著者
本村 陽一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NC, ニューロコンピューティング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.734, pp.157-162, 2004-03-12
被引用文献数
3

ベイジアンネットは確率変数の依存関係をネットワークとして表した確率モデルである.このモデルを使って不確実性のもとでの予測や意思決定を行うことができる.そのために観測された変数のもとでの未観測の確率変数の確率分布を計算する計算が必要であり,これが確率推論と呼ばれる.本稿ではいくつかの確率推論アルゴリズムについての性質を概観し,これらを実験的に評価した結果を紹介する.
著者
塚本 明
出版者
三重大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

江戸時代に寺社参詣道沿いの村々が、旅人たちといかなる関係を持ち、それは地域社会の成り立ちにどのような影響を与えたのかを検討した。基礎作業として、熊野街道を対象に、諸国の旅人が著した道中日記260点、善根宿に納められた旅人の納札5000点余、地域社会に遺された算用帳中の旅人救済記録約7000点をデータ化した。その上で道中日記の世界と対比しつつ、地域社会の救済を受けながら旅を続ける貧しき旅人の世界を抽出した。
著者
阿部 豊雄 岩本 美代喜 祐川 淑孝 稲吉 浩 青野 正道
出版者
国立極地研究所
雑誌
南極資料 (ISSN:00857289)
巻号頁・発行日
vol.38, no.3, pp.268-321, 1994-11
被引用文献数
1

この報告は第32次南極地域観測隊気象部門が, 1991年2月1日から1992年1月31日まで昭和基地において行った気象観測の結果, 1990年12月26日から1991年12月1日までのあすか観測拠点における気象観測の結果ならびに, 1990年11月から12月に行った「しらせ」船上でのオゾン観測結果をまとめたものである。観測方法, 設備, 結果の取扱い等は, 昭和基地及びあすか観測拠点とも第31次観測隊とほぼ同じである。なお, 昭和基地では, 紫外線B領域の観測を始めるなど地上放射観測の充実を図った。あすか観測拠点では, 南極気候変動研究計画の一環として気水圏研究部門が計画した, オメガゾンデによる高層気象観測を16回実施した。越冬期間中特記される気象現象としては, 次のものがあげられる。1) 昭和基地ではブリザードの襲来が34回あり, あすか観測拠点におけるブリザード日数は82日間あった。2) 昭和基地における年間の日照時間の合計値は観測開始以来最も少ない1684.9時間であった。3) 3年連続でオゾンホールを観測し, 日別値では9月30日のオゾン全量が159m atm-cmと観測開始以来2番目に低い値を記録した。4) 5月23日, 昭和基地付近でハイドローリックジャンプによる雪煙の渦塔が観測された。
著者
松浦 寿輝
出版者
新潮社
雑誌
新潮
巻号頁・発行日
vol.106, no.3, pp.304-311, 2009-03
著者
岡部 達郎 山本 博之
出版者
公益社団法人地盤工学会
雑誌
土質工学会論文報告集 (ISSN:03851621)
巻号頁・発行日
vol.20, no.3, 1980-09-15

国鉄武蔵野線武蔵野ヤードの建設に際して実施した, 地盤中に打設される杭に作用するネガティブフリクションの低減に関する現地実物実験の結果を報告したものである。報告の内容は, 単杭に作用するネガティブフリクションの測定, ネガティブフリクション低減のための対策工法と施工結果, ネガティブフリクションの算定と対策工法に対する考察とからなっている。武蔵野ヤード建設位置の沖積粘性土層は40mと厚く, 年間10cmもの地盤沈下が観測されている。高さ4mの盛土下の粘性土地盤中に打設した鋼管杭(打設深度47m, 直径600mm)には, 最大10tf/m^2と非常に大きなネガティブフリクションが作用した。実際の杭基礎は, 群杭工法, 二重管工法, バランスドフリクションパイル工法によってネガティブフリクションの低減を計りながら施工している。これら杭工法のネガティブフリクション低減効果を原位置測定によって確かめ, 工法としての適用性を表にまとめている。また, ネガティブフリクションの算定手順についても考察を加えており, 実用性に富んだ内容となっている。
著者
涌井 佐和子 志手 典之 新開谷 央
出版者
北海道教育大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

本研究では、寒冷地における児童の身体活動推進を目的とした行動科学的介入方法の開発を目的とした。研究の概要は下記の通りである。1)先行研究を検討した。欧米における児童の身体活動推進に関しては、教科体育、教科外での運動実践、栄養教育、家族サポート、などを含む複合型が多かった。また、児童の身体活動の評価は、簡便な質問票に加速度計での測定を併用したものが多かった。様々な行動変容の理論体系の中で重視される心理環境要因の検討も行われていた。2)42名の児童を対象としてスズケン社製ライフコーダEXを用いた予備調査を行なった。児童の身体活動量は休日と平日で異なっており、少なくとも7日間の平均値を用いることが好ましいことが明らかとなった。3)保護者に対して健康づくり環境についての調査を行なった。子どもの健康づくりに関する学校に対する要望として、教科外の取り組みに対するものが多く、学校施設の開放を求める声も見られた。地域に対する要望は、今日問題となっている安全対策に関するものが多かった。4)64名の児童を対象とした調査を行なった。冬になると児童の身体活動量は特に平日に減少し、また身体活動に関わる環境も変化していた。身体活動度の高い児童と低い児童との間では、社会的支援や心理的要因が異なっていた。5)330名の児童を対象とした調査を行なった。冬になると運動・スポーツを実施するための環境は大きく変化している可能性が示唆された。6)教員を対象として無記名自由記述調査を行なった。児童が活発である学校の特徴として、地域要因(スポーツ少年団の種類が多く活発、校区が狭く車による送り迎えが少ない、地域にさかんなスポーツがある、等)、学校要因(遊具や施設、教職員の連携や統一感、学校行事)、家庭要因(家族が活動的、家族支援)の3つが挙げられた。7)研究1〜6の結果をふまえ、推進のための現実的な試案を作成した。
著者
円谷 健 藤井 郁雄
出版者
大阪府立大学
雑誌
新学術領域研究(研究課題提案型)
巻号頁・発行日
2008

本研究では,タンパク質構造構築理論と試験管内進化とを組み合わせ,抗体の機能をダウンサイジングした.すなわち,抗体タンパク質とは全く異なるモチーフをもつペプチドのライブラリーを構築し,抗体に代わる分子プローブや分子標的医薬を開発した.本研究で提案する特定の標的抗原に対して特異的に結合するヘリックス・ループ・ヘリックス構造を有するペプチドを「マイクロ抗体」と名付けた.マイクロ抗体ライブラリーを用いてヒトマウスIgG-Fcやオーロラキナーゼに特異性を示すマイクロ抗体を獲得した.また,マイクロ抗体の抗原性や安定性について検討した.
著者
福西 由実子
出版者
英米文化学会
雑誌
英米文化 (ISSN:09173536)
巻号頁・発行日
no.35, pp.75-95, 2005-03-31

Mass-Observation (M-O) was probably the largest investigation into popular culture to be carried out in Britain in the 20^<th> Century. It was established in 1937 by a small group of upper-middle-class intellectuals. The founder, Tom Harrisson, an anthropologist, was aware of the serious gap between what ordinary people, 'the mass', actually thought and what the press, the media and politicians said they thought : 'How little we know of our next door neighbour and his habits; how little we know of ourselves. Of conditions of life and thought in another class, our ignorance is complete. The anthropology of ourselves is still only a dream'. M-O had three main methods : firstly, inviting ordinary people to report on their everyday lives in diary form; secondly, recruiting observers whose role was to watch, listen and document all aspects of ordinary behaviour; and thirdly, involving poets, writers and artists to comment subjectively, in complement to the documentary bias of the observers. These latter believed that it was possible to study society in an entirely objective manner and that the widespread collection of data would 'contribute to an increase in the general social consciousness'. This paper will examine M-O's first and most ambitious study on holiday culture in the seaside resort of Blackpool. This was called the Worktown Project, which, in addition to documenting Blackpool, looked at everyday life in nearby Bolton in 1937-9. (Both towns were chosen as representative of the industrial North.) There is evidence that M-O's image of working-class people and their holiday escapism in Lancashire during the Depression reveals a unique, deeply textured image of being on holiday and something of what it meant. This would suggest much about the evolution of the commercial mass leisure industry and the significance of leisure to the labouring classes.
著者
片木 篤
出版者
名古屋大学
雑誌
萌芽的研究
巻号頁・発行日
2000

平成13年度においては、近代ヨーロッパで成立した1)郊外と郊外住宅 2)山岳リゾートとサナトリウムを取り上げ、それらを「衛生」概念から分析した。産業革命を先導したイギリスでは、工業都市への人口集中とそれに伴う労働者の住環境劣化が「都市問題」化され、E.チャドウィックによる公衆衛生法の制定(1848年)以降、公衆衛生法と建築法により、住棟の前面道路幅員や「囲い地」、住戸の窓面積や天井高等が規制された。これらの規制項目を抽出することで、当時の「衛生」概念では、採光(=「太陽」)と通風(=「空気」)のサーキュレーションが重視されていたことが明らかとなった。また中流階級の郊外住宅では、そこに屋外活動として農業のシミュラークルとしての園芸(=「緑」)が加わり、そのことが郊外住宅地のパンフレットで宣伝されたり、更に啓蒙的企業家による工業モデル・ヴィレッジでも公共菜園が設けられたりした。E.ハワードの「田園都市」論(1898年)では、「太陽の輝き」「新鮮な空気」「樹木と牧草地と森」という利点をもつ農業-村落と工業-都市とをそれぞれ独立した1対として、両者の均衡が図られており、「田園都市」でも「衛生」概念が下敷きにされていたことが明らかとなった。「太陽」「空気」「緑」は、「労働」からの心身の再生(recreation)、すなわち「余暇」の場であるリゾート地の必須要素となったが、海浜リゾートに労働者階級が押し寄せ大衆化されたこと、「オゾン」や「森林浴」といった新鮮な「空気」の摂取が喧伝されたことなどが相俟って、山岳にリゾートやサナトリウムが建設されるようになった。興味深いことに、J.ダイカー設計のサナトリウム(1919年-)やA.アアルト設計のサナトリウム(1928年-)では、桟橋や甲板といった海浜リゾートの差異的要素が持ち込まれていることが読み取れた。
著者
高見 茂 上田 学 小松 郁夫 杉本 均 白石 裕
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2001

本研究においては、教育分野へのPFIの導入状況について、先行国であるイギリスにおける教育PFIの導入状況について調査をした。教育PFIの成功例としては、i)ベンチャー企業が学校教育施設の整備・管理運営事業を中心に教育PFIを展開し、学校教育の活性化に成功したブラックプールの事例や、,ii)市内39の中等学校の新築・改装をPFIによって一挙に実施したグラスゴーの事例等が上げられる。他方教育PFIの導入をめぐっては、既存の教職員とPFI企業の杜員との協働関係の構築に困難が伴ったり、学校側の要求に企業側のサービス水準が合致していないといった問題点も見出された。また教育PFIの適用範囲は、ほぼ校舎の建築と維持管理部分に限定されている。そこで本研究では、教育PFIは学校の運営部分についてはどこまで適用可能かということについても、企業対象のアンケート調査を基に検討した。その結果、施設設備運営、給食・輸送といった事実上の業務についてはPFIの導入はかなり有望であり、条件が整えば庶務・会計、図書館運営、研修等についても導入の可能性は高いとの知見が得られた。さらにわが国においても国立大学を始め小・中・高等学校、杜会教育機関等において教育PFIの導入が始まっている。本研究では、高等教育機関への適用事例として京都大学の桂キャンパスのケースを取り上げた。また、社会教育機関への適用事例として桑名における図書館整備への適用事例を、社会福祉施設と中学校の複合化施設として京都市のケースをそれぞれ調査・検討した。そして教育PFIの有望な適用分野である学校・地域給食施設の適用検討事例を取り上げ、事業化失敗の原因を探った。やはり地域住民のPFIに対する理解が不可欠であるとの結論が得られた。
著者
高橋 玲 AARONSON Stu BENEDICT Wil 佐谷 秀行 松井 利充 BENEDICT William f. AARONSON Stuart a.
出版者
京都大学
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1994

本研究は、米国で数年間行われてきた癌抑制遺伝子の機能解析についての研究を継続し、日米の協力研究として発展させることを目的とする。基本的には我々のグループが樹立した癌抑制遺伝子の生物学的活性を直接的に細胞レベルで解析できる実験系を用い、その遺伝子異常を正常のものと比較する。また癌細胞における癌抑制遺伝子の発現を種々の方法で人為的に調節することで癌細胞の表現型の変化を誘導し、癌治療に向けての可能性を検討する。研究代表者高橋は、分担研究者全員の協力を得てRB遺伝子とp53遺伝子のトランスフェクションを進めた。膀胱癌,肺小細胞癌にRB遺伝子導入、口腔扁平上皮癌と大腸癌にp53遺伝子を導入し、それぞれの安定発現株を得て解析を進めた。時にp53遺伝子導入大腸癌細胞においては、アポトーシスを誘導できる系が確立されることが明らかとなり、制癌剤開発に適したモデルとして期待される。ヒト大腸癌培養細胞株WiDrはp53遺伝子上2つ3番目のコドンに相当する部位の点変異を有する。サイトメガロウイルスのプロモーターに制御される正常p53発現プラスミドベクターを安定性にトランスフェクションし、プラスミドのもつネオマイシン抵抗性を利用して正常p53の発現を獲得したクローンを得た。培養中の増殖態度は軟寒天中のコロニー形成率の著しい低下以外には、ほとんど変化がみられなかった。抗Fas抗体(IgM)で処理すると親株にはほとんど変化がみられなかったが、48時間後をピークとしてp53導入細胞に著明な細胞死(アポトーシス)が誘導された。アポトーシス処理後24時間後の細胞からのRNA解析によれば、内在性の変異型p53遺伝子の発現レベルには変化がなく、導入された正常p53の発現及びそれに関連してcdK2のインヒビターであるp21(WAFI)遺伝子の発現の亢進がアポトーシス誘導に伴って生じることが明らかとなった。このことは正常p53遺伝子の発現に担っているサイトメガロウイルスのプロモーターに特異的なシグナルがFAS依存性反応経路に存在していることを示唆しており、現在、同プロモーターに働くNFkBについて解析を進めている。現在までFasからのシグナルとp53依存性アポトーシスとの間に関連はないといわれているが、今回の人為的反応経路の連結により、Fasにより誘導可能なp53依存性アポトーシスのモデルとして、DNA損傷により誘導される場合とは異なりユニークなモデルといえる。トランスフェクションに用いた大腸癌細胞はγインターフェロン処理によってもp53遺伝子再構築なしに抗Fas抗体に感受性を示すようになることが知られており、遺伝子再構築と制癌剤との協同作用として興味深い。肺小細胞癌は神経内分泌特性によって他の肺癌と区別されているが、我々は今回NF1遺伝子mRNAのスプライシング様式の変化がその分化指標となりうることを発見した。NF1のスプライシング様式の変化は以前、分担研究者の佐谷らによって見出されたもので、多くの神経系細胞や腫瘍において、分化度と高い相関を示すことが明らかにされていた。我々は肺小細胞癌培養株で得られた所見をもとに臨床材料で形態学的あるいはNSEなどのマーカーとの関連において解析を続けている。口腔扁平上皮癌においてもp53変異に対して正常p53遺伝子導入株で角化傾向が誘導されることも確認されている。今回の協力研究により困難で長時間を要するヒト癌細胞への安定性癌抑制遺伝子導入にいくつかの細胞で成功し、解析が可能となった。特に定常状態での変化よりも、分化誘導や細胞死誘導などの刺激下では癌抑制遺伝子の細胞レベルでの機能が顕著になることが明らかとなった。今後さらに種々の組合わせで癌細胞における癌抑制遺伝子機能がさらに詳細に解析されることが期待される。今回は兵庫県南部地震のため、渡米計画が一部中止されるなどの変更が生じたが、おおむね、当初の研究交流の成果を待つことができたと考えられる。
著者
入江 由香
出版者
早稲田大学
雑誌
奨励研究(A)
巻号頁・発行日
1998

今年度は16世紀のスペインで成立した石切術書にみられる切石の作図法の記述方法の解明を課題とし,ヒネス・マルティネス・デ・アランダによる『構築物と石切術の作図法』を主な対象として,その記述構成の分析と整理を行った。作業に先立ち,16世紀スペインの石切術手稿本および関連する16〜17世紀成立の石切術書についての原資料目録を作成し,未入手のものに関しては復刻版を購入あるいは複写を入手した。また昨年度に引き続き,石切術に関する手稿本,刊本の内容(文章,図版)を電子情報化し,読解や分析の際に利便を図った。分析の結果,『構築物と石切術の作図法』本文からは,「前書き」,「規定」,「作図項目」からなる3つの記述の構成要素が抽出された。そして,これらの記述の構成要素の内容と,要素間相互の関係を検討することにより,同書における切石の作図法の記述方法に関して,次の2点の特質を指摘することができた。1.「前書き」において作図上の原型が設定される。それらの原型をもとにして,「作図項目」において構築物の変種を生成する。2.「規定」において基本的な作図操作が設定される。それらの作図操作をもとにして,「作図項目」において作図法を説明する。また,同書におけるこれらの記述方法の特質は,読者への序文において作者マルティネス・デ・アランダ自身が述べているように,「少ないものに多くを内包させる」という考え方を彼が評価し,その考え方を拠り所の一つとして切石の作図法の記述に応用していった結果であると推定される。
著者
臺丸谷 政志
出版者
日本鉄道技術協会
雑誌
JREA (ISSN:04472322)
巻号頁・発行日
vol.41, no.10, pp.25686-25688, 1998-10-01