著者
安藤 寿康 坂上 雅道 染谷 芳明
出版者
慶應義塾大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2014-04-01

教育学習は個体学習、観察学習とは異なる進化的に獲得されたヒトに顕著な学習様式と考えられ、それに対応する特殊な脳活動があることが予想される。本研究では、指運動の系列の記憶と再生を、個体・観察・教育の3学習条件で実行している際の脳活動をfMRIによって把握することを目的とした。予備実験の段階として、課題の検討と開発を経て、個体と観察学習の脳活動の指運動データを収集した。その結果、個体学習では視覚野、一次感覚運動野、補足運動野、被殻、視床視覚野、小脳、視床の賦活が、また観察学習では視覚野、被殻、両側中側頭回、縁上回、両側前頭前野の賦活が顕著であり、学習様式間の差が先行研究と整合的に見いだされた。
著者
伊藤 泰信 谷口 晋一 孫 大輔 大谷 かがり
出版者
北陸先端科学技術大学院大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2022-04-01

本研究は、医学教育者/医師らと“共働”する医学教育実践の中で、サービスデザインの視点を取り込んだ文化人類学を構想するものである。ここでいうサービスデザインの視点とは、患者がなし遂げたいコト(サービス)起点で医療提供を考える視点である。具体的には、生活者としての患者の視点を重視する人類学的素養を導入した総合研修専門医の教育(研修)プログラムを医学教育者と共にデザインする。他方で、そうした教育実践を通じて、「サービスデザイン人類学」という新たな領域を切り拓こうとする試みである。
著者
越智 秀明
出版者
東京大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2017-04-26

本年度は、前年度に注目した18世紀ヨーロッパにおけるポーランド・リトアニア共和国(以下、ポーランド)を対象とした言論の研究を進めるべく、まずはヴォルテールのポーランド論を検討した。ポーランド国内においてカトリックによる反動的不寛容が蔓延していたことは、ヴォルテールの関心をひくきっかけではあったが、それだけに止まらず、ポーランド分割を複数の複雑な文脈の中で捉えていることがわかった。特にポーランドの状況には、国内における王政派と共和派の対立、ロシアやスウェーデン、デンマーク、プロイセンといった所謂「北方」諸国の台頭やオスマントルコ帝国の弱体化といった国際パワーバランスの変化が大きく関わっていると捉えている。以上の研究をまとめたものを、2020年度政治思想学会大会自由論題報告において報告する予定である。また、この研究と並行して、当時のポーランドを左右しえた言論状況を検討すべく、共和派の言論(ルソー、マブリ)、バール連盟関係著作(ヴィエルホルスキ、パッツ)、ポーランドをフランスの身近な存在にした諸著作(コワイエ、ダルジャンソン)、直接政治の現場にたった王の諸著作(エカチェリーナ、フリードリヒ、スタニスワフ=アウグスト)、ポーランド啓蒙の著作(スタニスワフ・レシチニスキ、コナルスキ)などの著作の検討を始めた。このうち、ある程度進展している共和派の言論とバール連盟関係著作に関する研究については、2020年度社会思想史学会研究大会で報告する予定である。博士論文の完成には至っていないが、以上の研究を進め、まとめていく予定である。
著者
則末 泰博 竹内 宗之 川村 篤 京極 都 宮庄 拓 片岡 惇 伊東 幸恵 藤谷 茂樹
出版者
公益社団法人地域医療振興協会(地域医療研究所)
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2021-04-01

COVID-19による呼吸不全患者など、死腔増加や肺組織の炎症により吸気努力が強い場合、人工呼吸器からの送気が2回連続でトリガーされてしまう「二段呼吸」が頻回に発生してしまう傾向がある。「従圧式」は設定された圧を吸気中に保つモード、「従量式」は設定された換気量を吸気中に肺に送る呼吸器モードであり、欧米では従量式が頻用されている。本研究では、「強い吸気努力により二段呼吸が一定の頻度で発生する条件下では、従圧式に比べて従量式による呼吸管理の方が一回換気量と経肺圧、さらに呼吸仕事が大きく、従って肺傷害と横隔膜傷害の度合いが強い」という仮説を動物実験で証明することを目的とする
著者
橋爪 脩
出版者
大阪大学
雑誌
若手研究
巻号頁・発行日
2019-04-01

細胞内Mg2+を排出するトランスポーターCNNMの変異体線虫は、腸細胞でのMg2+蓄積によりミトコンドリアの活性酸素種(ROS)が増加し寿命が短くなる。ATPレベルも上昇していたことからミトコンドリアのエネルギー代謝異常が考えられた。Mg2+蓄積はがん悪性化への寄与も示唆されている。そこで、本研究では培養細胞や線虫、マウスを用いて過剰なMg2+によるミトコンドリアでのATPとROS過剰産生のメカニズム、そしてがん悪性化への寄与を明らかにし、Mg2+を排出するトランスポーターであるCNNMが進化的に高度に保存され、細胞内でのMg2+の過剰蓄積を回避する機構が存在する生物学的意義の解明を目指す。
著者
佐藤 豪 武田 憲昭
出版者
徳島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-04-01

本研究の目的は、振動覚を用いた感覚代行技術により、視覚依存性と体性感覚依存性の重み付けを変化させることにより、安定した姿勢制御を獲得できる新しい前庭リハビリテーションを開発することである。本研究により、頭部の傾斜情報を下顎の振動覚としてフィードバックできるウェアラブルデバイスを開発し、失われた前庭情報を振動覚として感覚代行することが可能となった。健常人に対しては、装用により視覚依存性と体性感覚依存性の低下し、一側前庭障害患者に対しては、視覚依存性と体性感覚依存性が変化することで歩行機能が改善し、めまいのQOLも改善した。両側前庭障害患者に対しては、歩行に対する装用効果を認めた。
著者
大崎 果歩
出版者
東京大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2018-04-25

本年度は前年度に引き続き、『杜翁手澤聖書』と呼ばれる、トルストイ自身による赤線や青線、取り消し線の書き込みがみられるロシア語福音書に関する分析を行った。1880年代初頭に書かれた『四福音書の統合と翻訳』と、1896年に刷られたロシア語福音書への書き込みの間には十数年の時間のずれがあり、その間にどの程度トルストイの聖書観に変化がみられるかという問題については引き続き調査が必要であるものの、トルストイ自身の書き込みと、『四福音書の統合と翻訳』で示された彼の聖書読解を照らし合わせることによって、彼が行った書き込みの背後にある、かなりの程度統一された基準とその根拠を明らかにすることができた。また本年度は、コロナウイルス感染拡大によりモスクワや東京の研究施設へのアクセスが制限され、資料収集や研究上の交流が困難な状況に陥ったが、それまでに収集した資料をもとに先行研究を読み込み、またトルストイのキリスト教観に対してロシア正教会の高位聖職者が示した反応の整理も行った。加えて、神学博士で、ロシア正教会渉外局長の座についているイラリオン(アルフェエフ)府主教が著した『カテヒジス――正教信仰への案内』という、正教の神学や奉神礼、教会暦、聖人、イコン、教会建築等の基礎がわかりやすく解説されたロシア語書籍の共訳を行った。現在は出版にむけて校正を行っている最中である。研究成果に関しては年度内の公開が間に合わなかったが、新型コロナウイルス感染症の影響による半年の採用延長が認められたため、来年度前期に英語口頭発表と日本語論文発表を予定している。
著者
齊藤 康典
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

クロイソカイメンの自己・非自己認識機能を調べた結果、同所的に生息するダイダイイソカイメンの個体と接触すると、非自己と認識して拒絶することが明らかとなった。一方、同種個体間の認識においては、約10m四方の狭い範囲に生息する成熟個体間の接触で、ほとんどの組み合わせで拒絶反応を示し、癒合する組み合わせはほとんど無かった。一方、同一母親から生まれた幼生を固着変態させた幼体間での自己・非自己認識を調べると、固着変態直後から認識能を示し、さらに、拒絶反応の様式が成熟個体とは若干異なることが明らかとなった。拒絶反応の様式の詳しい記載や、個体間で拒絶が出現する頻度などから遺伝的な支配についてについて考察した。
著者
結束 貴臣
出版者
横浜市立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2021-04-01

非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)の増悪の原因の一つとして,腸管バリア機能が正常であれば腸管内に留まる腸内細菌由来のエンドトキシン(ET)の血液中への流出が考えられる.我々は,ヒト糞便サンプルから抽出した腸内細菌の1つFaecalibacterium(FB)の占拠率低下が, 血中ET値の増加および腸管バリア機能の低下と有意に相関していることを見出した.そして,NASHマウスモデルにFBを投与すると腸管バリアの改善によって, NASH病態が改善することを明らかにした. 本研究では, FBの腸管バリア機能改善の分子機序を解明および肝外合併症である動脈硬化や大腸がんに対する影響を検討する.
著者
秋濱 一弘 岩田 和也
出版者
日本大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2018-04-01

火花点火ガソリンエンジンの希薄燃焼限界を向上させる新しい広域点火法を提案した。レーザーブレイクダウンと高電圧印加を組み合わせた長距離放電点火LBALDI (Laser Breakdown Assisted Long-distance Discharge Ignition) の基礎特性明確化と有効性実証を目的としている。レーザーと高電圧印加の角度は90°付近が最も放電距離が長くなる。定容容器を用いて燃料依存性を調査しルイス数1以上の条件にて有効な点火法であることが分かった。急速圧縮装置を用いてエンジンに近い条件の高圧場においても長距離放電可能なLBALDIの有効性を実証し、目標を達成した。
著者
好井 健太朗
出版者
長崎大学
雑誌
挑戦的研究(萌芽)
巻号頁・発行日
2021-07-09

RNAウイルスの多様性獲得と進化において、RNA依存性RNAポリメラーゼ(RdRp)による遺伝子RNAの複製と変異の蓄積が重要だと考えられているが、その詳細には不明な点が多い。近年、ウイルスだけではなく、様々な生物種も独自のRdRpを持つ事が分かってきた。本研究では、宿主RdRpのウイルス感染における生物学的意義を明らかにするために、宿主RdRpによるウイルスの排除または増殖促進作用の分子機序を明らかにするとともに、ウイルスの多様性獲得や宿主への適応・伝播への影響を解析する。
著者
塚田 全彦 岡本 美津子 田中 眞奈子 貴田 啓子 小椋 聡子
出版者
東京藝術大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2023-04-01

日本国内ではこれまでに多数のセル・アニメーションが制作され、その過程で制作されたセル画は膨大な数に上る。近年アニメーションの文化的価値が認知され、セル画を含む中間制作物の保存の重要性が認識されている。しかし、合成樹脂を含む複合材料で制作されたセル画の保存に必要な各構成材料の劣化の機序、各材料が劣化した際の他の材料への相互影響については十分に検証されているとは言い難い。本研究ではセル画の保存に関する現況を調査するとともに、各材料に対して周辺環境がおよぼす影響と材料間の相互影響を評価し、セル画の長期保存に最適な環境の条件の解明を目指す。これを基にセル画を保存する際の環境の指針の提案を試みる。
著者
正本 忍
出版者
長崎大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

本研究では絶対王政期、とりわけ18世紀前半期のオート=ノルマンディー地方の警察・裁判組織マレショー一セ(marechaussee)について、主としてセーヌ=マリティーム県古文書館、陸軍歴史課古文書館で収集した原史料に基づいて実証研究を行った。マレショーセとは、絶対王政期フランスにおいて、主として田園地帯、幹線道路上の治安維持を担う軍隊組織であり、同時に、プレヴォ専決事件を最終審として裁く裁判組織(プレヴォ裁判所)でもある。18世紀前半期のオート=ノルマンディー地方のマレショーセについて、これまで得られた研究成果は主として以下の4つである。第一に、当該時期の当該地方のマレショーセの隊員名簿を作成し、"Liste des hommes de la marechaussee en Haute-Normandie (1720〜1750)"として公刊した。第二に、当該地方の治安維持はどのような人物によって担われていたのかを明らかにすべく、上記の隊員名簿から得られる情報(年齢、身長、退職理由など)を分析し、「18世紀前半におけるオート=ノルマンディー地方のマレショーセ隊員(1720〜1750年)」と題して学会・研究会で報告した。第三に、プレヴォ裁判の主要な担い手であるマレショーセの将校及び裁判役人について、その兼職や勤務実態に注目し、「アンシァン・レジーム期の国王役人の実像-18世紀前半オート=ノルマンディー地方のマレショーセの事例から-」と題する研究報告を行った。第四に、地域住民の国王権力の受容についてマレショーセと地域住民の関係から検討し、「地域住民とマレショーセ -住民の保護者あるいは抑圧者?-」と題して報告した。上記の3報告は近く論文として学会誌に投稿する予定である。
著者
大塚 紀弘
出版者
法政大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2019-04-01

中世日本に中国などの外国から渡来した人々、すなわち日本中世の渡来人の存在形態について考察し、それに関する歴史像を提示する。主に平安時代末期から南北朝時代にかけての中世前期(12世紀から14世紀)に焦点を絞り、渡来人に関係する史資料を網羅的に収集・整理し、渡来の経緯や活動の実態について、時系列に沿って総合的に考察する。特に、日本全国の寺院などに伝来した、渡来人が日本で書写・刊行に関わった典籍を研究対象の中心とする。これらを順次調査・撮影し、書写奥書や刊記に見える年代、出身地、書写地および筆跡に基づいて、渡来人の人物像を解明する。
著者
山室 真澄 管原 庄吾 小室 隆
出版者
東京大学
雑誌
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
巻号頁・発行日
2019-10-07

大型底生緑藻の異常繁茂が、世界の多くの海岸や淡水域で発生している。日本でもアオサや糸状藻類の異常繁茂が各地で報告されている。原因として栄養塩の増加など、増える要因を検討するものが多い。本研究ではシオグサ属大型底生緑藻の異常繁茂により湖岸が極端に嫌気的になり、水鳥の大量死など生態系が著しく撹乱されている北米の五大湖で現地調査を行い、なぜ減らないかという観点から検討する。具体的にはシオグサの補食者の状況を確認し、捕食者が存在する場合は捕食しない原因を検討する。捕食者が少ないか不在の場合は、流入河川など周辺水域に緑藻を捕食する動物がいないかなどを調査し、補食者の復元・導入方法について共同研究を行う。
著者
佐々木 大介
出版者
北星学園大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2006

科学研究費の支給を受け、東アジアにおける手話言語、日本手話、台湾手話、韓国手話の語彙比較研究を行なった。データ収録のためのハイビジョンカメラ、データ分析のためのコンピューターなどの機器を購入したほか、データ収集のために韓国に2度訪問した。これらの研究の成果は、2007年刊行の書籍に論文を寄稿したほか、5回の学会発表(うち国際学会2回)で報告した。I compared the lexical items of sign languages in East Asia, namely, Japanese Sign Language, Taiwan Sign Language, and Korean Sign Language. Besides purchasing equipments including an HD camcorder for data recording and computers for data analysis, I visited Korea twice to collect data from native deaf signers of Korean Sign Language. An article appeared in a book published in 2007, and I presented five papers at conferences (three domestic and two international).
著者
清水 裕也
出版者
帝京大学
雑誌
若手研究
巻号頁・発行日
2019-04-01

今や国民病とも言えるアレルギー性鼻炎や高齢者に多い血管運動性鼻炎は鼻過敏症の代表疾患であり、外界からの刺激に対し鼻閉、鼻汁、くしゃみなどの病的反応が惹起されることが特徴である。この反応には知覚神経を介した鼻粘膜の過剰な応答が関与していると考えられているが、詳細は未解明な点が多い。近年の研究によりTRP(Transient Receptor Potential)チャンネルという体内で刺激センサーとしての役割を持つ分子が鼻腔の知覚神経にも存在することが明らかとなってきた。本研究ではその中でも冷刺激を感知するTRPM8に着目し、TRPM8が正常鼻腔や鼻過敏症でどのような役割を持つか明らかにする。
著者
五十嵐 徹
出版者
日本医科大学
雑誌
奨励研究(A)
巻号頁・発行日
1994

流血中に生じた免疫複合体(IC)のほとんどは赤血球上の補体C3bレセプター(CR1)によって赤血球に捕捉され、速やかに肝・脾等の網内系に運ばれて処理されているといわれている。従って現在臨床検査として広く行われている。血清免疫複合体の測定では、この赤血球によって血清中から除かれているICについては測定されていないと考えられる。本研究ではこの問題の解決の糸口を探るのが目的である。現在までのところ、健常ヒト赤血球と同人の血清とを再構成した血液中にIC(熱凝集IgG)を加えるという実験系では、抗Clq法,抗C3d法,mRF法とも、それぞれの正常値とされる程度のICは添加物数分間ですべて血清中から消失してしまうというデータが得られている。赤血球1個あたりのCR1数は個人差が大きいためか、データにばらつきがあるものの、検体によっては正常値とされるIC量の数倍のICすら消失しまう場合もある。このことは、これまでの血清中ICの測定という臨床検査は、よほど大量のICが存在する場合にのみ陽性となることを意味し、実際の生体内におけるIC産生状況を反映しているとは言い難いことになる。現在、真の血液中ICの測定法を開発しようとしているが、単なる抗凝固剤ではCR1と1Cは解離せず、その解離を起すような処理を加えるとIC自体の抗原と抗体の解離が生じてしまうという点で更なる研究が必要である。現在種々の操作を検討中の段階である。
著者
荒木 聡彦 塩井 成留実 澤田 均 松井 太衛
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2018-04-01

「がん細胞や白血球の血管貫通」における血管壁の開口現象の分子機構は、よく分かっていない。血管貫通においては、出血性ヘビ毒ADAMが血管開口を引き起こすことから、ADAMによる血管細胞間解離を解析した。既にLRP6の切断が血管壁開口現象に必要であることを示唆していたが、今回はADAMの結合標的を探索した。その結果ADAMBP1細胞膜タンパク質(仮称)がヘビ毒ADAMに結合することを示すとともに、ADAMBP1阻害抗体により細胞間解離等が阻害されることを示し、ヘビ毒ADAMの結合受容体であることを示唆した。また他にADAMに結合する候補タンパク質として、ADAMBP2,3,4,5を見出した。
著者
飯塚 靖
出版者
下関市立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

(1)国共内戦期の中国共産党の兵器の調達と生産状況を研究し、共産党軍の東北での内戦勝利の背景には、旧日本軍が遺棄した兵器への依存、満洲国時期の機械設備や軍事施設・産業施設の利用があった事実を解明した。(2)資料「中共事情」を手掛かりとして、大連での中国共産党による日本人技術者の留用の実態に迫り、「強制抑留」とも言えるその過酷な側面を明らかにした。特に、大連で組織され、多くの技術者を欺瞞的手法で北満にまで送致した、中国経済建設学会なる謎の組織の真相に迫った。