著者
芳坂 貴弘
出版者
北陸先端科学技術大学院大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

本研究では、これまで開発してきた4塩基コドンなどを用いたタンパク質の部位特異的二重蛍光標識法をさらに発展させることで、タンパク質の立体構造やその変化をFRETにより解析する手法の確立を行なった。実際に、マルトース結合タンパク質などについて基質結合に伴う立体構造変化のFRETを用いた検出や、二重標識に有用なN末端特異的な非天然アミノ酸誘導体の導入法、高効率アンバーサプレッサーtRNAの開発などを達成した。
著者
矢谷 博文 江草 宏 田畑 泰彦 田畑 泰彦
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

本研究は,チタンインプラント埋入部周辺の骨組織再生を誘導するための基盤技術を確立することを目的に行われた。チタンインプラントに設けた内空に生理活性物質(b-FGF)を徐放するゼラチンスポンジ生体材料を組み込むことにより,埋入周囲における骨組織新生の誘導が可能であることが明らかとなった。また,骨組織再生を誘導する合成ペプチドおよび小分子化合物を特定し,これらの骨組織再生における役割を明らかにした。
著者
神門 典子
出版者
国立情報学研究所
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2007

本研究の目的は、探索・学習などの「探索的検索(Exploratoly Search)」の過程を支援する多次元ファセット検索のプロトタイプシステムMew(Multi-faceted Exploratoly search system for Web resources)を、メタデータや特定の分類体系を想定しない大規模なコンテンツ集合の検索に適用することである。今年度は、a)探索における利用者の認知過程を調べるとともに、b)あらかじめメタデータが付与されていないコンテンツへのファセット検索を適用するための手法の精緻化、c)画面インタフェースの改善、d)検索エンジンの改良について研究をすすめた。Mewの特徴は、トピック、時間、空間、データの種類などの多次元ディレクトリとコンテンツの内容とベストマッチ検索を組み合わせ、(1)ナビゲートnavigate, (2)ビューview, (3)サーチsearchをシームレスに、繰り返しできることである。ディレクトリをたどる「ナビゲート」は、検索語を思いつかない場合や不慣れな分野の探索を支援する。「ビュー」は検索結果を運ディレクトリのクラスに分類して表示し、検索結果を多側面から分類し、関心の明確化、比較、分析などを支援する。「サーチ」は任意の検索語や文、ディレクトリのクラスラベルをキーとできる。Mewでは、また、検索結果に適応して、下位分類や探索プランに相当する「視点」を、自動表示する。これは、利用者に1)検索ニーズの具体化、分析視点や追加検索語の提案、想定外の関係への「気づき」を促し、2)探索の指針など探索を導くメタ認知を与える。たとえば、食べ物なら、料理法、季節、産地や入手法、栄養など ; 旅行を計画するなら、行き先、気候、見所、費用、飛行機・列車、ホテル予約など ; ビジネス戦略を考えるなら、シード、市場ニーズ、コスト、他社競合、利益予測など、というように各トピックに応じたサブカテゴリが「視点」として提示され、検索結果を整理したり、探索すべき方向を示唆する。認知実験では、利用者がこのような視点を想起できるかどうかがExpertiseと深くかかわっていることが示唆された。
著者
小越 康宏 日名田 明 広瀬 貞樹 木村 春彦
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.44, no.2, pp.397-400, 2003-02-15
被引用文献数
12

コンピュータシステムの個人認証においては,従来よりユーザ名,パスワードの情報を用いて本人かどうかの認証を行っているが,これらの情報が漏れた場合に不正利用される恐れがある.そこで,ユーザ名,パスワードを入力するときの打鍵間時間(あるキーが打たれてから次のキーが打たれるまでに要する時間)の特徴を参考にして個人認証を行うシステムがいくつか提案されている.しかし,打鍵の熟練者においては打鍵間時間に差異が現れにくく,どのシステムにおいても本人かどうかの認証が困難となる問題点があった.本研究では,このような打鍵間時間を基にした認証システムにおいては,認証時に意図的なリズムを持たせて打鍵するリズム打鍵が有効で,認証精度を大幅に改善できることを示す.In this paper,we propose an improvement method of the authentication systems based on keystroke intervals using intentional keystroke rhythm.In the previous authentication systems based on keystroke intervals,user was more exactly discriminated by the speed of each keystroke in addition to the user name and the password.However,they still have a problem that an authentication might be difficult when the speed of each keystroke was similar to the other person's.We solve this problem by making a rhythm keystroke to each user at the time of the authentication.
著者
佐伯 万騎男 上崎 善規
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

骨吸収性疾患の治療において破骨細胞分化を調節する小分子化合物は非常に有望な創薬候補として期待される。破骨細胞分化を調節するあらたな小分子化合物を見出すためcell-basedのスクリーニングシステムを開発し、harmineという非常に興味深い小分子化合物を発見した。harmineは破骨細胞分化に対し正負に働くシグナル(カルシニューリン-NFATおよびid2)を同時に活性化させるという興味深い性質をもつことが明らかになった。
著者
江草 由佳 高久 雅生
出版者
国立教育政策研究所
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2008

既存のWeb APIに基づくマッシュアップを想定し、論文検索システムを連携する仕組みについて検討した。特に、論文の同定について着目し、教育研究論文索引とCiNiiとの論文単位のリンケージについて検討し、調査を行った。調査結果で得られたデータを元に、プロトタイプシステムを試作した。また、マッシュアッ プ実験の1つとして、任意のテキストを対象に、そのテキストに類似した文書の検索を実現する手法「ふわっと関連検索」を開発した。
著者
小川 由紀子
出版者
九州大学
雑誌
若手研究(スタートアップ)
巻号頁・発行日
2008

本研究ではカーボンナノチューブ(CNT)と糖鎖を分子レベルで複合化させることを目的として、始めに非水系溶媒中での酵素反応による糖鎖合成を検討し、次にCNTと親和性のある両親媒性糖鎖誘導体の合成を行った。オリゴ糖とアゾベンゼンからなる両親媒性糖鎖誘導体を用いることで、CNTの高効率分散と表面の糖鎖修飾を達成した。
著者
服部 徹太郎 諸橋 直弥
出版者
東北大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2007

申請者は,CO_2をLewis酸で活性化し,有機化合物へ親電子的に固定化する方法について研究しており,AlBr_3の存在下,トルエンのCO_2によるカルボキシル化が,過剰量のMe_3SiXの添加により著しく促進されることを見出している。本研究の目的は,本反応の反応機構を検証し,その原理を抽出して新しい高度分子変換法へ展開することであり,今年度は,下記の成果を得た。1. トルエンのCO_2によるカルボキシル化におけるシリル化剤の反応促進効果は,シリル化剤が活性種と考えられるCO_2とAlからなる錯体をよりいっそう活性化するためであることが昨年度の研究により示唆されたが,このことがIRによる活性種の分析でも支持された。また,CO_2圧下,R_3SiClとAlBr_3を反応させて得た反応混合物を用いると,窒素下でもトルエンを30%程度の収率でカルボキシル化できることを見出した。2. N-上に置換基を有するピロール類およびインドール類が,Me_2AlClの存在下に,CO_2で容易にカルボキシル化できることを見出した。3. CO_2を選択的かつ強く活性化する金属錯体を設計することを最終的な目標として,種々のモノおよびビスチアカリックス[4]アレーン類を合成し,チタンとの錯形成能を評価した。4. ケイ素上に種々の置換基を有するシリルアミンR_3SiNR'_2とAlCl_3を用いて,N-メチルピロール,N-メチルインドールを良好な収率でシリル化できることを見出した。また,シリルクロリドR_3SiClをAlCl_3,^iPr_2EtNとともに用いると,シリルアミンを用いた場合に比べて収率が向上した。5. 班員間共同研究により,1,1'-ビナフタレン-2,2'-ジカルボン酸の誘電率制御分割に成功した。
著者
井上 大成
出版者
日本鱗翅学会
雑誌
蝶と蛾 (ISSN:00240974)
巻号頁・発行日
vol.59, no.1, pp.23-28, 2008-01-05
参考文献数
14

2006-2007年にかけての冬に,茨城県つくば市でチャバネセセリの越冬幼虫を観察した.幼虫の密度は,建物の南側の壁に近い草地で高かった.ここではチガヤは冬の間緑色を保っており,幼虫は暖かい日中には活発に活動していた.直射日光の当たる建物の南側の越冬場所では,2月には日最低温度は0℃近くまで下がったが,晴れた日の最高温度は30℃前後にも達した.4月に野外から採集され網室で飼育された幼虫は,4月上旬-5月下旬に蛹化し,5月中旬-6月上旬に羽化した.幼虫は蛹化前に0-3回脱皮した。蛹期間は4月に蛹化した場合には22-35日で,5月に蛹化した場合には16-21日だった.また,野外の壁際の草地に設置したマレーズトラップでは5月中旬に雌成虫1匹が捕獲された.チャバネセセリは北関東の内陸でも,少なくとも暖冬の時には野外越冬していることが明らかになった.
著者
丸田 恵美子 長谷川 雅美 上田 正文 関 剛 山崎 淳也
出版者
東邦大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2003

中部日本の太平洋側と日本海側の山岳域を比較して、森林の動態に対して積雪がどのように関与しているか、温暖化による積雪量の減少が森林の動態にどのような影響を与えるかについて以下のような結論を得た。冬季、日本海側では降雪日が多く、大気の水蒸気飽差(VPD)が低いために、森林限界付近での常緑針葉樹は、太平洋側に比べて葉からの水分消失量が少ない。積雪も多く、この中に埋まって越冬したシュートでは水分の減少はみられない。そのように、太平洋側に比べれば緩和された環境であっても、日本海側気候の北アルプス乗鞍岳・樹木限界のオオシラビソでは、冬季に積雪に埋まって保護されないと、強光ストレスと乾燥ストレスを受けて、葉の枯損や生育期間の光合成抑制といった影響を受け、やがては幹が枯損する。これを補うのが、積雪下で越冬できる下部のシュートであり、この部位が1本のオオシラビソ個体の90%以上の生産力をもっていると推定される。したがって温暖化によって積雪量が減少すると、この部位も減少し、オオシラビソ個体の存続も危ぶまれる。一方、冷温帯に優占する日本海型のブナの実生は、冬季に積雪の保護がないと、凍結・融解によ導管内にキャビテーションが生じ、翌春に開葉できずに枯死する。そのために、日本海側では積雪の保護を受けて、容易に実生が定着できるが、太平洋側では定着することができない。日本海型ブナは、太平洋側ではギャップ内に芽生えれば越冬はできるが、との後の数年間に、光合成系の強光阻害や晩霜害によって結局は枯死するので、冬季に積雪の保護がない太平洋側山地に定着することはできない。このことから、現存の日本海側に優占しているブナ林は、温暖化によって積雪量が減少すると更新が困難になる危険性があるということができる。
著者
板倉 幸次
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.22, no.56, pp.51-56, 1998-10-16

Until now high definition system was using in a part of program in movie, but now using many times high definition system for movie. There was consultation from one production in Italia, making cinema 「Un bel di vedremo」 by high definition system. We were research of convert to film from high definition system. Then decided the best adjusting data of high definition camera. This cinema won a prize "La Speranza" in VATICAN ACADEMY of science, Italia.