著者
佐藤 哲也 山西 芳裕 金久 實 藤 博幸
出版者
一般社団法人 日本生物物理学会
雑誌
生物物理 (ISSN:05824052)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.004-011, 2007 (Released:2007-02-21)
参考文献数
6

A distance matrix is a set of genetic distances between all possible pairs of proteins under consideration, and is used to construct a phylogenetic tree by the distance matrix method. Pazos and Valencia (2001) have developed a method to predict protein-protein interaction by evaluating the similarity of the distance matrices, under the assumption that the phylogenetic trees of interacting proteins resemble each other through co-evolution. It is known, however, that the prediction includes many false positives. We postulated that the cause of the false positives is the background similarity of the phylogenetic relationship of the source organisms. We have developed a method to exclude such information from the distance matrices with a projection operator. The number of false positives was drastically reduced from the prediction by evaluating the similarity between the residuals after the projection operation.
著者
横尾 真 北村 泰彦
出版者
一般社団法人日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.14, no.4, pp.379-387, 1997-07-15
被引用文献数
8

複数のエージェントが1つの問題を並行して解く協調探索において,進化的計算における淘汰と同様なアイデアを用いてエージェント間の競争を導入したアルゴリズムを開発した.本アルゴリズムでは,状態空間探索問題を解くマルチエージェントReal-Time A^*アルゴリズムにおいて,複数のエージェントが定期的に適合度に応じて確率的に次世代の子を作る.適合度はエージェントの現在位置の評価値によって決定され,より良い評価値を持つエージェントが次の世代により多くの子を残せる.この方法により,有望な経路に労力を集中しアルゴリズムを効率化することと,多様性を保ち知識の誤りに対して頑健であることが両立可能である. 例題を用いた評価により,nパズルのように問題の目標が直列化可能な複数の副目標(serializable subgoals)に分解可能な場合には,エージェントは副目標に関する知識を持っていないにもかかわらず,本方式により劇的な高速化が得られることを示す.特に,本アルゴリズムは48パズルを安定して解くことが可能である.この問題は副目標に関する知識を陽に与えない限り,従来のヒューリスティック探索アルゴリズムでは現実的な時間内で解を得ることは不可能であった.
著者
片野 修
出版者
独立行政法人水産総合研究センター
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

河川群集において,魚類は藻食性の水生無脊椎動物を捕食することによって,栄養カスケードを介して底生藻類を増加させる。この栄養カスケードの強さに影響する要因を実験的に解析した。栄養カスケードの強さは環境の異質性や撹乱によっては影響されなかった。しかし,水面に飛来する成虫と底部の餌の両方を摂食する昼行性の魚種は強い栄養カスケード効果をもたらした。これらの結果は河川で主に藻類を摂食するアユ資源の増大に資するほか,藻類の制御に役立つと期待される。
著者
中島 敏博 田代 順孝 古谷 勝則
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 : 日本造園学会誌 : journal of the Japanese Institute of Landscape Architecture (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.70, no.5, pp.579-584, 2007-03-30
被引用文献数
3 8

Open-space conservation activities are popular in the suburban area. But they have an issue to continue their group. New member, especially young people, have not accessed to them. We should understand way to participate the ordinary people in the open-space conservation activities. The paper aimed to clear the relation to the open-space use and the distance between the open-spaces and citizens' neighborhood. We researched the citizens at Matsudo city in Chiba prefecture by questionnaire survey. They answered using the open-space and their neighborhood extend within 2km from their residence. In the results, if planning to manage the open-space by citizens where is 300-500m away from their neighborhoods, we should brush up the quality of open-space. Because, they only use that several time. We should create the chance they want to manage them. Another hand, the open-space within 300m away from their neighborhood, they use the open-space usually. And this situation has high potential to manage the open-space with them. Finally, we suggest a unit of area for open-space planning with open-space conservation activities by citizens.
著者
持永 大 小林 克志 工藤 知宏 村瀬 一郎 後藤 滋樹
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 B (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.J94-B, no.10, pp.1293-1302, 2011-10-01

本研究は2030年までのネットワークが消費する電力を検討することを目標とする.消費電力の低減を検討するためにネットワークの構成を見直して,現在のパケット交換方式だけでなく,消費電力削減効果が期待できる光回線交換方式やコンテンツ配信ネットワークも活用した将来のネットワークの構成を想定する.この構成の特徴はアクセス回線網,広域中継網,中核拠点網に階層化することである.本論文では,インターネット上で転送されるコンテンツの大きさによって通信方式を変化させる手法を活用して,提案する方式の消費電力を従来のパケット交換方式と比較する.この消費電力の算出にあたっては,通信方式による効果だけでなく通信量・利用者数の将来の伸び,技術進化による省電力化効果も算入している.従来のパケット交換方式に加えて光回線交換方式,コンテンツ配信ネットワーク(CDN)方式を組み合わせたネットワーク構成の消費電力を検討した結果,いずれの方式においても消費電力を削減可能であり,パケット交換方式と回線交換方式を併用すれば,従来のパケット交換方式と比較して,67.7%の省電力化が達成できることが分かった.
著者
木川 進 池上 雪男
出版者
公益社団法人地盤工学会
雑誌
土と基礎 (ISSN:00413798)
巻号頁・発行日
vol.19, no.6, pp.56-58, 1971-06-25
被引用文献数
1
著者
桐本 東太 村松 弘一
出版者
慶應義塾大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

本研究は古代中国における地理情報(Geographic Information)の作成と管理についての解明を試みるものである。戦国秦期の天水放馬灘秦墓出土の木製地図を分析の対象としてとりあげた。地図は西漢水流域を示していたと仮説を立て、当該地区の早期秦文化遺跡との関係、河川の分岐と距離の関係などを検討した。また、『山海経』『水経注』『穆天子伝』などの古代文献の検討から古代地理書の作成過程について研究した。
著者
良永 彌太郎
出版者
熊本大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

わが国の社会保障制度では、社会保険が中核的地位を占めている。わが国の社会保険は、一般制度としての年金保険、医療保険および介護保険があり、特別制度としての労働関係に特有の労災と失業を給付事由とする労働保険(労災保険と雇用保険)がある。そして1950年代後半から1960年代初頭にかけて整備された「国民皆保険・皆年金体制」をわが国における社会保険の原型とすると、その特徴の一つは被用者保険と非被用者保険の二本建制度であった点である。しかし、わが国における社会保険の原型は、これが形成されて約半世紀を経過した今日までに劇的に変容してきた。具体的には、1982(昭57)年の老人保健法による老人医療制度、1985(昭60)年の新・国民年金法、2000(平12)年実施の介護保険法において本格的に導入された保険者拠出金制度、基礎年金における第3号被保険者の保険料徴収対象からの除外、介護保険法における第2号被保険者の保険料負担と給付との極端な希薄化等、である。本研究では、特に、以上のような社会保険給付の費用負担関係に現われている急激な変化に着目し、費用負担に関する新しい規範論理の構築を目指した。その研究成果は、以下の研究報告で発表済みである。1.「社会保障法体系論からみた社会保険の規範的意義」社会保険法理研究会、平成18年5月7日、熊本大学、2.「労災補償の生活保障理論-その形成と展開-」荒木先生生誕82年祝賀研究会、平成18年10月21日、唐津シティホテル、3.「労災補償の生活保障理論-その形成と展開-」社会法研究会、平成18年12月9日、熊本県立大学、4.「(論文紹介)江口隆裕『社会保険と租税に関する一考察-社会保険の対価性を中心として-』」社会保障法研究会、平成19年3月27日、鹿児島大学、5.「社会保険給付における費用負担の法関係」社会保険法理研究会、平成19年6月30日、熊本大学、6.「社会保険給付費用の負担の法関係」社会法研究会、平成20年2月2日、九州大学。本研究で明らかになったことは、社会保障法における財源調達手段としての社会保険システムについて、今日の段階では対価性という規範論理のみでは把握できず、個別の保険者集団を越えた一種の社会連帯が存在しており、その社会連帯の主体、要件、内容を明確化することが求められていることである。
著者
田中 宏暁 清永 明 熊原 秀晃
出版者
福岡大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2009

初年度に無線式の心音測定装置(マイクロフォン並びに記録装置)を開発し、明瞭な心音のサンプリングが可能な装置を開発した。当初、研究計画に予定されていた「音源分離法を用いたノイズ除去装置の開発」は、研究期間を通して基礎研究を実施してきたが、前年度に引き続き開発に困難を極め装置作成にまで到達できなかった。そこで、運動中のノイズ除去に関しては、心音サンプリングのレンジ(周波数域)を絞り、記録する周波数域を限定的にした事により、自転車運動中の体動によるノイズの混入が阻止できる装置が開発できた。さらに心音検出機能を向上させる為に、心電図のR波をトリガーとした検出プログラムに改良を加えたことにより、これ迄以上に明瞭かつ確実な心音サンプリングが可能になった装置が開発された。また、ワイヤレス式の心音自動解析装置の試作器を開発し、実際の健康づくりの現場にて本装置による運動処方としての有用性を検証したところ、有酸素能が向上することが確認された。研究計画に予定されていた音源分離法を用いたノイズ除去装置を用いる事無く自転車運動中に明瞭な心音測定が可能となった。本研究にて開発したプログラムと手法の一部に関して特許を申請した。
著者
鈴木 道孝 渡辺 秀人 伊藤 彰義
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.491, pp.117-120, 2008-02-14
被引用文献数
1

統計的文字認識において非線形形状正規化に使われるストローク密度は,文字の切出し枠の位置に依存する.通常は,外接長方形の切出し枠が使われるが,それが最高の認識性能をもたらすわけではない.長方形という制約を解いて,より良い切出し枠の設定のし方を提案する.提案の切出し枠を使って,ETL9Gの多値文字画像データを使った認識実験において実際に認識率が向上することを示す.不良サンプル708件を除いた認識率99.553%を得た.
著者
酒井 恵 内田 誠一 岩村 雅一 大町 真一郎 黄瀬 浩一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.491, pp.1-6, 2008-02-14

文書画像の回転(スキュー)を補正するため,事例ベース傾き補正法を提案している.事例を用いることにより,文書の直進性を仮定せずに回転角を推定できる.また,事例として回転変量と不変量を用いることにより効率的に回転角を推定できる.変量と不変量はどのようなものでも良いが,前回の報告で用いていた不変量はノイズに弱いという問題があった.そこで本報告では,回転角推定の精度向上を目的として,不変量の多次元化について述べる.計算機内実験において文書画像55サンプルを用いて,簡単な傾き推定実験を行ったところ,48サンプルにおいて誤差1度以下,全てのサンプルにおいて誤差2度以下という精度を得た.また,スキャナ取得画像に対しても評価実験を行った所,目視ではあるが入力10画像中9画像に対して正しく補正できた.
著者
茂木 信宏
出版者
東京大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010

大気中の黒色炭素(BC)エアロゾル(微粒子)の形状の分析法の開発は、人為起源エアロゾルの気候影響や微粒子計測技術の分野では最先端かつ重要な研究課題である。本研究では微粒子から放出される熱輻射光の方位.偏光依存性を記述する一般理論(Rytov理論)を実験的に検証することにより、BCの形状分析が可能な新しい原理を提唱した。Rytov理論によって推定されるように、光波長よりも小さなサイズの微粒子についても放出される熱輻射光の方位依存性.偏光状態が粒子形状によって決定されることを実証した。
著者
高橋 秀智
出版者
東京工業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

指先でものをなぞる際の感覚を提示できるデバイスの開発を行った. 本デバイスは, 指先が物体表面をなぞる際の相対運動と, 物体表面の凹凸による刺激を, 各々ホイールの定常速度成分と変調速度成分の合成で提示する. 粗さと硬さの異なるサンプルとデバイスによる提示を複数の人が触り較べる実験を行い, なぞる際の感覚を定量化し, デバイスの制御パラメータを変化させることにより, 提示される感覚を変化させられることを明らかにし, 本デバイスの有効性を示した.
著者
千野 栄一
出版者
青土社
雑誌
ユリイカ (ISSN:13425641)
巻号頁・発行日
vol.29, no.10, pp.21-29, 1997-08
著者
大橋 典晶
出版者
中国学園大学
雑誌
中国学園紀要 (ISSN:13479350)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.89-96, 2007-06

公立小学校への英語学習への導入を成功させるには適切なカリキュラムを構築することが必要である。そのために,まず目標の検討を行った。直接的な目標として「国際コミュニケーション力」を設定し,その育成には,「母語のメタ認知」を可能にすることと,より良き母語使用者を育てることが必要であることを指摘した。同時に,英語を教材として使用することの適切さについても検討し,日本語と英語の違い,コミュニケーションスタイルの違いが大きいことと,利用可能なリソースが豊富であることが英語を学習する利点とした上で,個別言語間に優劣がないことを意識させることが重要であると指摘した。