」をWeb上で実施し、データの回収及び統計的処理を自動的に行う機能を備えた「Web版ARCS評価シート」を開発し、大学における学生による授業評価の実践場面で操作性と実用性を確認した。また、様々な領域で提案されている動機づけに関する教授方略を収集し、ARCSの4要因をもとに分類・整理した「ARCS改善方略ガイドブック」をブックレット形式にまとめた。その内容を「ARCS評価シート」での診断結果と連動させて動的に提示する「Web版ARCS改善方略ガイドブック」を開発し、その簡便性などを調査した。「ARCS評価シート」で得点が低かった項目についての改善方略を選択して表示し、問題点に特化した改善方略を組み合わせて授業の再設計を支援する機能を備えていることが好意的に評価された。以上の成果をWeb上に公開し、教材や授業のデザインに関係する実践者の参考に供した。
著者
大川 卓也 仁瓶 善郎 山下 俊樹 林 哲二 杉原 健一
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.73-77, 2004-01-01
被引用文献数
14

腸開腹デスモイド腫瘍はまれな疾患で,家族性大腸腺腫症,手術,外傷,妊娠などの既往を有する症例に発生することが多い.今回我々は,小腸間膜原発デスモイド腫瘍の1例を経験したので報告する.症例は58歳の男性で,56歳時に食道癌の手術を受けた.腹部腫瘤触知・腹痛を主訴に近医受診,腹部腫瘤と診断され当科紹介となった.腹部超音波・CT・MRI・血管造影検査にて小腸間膜に境界比較的明瞭な腫瘤を認め,小腸間膜充実性腫瘍と診断し,腫瘤摘出術を施行した.腫瘤は110×65×58mmで,組織学的には分化した線維芽細胞と豊富な膠原線維からなり,核分裂像は認めず,Masson染色で青染,Vimentin染色陽性にてデスモイド腫瘍と診断した.腸開腹腫瘍の術前質的診断は困難なことが多いが,本症例のように画像上腫瘍血管像を認めない充実性腫瘍の場合,デスモイド腫瘍も念頭において手術に臨むべきである.
著者
根本 隆夫 河崎 正 位田 俊臣
出版者
茨城県内水面水産試験場
雑誌
茨城県内水面水産試験場調査研究報告 (ISSN:03878988)
巻号頁・発行日
no.38, pp.19-23, 2003-03

(1)試験用人工河川において,ワカサギの産卵時期と産卵のための遡上時間の経時変化を調べるために試験を行った。(2)1996年のワカサギ親魚の遡上時期は前年よりやや遅く,2月下旬から3月下旬に観察され,3月上旬がピークであった。(3)ワカサギ親魚の遡上時間は,おおよそ16時から6時までであり,特に19時から21時に多く,20時がピークであった。(4)雌雄別では,雄が早めに遡上し,19時以降急増して22時には減少に転ずるが,雌は急な増減はなく19時から5時の間に少しずつ遡上することが分かった。(5)遡上数の日変化と経時変化調査の差から,雄親魚は一度遡上しても,また後日再遡上することが推察された。
著者
藤田 礼子
出版者
情報処理学会 ; 1960-
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.53, no.11, pp.1140-1145, 2012-10-15

本稿は,観光政策におけるICTの重要性が高まっている中,①外国人の訪日促進に関する情報発信と受入環境整備,②旅行者の動向分析におけるICTの活用について,最近の動向を取り上げている.具体的には,日本政府観光局(JNTO)の多言語観光情報ウェブサイトによる海外発信,ICTの活用による訪日外国人の移動容易化等のための情報提供や無料公衆無線LAN環境の整備の促進,東北観光博におけるICTの活用,東京スカイツリー周辺におけるICTを活用した流動調査について紹介する.
著者
山岸 直勇
出版者
奈良大学
雑誌
奈良大学紀要 (ISSN:03892204)
巻号頁・発行日
no.18, pp.p35-48, 1990-03

英語の辞書は誤りなきものと考えられている.しかし英国人Samuel Johnson(1709-84)の言う如くDictionaries are like watches, the worst is better than none, and the best cannot be expected to go quite true. 也と申し上げたい.誤りのない英語の辞書はない.ことに,日本の事物についての誤った説明は,日本及び日本人について誤解を生むことになるので誠に遺憾である.約33年前英々辞典にある誤りに関心を抱いた.例えばLondonのRoutledge and Kegan Paul Ltd. 発行のThe Universal Dictionary of the English Language (1952年版)にあるthe Japan Seas の s である.この s は削除すべきものである.辞書編集者に訂正を求あて文通を開始してより23年が経過した.この小論は以下の辞書の編集者よりの,回答を求あた見出し語に付記してある.
著者
安念 潤司
出版者
國家學會事務所
雑誌
國家學會雑誌 (ISSN:00232793)
巻号頁・発行日
vol.97, no.11, pp.p711-761, 1984-12
著者
山本 哲夫 朝倉 光司 白崎 英明 氷見 徹夫 小笠原 英樹 成田 慎一郎 形浦 昭克
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.53, no.4, pp.435-442, 2004
被引用文献数
6

2003年に札幌市南区にある耳鼻咽喉科診療所を発症後受診したシラカバ花粉症(鼻または眼症状の季節性とCAP陽性[スコア2以上])を対象にOASの有症率を調査した.また以前の1992年と最近の1998年の調査結果と一部比較した.シラカバ花粉症153例のうち42%(65例)が問診上OASを有していた.このOASの有症率は92年(24%)より多く,98年(45%)とは同様であった.シラカバ花粉症の中ではシラカバCAPのスコアが高いほどOASが多く,女性が男性よりOASが多かった.2003年は有意差はなかったが,98年には花粉症の初診日(その年に花粉症の症状発現後の最初の受診日)が4月までの患者が,5月以降の患者よりOASが多かった.2003年はイネ科とヨモギ花粉の陽性例にOASが多かったが,シラカバ花粉の感作の程度のためと思われた.
著者
富田 英典
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告デジタルドキュメント(DD) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2002, no.53, pp.9-18, 2002-05-31
被引用文献数
1

これまで親密性と匿名性は相容れないものであった。つまり、親密であると匿名ではないし、匿名なら親密ではなかった。ところが、今日の新しいメディア状況の中で、むしろ匿名だから親密になれるという関係が生まれてきている。このような匿名性を前提にしたメディア上の親密な他者をIntimate Strangerと呼んでおきたい。Intimate Strangerとの関係を支えるものが、インスタントメッセンジャーなどのP2P技術である。ただ、そこには「オリジナルの私」と「本当の私」が不協和を引き起こす危険が存在している。それにもかかわらず、人々がインターネットの世界に魅せられていくのはなぜだろうか。それは、人々が、メディアの中に新しいアウラ「デジタルアウラ」を見つけたからである。Intimacy and anonymity are conflicting in today's technological society. If people are able to have an intimate relationship, it is not considered and anonymous relationship. But of course, it is not an intimate relationship if they have anonymous properties. However, in today's new media situation, these anonymous relationships automatically become intimate relationships. An anonymous and intimate friend within the media world is referred to as an "intimate stranger". It is called P2P technology and an example of this technology would be the increasingly popular "Instant Messenger". The communication program, "Instant Messanger" supports this concept of the "intimate stranger". It allows one to communicate intimately as well as be completely anonymous by the distance that is kept through media and technology. Therefor, the "self" in media does not harmonize with the so-called original concept of "self". Why are people so intrigued, fascinated, and addicted to the world of the Internet? The idea of "Digital AURA" can be a fundamental explanation to why people are increasingly drawn to the Internet.