著者
太田 達也
出版者
慶應義塾大学法学研究会
雑誌
法学研究 (ISSN:03890538)
巻号頁・発行日
vol.82, no.4, pp.103-114, 2009-04

資料第一章 総則第二章 懲役刑終了後の電子装置装着第三章 仮釈放及び仮終了等と電子装置装着第四章 刑の執行猶予と装着命令第五章 補則第六章 罰則附則(青少年の性保護に関する法律)
著者
佐藤 史朋 秦 美暢 笹本 修一 加藤 信秀 高木 啓吾 高井 雄二郎 長谷川 千花子 渋谷 和俊
出版者
特定非営利活動法人日本呼吸器外科学会
雑誌
日本呼吸器外科学会雑誌 (ISSN:09190945)
巻号頁・発行日
vol.21, no.6, pp.809-813, 2007-09-15

58歳男性.睡眠時無呼吸症候群でnCPAP療法中に,右肺S^2/S^6間に増大傾向を示す15mm大の不整結節影を認めたため,超音波メスを用いて右肺部分切除術を施行した.病理組織所見は線維性瘢痕であり,術後は空気漏れがなく術後7日目に軽快退院した.帰宅後翌日にnCPAPを再開したところ右前胸部痛が出現し,胸部X線所見で右上下葉間に薄壁空洞を認め,nCPAP再開を契機とした肺瘻の出現が疑われた.空洞は次第に縮小し術後6ヵ月で消失した.nCPAP使用中の肺切除術では,肺実質切離の方法やnCPAPの再開時期ならびに再開方法について留意すべきと思われた.
著者
森好 浩行 三好 美紀 日野 大樹 中山 英樹 森川 俊雄 中木 真一 糸原 幸次
出版者
日本法科学技術学会
雑誌
日本法科学技術学会誌 (ISSN:18801323)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.27-34, 2007 (Released:2007-06-27)
参考文献数
17
被引用文献数
8 8 1

Images of the ear are highly valuable for facial photographic identification because the ear has a lot of morphological features, such as the helix, ear lobe, antihelix, scapha, antitragus, tragus, and so on. However, the morphology of ear components changes so easily depending on the camera angle that it is usually difficult to identify people based on images of their ears from surveillance cameras and mug shots.   In this study, the correlation between the morphology of ear components and camera angles was investigated in order to identify people based on ear images taken from different camera angles. The samples were ear images of 56 persons taken at 27 different camera angles for each person. The morphologies of the ear components were compared among the angles and among the subjects. This revealed the morphological changes in the helix, ear lobe, antihelix, and tragus according to the camera angle.   It was found that the morphology was consistent between ear images taken at different camera angles if the compared images satisfied two conditions: the scapha must be clearly observed, and the external acoustic meatus must not be visible. If these conditions are met, it is possible to identify a person by images of his or her ear regardless of the camera angles.
著者
箱守 聰 佐川 雄二 大西 昇 杉江 昇
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.153-161, 1992-02-15
被引用文献数
7

文中の修飾構造を評価することにより 日本語の文章作成における添削作業を支援するシステムについて述べる修飾構造は 文の構造の基本をなすものであるため それがあいまいであったり 複雑すぎる場合 伝達したい内容が正確に伝わらない恐れがあるまた修飾構造は 単に文法だけでなく 文の意味内容とも関連するので 読み手の知識のレベルによっては 書き手の意図しないあいまいさの発生することがあるしたがって 客観的な評価が特に有効な部分である本研究では 文章中の各文に対して構文・意味レベルの解析を行って修飾構造のあいまいさ わかりにくさの存在する箇所を検出し さらに修正案を提示することにより 添削作業を支援するシステムについて述べるあいまいさについては 意味構造を得る段階で解析結果が複数存在するものを指摘するわかりにくさについては 出版されている文章作成の指導書を参考にして作成した3つの規則を基に判定するまた 本方式では文の解析の精度によってシステムの能力が左右されることが予想されるため 実際の文章を対象にした評価実験を行ったこの結果 現在実用化されている機械翻訳システムと同程度の文法と辞書および知識ベースを用いて 指摘すべき文は漏らさず評価が行えることを確認した
著者
倉橋 和子 森井 藤樹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.470, pp.67-71, 2007-01-12

本論文では、信頼性の高いデータ分類を行うために、分割・併合機能を有するK-Meansアルゴリズムによるクラスタリング手法を新たに提案する。K-Meansアルゴリズムによる従来のクラスタリングを行った後、それぞれの決定領域をさらに分割すべきか否かを判断する基準を導入する。各決定領域を再びK-Meansアルゴリズムを用いて部分領域に分割し、1つの部分領域を除いたその他の部分領域を、隣接する適切な決定領域に併合する。この手法の有効性を分類実験により示す。
著者
米澤 信道
出版者
日本植物分類学会
雑誌
植物分類・地理 (ISSN:00016799)
巻号頁・発行日
vol.40, no.1, pp.7-11, 1989-07-30

筆者は,1980年8月,山梨県の北岳にて,明らかに未記載とみなされるリンドウ属の植物を発見した。その後,1985年9月,最初の発見地とは別地点で,群生する本植物を再発見し,豊富な標本資料を得ることが出来た。併せて筆者は,1985年4月~1986年3月の間,京都大学理学部植物学教室研修員として,河野昭一教授の指導の下で,日本産リンドウ属リンドウ節について,別稿の共同研究を行った。その結果,最終的に,この北岳産リンドウ属植物を新種と認識するに至った。日本産リンドウ属リンドウ節(Sect. Pneumonanthe)には,リンドウ,アサマリンドウ,エゾリンドウ,オヤマリンドウの4種が知られているが,キタダケリンドウは,花冠副片の傾きが急で1-2のやや目立つ三角形の小片があり,葉の裏面が淡緑色で縁が多少細波状となるなどの点で,エゾリンドウやオヤマリンドウよりリンドウ・アサマリンドウにより近縁であると思われる。しかし,リンドウとは,萼裂片が葉状で広皮針形,二大三小となり,花期に直立すること,根茎が肥厚し,前年以前の茎の痕跡が密にありくびれないなどの点で異なり,アサマリンドウとは,前記の形質の外に,葉柄がなく,葉縁に小突起があるなどの点で異なっている。キタダケリンドウの生育地は,北岳の亜高山帯上部のダケカンバがまばらに生える草原で(稀に砂礫が露出したところ),付近には,オガラバナ,ムシカリなどの低木,草本ではトリアシシュウマ,ホタルサイコ,オオバセンキュウ,ミヤマセンキュウ,オオカサモチ,ミヤマカラマツ,ミヤマタニタデ,グンナイフウロ,ハクサンフウロ,センジュガンピ,レイジンソウ,ミヤマハナシノブ,ヤマホタルブクロ,ソバナ,キタダケオドリコソウ,クガイソウ,トモエシオガマ,オヤマボクチ,ヤマハハコ,トネアザミ,タカネヒゴタイ,ミヤマアキノキリンソウなどが生育する。
著者
渡邊 慎一 堀越 哲美 三好 結城 宮本 征一
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.62, no.497, pp.47-52, 1997
被引用文献数
18 9

A well-known heating facility in Japan, KOTATSU, heats the lower extremities of the human body by an infrared heater or wood coal fire in a box. The objective of this paper is to clarify the thermal effect of KOTATSU on the human thermal comfort quantitatively. Experiments were carried out under the following combined conditions: air temperatures were 1 1℃, 14℃, 17℃, and 20℃ and electric power of infrared lamp were to OW('off'), 87W('low'), 91W('middle') and 181W('high') electric consumption, respectively. Five male and six female subjects participated in those experiments. The following result was obtained: There was significant difference of comfort vote between female and male subjects when subjects reported hotter votes than thermal neutrality. The KOTATSU at 'low' and 'middle' IR heater level has the equivalent effect of 7℃ operative temperature rise at the condition of 11℃ air temperature, and that at 'high' IR heater level has the equivalent effect of 10℃ operative temperature rise at the same condition. Also the KOTATSU has more than 2℃ effectiveness at the condition of 14℃ air temperature even if the infrared lamp of the KOTATSU is turned off. Its effectiveness decrease gradually with increasing air temperature.
著者
吉山 尚裕 板倉 昭二 高橋 正臣
出版者
大分県立芸術文化短期大学
雑誌
大分県立芸術文化短期大学研究紀要 (ISSN:13466437)
巻号頁・発行日
vol.31, pp.23-30, 1993-12-31

本研究では、歩行者やドライバー(車)のフライングやかけ込みを社会的影響現象としてとらえ、(1)フライングやかけ込みの生起が、歩行者や車の数(集団密度)によってどのような影響を受けるか、(2)一人の歩行者、一台の車のフライングやかけ込みが、周囲の歩行者や車の追従行動にどのような影響を与えるか、について資料を得ることを目的にフィールド観察を行った。その結果、歩行者に関して、フライングは全観察回数240回のうち89回(37.1%)観察され、それに伴う追従フライングも59回(66.3%)観察された。かけ込みについては、全観察回数240回のうち77回(32.1%)観察され、うち追従かけ込みが29回(37.7%)観察された。このように一人の歩行者のフライングやかけ込みは、周囲の歩行者の行動にも少なからず影響を与えていると言えよう。フライングや追従フライングは、信号待ちの歩行者数による違いが大きく、集団密度が高く、歩行者の個人空間が侵害されやすい状況では生起率が高まることが示唆された。他方、かけ込みについては、歩行者の数による影響は認められなかったが、各地点の特徴を考察すれば、歩行者の急ぎやあせりといった個人的要因や状況的要因をかけ込みの原因として看過できない。また、かけ込みはフライングと比べて若年者に多いのが特徴であり、運動能力への自信や若者特有の衝動性といった面が影響しているものと考えられる。次に、ドライバー(車)の行動に関して、フライングは全観察回数120回のうち26回(21.7%)観察され、うち追従フライングは10回(38.5%)観察された。交通量の多さ(集団密度の高さ)といった点からは結果は明確でなかったが、状況的には本線(大道陸橋北交差点の国道10号線)に侵入する道路(同交差点の国道210号線)においてフライングの生起率が高く、信号待ちの時間の長さからくるイライラや、短い青信号の間に、少しでも早く発進しようとするドライバーの心理を反映しているものと考えられる。かけ込みについては、全観察回数120回のうち86回(71.7%)観察された。黄信号1秒以上のかけ込みに限っても56回(46.7%)となり、フライングに比べて生起率は高い。かけ込みは交通量の多い(集団密度の高い)地点で多く、しかも、かけ込みが観察された86回のうち、かけ込み車の前方に先行車がある場合が67回(77.9%)、後続に追従車がある場合が74回(86.0%)、先行車と追従車の両方が観察された場合が64回(74.4%)であった。このように車のかけ込みの原因は、一旦形成された車と車の密度と流れの中で、停止が困難になることが背景にあると考えられる。今回の観察の中で、とくに車のかけ込みは、重大事故につながりやすい行動であるだけに更なる検討が必要であろう。今後は、車と車の密度や流れに関する計量的指標を開発して、より詳細な分析を試みる必要がある。
著者
石川 健 小嶋 良朗 阿部 喜 宮武 秀樹 小栗 宏次
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.406, pp.1-4, 2006-11-28
被引用文献数
4

ITS (Intelligent Transport System:高度道路交通システム)の研究分野の1つに,事故を未然に防ぐことを目的としたドライバの行動予測がある.従来この研究では,速度・ペダル踏み量といった車両データ等を基にモデリング・解析が行われていた.しかし,人の行動は心理状態に大きく影響を受けることが知られており,運転時にもその影響が出ることが考えられる.そこで,本研究ではドライバの生体信号より「急ぎ」と「通常」の2状態の推定を行い,状態ごとに適用する運転行動モデルを切り替える手法を提案した.モデリングはDynamic Bayesian Networkを基に行い,ドライバの停止行動の予測を試みた.ドライビングシミュレータを用いた実験では,運転中のドライバの心電図解析から急ぎ心理状態と通常心理状態を推定した.その後各々の状態に合わせた運転行動モデルを適用して予測を行った.その結果,状態を考慮しない場合と比較して,早期に停止時刻を予測できることを示した。
著者
越 雄一 上領一郎 荒木 俊輔 硴崎賢一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告グラフィクスとCAD(CG) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.121, pp.19-24, 2004-11-26

近年,プラント管理では,保全費用を節減するための保全員やベテラン保全員の定年による引退により,保全に関する知識の消失が急速に進み,保全の質の低下を招いている.また,プラント全体の管理を行う場合,日々増加してゆく保全作業報告書などの書類は,時間が経つにつれて膨大な量となり,有用な情報として管理できない状態を招いている.そこで我々は,少人数でも効果的かつ効率的な保全が行えるように,個別の保全員の知識として管理されていた大量の情報を体系的に管理し,三次元図面をベースとして視覚的に管理・表示する情報システムを提案する.This paper describes a plant maintenance support system using a three-dimensional computer graphics and database system. Our proposed system systematically manages facilities' information including drawings, monitoring data of remote sensors, procedures documents for accidents, and so on. In order for a maintenance engineer to get necessary information of a facility, the system assembles and visualizes information associated with the facility in the 3D model of a plant.
著者
武田 正倫
出版者
日本甲殻類学会
雑誌
甲殻類の研究 (ISSN:02873478)
巻号頁・発行日
no.7, pp.69-99c, 1976-02

オウギガニ科の種の同定は難かしいことに定評があるが,これは種類が多く,形態的にも変化に富んでいるため,近縁種を見い出すことに相当の経験を必要とするからでろあう。種類が多いことは当然古来からの文献が多いことも意味し,各種の異名の整理や文献の入手もなかなか思うにまかせない。これらの前提条件がある程度かなえられれば,種の同定自体は決して難かしくはないが,属以上の系統分類には多くの種を調べる必要があり,困難な問題が多い。オウギガニ科の属に関しては,最近の傾向として,パリ自然史博物館のD.GUINOT女史やすでに引退したR.SERENE博士が主として追及しているように,雄の第1腹肢による細分が著しい。さらに上位の体系として口腔部に位置する出水溝の形成の有無によって,無溝類と有溝類に分けられることが多い。しかし,これは亜科よりももっと広い意味をもっていることは明らかで,他の科と比較すれば,それぞれXanthidaeとPilumnidaeとして科に昇格させることも可能ではないかとさえ考えられる。オウギガニ科に関してもっとも重要な貢献をしているALCOCK(1898)は無溝類を3亜科に,有溝類を4亜科に細分しているが,有溝類はその後BALSS(1932)によって3亜科にまとめられている。本報告ではパラオ諸島産のカニ類にもとづいて,1試論として14亜科に細分したが,とくに無溝類の亜科に異論があるものと思われる。Actaeinae, Carpiliinae, Chlorodiinae, Cymoinae, Etisinae, Euxanthinae, Galeninae,XanthinaeおよびZosiminaeの9亜科は無溝類の特徴を,Eriphiinae, Pilumninae, Polydectinae, PseudoziinaeおよびTrapeziinaeの5亜科は有溝類の特徴をもつ。これらを一応系統順に解説するが,ここでは紙面の都合によりCarpilinaeとXanthiinaeのみを扱っている
著者
川崎 和男
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.50, no.3, pp.118-123, 2000-03-01

米国から提唱されたユニバーサルデザインの来歴について, 私が体験してきたことの詳細報告から, グッドデザイン商品選定でのユニバーサルデザイン賞設定理由の紹介。さらにデザインコンセプトとしての七原則を日本的に再吟味することで, ユニバーサルデザインを新しい言葉で読み替えていくことができるのではないだろうか。こうした考察を通して日本独自のユニバーサルデザインの新しい定義性を見つけだしていきたい。日本独自のユニバーサルデザインの具現化, それは本当に豊かな生活のために, 生と死を直視していく厳しさの中に, 豊潤さを実現していく人間のやさしさがあると考えている。
著者
小島 一夫
出版者
つくば国際大学
雑誌
研究紀要 (ISSN:13412078)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.73-85, 2008

本研究は,エリクソン(1959)の「アイデンティティ形成は,青年期に始まり終わると言うものではなく(中略)その大半が一生涯を通じて続く無意識的な発達プロセスである」の理論に基づいた生涯発達心理学の視点に立って,ライフサイクルの中で現役を引退し,キャリアトランジションすることが,あるアスリートにどのような意味を持ち,そして,どのような引退後の適応過程を辿ったかを元アスリートへのインタビューをもとにアイデンティティ再体制化の過程について豊田・中込(1996),豊田(1999)の仮説の検証と考察を(1)競技引退に伴うアイデンティティ再体制化のプロセス,(2)社会化予期と時間的展望について,(3)競技引退がその後の職業期危機に与えた影響,という3点に絞って行った。そこから以下の4つの点が推察された。(1)競技引退に伴うアイデンティティ再体制化のプロセスにおいては5つの過程がある。(2)社会化予期と時間的展望については事例により異なる。(3)競技引退がその後の職業期危機に与えた影響については,競技期間中におけるアスリートのアイデンティティ確立の心理・社会的背景(性差,投入の個人差,種目,競技実績,競技の知名度等)とトランジションに伴う社会化予期・時間的展望が密接に関係している。(4)アスリートのキャリアトラジションはアイデンティティを形成する過程の特殊性と相まって,その難しさがある。