著者
松岡 猛 栗原 秀夫 穐山 浩 三浦 裕仁 合田 幸広 日下部 裕子 一色 賢司 豊田 正武 日野 明寛
出版者
[日本食品衛生学会]
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.24-32, 2001-02-25
被引用文献数
18 86

我が国で食品, 飼料用として輸入可能な組換えトウモロコシ7系統のうち, 5系統からの組換え遺伝子の検知を, 既報のMultiplex PCR法に改良を加えて行った. ゲノムDNAの抽出は実験時間が短縮でき, 研究室・環境への安全性で優れているスピンカラムを用いる方法で行った. 組換えトウモロコシに導入されているDNA塩基配列を解析し, 各組換え系統とトウモロコシに内在的にある<i>zein</i>遺伝子を1回のPCRで特異的かつ確実に特定でき, トウモロコシ, ダイズ, コメ, コムギ, オオムギに対してfalse positiveなバンドが見られないプライマーの設計を行った. 非組換え体に組換え体5系統を混合しMultiplex PCRを行うと, 各組換え系統に特異的な長さのバンドが観察できた. 本法による検知感度を非組換え体粉砕物に5系統の組換え体粉砕物を混合して調べたところ, 0.5%程度であった.
著者
野村 芳男 長野 健大郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.332, pp.9-16, 1999-09-25
被引用文献数
1

本論文は円周率πの小数位第1&sim;10000桁で創る2元幾何乱数列に関するものである.πの小数位整数の一様性に着目し,10進整数のうちm個を符号"0",(10-m)個を符号"1"へ対応させて2元ビット列を創り,符号"0"の理論生起確率をp=1/m,符号"1"のそれをq=(1-p)と見て生成ビット列(10000ビット)を幾何乱数性の観点から検討している.検討要因は(1)符号"0","1"の生起桁間隔数と連鎖個数の出現総数を解析的に求め,これと実出現総数と比較すること,(2)生起桁間隔数と連鎖個数の出現頻度分布の幾何級数性をχ^2帰無仮説検定によって評価すること等である.これらの検討結果から,この生成手法でも優れた2元真性乱数列および2元幾何乱数列が創れること等を述べている.
著者
北村 博嗣
出版者
一般社団法人日本森林学会
雑誌
日本林學會誌 (ISSN:0021485X)
巻号頁・発行日
vol.33, no.11, pp.383-385, 1951-11-25

A shrinkage test have been made on Madake (Phyllostachys reticulata C. KOCH) grown in Akadomari and Kawasaki village of Sado district. The results of this test on 7 bamboos are as follows.The shrinkage percentage was calculated based on green dimension to oven or air dry.1) Table 1. Shrinkage percentage.[table]In longitudinal dimension, the shrinkage percentage to oven dry is extremely larger than that of to air dry.2) The shrinkage percentage of Moso-chiku (P. pubescens MAGEL) and Madake, in radial and tangential dimension, is almost similar but in longitudinal, Moso-chiku has larger one.3) These is no relation between the shrinkage percentage and the height from the ground, as shown in table 2.[table]4) The minimum value of specific gravity appeared in about one meter from the ground and in other part, increased with the height.
著者
平津 大輔 長尾 智晴
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NC, ニューロコンピューティング
巻号頁・発行日
vol.98, no.577, pp.1-8, 1999-02-05
被引用文献数
3

セル型神経回路網(Artificial Cellular Neural Network; ACNN)とはユニット間の結合をユニットの近傍のみに制限したニューラルネットワーク(Neural Network; NN)である. 階層型ニューラルネットワークや完全結合型ニューラルネットワークを一般的なICとして実現する際は信号線の交錯, 信号の遅延といった難題に阻まれ, 素子の集積化, 高密度化が容易ではないが, セル型神経回路網は各素子(ユニット)を結ぶ結線の交錯という問題から解放される構造のため, ハードウェアとしての実現がより容易であると推測される. 本報告では強化学習の分野において難題であるとされるSuttonの迷路をACNNに解かせることにより, ACNNが持つ時系列信号処理能力を示す.
著者
平山 泰崇 中村 納
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解
巻号頁・発行日
vol.97, no.386, pp.25-32, 1997-11-20
被引用文献数
3

筆者らは修正HSV表色系と等濃線分布に基づく個人識別方式を提案し, その有効性を確認している. 一方, システムの実用化を考えた場合には, 入力環境の変動に対する識別精度の向上が重要な課題となる. 従来手法では入力段階と登録段階で表情が大きく変化した場合に識別精度が若干低下することが確認されている. また, 従来手法では, 入力画像に人物は1人のみという制約条件を付加してきた. そこで本論文では, 差分画像を用いることによって表情変化にも対応できる人物識別方式を提案する. また, 再帰処理を用いた複数人物に対応可能な顔領域抽出法についても述べる. 実験の結果, 提案方式の有効性を確認した.
著者
前田 浩佑 徳久 雅人 村上 仁一 池原 悟
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. TL, 思考と言語 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.353, pp.19-24, 2008-12-06

本稿では,情緒傾向値の付けられた文末表現パターン辞書を用いることで,メール文章の口調のきつさを判定することを試みる.本辞書のパターンが文にマッチすることで,その文から解釈される情緒の傾向が解析される.そこで,口調(やわらかい・中立・きつい)を変えた3種類のメール文章を32名に作成してもらい,それらの各文章に対する情緒の傾向を,本辞書を用いて解析した.その結果,「やわらかい」および「中立」の口調で作成された文章と,「きつい」口調で作成された文章との間に,情緒傾向値の違いが見られ,それは,人間により口調の違いを識別する精度と同様の傾向であることが,実験的に確認された.こうして,本辞書を用いて,文章の口調のきつさを判定することの可能性が確認できた.
著者
片渕 聡 鄭 顕志 高橋 竜一 深澤 良彰 石川 冬樹 本位田 真一
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.24, 2010

近年,イベントによって呼び出され処理を行い通知するイベント駆動型Webサービスが注目を浴びている.現在の要求/応答型サービスを対象としている検索技術では,イベントに関する要求を満足するWebサービスを探し出すことができない.本研究ではイベント駆動型Webサービスの検索を実現するために,要求とサービス記述双方のイベント制約のマッチングを行う.
著者
清水 明宏
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OFS, オフィスシステム
巻号頁・発行日
vol.96, no.380, pp.19-24, 1996-11-21
被引用文献数
5

出先から電話網を使わず, インタネットを経由して, 安全に自分宛のメールメッセージを取り出したり, 自分のアカウントからメッセージを送信したりすることのできるサービスを提案する. このサービスでは, パスワード認証機能を持った情報転送方式PERMにより, 資格の認証を行っている. また, メールメッセージの送受信に, メール送受信のプロトコルを用いることによって, 分散ネットワーク個別のファイアウォールを回避している. 本論文では, PERMを中核のとする本サービスアルゴリズムを示すと共に, 作成したシミュレータの概要と性能評価の結果について述べる. さらに, 公衆電子メール転送サービスの具体的なシステム構成例を示す.
著者
槇野 輝夫
出版者
社団法人日本経営工学会
雑誌
日本経営工学会誌 (ISSN:03864812)
巻号頁・発行日
vol.34, no.6, pp.407-413, 1984-02-15

第一次オイルショックの影響を受けて, 一時, 経営不振に陥った東洋工業は, その後順調に立ち直った。本稿では, その原動力の一因となったオーダー・エントリー・システム(当社では新販売・生産システム)について紹介する.とくに高度成長期における個々の業務についてのシステム作りから, 関連領域を包含した, もうけるための, 売るためのトータルシステム開発への必要性を感知し, 全社一丸となって取り組んだシステム開発プロセスと, 経営効率化には不可避である部品共通化, 多様化対応, 計画リードタイム短縮等のシステム概要を説明する.
著者
飛田 良文 鈴木 庸子 ベデル ジョージ
出版者
国際基督教大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1999

1.明治・大正・昭和の約100年にわたる日本語の近代化する現象を、外来語を対照として考察した。そのため、作品数1000の外来語を採取し、約14万用例をデータベースに入力した。この用例集をもとに、時代的変化を計量的に分析し、また、語形や煮味の変化した外来語の語史を解明した。2.第一に、研究方法を検討し、外来語とは何か、定義が時代によって変っていることを明らかにした。「外来語研究の方法」である。外来語を借用語と日本人の造語した外来語とに分類し、比較した。この点が本研究の独創的な点である。3.第二に、用例の確認作業の完了した40作品約1万用例について計量的分析を行った。「明治大正昭和期における40作品の外来語」である。原語別にみると、明治期から英語からの借用語が圧倒的で、ポルトガル語とオランダ語がこれにつづく。ドイツ語・フランス語がその存在を示すのは大正期からである。また、和製洋語が出現するのは、原語により異なるが、外来語と日本語の混種語の誕生後であることを発見した。固有名詞の外来語は地名、人名が圧倒的であるが、漢字表記の地名、人名は、漢訳洋書からの借用が多いことを発見した。4.語史については、和製外来語リヤカーの誕生、語形の統一されるヒステリックとヒステリカルの語史、漢字表記からカタカナ表記へと移り変わるタバコの歴史、イメージの変化するデリケートの語史、学術用語として問題のある考古学の石器用語について考察した。5.索引には、作品別五十音順用例集と、語別年代順用例集を作成した。これは日本最初の外来語用例集である。
著者
水谷 尚子
出版者
中央公論新社
雑誌
中央公論 (ISSN:05296838)
巻号頁・発行日
vol.114, no.9, pp.194-207, 1999-09
著者
井上 泰山
出版者
東方書店
雑誌
東方 (ISSN:09108904)
巻号頁・発行日
no.300, pp.12-15, 2006-02
著者
児玉 安正
出版者
社団法人日本気象学会
雑誌
気象集誌 (ISSN:00261165)
巻号頁・発行日
vol.71, no.5, pp.581-610, 1993-10-25
被引用文献数
7

梅雨前線帯、南太平洋収束帯(SPCZ)、南大西洋収束帯(SACZ)は亜熱帯域の顕著な収束帯である。これらは(以下亜熱帯収束帯)は、強い水蒸気収束、相当温位場での前線強化、対流不安定の生成で特徴づけられる顕著な亜熱帯前線帯である。亜熱帯収束帯が特定の領域に出現する理由を明らかにするため、循環場の大規模な特性を亜熱帯域全域について調べ、亜熱帯収束帯の周囲と対比した。また、亜熱帯収束帯と循環場の短時間変動の関係を調べた。亜熱帯収束帯は以下のような循環場の条件が準定常的に満たされる領域に現れた。(1)亜熱帯ジェットが亜熱帯域(緯度30-35度)にある。(2)下層の極向き気流が亜熱帯高気圧の西縁で卓越する。これらの条件のうち1つでも準定常的にみたされない領域では、亜熱帯域に降雨域がないか、弱い降雨域があらわれた。亜熱帯収束帯の活動は、循環場の短時間変動において上記の条件が満たされる期間に活発化した。また、これらの条件が短期間でも満たされれば、亜熱帯収束帯に類似の性質を持つ降水帯が亜熱帯域のどこでも出現した。下層の極向きの気流は、亜熱帯域における水蒸気収束、相当温位場での前線強化、対流不安定の維持に不可欠であった。この気流は、亜熱帯高気圧と亜熱帯高圧帯内の熱的低圧部の間で地衡風的に生成した。モンスーン対流と大陸上の地面加熱は熱的低気圧の生成に重要であった。
著者
弥政 晋輔 廣田 映五 板橋 正幸 北條 慶一 森谷 〓皓 沢田 俊夫
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.75-81, 1988-01-01
被引用文献数
30

大腸粘液癌症例116例の臨床病理学的検討を行った. 発生頻度は 6.9% であり非粘液癌症例よりも若年発症であり (p < 0.01), 右側結腸における発生率が高い (p < 0.025). またリンパ節転移, 壁深達度ともに進行した症例が多く, 腹膜播種陽性率も高いため治癒切除率は有意に低く (p < 0.05). 治癒切除例においても局所再発を中心とした再発率が高く, 非粘液癌と比べて5生率は有意に低い (p < 0.001). また粘液癌を腫瘍細胞型により分化型と印環型に亜分類して比較検討すると, 印環型はより強く粘液癌の特徴を有していた. したがって生検で印環細胞が陽性であったり少しでも粘液癌が疑われる場合は広域なリンパ節郭清と主病巣の広範囲切除が必要と思われた.