著者
山澄 亨
出版者
椙山女学園大学現代マネジメント学部
雑誌
社会とマネジメント = Journal of Management and Social Studies (ISSN:13485849)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.35-64, 2022-03-19

Abstract William E. Dodd was appointed to the U.S. Ambassador to Germany (1933-1937) after working at the University of Chicago as professor. He believed in the Jeffersonian Democracy and ardently supported Woodrow Wilson. Dodd had few acquaintances in the bureaucracy of the State Department. During staying in Germany, he continued to condemn anti-democratic, belligerent policies of the Nazi Germany. To restrain the Nazis, he envisioned an anti-German bloc, in which the U.S. took part. And he asserted that the Soviet Union joined the bloc, if possible. The State Department high officials also thought gradually that Germany was undesirable to the U.S. because German policies to the Western Hemisphere hindered the U.S. from building the sphere of influence in this area through the Good Neighbor Policy. Thus, both Dodd in Berlin and the State Department in Washington opposed to conciliatory policies to Germany, though Dodd’s opinions were often rejected by the State Department.
著者
清田 有希 大森 茂樹 河原 常郎 土居 健次朗 倉林 準 門馬 博 八並 光信
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2012, pp.48101860-48101860, 2013

【はじめに、目的】臨床では、Electrical Muscle Stimulation(以下EMS)を使用する機会は多い。EMSは、電気刺激によって筋収縮を起こし、筋ポンプ作用を働かせ、疲労物質の貯留が解消されることで、疲労が回復することが予想される。筋血管内の疲労物質は、この筋ポンプ作用により貯留が解消される。筋疲労は、最適な周波数と最適な刺激間間隔を定めることにより、筋ポンプ作用が促進され、筋疲労を回復させると考えられる。しかしEMSは、異なる周波数や刺激間間隔の違いにより筋疲労の回復に差が生じるかは不明な点が多い。本研究では、筋疲労を回復する最適周波数と最適刺激間間隔を比較し、筋疲労回復の電気治療の有効性について検討した。【方法】対象は、整形外科的、神経学的に問題のない健常成人24名、年齢27.2歳±4.0、BMI21.9±2.2であった。対象筋は、大腿直筋とした(電極:大腿四頭筋の筋腱移行部と大腿直筋のモーターポイント)。各療法の刺激間間隔は、1:1(5sec on:5sec off)、1:5(10sec on:50sec off)の2パターンとした。周波数は、1Hz、5Hz、10Hzの3パターンを行った。筋力測定は、対象の肢位をLeg Extension-Curl(HUR社製)の装置に股関節屈曲50°、膝関節屈曲60°、足関節背屈0°で固定した。最大筋力は、計測器PERFORMANCE RECORDER 9100(HUR社製)をLeg Extension-Curlに取り付け、大腿四頭筋の等尺性収縮での最大筋力を計測した。運動課題は、最大筋力測定時の膝伸展角度を制限として、最大筋力の40%の負荷量で膝関節の屈伸運動を行わせた。運動課題中は、メトロノーム(110bpm、4拍子)を使用し、4拍子目を最大伸展位となるように運動を行わせた。運動課題の終了は最大伸展位まで運動が行えない場合が2回続いた場合、運動課題中メトロノームのリズムから逸脱した場合とした。運動終了後、直ちに計測器で筋力の計測を行った。その後、マルチ電気治療器インテレクト アドバンス・コンポ2762CC(CHATTANOOGA GROUP社製)でEMSを各パラメータで20分間行った。電気刺激強度は、運動閾値の2倍の強度で行った。電気治療後、計測器により筋力の計測を行った。コントロール群は、EMSを施行せず、パッドを貼ったのみの施行を6人に行った。最大筋力を回復筋力で除したものを疲労回復率とし、統計処理は、コントロール群と各周波数の刺激間間隔群を比較した。有意水準は、5%未満とした。【倫理的配慮、説明と同意】所属施設における倫理委員会の許可を得た。対象には、ヘルシンキ宣言をもとに、保護・権利の優先、参加・中止の自由、研究内容、身体への影響などを口頭および文書にて説明した。同意が得られた者のみを対象に計測を行った。【結果】刺激周波数別に疲労回復率を比較すると、疲労回復率は、1Hzの1:1は120.0%、1Hzの1:5は134.0%、5Hzの1:1は103.0%、5Hzの1:5は116.7%、10Hzの1:1は115.4%、10Hzの1:5は117.4%となった。コントロール群の回復率は102.0%となった。コントロール群と各周波数別の比較では、コントロール群と1Hzの1:5の群のみに有意な差(P<0.02)を認めた。【考察】疲労回復の度合いをみると、EMSを施行した場合とコントロール群では、EMSを施行した場合の方が疲労回復率は高かった。EMSを行うことで、筋肉の収縮が起こり、筋肉内の疲労物質である乳酸の流動が生じ、疲労回復が促進されたと考えられる。Lindstromらは、活動筋における血液循環が低下することによって、筋中に産生された乳酸が除去されにくくなったことにより筋疲労が起こるとある。市橋らは、主運動後に軽い運動を行なうと血液循環が改善され体内の化学反応が促進されて回復が高まることや運動後の血中乳酸の除去率をクーリングダウンと安静で比較すると軽い運動をした方が、除去率が高いことが報告されている。このことから、EMSにより筋収縮が起こることで疲労の除去が行えると考える。コントロール群と比較し、EMSの各パラメータでは、周波数1Hz、刺激間間隔1:5のものが疲労回復に大きく貢献していた。Bentonらは、電気刺激による筋収縮は生理的収縮より疲労しやすく、長めの休息を設定する必要があるといっている。刺激間間隔は、1:1よりも1:5のパラメータでEMSを施行した方が、有意に差が生じたと考える。【理学療法学研究としての意義】現在、電気療法のパラメータの違いによる筋に与える影響についての研究や疲労回復に関して電気療法を行った研究はまだまだ少ない状態である。本研究により、電気療法のパラメータの適切な選択や電気療法が筋疲労の回復にも影響があることを証明し、理学療法やスポーツ場面の治療法の一助となると考える。
著者
伊藤 みちる
出版者
大妻女子大学人間生活文化研究所
雑誌
人間生活文化研究 (ISSN:21871930)
巻号頁・発行日
vol.2018, no.28, pp.660-695, 2018-01-01 (Released:2019-07-26)
参考文献数
107
被引用文献数
1

本稿は,旧英領カリブ海諸島におけるヨーロッパ系白人のアイデンティティとしての白人性の多様性に着目し,バルバドスとトリニダードを例に,白人性の違いやその特徴を探るものである.この課題は,フランス系トリニダード人の白人性構築の過程について探った拙稿 “Constructing and Reproducing Whiteness: An oral history of French Creoles in Trinidad” (2016) [1] と“French Creoles in Trinidad: Constructing and Reproducing Whiteness” (2006)[2] において,フランス系トリニダード人が他ヨーロッパ系白人と同一視されることが不本意であると強調していたことに端を発する.本稿では特に「ヨーロッパ系白人とは誰か」という問いを中心に,蓄積が少ないカリブ海地域の白人性に関する実態の一端を明らかにすることを目指した.そのため2016年8月と2017年2月にバルバドスとトリニダードを訪問し,ヨーロッパ系白人であると自己認識し,他者にも認識される者を対象にオーラル・ヒストリーの聞き取りを行った.本稿で引用した各島5名分の語りの分析から明らかになったのは,バルバドスのヨーロッパ系白人は自身の混血の事実を隠そうともせず,身体的特徴が許す限りバルバドス社会ではヨーロッパ系白人として認識され,ヨーロッパ白人として名乗れるということである.他方,白人としての純血性が重視されるトリニダードでは,ヨーロッパ系白人は自身の混血の可能性を否定し,異人種間結婚に嫌悪を示す者が多かった.バルバドス総人口の2.7%,トリニダードの総人口の0.7%しか存在しないヨーロッパ系白人が,今後も「白人」であり続けることは,特にこのグローバル化が進んだカリブ海地域では困難である.そのような状況下においてなぜヨーロッパ系白人としてのアイデンティティを強固に持ち続けるのか.それについては,後続研究としてヨーロッパ系白人と非ヨーロッパ系白人の交流に注視していきたい.
著者
田浦 太志 正山 祥生 森元 聡
出版者
一般社団法人日本生物物理学会
雑誌
生物物理 (ISSN:05824052)
巻号頁・発行日
vol.45, no.4, pp.178-184, 2005-07-25
被引用文献数
1 2

大麻に含まれるTHCは幻覚作用を有するが, 優れた鎮痛作用を示すことから医療への応用が期待されている重要な化合物である.THCの前駆体であるTHCAの生成機構を解析した結果, 本化合物は新規な性質を有する酸化酵素(THCA合成酵素)の触媒作用によって生合成されることが明らかとなった.
著者
砂川 正隆 藤原 亜季 池本 英志 塚田 愛
出版者
日本自律神経学会
雑誌
自律神経 (ISSN:02889250)
巻号頁・発行日
vol.56, no.3, pp.150-154, 2019 (Released:2019-09-27)
参考文献数
26

鍼治療は,不安障害,抑うつ,双極性障害,睡眠障害などの精神的要因の関連する症状にも適応されている.オレキシンは視床下部で分泌される神経ペプチドで,種々の自律機能の調節に関与しているが,ストレス反応の制御にも関与している.我々は,ラット社会的孤立ストレスモデルを用い,精神的ストレスに対する円皮鍼の効果,ならび作用機序の検討としてオレキシンの関与を調べた.7日間の孤立ストレス負荷によって攻撃性,コルチコステロンの分泌が上昇し,またオレキシンの分泌も上昇した.しかしながら,百会穴への円皮鍼治療によっていずれの上昇も抑制された.円皮鍼はオレキシンの分泌抑制を介して,ストレス反応を抑制したと考えられる.
著者
陶 徳民
出版者
関西大学東西学術研究所
雑誌
関西大学東西学術研究所紀要 = Bulletin of the Institute of Oriental and Occidental Studies, Kansai University (ISSN:02878151)
巻号頁・発行日
no.54, pp.311-321, 2021-04

When the Chief Executive of Manchukuo (established on March 1st, 1932) Puyi learned that he was going to be crowned Emperor on March 1st, 1934, with the new reign title of Kangde (Wade-Giles: Kang-te; 康德), he insisted tenaciously to wear the "dragon robe" passed down from the Guangxu Emperor during the ceremony in order to show the restoration of the Qing dynasty. But the Commander of the Japanese Guandong Army rudely directed him to wear the Western-style military uniform in order to declare the birth of a new empire. In a compromise, both rituals were performed. Based on Puyi's autobiography, Yamamuro Shinichi's critical analysis, and Naitō Konan's article in the Osaka Mainichi Shimbun newspaper dated January 21, 1934, and his letter to Prime Minister Saitō Makoto dated March 25, 1934, the present research note reexamines the controversial historical event and the concerns of Naitō Konan as a prominent historian of Manchuria and an opinion leader on the affairs of Manchukuo.本稿は科学研究費補助プロジェクト(基盤研究B)「大正期日本の中国研究と第一次世界大戦前後の世界 : 内藤文庫所蔵資料を中心に」(代表:陶徳民)による研究成果の一部である。
著者
前田 克明 西村 大介 前村 浩隆 森島 輝 張 全啓 海野 徹也 中川 平介 荒井 克俊
出版者
公益社団法人日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.69, no.2, pp.185-191, 277, 2003-03-15
被引用文献数
1 1

1996-1998年の皇居の上,中および下道灌濠で得たギンブナ201個体は三倍体(196)と四倍体(5)であり,それらの内,性判別を行った個体はすべて雌であった。DNAフィンガープリン卜分折の結果,7クローン(I-VII)が識別され,他に8個体が個体特異的パターンを示した。各クローンの出現頻度は年と濠により異なったが,クローンIが最も優占的であった。三倍体クローンIとVIは広島県黒瀬用のクローン8と6と各々同一であった。三倍体クローンIと四倍体個体のDNAフィンガープリントは酷似し,四倍体は三倍体から生じたものと示唆された。
著者
望月 祐志 中野 達也 佐藤 伸哉 坂倉 耕太 渡邊 啓正 奥脇 弘次 大島 聡史 片桐 孝洋
出版者
日本コンピュータ化学会
雑誌
Journal of Computer Chemistry, Japan (ISSN:13471767)
巻号頁・発行日
vol.20, no.4, pp.132-136, 2021 (Released:2022-03-17)
参考文献数
32
被引用文献数
2

We have been developing the ABINIT-MP program for fragment molecular orbital (FMO) calculations over 20 years. In 2021, the Open Version 2 series has started for large scale systems consisting of more than ten thousand fragments. This letter describes the current status of ABINIT-MP, including the speed-up as well as the situation of distributions over supercomputing facilities in Japan.
著者
横山 彰仁
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.93, no.12, pp.2656-2661, 2004-12-10 (Released:2008-06-12)
参考文献数
10

約25年前に強力な平滑筋攣縮を促す生体内分子としてLTC4, LTD4, LTE4が同定され,現在本邦ではこれらの受容体拮抗薬(LTRA)が3種類使用可能となっている.気管支拡張作用と抗炎症作用を併せ持ち,臨床的に有効な抗喘息薬として,欧米をはじめ多くの国で使用されている.現段階では吸入ステロイドが第一選択の抗炎症薬であることは疑いがないが,そのようななかでもLTRAは重要な治療選択肢としての役割が確立されている.本薬剤は,効果のバラつきが大きく,高価であるといった欠点があるが,経口薬であるためコンプライアンスの上昇や吸入薬がカバーしきれない末梢気道への効果も期待でき,また合併しやすい鼻炎などにも有益である点が優れている.気管支喘息に対し単剤での治療も可能であり,ステロイドとは相補的に作用することから吸入ステロイドの併用薬としても有用であり,すべての治療ステップでの適応がある.
著者
浜田 智哉 田中 果南 今井 友城 東山 雄一 田中 章景
出版者
一般社団法人 日本高次脳機能障害学会
雑誌
高次脳機能研究 (旧 失語症研究) (ISSN:13484818)
巻号頁・発行日
vol.37, no.2, pp.228-235, 2017-06-30 (Released:2018-07-02)
参考文献数
23

失語症臨床において保続を観察する機会は多いが, 保続は失語症評価訓練の阻害要因の 1 つとしても知られている。今回, 発症から 6 ヵ月経過し, 保続が主症状の 1 つであった失語症者に対して TAP (Treatment of Aphasic Perseveration) を参考に保続の減少を目的とした訓練を約 1 ヵ月間施行した。訓練手続きは TAP のエラーコントロールメソッドを取り入れ, さらに訓練中に表出された保続の種類の質的な分析を行うことで, 保続に対する TAP の作用機序を明らかにしようと試みた。結果として, TAP による保続の減少は訓練語以外へも汎化し, さらに実生活での言語表出能力をも向上させたことがわかった。 一方, 保続の質的分析の結果からは, TAP は主に直後型保続の減少に寄与していることが明らかとなった。
著者
宮崎 英一 坂井 聡
出版者
香川大学教育学部
雑誌
香川大学教育学部研究報告 = Memoirs of the Faculty of Education, Kagawa University (ISSN:24352020)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.43-48, 2022-03-31

本研究室では、以前からAIを用いたプログラミング教育としてエッジデバイスを用いた教材システムを開発してきた。しかし、以前に発表した Raspberry Pi 3 と Neural Compute Stick を組み合わせたエッジデバイスは所定の精度で画像認識を行えたが、教育現場で実装するには予算の面でもシステム構成の手間の面でも負担が大きかった。そこで本研究では、簡便で安価なAIカメラを用いて画像認識を行ったが、クラウドで計算する標準的な学習モデルは専門的な知識が無くても利用できる反面、アクセス制限や画像認識精度に問題がある事が分かった。そこで、Google Colaboratory を用いて自前で画像認識モデルを学習させる事でアクセス問題を回避し、認識精度を含めてAIカメラの教育現場での運用可能性を探るものである。
著者
加藤 孝明
出版者
Institute of Industrial Science The University of Tokyo
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.64, no.4, pp.429-432, 2012

2012年1月大手新聞社は科学的知見をもとに「マグニチュード (M) 7級の首都直下地震が今後4年以内に約70%の確率で発生する」と報道した. その後追随したマスコミは, 「東京湾北部地震」を「首都直下地震」として取り扱って報道した. 明らかな誤解である.<br>ここでいう「首都直下地震」は, 首都圏のどこかで起こる直下型地震のことをいう. 一般に直下地震の強震範囲は限定され, 首都圏全体が強震するわけではない. したがって, ある場所から十分に遠くで地震が起こっても被害は生じない. 4年で70%の発生確率の地震は, そういう地震をすべて含んだものである. 「東京湾北部地震」の発生確率ではないし, ある特定の場所が強震する確率ではない.<br> 今回の一連の報道は, 一見, 社会全体として防災意識を高め, 防災対策の推進に寄与したと言えそうだが, その一方で, 負の側面がある. 科学的な知識が正しく社会に伝わっていない. 対策推進に寄与したことは免責にならない. 科学的に正しい知識をもって防災意識を啓発し, 同時に防災対策を推進できる状況をつくることが本来の状況である.<br>本稿では, 1月23日報道の情報ソースのいう確率とその後の報道の確率の違いが異なることを解説した上で, 「M7級首都直下地震の発生確率」と「首都圏内のある特定の場所 (或いは, 地域) がM7級首都直下地震によって強震する確率」との関係を示し, 地震の発生確率の適切な提示の仕方について論考する.[本要旨はPDFには含まれない]
著者
井上 和子
出版者
神田外語大学
雑誌
Scientific approaches to language (ISSN:13473026)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.49-64, 2010-03

補文標識の中には、主名詞句の内容を表す補文(同格詞句と呼ぶ)を作る「という」「との」とは別に純粋に補文を導入する「と」がある。(i(c))はその例である。(i)-(a) 「昨日太平洋岸に津波があった」というニュース -(b) 「次の会合には出席する」との加藤氏のことば -(c) 議長は「明日の会議は延期する」といった。 -(d) 議長が欠席したことが問題にされた。 -(e) 地震のニュースが一部に伝わらなかった事実が明らかになった。これまでの研究では、補文を名詞化する「こと」「事実」(i(d-e))と「と」を区別するに留まり、「と」に関する詳しい研究は無かった。本論文では、「と」の統語上、意味上の特徴を検討し、これらの分布と機能を説明するのに二種類の「と」を仮定し、その根拠を示す。