著者
別府 万寿博 濵田 匠李 市野 宏嘉 相澤 武揚
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
構造工学論文集 A (ISSN:1881820X)
巻号頁・発行日
vol.67A, pp.890-903, 2021 (Released:2021-04-16)
参考文献数
25

This study investigated the blast-mitigation effects of an aluminum honeycomb composite panel on the deflection of a target steel plate, by conducting a series of close-in explosion tests in which a fragment impact was considered. In the close-in explosion tests, aluminum was used as an upper sheet of the honeycomb panel, and the honeycomb panel was set on a steel plate. A steel ball was set at lower or inside of a spherical high explosive of Composition C-4 to simulate a fragment impact. The test results revealed that the position of a steel ball affected the perforation of the aluminum sheet and the blast-mitigation effect by the honeycomb panel.
著者
西村 佐彩子
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.183-194, 2007 (Released:2007-04-10)
参考文献数
26
被引用文献数
4 5 3

曖昧さに対する態度は,これまで曖昧性耐性の低さという,否定的態度を中心とした一次元的な観点から論じられてきた。本研究は,曖昧さへの態度を多側面から測定する尺度の作成を行い,適応との関連を検討した。研究1では,曖昧さへの態度尺度の因子分析を行った結果,曖昧さへの態度は,肯定的態度と否定的態度を含んだ,複数の側面(曖昧さの“享受”,“不安”,“受容”,“統制”,“排除”)から構成されることが示唆された。研究2では,曖昧さへの態度と適応の関連を検討するため,適応の指標として,強迫傾向,抑うつ傾向,愛着スタイルを取り上げた。その結果,強迫傾向,抑うつ傾向,愛着スタイルの不安定型はそれぞれ曖昧さへの否定的態度との関連がみられたが,愛着スタイルの安定型は曖昧さへの肯定的態度との関連がみられた。曖昧さへの態度の各側面によって,適応との関連の仕方が異なることが示された。
著者
埴淵 知哉 山内 昌和
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
E-journal GEO (ISSN:18808107)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.14-29, 2019 (Released:2019-01-29)
参考文献数
28
被引用文献数
4 1

近年,国勢調査の「不詳」増加が懸念されている.本研究は,国勢調査の調査票未提出に関連する諸要因を明らかにし,データの補正や解釈,あるいは将来の調査改善に役立つ情報の獲得を目的とした.インターネット調査により収集された,国勢調査の回答状況を含む個票データの分析から,若年層や未婚者,単身世帯,短期居住者などが未提出になりやすく,特に年齢が未提出発生の基本的な関連要因であることが示された.また,大都市圏居住者において未提出が生じやすいこと,プライバシー意識は予想に反して未提出に結び付いていないこと,国勢調査の理解度が年齢とは独立して未提出に関連していることなども明らかになった.国勢調査データを地域分析に利用する際には,これらの偏りがもたらす疑似的な地域差・地域相関の可能性に留意するとともに,将来の国勢調査では,年齢層を問わず調査結果の利用・公開方法を広く周知していくことの重要性が指摘された.
著者
Masafumi Noda Narandalai Danshiitsoodol Takemasa Sakaguchi Keishi Kanno Masanori Sugiyama
出版者
The Pharmaceutical Society of Japan
雑誌
Biological and Pharmaceutical Bulletin (ISSN:09186158)
巻号頁・発行日
vol.44, no.12, pp.1886-1890, 2021-12-01 (Released:2021-12-01)
参考文献数
39
被引用文献数
10

A lactic acid bacterial strain, Lactobacillus plantarum SN35N, which has been isolated from the pear, secretes negatively charged acidic exopolysaccharide (EPS) to outside cells. We have previously found that the SN35N-derived acidic EPS inhibits the catalytic activity of hyaluronidase (EC 3.2.1.35) promoting inflammation. The aim of this study is to find other health benefits of EPS. EPS has been found to exhibit an inhibitory effect against the influenza virus (Alphainfluenzavirus Influenza A virus) and feline calicivirus (Vesivirus Feline calicivirus), which is recognized as a model of norovirus. Although more studies on the structure–function relationship of EPSs are needed, SN35N-derived EPS is a promising lead for developing not only anti-inflammatory agents, but also antiviral substances.
著者
中岡 博史 細道 一善 光永 滋樹 猪子 英俊 井ノ上 逸朗
出版者
日本組織適合性学会
雑誌
日本組織適合性学会誌 (ISSN:21869995)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.37-44, 2014-04-20 (Released:2014-04-20)
参考文献数
28

HLA領域の遺伝的多型は医学分野のみならず,人類の移住,混合,自然選択や遺伝的適応といった進化過程を推測する集団遺伝学においても重要なツールとして用いられている。日本人の起源については諸説あるが,約30,000年前の後期旧石器時代に日本列島へと移住してきた狩猟採集民である縄文人と,紀元前1,000年から西暦300年頃に朝鮮半島から日本列島へと移住してきた弥生人の祖先が混血して,現在の日本人集団の起源になったとする“混合モデル”が有力であると考えられている。本稿では,日本人集団の混合的起源を支持する遺伝的知見について概説するとともに,HLA遺伝子多型から日本人の祖先集団を推測する遺伝的痕跡の探索について,最新の研究を紹介したい。
著者
Tadashi Maeda Katsuhito Kashiwagi Sadako Yoshizawa Takahiro Sato Kotaro Aoki Yoshikazu Ishii Kazuhiro Tateda
出版者
National Institute of Infectious Diseases, Japanese Journal of Infectious Diseases Editorial Committee
雑誌
Japanese Journal of Infectious Diseases (ISSN:13446304)
巻号頁・発行日
vol.74, no.6, pp.560-562, 2021-11-22 (Released:2021-11-22)
参考文献数
7
被引用文献数
4

Most coronavirus disease 2019 (COVID-19) cases are mild or asymptomatic, and a substantial minority of patients have severe or critical diseases. There are several reports on the potential risk factors of severe disease, but few reports have reported a relationship between antibody titer and severity in Japan. Antibody-dependent enhancement affects disease progression. We evaluated the IgG responses in COVID-19 patients at our tertiary hospital. The IgG index was the measure of interest. We assigned 1.4 as the cutoff value for a positive result based on the specifications by the manufacturer and observed that patients could be categorized into two groups: the early elevation of IgG and late elevation of IgG (IgG elevated in the first 7 days ± 2 days or more than 10 days after symptom onset) groups. The former comprised early IgG responders (n = 7) and the latter comprised late IgG responders (n = 14), and they were compared. The C-reactive protein and D-dimer concentrations were significantly higher in the early IgG responders on admission (HD 0). The respiratory rate was also higher. The lymphocytes were significantly fewer on day 7 of hospitalization (HD 7). These results suggest that early production of anti-severe acute respiratory syndrome coronavirus 2 IgG may be associated with clinical indicators of severity.
著者
水谷 哲也
出版者
日本ウイルス学会
雑誌
ウイルス (ISSN:00426857)
巻号頁・発行日
vol.63, no.1, pp.1-6, 2013-06-25 (Released:2014-04-26)
参考文献数
15
被引用文献数
1 5

2012年にサウジアラビア・カタールで発生した重症呼吸器症患者の原因病原体は,新型のコロナウイルスであった.このウイルスはMiddle East Respiratory Syndrome Coronavirus (MERS-CoV) と呼ばれ,2002年に発生した重症呼吸器症候群(SARS)以来のコロナウイルスによる重症例として注目されている.発生後1年しか経過していないので不明な点は多いものの,MERS-CoVはベータコロナウイルスの2Cグループに属するタケコウモリコロナのウイルス(Bat-CoV HKU4)やアブラコウモリのウイルス(Bat-CoV HKU5)と近縁であることが明らかとなった.このようにコウモリが自然宿主であることが推測されているが,まだ特定に至っていない.最近,ヒトからヒトへの感染が強く疑われるケースが報告され,感染の拡大が懸念されている.
著者
木内 敬太
出版者
一般社団法人 日本支援対話学会
雑誌
支援対話研究 (ISSN:21882177)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.15-29, 2016 (Released:2018-01-26)
参考文献数
52

近年、成人の発達障害者の支援においては、高等教育、職域ともに、これまでの障害者を見守り、支えるという支援だけでなく、障害者の個性を活かし、活動能力を高めるための積極的な関わりが、支援を行う専門家と、教職員や管理監督者などの非専門家の双方に求められるようになってきている。そこで、クライアントの強みに目を向け、活動能力を高めることに焦点を当てた対話的支援法であり、障害者と関わる非専門家の研修にも応用できる、コーチングへの期待が高まっている。すでに欧米では、発達障害者に対するコーチングの実践と研究が進んでいる。本稿では、ADHD、自閉症スペクトラム障害、学習障害、境界性知的機能を取り上げ、障害の特徴と大学や職場での困難について記述するとともに、各障害に対するコーチングの有効性と日本における発達障害者へのコーチングに関する今後の課題について論じた。発達障害者が他の人々と同等に自立した生活を送れるようにするためには、コーチングにより、修業、日常生活、就職、就労の一貫した支援を行うことが重要である。我が国においてそのような体制を確立するためには、発達障害者へのコーチングの有用性と必要性についての啓発、実践家の養成、発達障害者へのコーチングの効果研究、非専門家のコーチング技能習得の有効性の研究を進める必要がある。
著者
木下 冨雄
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
pp.92.20403, (Released:2021-11-30)
参考文献数
59

The novel coronavirus disease (COVID-19) pandemic that occurred suddenly at the beginning of 2020 has had a significant and multifaceted impact on the economy, society, civilian life, and culture, as well as the human mind. For this reason, it is essential to establish a collaborative system that includes medical science, which has been the subject of much discussion, as well as the natural sciences, the humanities, and social sciences to evaluate the impact of COVID-19. This paper focuses on defense in depth and risk communication and discusses the issues caused by COVID-19 from the perspectives of social psychology and risk studies, both of which have an inherent interdisciplinary nature.
著者
仲野 達 山浦 弦平 横山 睦美 田中 章景 小山 主夫
出版者
一般社団法人 日本脳卒中学会
雑誌
脳卒中 (ISSN:09120726)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.47-49, 2015 (Released:2015-01-23)
参考文献数
10

要旨:症例は39 歳男性.サーフィン後に他人の自転車を乗っていこうとする異常行動のあとに意識障害が進行したため救急搬送された.MRI では両側小脳,両側視床に新規脳梗塞を認め,MR angiography(MRA)では頭蓋外から頭蓋内への移行部に両側で椎骨動脈解離を認めた.MRA で経時的に観察を行い,両側で同様な解離腔の信号変化を呈したことから両側同時に解離が生じたものと判断した.保存的治療で意識状態は改善したが,見当識障害,記銘力障害が残存した.外的要因で椎骨動脈解離が生じることは知られているが,サーフィンも例外ではない.また,両側椎骨動脈解離を認める症例は少なく,発症機序を考察する上でも貴重な症例と考えた.

12 0 0 0 OA 把持とあやつり

著者
中村 仁彦
出版者
公益社団法人 計測自動制御学会
雑誌
計測と制御 (ISSN:04534662)
巻号頁・発行日
vol.29, no.3, pp.206-212, 1990-03-10 (Released:2009-11-26)
参考文献数
29
被引用文献数
3
著者
金城 玲
出版者
The Society of Synthetic Organic Chemistry, Japan
雑誌
有機合成化学協会誌 (ISSN:00379980)
巻号頁・発行日
vol.79, no.11, pp.1056-1064, 2021-11-01 (Released:2021-11-10)
参考文献数
30
被引用文献数
1

The concept of aromaticity has been of paramount significance in myriad fields of chemistry. To modulate the intrinsic electronic nature of aromatic molecules, partial incorporation of heteroatoms into the benzene scaffold represents a useful strategy in modern inorganic chemistry. This account presents how to incorporate boron into aromatic six-membered scaffolds, leading to hybrid organic/inorganic benzenes, namely diazadiborinines. In addition, their reactivity towards a variety of substrates are summarized.
著者
臼井 久実子
出版者
日本コミュニケーション障害学会
雑誌
コミュニケーション障害学 (ISSN:13478451)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.129-136, 2004-08-25 (Released:2009-11-19)
参考文献数
3
被引用文献数
1

新しく成立した言語聴覚士法が,古くからの欠格条項パターンを踏襲したことは,衝撃を与え,欠格条項撤廃を求める活動が盛り上がるきっかけになった.2001年,聴覚障害を理由に薬剤師免許を阻む欠格条項が削除され,新たに資格を得る人,学ぶ人が出ている.医師国家試験は,初めて視覚障害者の受験に配慮,視覚等に障害がある医師が誕生.障害者には危険で不可能とされてきた分野も,確かに変わり始めた.世界で40ヵ国以上が障害者にかかわる差別禁止法制をもつ中,日本でも差別禁止法制定への機運が高まっている.欠格条項をなくすとは,法制度を変えるだけでなく,社会の障害者に対する態度,枠組みを変えること.劣等のレッテルを貼られず,分け隔てられず,必要な支援を得て学び働けるようにすること.これからも,専門職,障害者運動といった立場をこえて情報を共有し,手を携えて歩みを進めたい.
著者
高井 敏朗
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.61, no.7, pp.930-940, 2012-07-30 (Released:2017-02-10)
参考文献数
43
被引用文献数
1
著者
七沢 潔 東山 浩太 高橋 浩一郎
出版者
NHK放送文化研究所
雑誌
放送研究と調査 (ISSN:02880008)
巻号頁・発行日
vol.71, no.1, pp.24-60, 2021 (Released:2021-04-16)

本稿第1部で新型コロナウイルスに関するテレビ報道とソーシャルメディアの連関を検証する中で、「PCR検査」についてテレビは長期間、繰り返し扱い、またTwitterなどの反応も大きかったことが分かった。第2部ではその「PCR検査報道」にテレビによる「議題設定」機能が発動されたと仮定し、それがどのように立ち上がり、展開し、成果を生んだかを放送された番組群の内容分析と、それに反応するTwitterの投稿の分析から検証した。国内での感染が進む2月、PCR検査を受けたくても受けられないケースを伝えるテレビ報道が集中し、「検査拡充」という「議題」が設定された。そしてTwitterにも投稿が相次いだ。しかし3月になると逆に「医療崩壊」を恐れて検査拡充に反対の「世論」が現れ、緊急事態宣言下の4,5月に「議題」は後景化する。そして「第2波」が始まる6、7月には「無症状者への検査」という新たな枠組みで議論が再燃するなど、動態が見えた。
著者
深谷 達史 三戸 大輔
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
pp.44140, (Released:2021-05-26)
参考文献数
39

教育界では,自らの興味・関心を追究するような探究の学習の重要性が強調される.本研究では,探究の学習の中でも,小学校で課されることの多い夏休みの自由研究を対象に,課題の設定を主に支援する特別授業を実施した.公立小学校6年生の1学級において,2時間の特別授業を行い,設定したテーマについて調べたいことを問いとして設定させ,問いについての仮説やそれを検証する方法を考えさせた.夏休み終了後,リッカート式の項目による自己評価を求めたところ,授業を受けなかった対照群の児童に比べ,授業を受けた介入群の児童は包括的・観点別,いずれの自己評価も高い値を示した.また,探究スキルの意識化を表す,自由研究をうまく進めるコツをたずねた自由記述でも,授業での主な学習事項を挙げる児童が多かった.最後に,これらの成果を生んだ要因を考察するとともに,残された課題について考察した.